2017.11.09.Thu. 14日前 hori

漫画BANANA FISHの全て!あらすじ紹介でアッシュの戦いを振り返る

吉田秋生の傑作漫画「BANANA FISH(バナナフィッシュ)」が衝撃のアニメ化!主人公アッシュ・リンクスの凄絶な生き様を描く「BANANA FISH」の見所、あらすじを徹底紹介します!もちろんネタバレですので、こちらの記事はご自身の判断でお読みください……。

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圧倒的評価・吉田秋生の傑作漫画『バナナフィッシュ』とは

「BANANA FISH」は、1985年から1994年にかけて「別冊少女コミック」にて連載されていた吉田秋生の漫画作品です。ジャンルとしては少女漫画となりますが、少女漫画の枠にとらわれない圧倒的な評価を受けている傑作漫画です。

多くのマンガ読みが絶賛する「BANANA FISH」。連載終了から20年以上の月日が経過しているにも関わらず、未だその魅力は衰えることがありません。吉田秋生は現在でも「月刊フラワーズ」にて「海街diary」を不定期に連載しています。

1980年のアメリカを舞台に、謎の言葉「バナナフィッシュ」をめぐる騒動が静かに巻き起こります。主人公アッシュとその友人である英二、そしてアッシュを始めとする少年たちが所属するストリートキッズのチームが、運命という波に翻弄されていきます。

「BANANA FISH」作中で描かれた人物や街並みの、息遣いさえ感じられるような臨場感。暴力ドラッグ性的な描写同性愛に関する記述など、作品として扱うのが難しいテーマが多々見られます。にも関わらず、これだけの高い評価を長い年月得ることができているのは、全てにおいて中途半端なものは1つもなく、物語全体がまっすぐである所以でしょう。

マフィア、華僑、警察など全てを巻き込んで、「バナナフィッシュ」の秘密が駆け巡ります。今回こちらの記事はネタバレではありますが、個人的にじっくりと読破してもらいたい、素晴らしい作品です!!コミックスで19巻文庫版で12巻の作品ですが、あっという間に時間が過ぎていくこと間違いなしです。

あらすじ1:「バナナフィッシュ」とはいったい…?ネタバレ注意!

物語は1973年のベトナム戦争の出来事から始まります。そこで起こった1兵士による銃乱射事件。狂ったように味方の兵士たちに発砲を続けた男、「グリフィン・カーレンリース」は足を撃たれ、なんとか発砲は収まります。呆然とする彼の口から出た言葉は、「バナナフィッシュ…」。

舞台が変わって12年後のニューヨーク、ダウンタウンのストリート・キッズグループのボスである「アッシュ・リンクス」は、自分の仲間が1人の男を射殺する現場に居合わせます。そこでアッシュは逃げてきた男からペンダントを受け取りますが、ロサンゼルスの住所「バナナフィッシュに会え」という言葉を残して男は息を引き取ります。

アッシュはベトナムで銃を乱射したグリフィンの弟で、今では廃人となってしまった兄の面倒を見ています。そのグリフィンが発作の度に口にする言葉「バナナフィッシュ」に、何か重大な秘密があることに気が付いたアッシュは、独自に調査を進めるのでした。

作中でも触れていますが、「バナナフィッシュ」とは「J・D・サリンジャー」の短編「バナナフィッシュにうってつけの日」が語源となっているようです。死を呼ぶ魚「バナナフィッシュ」とはいったい何なのか、ペンダントに入っていた液体?人の名前?それとも何かの暗号なのか…?

「バナナフィッシュ」に関わっていくアッシュに、次々とピンチが訪れます。ここからアッシュの、長い闘いが幕を開けるのです……。

あらすじ2:アッシュ・リンクス、その美貌と強さと

主人公のアッシュ・リンクスは、ダウンタウンのストリート・キッズのボスという存在でありながら、見た目は金髪緑の瞳というため息の出るような美貌の持ち主です。その美貌とは裏腹に銃の腕前は飛びぬけており、ナイフ使い体術などにも長けています。

さらに、驚くべきはその知能の高さで、IQは180以上、作中の調査では210という驚異的な数字をはじき出しています。自らは望まないものの、圧倒的なカリスマ性の前に、良くも悪くも多くの人間を惹きつけてしまうアッシュ。そんな彼が「バナナフィッシュ」の謎を探るべく、コルシカ・マフィアのボスである「ディノ・ゴルツィネ」と対立していきます。

