2017.01.26.Thu. 10ヶ月前 よたか

青春は嘘から始まる!四月は君の嘘 名曲・名言・名シーン22選!

のだめカンタービレに続くノイタミナ枠のクラシック音楽アニメで、幅広い年齢層から支持され実写化されました。今回は挿入曲に対する登場人物たちの気持ちを中心に書きました。

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目次

• 心地よい演奏に引き込まれ 美しい描写に涙する作品です
• 絵になるなぁ ブレーメンの音楽隊だ(有馬公生)
• やっぱりピアノには イヤな感じしかしない?(澤部椿)
• この曲はまぎれもなく彼女のモノ(有馬公生)
• やっぱり幸せなピアノじゃない(宮園かをり)
• 僕の住んでいる街は カラフルに色づいている(有馬公生)
• あぁ 公生がまたピアノを弾いている でも……(澤部椿)
• こらこら友人A 主役を食おうとするんじゃないわよ(宮園かをり)
• 私を見てよ そんな目で誰かを見ないで(澤部椿)
• ライバルとは特別なモノだ 他人の教えより 何万倍も成長させる(高柳明)
• 倒すべき目標が消えていたから だけど今日は違う(落合百合子)
• 手が私に触れて喜んでる ピアノが弾きたいってウズウズしてる(宮園かをり)
• ふぅん やるじゃん 凡才(瀬戸紘子)
• 悩んで 迷って 苦しんで 辿り着いた答えは 笑っちゃうくらいシンプルで(有馬公生)
• 私たちの息子が 最後のお別れをしに行くから(瀬戸紘子)
• 楽譜はあんなに愛に溢れていたのに(宮園かをり)
• 私は天使のように優しい 薄情者の君に贖罪のチャンスを与えよう(宮園かをり)
• この舞台の主役はあんたよ 一歩も引くな(瀬戸紘子)
• あの時予感がしたんだ 何かが変わるかもしれないって(相座凪)
• また夢を見ちゃうよ いつか君とワルツを だなんて(宮園かをり)
• 全身全霊でぶつかれるすげぇ奴らがいる 俺は幸せだ(相座武士)
• ほら 奇蹟なんてすぐ起こっちゃう(宮園かをり)
• 僕らは誰かと出会った瞬間から ひとりではいられないんだ(有馬公生)
• 拝啓 有馬公生さま(宮園かをり)

心地よい演奏に引き込まれ 美しい描写に涙する作品です

人生で最も多感な時期に、人生の選択をする中学生たち

押さえきれない感情をもてあまし、ちょっとしたことで気持ちが揺れる。<b>将来に不安を感じながら、高校受験のために勉強をする。</b>大人たちがスルーしてしまう事でも、立ち止まって悩んでしまう。<br><br>このアニメは、そんな思春期の心情を丁寧に描写しています。登場人物たちの<b>詩的な描写はいつまでも耳に残ります。</b>演奏中の<b>モノローグは曲を一層引き立てます。</b>作中の<b>引用は物語に奥行きをもたせます。</b><br><br>今回も登場人物たちの言葉を借りて、<b><span class="wysiwyg-color-festy-red">名曲、名言、名シーンを紹介させていただきます。</span></b>

押さえきれない感情をもてあまし、ちょっとしたことで気持ちが揺れる。将来に不安を感じながら、高校受験のために勉強をする。大人たちがスルーしてしまう事でも、立ち止まって悩んでしまう。

このアニメは、そんな思春期の心情を丁寧に描写しています。登場人物たちの詩的な描写はいつまでも耳に残ります。演奏中のモノローグは曲を一層引き立てます。作中の引用は物語に奥行きをもたせます。

今回も登場人物たちの言葉を借りて、名曲、名言、名シーンを紹介させていただきます。

絵になるなぁ ブレーメンの音楽隊だ(有馬公生)

