医療の現場にメスを入れる!ブラックジャックによろしく名言&名シーン20選!

医療漫画として大反響を巻き起こしたブラックジャックによろしく。研修医・斉藤英次郎がさまざまな科をまわりながら、科で抱えている問題に対面していく…今回は名言&名シーンを自分が勝手に選び紹介していこうと思う!

目次

はじめに

今まで読んだ医療漫画は、天才ドクターが奇跡的に難病を治療していくものばかりだった記憶がある。医龍を読んだ人は分かるかもしれないが、自分は医療漫画はあんな内容の印象が強い。
ブラックジャックによろしくは、天才ドクターなんて1人も出ず、主人公の斉藤英次郎は研修医だ。この漫画は、患者に奇跡など起きず現実問題としてある様々な医療問題をリアルに描ききっている。
自分がこの作品で魅力に思っている部分…それは何と言っても、脇役達が現実にいそうなキャラで妙に印象が強いということ。個性的?とはまた違った意味で、衝撃的な言葉やシーンが多かったからこんな風に思うのであろう。

①斉藤英次郎「僕は……汚い大人になりたくない……」



自分も……汚い大人になりたくない…!だって誇れる仕事に就いたのに、実はそれが人を騙しているような内容で、お金をもらってたら何だかなぁって感じだよ!だけどそれが現実なんだよな。

理想の仕事に就いても現実は違って、こんなもんなのかって絶望したり諦めだったり。。この部分を読んで、医者を志す研修医も同じ考えを抱く時があるんだろうなぁ…と妙に親近感を抱いた。

ブラックジャックによろしくは斉藤英次郎の成長漫画でもある。この台詞から医者って一体なんなんだ?と疑問を抱くようになり、彼の問題行動(笑)の序章の始まりになったように感じた。

②院長「正しいってのは弱いって事だ、強いってのは悪いって事だ」



斉藤英次郎の”プチやらかし”から院長がキレて出てきた台詞。斉藤英次郎、交通事故で助からない患者をオペしないで逃げ出してしまった。院長は助からない患者でもオペして金取れって…ええぇッ!?いいのか?!

というか、夜勤に研修医1人の医者で対応させるんだろうか?院長の”事故起こしたのは本人の責任”っていうのは同意だが、研修医・斉藤英次郎の扱いはさすがに…と思ってしまった場面であった。

斉藤英次郎が患者に対して、全力で助けたいからこそ院長と衝突してしまう。しかしそこから学び、一歩ずつ前進していくんだな―と応援したくなってしまう漫画になっていった。

③斉藤英次郎「思考を停止させろってことですか……?」



研修医は給料もろくに出ないし、くそ忙しいしでただでさえ自分のことで精一杯!そんな中で、患者に必要以上に関心を持つのは時間の無駄なこと。本来医者は患者のために最善を尽くすべきだが。

患者と医者が本当の意味で向き合っているなんてあまり無いのかも…と思ってしまった。自分は医療現場の仕事に携わったことがないので、実情は分かってないがリアリティがあって本当に面白い。

漫画とはあまり関係ないが『ブラックジャックによろしく』は2003年にテレビドラマ化もされていたようだ―!し、知らなかった…今度観てみよう。医療現場を描いた漫画はドラマでもけっこう好きで観てたなぁ(医龍やDr.コトー診療所など)。

④田辺秀勝「なぜ……産ませたんですか……?」



体外受精をした夫婦に、障害を持つかもしれない双子の未熟児が産まれた。父親の田辺秀勝は、障害を持つかもしれない子供達が不幸だ、と言い双子の受け取りを拒否をした。この台詞は父親がその時に言ったもの。

4年間も不妊治療を頑張ったのに、自分の子供がなんでこんな目に…と思うのはとてもよく分かる。そして妊娠できたら必ず健康な子供が出産ができる、と考えるのは間違いなんだな。子供を持つことはリスクを追うことでもあると認識させられる。

障害を持つ子供を受け入れられない両親を、受け入れられるようにしていくのもNICUの仕事、と漫画にある。これはとてもデリケートな問題な上、心のケアが必要だ。新生児科は他の科にはない苦悩があると知った。