ディノ・ゴルツィネは幼いアッシュの才能を見抜き、拾い上げ育てると共に、性的対象としても寵愛していました。アッシュが逆らい、ゴルツィネのもとを去ってからも何かと気にかけ目をかけていたものの、「バナナフィッシュ」の謎が漏れ出したことで本格的にアッシュを潰しにかかります。

かつてアッシュの仲間であったがアッシュを恨むオーサーの策略により、仲間たちの溜まり場を襲撃されてしまうアッシュ。人質にとられてしまった仲間を助ける途中、アッシュは身に覚えのない殺人の罪を着せられてしまいます。

その強さと美貌から、多くの人間を惹き寄せてしまうアッシュ。「バナナフィッシュ」の謎を探ることで、次々に運命の輪が回り始めます。

あらすじ3:アッシュと英二、強い友情

アッシュたちの溜まり場が襲撃される少し前、日本からストリート・キッズの取材のためにやって来たカメラマンの「伊部俊一(いべ しゅんいち)」と、助手として同行していた大学生の「奥村英二(おくむら えいじ)」がその場にやってきます。アッシュと英二はここで初めて出会うのです。

アッシュに臆することなく、無邪気とも思える態度で話しかけていく英二。アッシュが身につけているを見て、「それ本物?」とたずねるほどです。ちょっと持たせてくれないかと言う英二に、自分の銃をあっさりと貸してあげるアッシュ。それを見て周囲はざわめきます。

アッシュにとって銃は命を守るための大切な武器。その武器を他人に触らせるなんて初めてのことだったのです。出会いから、アッシュは英二のことを何となく気に入ったようですが、この後英二と共にトラブルに巻き込まれていくにつれ、2人の絆どんどん強くなっていきます。

オーサーによる襲撃では、アッシュがよく傍においていた「スキップ」という少年が狙われてしまい、英二は彼と一緒にいたため2人揃ってさらわれてしまいます。助けに来たアッシュとアジトを脱出する際、助けを呼ぶために行き止まりの高い塀を、英二は古いパイプを使って跳び越えます
何の見返りも求めることなく、自分を助けるために必死になってくれる英二に、アッシュは今までにない気持ちを知ります。「住む世界が違う」と作中でアッシュが英二に言い放つシーンがありますが、そんな2人だからこそ、誰にも引き裂くことのできない友情関係が築けたのでしょう。

あらすじ4:アッシュにつきまとう陰、ディノ・ゴルツィネ

「バナナフィッシュ」の謎の裏側には、ディノ・ゴルツィネの姿がついてまわります。アッシュがペンダントを男から渡されたとにらんだゴルツィネは、何とかしてアッシュからそれを取り返そうと企みます。

殺人の汚名を着せられて、少年であるにも関わらず特例で刑務所に入れられてしまったアッシュ。これもゴルツィネの策略でした。刑務所から出た後も、(保釈中に逃げ出してしまったのですが…)ゴルツィネの追手はつきまといます。「バナナフィッシュ」について調べるために、アッシュは故郷に戻りまずが、そこにも追手が…。

ゴルツィネと有力華僑・李家がアッシュを追い詰める……

さらに男に伝えられたロスの住所を調べに向かうと、そこでは東洋系の刺客にも狙われることとなります。華僑の大物李家とゴルツィネは手を結び、アッシュをますます追いつめていきます。

途中、アッシュの反撃や複雑な権力抗争によって、ゴルツィネの力が一時的に弱まる時期もあります。けれども、最後までアッシュに、「バナナフィッシュ」にゴルツィネの陰がつきまといます。終始敵対関係ではありますが、アッシュと様々な意味合いで最も深い関係の人物、それがゴルツィネと言えるでしょう。

あらすじ5:魅力溢れる登場人物達!「バナナフィッシュ」をめぐる戦い…

「バナナフィッシュ」をめぐり、アッシュを始め、多くの人物がその謎とそこから生まれる戦いに巻き込まれていきます。物語を紡ぎだす魅力溢れる登場人物達の活躍も、この作品の特徴です。