第1話 久石譲 ハトと少年


土曜日に、椿(澤部椿:cv:佐倉綾音)に誘われた。時間をもてあましていると、奥の公園からピアニカの演奏が聞えてきた。誰かが『ハトと少年』を弾いている。かなり上手い。音色を辿って行くと、そこに彼女(宮園かをり:cv:種田梨紗)がいた。

子どもたちと一緒に演奏をする彼女の姿は『ブレーメンの音楽隊』のようだった。思わず携帯のシャッターを切った。その瞬間に春一番が吹いて、彼女のスカートの裾が舞い上がった。盗撮だと彼女から責められた。

最悪な出会いだったけど、彼女は躊躇いもなく「君も行こう」と僕の手を握った。僕は逆らえなかった。僕のモノクロームの世界で、カラフルな彼女はとても眩しかった。14歳の春、僕は君と走り出す

やっぱりピアノには イヤな感じしかしない?(澤部椿)

第2話 ベートーベン バイオリン・ソナタ第9番(クロイツェル)第1楽章


かをちゃんから、渡(渡亮太:cv:逢坂良太)を紹介してと頼まれたんだけど、大して気に留めてなかった。だけど、かをちゃんがバイオリンのコンクールに出ると言ったので、公生(有馬公生:cv: 花江夏樹)を引っぱりだして一緒に行く約束をした。

6年生の時に公生が出てからだから2年ぶり。やっぱり公生は少し機嫌が悪いみたい。それでもコンクールが始まると公生は集中して演奏を聞いてる。昔の公生が帰って来たみたいでちょっと嬉しくなった。

そして、かをちゃんの演奏が始まる。前の人たちと全然ちがう。カッコいいしライブみたいにお客さんも盛り上がってる。「優勝かなぁ」って公生に言ったら、コンクールだから優勝も、入賞も無理だって言ってた。ちょっとつまんないな。

四月は君の嘘 単行本第1巻 宮園かをり演奏曲 クロイツェル

この曲はまぎれもなく彼女のモノ(有馬公生)

第2話 ベートーベン バイオリン・ソナタ第9番(クロイツェル)第1楽章


彼女がバイオリニストだとは聞いていたけど、コンクールの予選を観に行くなんて椿は言わなかった。「やっぱりピアノには、嫌な感じしかしない?」そんなことを聞かれても何も答えられなかった。

それでもコンクールが進むにつれて、バイオリンの音色が耳に馴染んできた。そして彼女の演奏。テンポも強弱も感情のままに、自分の思いどおりに演奏してる。ベートーベンのものじゃない。この曲はまぎれもなく彼女のもの。そして演奏している彼女は美しかった。

なんであんなに楽しそうなんだろう。演奏の後でロビーで彼女から「どうだった?」と聞かれた。小刻みに震える手に気がついた時、演奏する時の恐さを思い出した。もう僕が上がることがない舞台のことを思い出した。

やっぱり幸せなピアノじゃない(宮園かをり)

第3話 モーツァルト きらきら星変奏曲


帰り道に有馬君を待ち伏せしたの。もしかしたら夢が叶うかもしれない。だけど浮かれちゃダメ。いつもの通りにしなきゃダメ。行きたかったカフェに誘ったら、おとなしくついて来てくれた。

小学生の女の子がピアノで『きらきら星』を弾きはじめた。絶好のチャンス。さっそく声を掛けて「あのお兄ちゃんが超上手だから……」と言って有馬君をピアノの前に引っぱり出した。彼は演奏を始めた。有馬君はピアノを忘れていない。忘れられないんだ。

だけど、有馬君は途中で演奏を辞めた。苦しそうな表情を見ると少し心が痛む。それでも気にしない。気にしちゃダメ。そしで夢を叶えるために口にした。「友人A君を私の伴奏者に任命します」

僕の住んでいる街は カラフルに色づいている(有馬公生)

第3話 サン=サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ


いきなりだった。宮園さんにピアノ伴奏を頼まれた。音が聞えないことも、ピアノを弾いていないことも言った。だけど、宮園さんはお構いなしだった。そして、椿も一緒になって伴奏をさせようとしてる。

