若手女優成長率No.1?前田敦子の演技が超絶賛!役者デビュー時と最近の演技を徹底比較
3年連続で映画賞を受賞したこともある前田敦子さん。ご本人も「大好きな映画の仕事に関われること」を大切にされていますが、最初から演技派だったのでしょうか?出演作品とともに振り返ってみましょう。




前田敦子の演技の成長率が話題!
そもそも前田敦子の好感度ってどうよ?
ビデオリサーチが毎年2月と8月の年2回発表している「女性タレント人気上位50位」によると、2016年は通年1位綾瀬はるか、2位浅田真央、3位天海祐希という結果でした。
驚くべきことに、50位までに前田敦子はじめAKB48関係者は一人もランクインしていませんでした。社会現象とまで言われた『AKB48』であっても、好感度となると格段と下がるのでしょうか。
知名度.netの調査では、15~75歳の男女の『AKB48』の知名度は99.5%と、日本国民の誰もが知っていると推定しています。前田敦子については、15~75歳の男女の77.06%が、20~35歳の男女に至っては99.5%が知っているというのです。
前田敦子は、そこそこ名の知られたタレントで、彼女が国民的アイドルグループの『AKB48』のメンバーであったという認識を持つ人が多いようですが、必ずしも好感をもっている訳ではないと言えるのでしょうか。
この仮説は、第3回AKB総選挙で1位になった前田敦子が泣きながら訴えた「私のことは嫌いでも、AKBは嫌いにならないでください!」に、帰結する気がします。このひとことは、芸能史に残る名言であり、前田敦子本人が自分がどう思われているのかを適切に自覚した上での発言であった気がしてなりません。
は!
— 前田敦子 (@Atsuko_100) 2016年11月1日
僕のおじさんのおじさんが私の所にやってきました!笑
映画のおじさん本当に可愛いですよ(^o^) pic.twitter.com/rYBCFKbe9I
あっちゃんが人を惹きつける理由は?
前田敦子の熱狂的なファンは、彼女の不器用さや自分に厳しくストイックに努力する姿に惹かれるようです。確かに、AKB48のオーディションの時は、歌も踊りも下手くそで、「落ちた」と思っていたようですが、なぜが合格していたと本人も言っています。
オーディションで歌い終わった前田敦子は暗かったようですが、質問されて最後にニコッとした笑顔がとてつもなく可愛く、審査員の間で「暗いけれども最後の笑顔が凄かった」ということで、オーディションを通過したといいます。
ずば抜けてキレイであるとかオーラがある、あるいは歌や踊りが素晴らしいでもないのに、笑顔ひとつで人の心を掴んでしまうというのは、まさに前田敦子が持って生まれた才能なのではないかと思いますが、いわゆる『魔性性』につながるのではないでしょうか。
かわいい、清純さといったこれまでのアイドルに求められた要素にとどまらず、秋元康氏や前田敦子ファンも認める「努力家で頑張り屋」のあっちゃんに加えて、魔性性としたたかさも兼ね備えているところが、前田敦子の魅力なのではないでしょうか。
「友達がいて、先生がいて、父がいて兄がいて、母がいる。これが私です。そしてまずは今日を、私は、私らしく生きてみます。私たちの描くストーリーは、きっとハッピーエンドです。」#あしたの私のつくり方 pic.twitter.com/BJp7y94tvN
— Kotori (@kotori_hina1) 2016年2月14日
初出演作は‥‥
夢の実現に向けて!
前田敦子の女優デビュー作は、AKB48でデビューして2年目の既に『絶対的エース』だった、2007年4月に公開された映画『あしたの私のつくり方』(市川準監督作品)です。この映画で、準主役の花田日南子を演じました。
当時、まだ16歳だった彼女は、役作りのために、肩まで伸ばしていた髪をショートカットにし、入浴シーンもいとわないという体当たりの演技で、世間の「アイドル」像とはかけ離れた大胆な行動も話題になりました。
デビュー当時から「女優志望」の前田敦子でしたが、夢の実現に向けての第一歩である映画初出演では、意外にも戸惑いがあったようです。その当時の心境を聞くと、早くから大人社会にいても、「まだ子供だったんだな」と微笑ましく感じます。
実は「すっごく嫌でした。怖くて、自信がなさ過ぎて。実際、現場に入っても『早くAKBに帰りたい』とか、そんな事ばかり言ってました」。夢の女優業だったが、あまりにもどうすればいいかのわからず、それが「嫌だ」という感情に繋がってしまった。
出典: 48pedia.org是非ともスクリーンで観たい!#あしたの私のつくり方#市川準監督@megurocinema @elisa_yanagi pic.twitter.com/ZKCvKFPGIP
— だっぴ。 (@hikkey164) 2016年11月23日
初出演作の当時の評価は?