マックス・ロボ

本名は「マックス・グレンリード」。アッシュの兄グリフとは同じ戦地で戦った戦友であり、親友でした。グリフが発砲事件を起こした際には、やむを得ず彼を止めるために足を撃っています。そのため、アッシュからは恨まれることもありました。

以前は警察だったこともありますが、現在はジャーナリスト。日本からやって来た伊部と英二の世話役を務めるはずが、タイミング悪く刑務所に入る羽目に…。警察時代の友人、「チャーリー」に伊部と英二のことを頼みますが、2人がアッシュを取材中にあの騒動が起こってしまいます。

警察としては、組織的にも個人的にもチャーリーとその上司であるジェンキンズ警部は、職務に忠実ながらもアッシュに対して非常に好意的な人物です。吉田秋生作品の1つ、「カリフォルニア物語」にも登場しています。)なんとかアッシュを助け、アッシュから情報を聞き出したいところ。

チャーリーはマックスに刑務所内でのアッシュの世話を頼みます。この時点でマックスとアッシュはお互いを知りませんでしたが、アッシュが「バナナフィッシュ」と呟いた言葉にマックスが反応し、彼がかつてのグリフの戦友だと気が付きます。

最終的にマックスはアッシュと助け合いながら、「バナナフィッシュ」について調べ、そこに関わる犯罪を暴くことになります。お互い複雑な関係ではあるものの、父と息子のような温かみのある関係へと発展していきます。

ショーター・ウォン

ショーターはアッシュと親しい、チャイナタウン内ストリート・キッズのボス。数少ないアッシュが信頼を寄せる人物で、飄々としていながらも、曲がったことの嫌いな頑固な一面も持ち合わせています。

アッシュはゴルツィネが「バナナフィッシュ」の謎に大きく関わっていると勘づき、男から渡されたペンダント内にある薬をどうにか守ろうとします。問題の薬は、アッシュが殺人の冤罪で捕まる前に、モグリの医者「メレディス」に分析を頼んでおいたのでした。

ゴルツィネに狙われていることを知ったアッシュは、兄のグリフのことも医者のもとにお願いしていたのですが、そこも危ないと考え、面会に来てくれた英二に手紙をこっそり渡します。手紙には「ショーター・ウォン」に薬を受け取るよう伝えてほしいとありました。

結局薬は奪われグリフも撃たれてしまうものの、グリフを撃った科学者「エイブリー」が、男の言っていたカリフォルニアの住所に住んでいたことが分かります。薬は手元からなくなりましたが、「バナナフィッシュ」の謎にはさらに近づくことに…。もう後には戻れません。

しかし、ゴルツィネが李家と組んだことで、ショーターはアッシュと中国人という自分の同胞との板挟みに苦しむことになります。李家はアッシュのもとに末弟の「月龍(ユエルン)」を刺客として送り込み、アッシュを捕らえるためにショーターにも協力するよう命令します。

李月龍(リー・ユエルン)

李家の7番目の息子。李家に忠実でいるように見せかけ、実は異母兄に乱暴されて殺された母親の恨みから李家を滅ぼそうと考えています。外見は美しく、長髪のせいもあってか女性に間違われることも多いものの、本人はそれも武器として使います。

物語中盤、「バナナフィッシュ」が男から渡された薬の名前そのものであることが、カリフォルニアの科学者の家で明らかになります。月龍は東洋の薬学に詳しく、未知の薬品バナナフィッシュ」の危険性についても興味を持ちます。

アッシュに対しては、よく似た境遇ということもあってか複雑な感情を抱いています。アッシュの最大の弱点が英二であることを見抜き、ショーターを使って英二を攫いアッシュをおびき寄せます。

英二、バナナフィッシュの実験体に……!?

ショーターは、アッシュを裏切り英二を攫う手助けをしたことを悔やみ、英二の傍を離れませんが、「バナナフィッシュ」の実験体として薬をうたれてしまいます。「バナナフィッシュ」は新種の麻薬であり、自我を崩壊させ、特定の標的に対する薬物暗示が可能な極めて危険な薬なのでした。

ゴルツィネは政府や軍も巻き込んで、この「バナナフィッシュ」を使ってクーデターを起こそうと企んでいましたが、薬の研究のため、ショーターは実験の餌食となっていまいます。暗示をかけられたショーターの標的は…、英二…!!