二次予選の当日は、顔を合わせると逆らえないから屋上でサボっていた。そこへ会場へ行ってるはずの宮園さんがやって来た。「君がイイの」「支えてください」そう言って彼女は涙を見せた。もう逃げ切れないと思った。

伴奏なんて無理だと思った。自信なんてこれっぽちもなかった。だけど『無理かどうかは女のコが教えてくれる』って、渡が言ってたっけ。こういうことなのかもしれない。「どうなっても知らないからな」と言った。決意した宮園さんの瞳が眩しかった。

あぁ 公生がまたピアノを弾いている でも……(澤部椿)

第4話 サン=サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ


公生にピアノ伴奏を頼んだと申し分けなさそうに、かをちゃんが言った。よくわからないけど、舞台で公生がピアノを弾くのは大賛成。だから、かをちゃんに協力することにしたんだ。

当日、逃げた公生を会場まで連れてきた。公生が舞台に上がった時、とても懐かしかった。嬉しかった。続けるのか辞めるのかわからないけど、公生はこれで音楽にケリをつけてくれるかもしれない。

そして2人の演奏は中断した。さすがにいたたまれない。だけど再開した演奏は私でもわかるくらいすごかった。客席の空気が変わってるのがわかった。ただ2人のアイコンタクトを見た時に、少し不安になった。ちょっとだけ後悔した。

こらこら友人A 主役を食おうとするんじゃないわよ(宮園かをり)

第4話 サン=サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ


もう少しで夢が叶いそうだった。だから私はもう誤摩化さない。ただただ一緒に弾いて欲しかった。「くじけそうになる私を支えてください」有馬君は迷いながらも、伴奏を引き受けてくれた。

演奏中に音がとれなくなった彼は伴奏を止めた。そんなこと最初から覚悟してた。だから私も演奏を中断した。ざわつく会場。だけどそんなのどうでもいい。ただ私は有馬公生君と一緒に弾きたかっただけだもん。彼を引っぱるつもりで弾き直した。

再開した演奏も酷かった。だけど、だんだん合ってくる。それどころか有馬君は遠慮なく攻め立てる。面白いじゃない。全力でぶつかれる。思いっきり弾ける。ずっとこんな演奏したかったんだよ。会場から声援が聞える。遠のく意識のなかで、夢が叶った喜びだけを感じてた。

四月は君の嘘 単行本2巻 デュオ演奏曲 序奏とロンド・カプリチオーソ

私を見てよ そんな目で誰かを見ないで(澤部椿)

第6話 ショパン エチュード ホ短調 作品25-5


公生がピアノのコンクールに出ることになった。公生にはピアノを弾いていて欲しいけど、苦しんで欲しくない。そしてかをちゃんが『私たち』と言うたびに、公生との距離を感じた。ともてイヤだった。

公生がソフトボールの試合を観にきた。隣にはかをちゃん。音楽で繋がってる2人。イヤだよそんなの。試合は私が暴走して負けてしまった。帰り道は公生が怪我をした私をおぶってくれた。こらえてた涙が溢れてきた。このまま時間が止まっちゃえばいいのに。

コンクールの日、公生が舞台でピアノを弾きはじめた。嬉しい。だけど、すぐに速くなって演奏を辞めちゃった。これじゃ公生が可哀想だよ。また公生が傷ついちゃう。心配でたまらない。だけど公生はもう一度弾きはじめた。

今度はとても綺麗な演奏。綺麗だったけど、その曲はかをちゃんのために弾いているんだってすぐにわかった。辛いよ公生。お願い私を見てよ。

ライバルとは特別なモノだ 他人の教えより 何万倍も成長させる(高柳明)

第8話 ショパン エチュード 嬰ハ短調 作品10-4


武士(相座武士:cv:梶裕貴)が、ドイツからの招待を断ってまで待っていた、有馬公生がコンクールに戻ってきた。武士のテンションが目に見えて上がっていく。舞台でも緊張感を保ちつつ、リラックスしたいい表情だ。気負うなよ武士。