⑤田辺佳子「どうしてあんなにがんばった私達の子が……障害を持つかもしれない未熟児なんですか……?」



田辺秀勝の妻の佳子も、不妊治療で頑張ってきたのに、何故自分達の子供が?という行き場のない気持ちを抱えている。母親として、未熟児で産んでしまった申し訳なさ、悲しさ、不安、そんな感情に押しつぶされてしまいそうだ。

この後、田辺夫妻の兄弟の双子は、弟の方がダウン症であると判明する。弟は手術が必要だが父親が同意書のサインを拒否し、そのまま殺してくれと言う。母親は不安だけども我が子を育てていこうと決心する。

漫画でも障害児を巡っての夫婦のやりとりが描かれていて、一時別れる場面もあった。現実問題として、障害児を理由に離婚する夫婦は多いらしい。誰も悪くないのに、悪いとすればそれは差別をしている社会だ。

⑥田辺秀勝「ダウン症である息子とその親になる自分を、”かわいそう”だと思ったからです」「これも一種の差別ではありませんか?」



父親の田辺の仕事場まで行って、ダウン症の弟の手術の同意を得られないか説得している中に出てきた台詞。妻は息子がダウン症であると分かって泣いていたと言う…その理由がこれ。

ダウン症である息子とその親になる自分を”かわいそう”。ここで気付かされたのは、子供を障害児と宣告された親は、明るい未来を描けることが出来ないと思ってしまうところだった。

息子に対してダウン症で産んでしまった申し訳なさとか、これから育てていく不安とかは後から湧いてくる感情で、ただただ、自分と息子が”かわいそう”で泣く。社会からは一生そう見られると…。

現実に、障害児を抱えた親が全て同じ感情をするかというと、自分には分からない。しかし少なくとも、漫画の母親と同じような感情は持ってしまうのではないか?と感じずにはいられない、リアルさがあった。

⑦高砂「障害という言葉でしか認識できないから障害にしかならない、それは個性だ」



田辺夫妻に、ダウン症の弟の手術の同意を得られないか説得している最中に出てくる台詞。それに対して父親の田辺は、障害はどこまでいっても障害で、個性ではないという。

社会が障害と決め付け、差別が生まれてしまった。人を差別して受け入れない時、人は酷く残酷になれるものだ。だからこそ父親の田辺は息子の未来が見えてしまった。愛しているからこそ―

普通の子供を育てるのだって大変だ、なのに障害児を育てる―。自分もこんなことを思っていたが、これも差別にあたるのではないかと改めて考える要因になった。この問題は、答えの終わりが見えない、一生考え続ける問題だ。

⑧安富「僕がやらなきゃ……誰がやるんですか……?」



小児科に研修にいった斉藤英次郎。この台詞は指導医・安富が言った台詞。近年、小児科は医者不足と言われ、救急車で運ばれてくる子供を受け入れ拒否することもあるという。子供を処置するには人手がいるため、赤字になるのだ。

そんな忙しいしお金にもならないことを何故続けているのか?安富は”僕がやらなきゃ誰がやる”と答えたのだ。自分はこれこそ医者らしい答えだと思った。患者を助け続けることは大変なことだ。1つ間違えると命に関わる。

失敗したら訴えられるかもしれない、だけど小児科医を続けている。それは同時に、彼らがいるから自分やその子供達は健康でいられる。安心して生き続けられる。そういうことなんだと感謝する話であった

⑨内海まどか「私はガンと共に生きていくの……」



研修医・斉藤英次郎が小児科の次にいった先は第4外科。ガンの治療を専門とする科だ。このガン編ではガン告知、抗がん剤、転移、再発を分かりやすく描いている。ガン宣告され死と向き合うには…?という難しいテーマにも挑んでいる。

内海まどかはガン宣告され最終的には亡くなってしまう。彼女は抗がん剤は副作用が強いので使わないで、残りの人生を生きることに決めたという。抗がん剤を使うと延命できるがわずかな期間らしい。

もし自分がガン宣告されたら、自分はどんな選択をするだろうと思ってしまう。両親より先に逝く自分…残される家族。想像するだけで、死ぬのが怖くて怖くてどうしようもなくなってくる