アッシュも捕らえられ、その目の前でショーターが英二にナイフを振りかざします。必死にショーターに呼びかけるアッシュの声に、一瞬正気に戻ったショーターは自ら殺してくれ、とアッシュに頼みます。

アッシュは、英二を助けるために、そしてショーターを「バナナフィッシュ」から解放するために、ショーターに向けて銃の引き金をひくのでした。アッシュにとって、大きな傷となったショーターの死。この出来事は、アッシュの戦いへの気持ちをますます強くしてしまいます。

「バナナフィッシュ」に対する、それを利用しようとする輩に対する彼の怒りは、想像を絶するものとなってしまいます。

シン・スウ・リン

シン・スウ・リンはショーター亡きあと、チャイナタウンのストリート・キッズをまとめるボス。小柄な身体ではあるが、俊敏な身のこなしや行動力から優れた才覚を持ち、人望も厚く指導力もあります。ショーターの死の真相を最初は知らず、アッシュに敵意を抱くことがあったものの、真相を知ってからはアッシュや英二の味方となります。

アッシュとは違った意味で独特な魅力があり、あの月龍でさえもシンには心を許している節があります。アフターストーリーである「光の庭」や、吉田秋生の後の作品である「YASHA-夜叉-」や「イブの眠り」にも登場している、ある意味最も成長したキャラクターでもありますね。

ブランカ

ブランカは幼いアッシュに格闘全般を教えた家庭教師。隠居生活を送っていたが、アッシュを捕らえようとするゴルツィネに呼び戻されます。かつてアッシュが心を開きかけた人物であり、あのアッシュでさえも「敵わない」と覚悟をするほどの腕前の持ち主です。

ブランカが帰ってきたことで、アッシュは英二を助けるために自らゴルツィネの手に堕ちます。ブランカ自体はアッシュのことを非常に気にかけており、アッシュが英二を大切に思う気持ちに考えを巡らせるのでした。

ゴルツィネとの契約を終えた後は、月龍のボディ・ガードも務めます。アッシュとどこか似たところがあり、アッシュと英二に剥きだしの敵意をぶつける月龍のことも気にかけるそぶりが伺えます。

けれども、それでいて何事にも左右されない穏やかさは終始変わらず、達観しすぎている所も…。最後には、アッシュの英二への強い友情を受け入れ、それによってアッシュが滅びることになっても、とアッシュを助けるために500ドルでアッシュに雇われに出向きます

この単純に助けに行くのではなく、「雇われに行く」という体裁をとるあたり、アッシュのことを本当に良くわかっていますね。アッシュもアッシュでブランカには敵わないことが分かっていますので、運転手としてブランカを雇うことになります。

あらすじ6:衝撃の最終回。アッシュと英二の未来は…?

「バナナフィッシュ」を巡る戦いは、最後にはゴルツィネ率いるコルシカ財団だけでなく、アメリカ政府、軍をも巻き込んだ大規模な戦いに発展します。アッシュ達が持つ「バナナフィッシュ」に関するデータをめぐって、最後にして最強の敵・傭兵「フォックス大佐」との激闘が繰り広げられます。

最初はゴルツィネに雇われたフォックスですが、全てを自分のものにしようとゴルツィネに反旗を翻します。激しい戦いと裏切りの中、アッシュは窮地に立たされつつも、シンやブランカの擁護を受けてフォックスを撃退。ゴルツィネもフォックスも、そして全ての元凶「バナナフィッシュ」のデータも全て、炎の中へと消えてしまいます…。

結局、「バナナフィッシュ」の真相は闇の中へ…。後には政府高官の少年売春事件が明るみにされ、一連の事件は幕を下ろします。アッシュ達は勝利したものの、敵にも味方にもたくさんの血が流れてしまいました。そして、傷を負った英二は日本へ帰国することになります。

アッシュが英二に会いに行くことはなく、英二はシンにアッシュへの手紙を託します。経験から、アッシュは図書館にいると考えた英二でしたが、はたしてその考えは命中。アッシュは1人図書館で本を読んでいました。

英二は手紙で「アッシュとは2度と会わないが、ずっと友達として思い続ける」決意を伝えます。英二の手紙を読んで思わず席を立ち走り出すアッシュ…。そんなアッシュにぶつかる影が…。それは、シンのことを心配してやまない、異母兄の「ラオ」のものでした。