入りは上出来だ。しっかりした演奏。何も心配する事はない。武士はずっと有馬を追いかけきた。突然姿を消した有馬は、武士の中でより大きな存在となって、相座武士というピアニストを成長させてくれた。

今日の演奏は完璧だ。これで有馬に決定的な差をつけてやれば、武士も心置きなく海外へ目を向けてくれるだろう。本当に有馬公生には感謝している。

四月は君の嘘 単行本3巻 相座武士演奏曲 ショパン エチュード10-4

倒すべき目標が消えていたから だけど今日は違う(落合百合子)

第8話 ショパン エチュード イ短調 作品25-11 木枯らしのエチュード


絵美が待ちつづけた有馬君がコンクールに戻ってきた。ずっと倒すべき目標が消えていたけど今日は違う。相座君の先生、高柳明(cv:大山鎬則)先生がワザワザ嫌味を言いに来た。

でもね、高柳先生、相座君の王座は今日で終わり。絵美が終わらせる。絵美の演奏が始まった。絵美はシケた海のように感情が不安定だけど、今日はピークの状態で弾けるはずだ。イケ。絵美。ぶつけなさい。自分の想いを届けなさい。

有馬君の演奏を聞いてピアノを始めた絵美は、有馬君に対して特別な想いがあるに違いない。それがなんなのかは解らない。だけどその想いはきっと届いているはずだ。私(落合 由里子:cv:田中敦子)は、絵美の演奏を聞いてそう感じた。

四月は君の嘘 単行本4巻 井川絵見演奏曲 ショパン「木枯らし」

手が私に触れて喜んでる ピアノが弾きたいってウズウズしてる(宮園かをり)

第10話 ショパン エチュード ホ短調 作品25-5


有馬くんにピアノを弾かせてコンテストに応募したのは、私のワガママ。だけど有馬君は「ありがとう」と言ってくれた。嬉しかった。だけどこの気持ちは絶対に隠さないとダメ。有馬君を、椿ちゃんを苦しめちゃう。

だから彼が倒れた時は慌てた。彼を追いつめた。それでも彼はピアノを弾くと言った。もう励ますしかない。有馬君のまま真摯に弾いてくれれば、それで構わないとその時は思った。

有馬君の演奏が近づくにつれて、だんだん苦しくなってきた。そして、有馬君のピアノの音を聞いて安心した。だけど、すぐに音がズレて演奏を辞めてしまった。私のワガママで有馬君を傷つけてしまった。ごめんなさい有馬君。

それでも有馬君は弾き直した。初めて聞いた時の有馬君が帰ってきた。お帰り有馬公生君。ちゃんと届いたよ。音楽の中に君がいたよ。

ふぅん やるじゃん 凡才(瀬戸紘子)

第10話 ショパン エチュード ホ短調 作品25-5


早希が死んでピアノから離れてずっとコンクールに出てなかった公生がエントリーしてるのを知って、いても立ってもいられなかった。だけど、舞台の上の公生はピアノの前で躊躇い立ち止まった。そして演奏を始めた。

弾きはじめこそ、譜面を正確に弾きつづけていたけど途中から乱れはじめた。多分音が聞えないんだろう。泣きじゃくる子どものように鍵盤を叩いて、そして演奏を中断した。もう公生にピアノは無理なのかもしれない。

それでもまた弾き始めた。まだまだ速い。コンクールはもう失格なんだから辞めても構わないのに。そして、音が変わった。あぁそうか。誰かに届けるために弾いてるんだ。早希、私たちの息子はこんなに一途にピアノを弾いてるわよ。

有馬公生は天才なんかじゃなかった。母親の死がショックでピアノが弾けなくなって、誰かのためにピアノを弾く、普通の少年だったんだ。

四月は君の嘘単行本5巻 有馬公生演奏曲 ショパンエチュードop.25-5

悩んで 迷って 苦しんで 辿り着いた答えは 笑っちゃうくらいシンプルで(有馬公生)