癌(がん)の種類によって余命も変わる

■肺癌

■胃癌

■結腸癌

■直腸癌

■肝臓癌

■食道癌

■乳癌

■子宮癌

■すい臓癌

■前立腺癌

このすべての癌(がん)で同じ余命が宣告することはありません。各癌(がん)によって癌(がん)の進行や予後のしやすさは変わってきます。たとえば、癌(がん)の中でも肝臓癌(がん)は生存率4割強と言われているもの。しかし、胃癌(がん)になると8割強になってきます。癌(がん)によって大きく寿命が変わると共に癌(がん)進行にもよって生存率の下がり方も変わるものだと思いましょう。

出典:http://www.atanaha-clinic.com

⑩辻本(夫)「生きている事と死んでいる事は……一体、どこが違うんだろう……?」



すい臓がんの末期となった辻本さん。彼女にはがんは治ったと告げられていたが、実は治っていなかった。そのことが辻本さんの夫に告げられる。辻本さんの夫は突然のことで混乱状態に。とても生きた心地がしない

夫は妻より先に逝くと思っている部分がある。辻本さんの家はまだ小さな子供が2人いる…夫はこれからのこと。妻がいない日常をどうしたら良いのか、想像がつかないであろう。

辻本さんの家のように、家族が自分より先に逝ってしまうなんて考えただけで苦しい。家族の余命宣告を聞いて正気でいられるか?いや、正気でいられないだろう。。

⑪斉藤英次郎「何が正しくて何が間違ってるかなんて……答えなんて誰に決められるんですか……?」

斉藤英次郎が患者本人に、”ガンだと知らせるべき”と言い第4外科の指導医と対立する。その時に言い争いになって出てきた言葉。カッコイイ言葉だと思って選んでみた。しかし考えてみると怖いよな…だってこれ言ってるの医者なんだから。

この後、斉藤がガンの告知を患者本人にしたい!と言い出し、辻本さんの夫と話を勝手に進めてしまう…!突っ込みどころ満載、暴走列車☆斉藤英次郎。医者としてそんな問題起こしてばかりで大丈夫なのか?!(汗)

⑫辻本(妻)「お母さんね……もうすぐ死ぬの……」

うああぁぁあああ死なないでぇええええ!!ここで涙を流した読者は、多いのではないだろうか?自分もこの回はヤバかった…涙・腺・崩・壊…!辻本さんが意を決して、子供達に自分の病気のことを話すシーン。

辻本さんを通して、子供の頃に母親を亡くすことがどれだけ辛いことか。あの何でもない日常の、料理を作ってくれる、怒ってくれるところ…それがもう無くなってしまう。”母親がいる日常”それはとても幸せなことなんだよな。

⑬斉藤英次郎「最後まで寄りそってくれる医者がそこにいるなら……僕はがんで死にたいです……」

斉藤英次郎が第4外科の研修で学んだもの。それは、末期ガンの患者が死と向き合うために緩和ケア科を設立しようと提案するものだった。教授が病院長に掛け合い、緩和ケア科は年内に開設されるようになった。

斉藤は第4外科でもいろいろ問題を起こしたが、終わり良ければ全て良し。今回は何と緩和ケア科を開設してしまった。しかしここまで読んで、タイトルのブラックジャックの文字も出てこない!

⑭門脇「あなたは患者を守ろうとしている……これもある意味差別です……」

斉藤英次郎が次に研修に来たのが精神科。この漫画では主に、隔離病棟にいる重度精神障害者を中心に描いている。門脇さんは新聞記者で、精神障害者について記事を書くために患者を装って入院している。

精神障害者をかばう行為が、もしかしたら受け取り方次第では”差別”になっているかもしれない。この台詞はその事に気付かされるシーン。精神障害者にどう接するか?この問題は精神科編の肝となってくる。

⑮伊勢谷「本当に差別をなくしたいなら……血を流す覚悟が必要なんです―」

斉藤英次郎の指導医・伊勢谷先生は、精神障害者が起こした事件についてマスコミから取材を受ける。しかし教授がそれを阻止。病院は精神障害者の情報を制限する流れになっていた。伊勢谷先生はそれに逆らおうとしているのがこの台詞。

伊勢谷先生は、過去に前の病院にも上の意向に逆らい、いられなくなったという…。斉藤英次郎がしでかしてきた数々の問題行動でも病院にいられるのに、伊勢谷先生はそれを上回る問題児なのか?それとも永大が寛大なのか?ノン・ストップ伊勢谷先生☆

そして最終巻13巻では、な・なんと斉藤が「伊勢谷先生のような医者になりたいです」発言をしてしまった…マジか~。伊勢谷先生その言葉を受けて窓見て「まぶしいな…」ってアンタいいのかッ!

