ヤマタノオロチ伝説に隠された暗号!日本人のルーツにも関係が?

様々なアニメやゲームで出てくる「ヤマタノオロチ」ですが、どんな存在でしょうか?その姿と魅力に迫ります!!

ヤマタノオロチってどんなやつ?

出雲の国の物語

多くの作品のモチーフになっている「ヤマタノオロチ」は日本神話に登場します。この「ヤマタノオロチ」伝説の主人公はスサノオノミコトです。暴れん坊であったスサノオノミコトは、高天原(たかまがはら)を追放され、出雲の国(今の島根県)、斐伊川(ひいがわ)にやってきました

そこでスサノオノミコトは泣いている老夫婦を発見しました。泣いている理由を尋ねると、老夫婦には8人の娘がいたのですが、ヤマタノオロチが毎年娘たちをいけにえに差し出すよう老夫婦に要求してきました。そして、今年は最後の娘であるクシナダヒメを差し出さなはならないとのことだったのです!

ヤマタノオロチは8つの頭、8つの尾を持ち、目はホオズキのように赤く、8つの谷と8つの丘にまたがるほど巨大で、体にはコケやヒノキ、スギが生え、その腹はいつも血でただれている恐ろしい怪物です。

スサノオノミコトはしばらく考え、老夫婦にクシナダヒメを妻にすることを条件に、ヤマタノオロチ退治を引き受けました。スサノオノミコトは老夫婦に強い酒を造り、8つの垣根に置くように指示しました。さらに、クシナダヒメを守るために、櫛の姿に変え、髪にさしました。



そこにヤマタノオロチがすさまじい地響きを立てながら現れ、8つの垣根にそれぞれの頭を入れて酒を飲み始めました。すると、酔っ払ってしまい眠りだしました。

その隙にスサノオノミコトはヤマタノオロチに切りかかりました。ヤマタノオロチの尻尾を裂いていくと、剣が出てきました。

この剣は天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)と呼ばれ、後に姉であるアマテラスオオミカミにこの剣を献上しました。ヤマタノオロチを無事退治したスサノオノミコトは、出雲に宮殿を造りクシナダヒメと一緒に過ごしました。

このようにヤマタノオロチは特撮映画に出てきそうな恐ろしい怪物として描かれています。 

未確認生物!ヤマタノオロチを追う…!

かつて一世を風靡した…

8つの頭を持つ大蛇なんて現実にはいないと思いますが、ヤマタノオロチがUMA(Unidentified Mysterious Animalの略称で、未知の生物)ではないかという大胆な説もあります。

ヤマタノオロチではありませんが、同じヘビのような生き物として有名なUMAがいます!!

それはツチノコです!!

ツチノコはヘビのように手足はありませんが胴体は太く、細くて短い尾があります。このような見た目の生き物はいまだ発見されていませんが、実は日本神話にもツチノコは登場しています

ツチノコは「ノヅチ」とよばれており、大きな口だけの毛虫として描かれ、UMAとして紹介されているツチノコの姿と全く異なっていますが、野の神様とされています。

ノヅチやヤマタノオロチの他にも「チ」とつく神様の中がおり、ヒノカグツチという火の神様がいます。このヒノカグツチ(イザナギノミコトとイザナミノミコトの子ども)もヘビの姿で祀られている神社も存在しており、ヤマタノオロチもヘビの一種であったのではないかと考えられます。

また、ツチノコと勘違いされる生き物としてヤマカガシというヘビがよくあげられます。大きいカエルを飲み込んだ後の姿を見た人がツチノコと勘違してしまうことが多いです!!
このヤマガカシが突然変異でつツチノコの様な容姿になったということも考えられます。

このように考えるとヤマタノオロチはヘビが突然変異した姿ではないかと考えることもできるのではないでしょうか?

ヤマタノオロチは〇〇だった!?