第6話 海図にない海を帆走するには勇気がいるのよ スヌーピー『ピーナッツ』より


夕方に音楽室で練習していると宮園さんが来た。思うように弾けない僕を見て申しわけなさそうに涙を流した。苦しいのはあたり前なんだけどな。積もった埃を払って、ピアノを弾くキッカケをくれた事にありがとう。なんだけどな。

それからも宮園さんは何かと気に掛けてくれた。掌を合わせてピアニストの手だと言った。僕はただただ真摯に弾くしかないようだ。コンクールの当日、他の演奏者の演奏を聞いて、音楽は血がたぎるモノだったと思い知った。

僕の演奏は中断してしまったけど、宮園さんの姿がもう一度弾けと言う。容赦のない人だ。だったら彼女のためだけに弾こう。彼女だけに届けばいいや。演奏してると彼女を感じた。

モーツアルトは旅をしろと言った。この先になにがあるのかなんて解らない。僕らはまだ旅の途上にいるんだ。

私たちの息子が 最後のお別れをしに行くから(瀬戸紘子)

第13話 クライスラー 愛の悲しみ ラフマニノフ ピアノ独奏版


早希が学生の頃から弾いていた曲。宮園かをりがどうしてこの曲を選んだのかは知らないけれど、この曲は、公生にとって早希の思い出。ひとりでずっと向き合ってきたようだった。

ガラ・コンサートの朝、宮園かをりは来ていない。破天荒とは聞いていたけど、こんな事でこの曲を台無しにして欲しくない。宮園かをりは間に合わなかった。そして、公生はひとりで舞台に上がって『愛の悲しみ』を弾き出した。

だけどね、公生。そんなに乱暴に弾かないで。思い出の曲でしょ。お願いだからもっと優しく弾いてあげて。そうよ。そんな風に抱きしめるように優しく弾いてあげて。そう。早希にも届くように。

公生をピアニストにしたのは私。公生を追いつめて苦しめて逃げていたのは私。早希に合わす顔がなかった。私はやっと許された気がした。ありがとう公生。

四月は君の嘘 有馬公生演奏曲「愛の悲しみ」ラフマニノフ

楽譜はあんなに愛に溢れていたのに(宮園かをり)

第11話 僕がいつもそばにいて、助けてあげられるとは限らないんだよ チャーリー=ブラウン『ピーナッツ』より


ガラ・コンサートの招待状が届いた。有馬君とまた舞台に立てる。彼が大事にしていた楽譜『愛の悲しみ』を弾いてみたいな。きっと彼も喜んでくれる。練習で遅くなった帰り道で、有馬君は「コンクールの演奏中に『君がいたんだ』」と言ってくれた。

とても嬉しかった。私もずっと一緒にいたいよ。でも多分これが最期。だから後悔しないように演奏させて。後悔しないように有馬君の伴奏で私のバイオリンを歌わせてほしいんだ。

一緒に練習して、音楽のことで真剣に言い合えるなんて、まるで夢みたい。一緒に帰る夜道も楽しくてとても幸せ。これで後悔しなくてすみそうだよ。ありがとう有馬君。

だけど、舞台には立てなかった。また倒れちゃった。きっともう無理なんだ。一度は夢が叶ったんだから、私はそれで満足する事にした。

私は天使のように優しい 薄情者の君に贖罪のチャンスを与えよう(宮園かをり)

第16話 あたしと心中しない『いちご同盟』より


もう弓も持てなくなった。もう弾けないみたい。ガラ・コンサートの前日に倒れた時から覚悟してた。だから後悔なんかしてない。一緒に買い物したり、夜の学校を探検したり、星空の下で歌ったし思い出も一杯あるから未練もない。

多分、渡君は知らないで持って来たんだろうけど、お見舞いに持ってくる本じゃないよね。だけど有馬君もこの本を読んだんだみたいだから、死んだ女の子セリフを言ったら、もう私が死んじゃうって伝わるかな。

あなたって本当に変な人。病院にお見舞いに来たのに、ずっと黙り込んでいるんですもの
あたしと心中しない?