⑯早川「私としたいですか……?」

このビッ○があぁあああああ!!…と、まぁ落ち着け。このシーンだけ見るとドキッとするかもしれないが、早川さんは統合失調症だ。15歳から家出しては複数の男性と身体の関係を持ち、一時は妊娠したが流産して病に臥せてしまった。断じてビッ○ではない。

早川さんと小沢さんは恋愛関係になるのだが、早川さんは彼を愛するあまり、傷つけたくないと自分から離れようとする。とても悲しい、精神障害者として苦悩が伝わってくる。早川さんの美しさも苦悩の原因かもしれない…。

⑰小沢「先生……僕が恐いですか……?」

こ、恐いです…!なんて言えませんよね?小沢さんも統合失調症の患者。小学校で精神障害者が児童を殺傷する事件が起き、小沢さんはこの台詞を言った。全ての精神障害者は何をするか分からないから恐い―そんな印象が世間の印象だったからだ。

世間は精神障害者に対して、非常にネガティブな印象しかない。それが差別へと繋がる。小沢さんが一度退院して就職が決まったが、精神障害者という理由でダメになった。これは現実でもある話で、精神障害者は今でも差別され続けている。

⑱早川「キ○ガイだから恐いっていうんですかあぁあああ!!」

世間をざわつかせている、精神障害者の児童殺傷事件。精神障害者の患者達はこの事件をテレビで見て動揺し症状が悪化。患者の早川さんもその1人。少しずつ症状がよくなっていたが、事件で一気におかしくなってしまった。

テレビの報道は精神障害者達を危険な人間と煽り、社会復帰を頑張る精神障害者達を追い詰める。過剰な情報操作で精神障害者が、社会に差別され、働きづらくなっていることが分かる。

⑲小沢「狂ってるのはお前だ!!狂ってるのはお前だ!!」

精神障害者に偏見を持っているおばちゃんが、患者の早川さんにショックとなる言葉を浴びせてしまい、早川さんはそれが原因で倒れてしまう。小沢さんはそれにキレてしまい、おばちゃんの首を絞めに行ってしまう。

心の病気ではない人間が刃物を持ったような殺人者のように、精神障害者の心をズタズタに切り裂いていく。どちらが精神障害者か?弱者を痛めつけるのはお前らの方ではないか?狂っているのはお前だ。

⑳斉藤英次郎「止まってたまるか……止まってたまるか……」

斉藤の問題行動は続く、そう、本人が懲りてないから!しかも何かよく分からないけど”壊して、創ってやる”って思っているので、続きもそりゃすごいことをやらかすのである。

彼だけを立たせて描いてしまうととても浮いた感じになってしまう。病院でも十分浮いてるが。売れないバンドの1人が夢を追っているポエマーなシーンでも違和感がない。そんな衝撃ある最終話であった。

まとめ

「ブラックジャックによろしく」という題名なのに、ブラックジャックが全く出てこない。…まぁ、それはさておき、主人公の研修医・斉藤英次郎の次から次へと問題を起こす様が読んでいて共感しにくい部分が多かった。

しかし、そのありえない問題行動があるからこそ、周りの脇役キャラ達が引き立ち印象づけられるシーンが多々あった。斉藤英次郎は脇役キャラ達のために、叩かれるのを覚悟で犠牲になったとも言える。

この漫画は続編で、「新・ブラックジャックによろしく」も出ている。こちらも賛否両論な作品ではあるが、医療漫画で楽しんで読むには十分な作品ではないかと思っている。読んでない人は是非、読んで見て欲しい。

ブラックジャックによろしくは1巻~13巻までなんと無料公開されている!

作品タイトル:ブラックジャックによろしく
著作者名: 佐藤秀峰
サイト名:漫画 on web(http://mangaonweb.com/satoshuho/download.html