先ほどはオカルトチックに紹介させていただきましたが、今度は日本神話を読み解いてヤマタノオロチの正体を探っていきましょう!! ヤマタノオロチの特徴は「8つの頭、8つの尾を持ち、目はホオズキのように赤く、8つの谷と8つの丘にまたがるほど巨大で、体にはコケやヒノキ、スギが生え、その腹はいつも血でただれている」というものでした。

まず、「8」という数字が出てきますが、これは昔たくさんのものを表す時に使われる数字なのでここでは「多くの」という意味で解釈します。そうするとヤマタノオロチ=たくさんの谷と丘にまたがる程巨大なもので、体には植物が生い茂っていると考えられます。

ここでスサノオノミコトが老夫婦と出会った「斐伊川」に注目します。斐伊川は船通山を源流とし、いくつもの支流をあつめながら木々の生い茂る谷間をぬけ、出雲平野を通り流れています。遥か昔は大洪水に何度も見舞われた川と言われていたそうです。

これをヤマタノオロチに当てはめるとたくさんの支流が8つの首を、大洪水を暴れ狂う大蛇の姿に例えられていると考えることができますね!! ヤマタノオロチ伝説は人と斐伊川の氾濫の戦いを伝えるためにできたのではないでしょうか・・・。

製鉄技術とヤマタノオロチ

ヤマタノオロチは最後スサノオノミコトに切られたときに天叢雲剣という剣が出てきます。これは斐伊川流域が鉄と深い関係にあるということを示しています!!

斐伊川の上流では砂鉄を精錬して鉄を作る「たたら製鉄」が盛んに行われていました。(たたら製鉄といわれてもピンとこない人は、もののけ姫に出てくる女性が板を踏んで空気を送っている場面を思い出してください。)

そのたたら場から出る火が遠くから見ると山に赤い点が点在しているように見え、ヤマタノオロチの「8つの赤い目」を連想させます!!この土地が盛んに鉄を作っていたことを表しています。

また、当時の製鉄は川の水で砂を流し、砂鉄を沈殿させる技法によって鉄を集めます。この過程で川が砂鉄をふくんだ砂で赤さびた色になります。真っ赤に染まった川をヤマタノオロチの「腹が血でただれている」と表したのではないでしょうか。

ヤマタノオロチの尾から剣がでてくるというのは川の氾濫をはじめとした自然と戦いながら人々の努力によって製鉄技術を手に入れたということを表しているのです!!

歴史と物語は関連している!

神様の数だけ物語はたくさん!!

このようにヤマタノオロチ伝説には人々が自然災害と戦いながら新しい技術を獲得していく姿を描いています。川を蛇に見立て、自然に負けそうになりながら、スサノオノミコトが剣を手に入れる姿は、製鉄技術を発展させた出雲の人々の努力を今に伝えるメッセージなのです!

このほかにも、イザナギノミコトとイザナミノミコトの国産みやアマテラスの天岩戸、因幡の白兎、ヤマサチヒコとウミサチヒコなどたくさんのお話があり、その話にちなんだご利益がある神社がたくさんあります。(例えば因幡の白兎を助けたオオクニヌシを祀った神社は医療の神様の一人とされています)

このお話だけでなく日本神話は天地創造から人々が文明を手に入れ、文化を形成し、豊かな生活を送ろうと努力していく人々の軌跡が描かれています!!

古の怪物は今も!



日本の豊かな自然は誇ることができるものですが、時に災害をもたらし人々を苦しめる一面も持っています。ヤマタノオロチはスサノオノミコトの勇敢な戦いのストーリーでもありますが、日本の人々が困難に立ち向かい新しい文化を獲得していく様子が描かれています。

日本神話は学校では習うことはありませんが、日本の文化と歴史を関連づけている重要な物語です!神話から昔の人の物事の考え方をうかがうことができ、その考え方に大きな意味があると訴えています!!

日本神話の中に書かれている物語は、日本人の祖先が、この世界にどのような理想を持って努力し、実現してきたかということを様々なものに例えて表現したものだと思います。

日本神話を読んで日本人のルーツに触れ、その大きなメッセージを探してみてください!!