有馬君には伝わったみたいだった。『君は王女様じゃない。小説のヒロインじゃない。僕はラヴェルなんて絶対弾かない』って言ってくれた。有馬君のせいで未練が生まれた。

この舞台の主役はあんたよ 一歩も引くな(瀬戸紘子)

第18話 チャイコフスキー 眠りの森の美女より『ワルツ』 ピアノ連弾版


公生が一緒に演奏したいと、凪(相座凪:cv:茅野愛衣)に頼み込んだ時から何かが変わる気がした。理由はともかく、公生がやる気を出してくれた。凪も成長していくに違いない。

練習を重ねるごとに上手くなってるし、息も合ってきてる。なにも心配ないと思っていたのに、凪がトイレに逃げ込んだ。あの日の公生を思い出す。でも今度は逃げない。今度は指導者としてちゃんと凪を励ませたと思う。

演奏がはじまると、公生がプレッシャーを掛けはじめた。どうするの凪。この舞台の主役でしょ。決着つけようよ。凪は食いついていく。凪は本当に成長した。人の成長って本当にたまらないな。楽しいよ。

あの時予感がしたんだ 何かが変わるかもしれないって(相座凪)

第18話 チャイコフスキー 眠りの森の美女より『ワルツ』 ピアノ連弾版


有馬公生と連弾する事になってから差を見せつけられて辛かった。どんなに練習しても追いつけない。周りから色んな声が聞える。全然できてない。もうイヤだ。それで一度は逃げちゃったの。

舞台袖で出番を待っている時に、有馬公生と手を握ったの。震えてた。あぁ、有馬公生もやっぱり恐いんだ。かけがえのない13年だ。信じよう。音楽に傾けた時間を」と有馬公生が言ってくれた。

でも、演奏が始まるとガンガンプレッシャーを掛けてきた。上等よ。2カ月前なら置いてけぼりだったけど、ちゃんとついていける。音楽に傾けた時間は本当に無駄じゃなかった。ありがとう。疲れているけど、ずっと弾いていたいな。

演奏が終わってから、会場からの拍手が気持ちいい。ありがとう瀬戸先生、有馬先生。

四月は君の嘘 公生+凪 ピアノ連弾曲「薔薇のアダージオ」

また夢を見ちゃうよ いつか君とワルツを だなんて(宮園かをり)

第18話 チャイコフスキー 眠りの森の美女より『ワルツ』(ピアノ連弾版)


有馬君が教えている女の子と連弾するって、渡君からメッセージが届いた。いまさらだけど、携帯を繋いだまま演奏を聞いた。有馬君のピアノの音が聞える。一緒に弾いている娘を上手にリードしている姿が見えるようだ。

携帯の小さなスピーカーでもわかる。とても綺麗な音色。息も合ってる。いいなぁ。羨ましい。私ももう一度、有馬君と一緒に演奏したい。ワルツを弾いてみたい。せめて弓を持てたらいいのに。気がつくと涙がこぼれてた。

病院の屋上でピアニカを弾いていると、有馬君が「もう一度僕と一緒に弾いてください」なんて言いに来た。演奏聞かされただけでも未練が生まれたのに、そんな事言われたら、また夢を見ちゃうじゃない。

このまま諦めてたら、私が可哀。だから少しでも希望があるのなら、手術を受ける事にした。

四月は君の嘘 公生+凪ピアノ連弾曲 組曲《眠りの森の美女》より〈ワルツ〉

全身全霊でぶつかれるすげぇ奴らがいる 俺は幸せだ(相座武士)

第19話 ショパン エチュード 作品10-12


有馬のピアノを聞いてから調子が良くなかった。俺がやってきたピアノが間違っていたような気がして迷っていた。そして、学際で凪と有馬の連弾で気持ちが揺すぶられた。妹にまで心配させるなんてカッコ悪いよな。