英二の手紙に心を奪われていたアッシュは、シンを心配するラオに刺されてしまいます。刺されてすぐ、アッシュによってラオは撃たれ、それでも彼はシンを守れたことに満足して命を落とします。後に残ったアッシュは英二からの手紙を拾い集めます。

英二からの手紙には、アッシュへの真っ直ぐで真摯な言葉。「ぼくは運命から君を守りたかった」「君は1人じゃない ぼくがそばにいる ぼくの魂はいつも君とともにある」と書かれています。アッシュはその手紙を抱え、空を見上げます。

日本へと飛び立つ飛行機の中で、英二はアッシュのことを思い、「さよならは言わないよ」と再会を信じます。……そのころ図書館では、司書が居眠りをしているように見えるアッシュを起こそうとするものの、その幸せそうな表情を見て起こさないように立ち去ります……。

そう、「BANANA FISH」は決してハッピーエンドと言える内容ではありません。けれども、その数奇な運命の中で、最後に英二のことを思い、幸せそうに、眠るように息を引き取るアッシュの姿は衝撃的でありながら、どこまでも穏やかなのです。

フィクションと分かっていても、英二の手紙、アッシュの思い、そして友情という言葉でひとくくりにはできない2人の絆に心を打たれます。私の記事ではとても書ききれない感動をお約束しますので、未読の方にはぜひ読んでいただきたい作品です。

あらすじ7:「バナナフィッシュ」アナザーストーリー、「光の庭」について

衝撃の最終回のその後のお話、「光の庭」についておはなしします。アッシュの死から7年後のお話です。物語の中心は、伊部の姪である「暁(あきら)」。彼女がニューヨークに住む英二の元に遊びにやって来る場面から始まります。

英二の代わりに迎えに来たのは、昔からは想像もつかないほど背の伸びたシン。英二はカメラマンとなってニューヨークに移り住んでいますが、彼の姿は以前とは別人のような陰がありました。

英二にほのかな恋心を抱く暁は、滞在中に耳にする美人の「アッシュ」のことが気になります。最初は女性だと思っていたアッシュが男性だったということにも驚きます。そんな暁に、シンはアッシュと英二との友情について語ります。

英二は自分の手紙のせいでアッシュが命を落としたことにずっと捕らわれています。そしてシンも、アッシュを殺してしまったのが自分の身内だという事実を英二に隠したまま、過去に捕らわれ続けています。

2人は今でもアッシュの死を受け入れられず、そんな中暁がやってきます。暁は暁で、両親の不仲と、自らの性について悩んでいました。男の子として産まれてくれば父親は喜んだかもという思いから、身体に変調をきたすまでになってしまった彼女を、英二はほっておけずにニューヨークに呼んだのです。

暁というのは「夜明け」という意味。同じ「夜明け」という名前を持つ人(アッシュの本名、アスランの意味)を知っていると穏やかに語る英二は、シンと初めて向き合って話すことで、ようやくアッシュの死を受け入れることができるのでした。

英二の個展の最後のスペースに飾られたのは、今まで出せずにしまいこんでいたアッシュの写真。題名は「夜明け」でした。

【感想】アッシュの戦いの果てには……

「バナナフィッシュ」をめぐるアッシュの戦い。その果てには何が残ったのでしょうか?ラスト、アッシュは戦いに勝利しつつも命を落としてしまいます。英二と幸せに暮らす未来もあったかもしれないと思うと、何も言えません。

でも、そうした考えも何もかも吹き飛ばしてしまうほど、アッシュと英二の戦いはこうにしかならなかった、と納得させられる強さがこの作品にはあります。悲しい結末であるのに幸せな、どこまでも優しい空気を感じさせてくれるのです。

「光の庭」での英二はアッシュの死を受け止めきれていませんでしたが、この後、英二は改めてアッシュという存在を胸に生きていく、生きていくことができるんだな、という強さが感じられます。

終始「BANANA FISH」という作品から感じ取れる「強さ」が、どんなに辛く、どんなにむごいお話でもその中にある希望を見つけさせてくれるのでしょう。

2018年にはアニメ化も予定されている本作品。いまだキービジュアルしか発表されていないにも関わらず、その完成度、制作陣の豪華さから期待が高まる一方です。アニメが放映される前に、ぜひ原作をお読みいただき、アッシュと英二の物語を胸に刻んで下さい!

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