主演の成海璃子は、当時から末恐ろしいとまで言われたほど、演技力を高く評価されていたので、本作での堂々とした演技で小学校から高校生までの多感な少女を見事に演じたと大絶賛されました。それに比べて前田敦子は、ショートカットにしたことで、前田敦子に気づかない人もいたほど別人に映りました。
前田敦子の演技がどうだったかという以前に、「まだあどけなさの残る、おどおどした暗い子が出ていた」といった印象を残しました。殆どの人が、成海璃子あるいは市川準監督作品を観に来ている本作でしたが、前田敦子の演技に対する評価はどうだったのでしょうか。
「表現力に乏しい」、「せりふ回しがなってない」と手厳しい見方もある一方で、ポジティブな評価には必ずと言っていいほど、「あの前田敦子が」、「思ったよりもよかった」といったコメントが出てきます。
当時の彼女は、AKB48のコアなファンには熱狂的に支持されていましたが、世間では今ほどの知名度はなく、完全アウェイな映画作りという現場でよく頑張った、これからに期待するといったところが、正当な評価だったのではないかと思います。ちなみに、本作で第81回キネマ旬報新人女優賞候補にノミネートされました。
何作品か出演も、評価は賛否両論‥‥
苦役列車では!?
2012年7月14日公開の『苦役列車』(山下敦弘監督作品)では、ヒロインの桜井康子に抜擢されました。この作品では前田敦子の“濡れ場”とでもいうのでしょうか、『水』が効果的に使われているシーンがあります。
主演の森山未來とその友人役の高良健吾と前田敦子の3人で、下着一枚になって海に入り水で戯れるというシーン。土砂降りの雨の中で、前田敦子が森山未來に頭突きをかますシーン。
それ以上に、「えっ、そこまでやる!?」と観客の度肝を抜いたのは、アパートで暮らす寝たきり老人(男性)の下の世話を、表情ひとつ変えず淡々と尿瓶片手に演じたシーンでしょう。“濡れ場” 以上の衝撃を与えたハズです。
原作者の芥川賞作家でもある西村賢太さんは、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、一風変わった作家です。西村氏本人が、熱烈なAKB48の柏木由紀ファンと公言してはばかりません。苦役列車は、そんな西村氏の原体験がモチーフとなった私小説です。
同作のヒロインが前田敦子に決まった際にマスコミから感想を聞かれた西村氏は、「作品は傑作だが、映画は前田敦子を起用した時点で駄作だ」といった主旨の発言をして、周囲を苦笑させたエピソードがありました。
実は「もらとりあむタマ子」なのでは?
— グラビトン・ボルト(1000%) (@adnojifhinfo) 2016年11月24日
ナンセンスでのんびりした魅力的な人に見える可能性が多少あると思う。 #モテる映画 pic.twitter.com/NwObMM6pgp
初の主演作「もらとりあむタマ子」
2012年8月に人気絶頂でAKB48を卒業した彼女に、数多くの仕事のオファーがあったことは想像に難くありません。そんな数多くの選択肢の中から記念すべき仕事として、彼女が選んだのが本作になります。
2013年11月23日公開の『もらとりあむタマ子』は、苦役列車と同じ山下敦弘監督作品ですから、苦役列車で山下監督が前田敦子のポテンシャルに惹かれ、本作主演につながったのではないかと踏んでいましたが、やはりその通りでした。
マッチポイントの根岸洋之プロデューサーに相談したところ、(中略)実は山下監督は前田敦子という女優に相当魅力を感じているはずで、それこそこの企画にはぴったりではないかと考え、前田さんサイドに提案する企画を考える事になりました。
出典: www.bitters.co.jp
この映画では、大きな事件は起こりません。東京の大学は出たものの就職もせず、甲府で一人暮らしをする父親の元に戻って、仕事にも行かずダラダラと家で過ごすニートの主人公タマ子のささやかな日常の物語ですが、その独特の間を前田敦子は見事に演じ切りました。
前田敦子主演『イニシエーションラブ』
2度観たくなる映画「イニシエーション・ラブ」
『イニシエーション・ラブ』は、130万部を超えるベストセラーを記録した乾くるみの小説を実写化した作品です。小説のジャンルは恋愛小説でもあり、ミステリーにもカテゴライズされています。
本のカバーには「最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する」と注意書きがあり、「読み終わった後は必ずもう一度読み返したくなる」と宣伝された話題作でした。