有馬がピアノに戻ってから、俺が追いかけていた有馬は、俺が勝手に作っていた幻想だったっと気がついた。有馬の演奏が絵美や凪に何を伝えているのか、俺にはわからない。わからないけど、俺にもできるはずだ。

全てをぶつけられるモノがある。全身全霊でぶつかれるすげぇ奴らがいる。俺は幸せだ。今までありがとう有馬。もう俺は俺の演奏をする。もう迷わない。

ほら 奇蹟なんてすぐ起こっちゃう(宮園かをり)

第21話 ねぇ先生、私たちみんな、さよならのキスをしてくれる人がいるんです。 マーシー『ピーナッツ』より


コンクールの日に手術する事が決まった。渡君から有馬君の元気がないって聞いたけど私が倒れたからって、うぬぼれてもいいのかな。まだ私になにかできるって、思ってもいいのかな。渡君に手紙を頼んだ。

有馬君がカヌレを持って来てくれたから、無理を言って屋上に連れて行ってもらった。ピアノに触れてないのに、弾けたら奇蹟だって言った。だから立ち上がってバイオリンを弾く真似をしてみせた。私には音が聞える。有馬君には聞えてる?

音楽で繋がっているなら、イメージだけでバイオリンの音が届くはず。ほら、やっぱり有馬君にも音が届いたみたい。嬉しいよ。だけど、これでサヨナラかもしれない。そう思うと急に恐くなった。

必死に有馬君にしがみついた。もっと有馬君の事を教えてよ。私をひとりにしないでよ。

僕らは誰かと出会った瞬間から ひとりではいられないんだ(有馬公生)

第22話 ショパン バラード第1番 ト短調 作品23


カヌレを持って病院へ行った。宮園さんは僕を励ましてくれる。ずっと勘違いしてた。彼女はか弱い女の子だったんだ。それでも僕を元気づけようとしてくれた。彼女の想いに応えなきゃ。彼女が望むなら、ピアノを弾かなきゃ。

だけど、ピアノの前に座るとやっぱり辛い。弾くのが恐い。その時、会場から椿のくしゃみが聞えた。そして、自分がココにいる意味を思い直した。椿や渡、今まで出会った人たちのおかげでココにいる。

だから宮園さんに言う通り「悲しくても、ボロボロでも、どん底にいても、弾かなきゃダメ」なんだ。僕の人生を豊かにしてくれた人たち。僕を舞台に呼び戻してくれた人たち。みんな見てる。僕はみんなに応えなきゃ。

バイオリンを弾く宮園さんの姿が見えた気がした。それは彼女のサヨナラの挨拶だった。

相座凪「すごいよ。有馬先生。先生の人生は、先生の音楽は、こんなにもカラフルに色づいている」
瀬戸紘子「公生の演奏はカラフルに色づいている。悲しげに色づいている」

拝啓 有馬公生さま(宮園かをり)

『四月は君の嘘』は『いちご同盟』を補足した作品なのかもしれません。


22選といいつつ、登場人物ごと、楽曲ベースで書いているので、実は20選もありません。演奏だけを聞く表側と、練習し準備する裏側を同時に観ていくのが、この作品の醍醐味なのでこんな書き方にしました。

そのために物語として面白い『椿』のエピソードは省いております。表と裏という意味では、『かをりの手紙』はまとめに相応しい内容だったと思います。物語が進むにつれて感じる裏側のモヤモヤを最後に明言しているのは、観てる方としてスッキリしますよね。

ただ『いちご同盟』については釈然としません。ストーリーが似ている点から、渡がこの本を選んだ理由、公生がこの本を読んだ理由。でもまぁこうした部分は作品を楽しむ要素の1つなので、詮索せずに想像して楽しみたいと思います。

今回も最後まで読んでいただいた事、心から感謝いたします。ありがとうございました。

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