映画では主人公の歯科助手マユを前田敦子が演じ、女の子に不慣れな大学生鈴木との出会いから付き合うようになるまでを描いた静岡編の「Side-A」、就職して東京へ転勤となった鈴木と静岡に残ったマユとの遠距離恋愛が次第に終焉を迎える東京編の「Side-B」の2部構成になっています。
前田敦子の相手役には、若手俳優の中で圧倒的存在感のある松田翔太が起用されました。映画の方も原作と同様に、ラスト5分でラブロマンスからミステリーに転じる作風に意表を突かれ、「2度観たくなる映画」と評されました。
前評判とその後/当時の評価
ベストセラーの映画化であるため、作品への思い入れの強いファンは「こうあるべき」というイメージを持っていますから、実写化となると当然のように反発は起こります。本作も制作発表の時点でのネガティブな声は、数多く聞かれました。
「マユが前田敦子なら観ない」、「イメージが違う」、「タクヤが松田翔太なのはわかるけど、マユが前田敦子だっていうのは納得がいかない」といった反発の声が多く寄せられ、前評判は散々でした。
そんな状況が映画公開されるやいなや、反発から一転!!鑑賞した人たちからの前田敦子へのポジティブな声が目立つようになりました。「前田敦子さんの演技が光っていました」、「前田敦子さんを使ったことが成功」、「前田敦子さんを正直なめてました。すいません。」等々。
前田敦子の演技に完全にノックアウトされた感が否めません。しかも、「前田敦子」と呼び捨てにされていたのが、「前田敦子さん」と敬称をつける人が増えるという変わりようでした。
観客の評価は「手の平返し」!!
前田敦子の作品選びを考察
これまでにとりあげてきた前田敦子が出演した映画作品を改めてみてみると、前田敦子は着実に演技力をつけてきていると思いますが、なぜか世間の評判は毎回「あの前田敦子」とネガティブ発言から始まり、その声の占める割合が多いのが実情です。
それでも、前田敦子はそのネガティブな声の割合を跳ねのけて、年々『右肩下がりに(!?)』少しずつ少なくしてきているようにも感じます。もしかしたら、本人は批判の声を気にしていないのかもしれません。ただ、本人が納得のいく作品で納得のいく演技ができればいいと、腹をくくっているのではないでしょうか。
前田敦子の代表作は「まだない」との声もあるようですが、それは「興行収入的に」という枕詞がつく代表作なのではないでしょうか。現時点での前田敦子の代表作として、奇しくも同じ山下敦弘監督作品の『苦役列車』と『もらとりあむタマ子』をあげたいと思います。どちらも、前田敦子でなければ成り立たない映画であったと感じます。
今後に期待すること
一般人にも言えることですが、現代社会を生き抜くためには『自分を俯瞰する力』が絶対に必要だと思います。その上で、今の芸能界を生き抜くためには、周りのブレーンだけではなくタレント自身にも、『セルフプロデュースする力』が必要ではないかとも感じますが、どちらも前田敦子には備わっていると見ています。
今どきのアイドル、特にAKB48関係者には、この2つの力に加え『発信する力』も求められると思いますが、『発信する力』を持っている突出した存在は、指原莉乃でしょう。
では、前田敦子はダメなのかというと、そうではありません。前田敦子は、徹底的に監督に委ねて『発信する力』を持っているからこそ、『素材に徹する』という意味で女優向きです。ナチュラルで演技をしていると感じさせない凄さが彼女の強みでしょう。しかも、悪女役もできるという。『イニシエーション・ラブ』や『毒島ゆり子のせきらら日記(2016年4月20日 - 6月22日、TBS)』での前田敦子の演技は、魔性性の真骨頂でした。
今の前田敦子を漢字一文字で表現すると、『哀』ではないかと思います。今後は、コメデイーや時代劇での大名の正室にも挑戦してもらいたいです。
ヤー! pic.twitter.com/z7Czd2TRBF
— 前田敦子 (@Atsuko_100) 2016年3月25日
まとめ
いかがだったでしょうか。あっちゃんの笑顔にキュンとして、ほおっておけないと感じる人は多いと思います。ニコニコしながら男を手玉に取る魔性の女を演じたら天下一品で、同年代の女優で右に出る者はいないのではないでしょう。
そんな前田敦子の進化が多くの人に認められことを期待したいですね。
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目次
• 前田敦子の演技の成長率が話題!• 初出演作は‥‥
• 何作品か出演も、評価は賛否両論‥‥
• 前田敦子主演『イニシエーションラブ』
• 観客の評価は「手の平返し」!!
• まとめ