実はジブリじゃない?風の谷のナウシカの知られざる秘密20選!

『シン・ゴジラ』の庵野秀明総監督があの巨神兵を作画していたことは知ってるよね? 公開から30年以上過ぎた今、新情報も含めて『風の谷のナウシカ』について知られざる秘密を追求するぞ! きりがないから20選で!

『風の谷のナウシカ』はスタジオジブリで作られてはいない!

テレビで『風の谷のナウシカ』を観た。金曜ロードSHOW!「冬もジブリ」第一週目だった。でもナウシカはジブリで作ったわけじゃないんだよね!


「ジブリがいっぱいコレクション」にもナウシカは含まれてるし、ジブリの公式でも自社の作品として扱ってる。だが製作した時は違ってたんだよね。スタジオジブリはまだ無かったのだ
『風の谷のナウシカ』の製作拠点となったのは、宮崎監督やこの映画のプロデューサー高畑勲氏の同僚だった原徹氏が運営していたトップクラフトという会社。ここに宮崎さんがフリーで参加するという形で製作されたわけだ。
本当は『ルパン三世カリオストロの城』を作ったテレコムでやるとか考えてたらしいけど、そこは他の作品で忙しくてダメで、どこでやるか難航した。で、トップクラフトに白羽の矢が立った。
そしてナウシカ完成の後、アニメージュ副編集長だった鈴木敏夫氏が一念発起。次の『天空の城ラピュタ』を作るためトップクラフトを改組してスタジオジブリを設立したわけで、この流れで『風の谷のナウシカ』もジブリの作品として組み込まれたんだよね。

宮崎監督は、とんでもないシーンで終わらせるつもりだった!

当初、宮崎監督のコンテでは「突進してくる王蟲の前にナウシカが降り立つ」シーンで終わる予定だった! ここ、テーマに深く関わる大事な部分だ。もし、その通りに作られていたら? 見終わった時ものすごく重苦しい気持ちになったはず。

でも鈴木さん&高畑さんがそれじゃいかんと思って宮崎さんに進言して、現在のような結末になった。地球環境の守護者と言える王蟲がナウシカの自己犠牲の愛に応え、いつか金色の野に人は生きられる、人は未来に希望を持っていい、という終わりになっている。


ところが! 宮崎さんが本当に考えていた人類に対する考えは違っていたんだよ! ナウシカで語ろうとしたことは、もっと厳しいことだった! それはナウシカの原作漫画に描かれてる。人類に能天気な明るい未来などない、そう語っているんだよ!

ナウシカ達は、改造人間だった!

腐海や蟲たちは汚染された土を浄化するために地球から自然に生まれた存在、地球の浄化作用の具現した姿、というのが映画の描き方だけど、原作漫画では違う。それらは旧人類が創った人工の存在で、世界が浄化され、清浄な世界になったら消滅するようプログラムされている。
そして「墓所」というところで眠っていた旧人類が目覚めるように計画されているのだ。じゃあ、それまでの間、生き残った人類はどうなったのか? なんと軽度の汚染された土や空気なら生きられる新人類に改造した。
それがナウシカ達のことだった! だがナウシカ達は清浄な空気の中では生きられず、血を吐いて死んでいく存在だとわかるのだ!

ナウシカは漫画の最後で、眠っている旧人類も新人類を元に戻す超技術も滅ぼしてしまう。清浄のみを追求した計画よりも、消滅までの命を自然と共に生きて繋いでいくことを選ぶ。

そんな黄昏の世界を見せて終わるのだ。はっきり言えば、愚かな人類など消滅してしまえ、と言っているんだよね。だが同時に、そこに人類に対するとてつもない慈愛も感じる。

この辺り、庵野監督のエヴァンゲリオンに通じる気がするな。庵野監督は巨神兵を担当してるしね。今更ながら、宮崎監督の影響力恐るべし。

ナウシカが乗っていたあのメーヴェが実際に作られ、そして飛んだ!

この辺で最近の夢のあるネタも入れとこう。メディアアーティストの八谷和彦さんという方がいて、この人、ナウシカが好きすぎて、とうとう本物のメーヴェを作ってしまったってこと!

メーヴェといえば、ナウシカが機体に腹ばいになって乗る飛行装置だけど、それよりはちょっと大きい感じ。

https://www.youtube.com/watch?v=UuqxIwRJDFIEnter
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八谷さんは東京芸大の准教授で、2003年から開発を始めて、ようやく2016年に北海道滝川市の「たきかわスカイパーク」で公開飛行した。ジェットエンジンの左右に木製の骨組みで白い羽を広げた構造はまさにメーヴェ。
実際に飛行して高度70メートルまで上昇し、13年の願いがかなって八谷さんも感激したそうだ。俺も乗ってみたいぞ!

ナウシカとクシャナ殿下の意外な共通点…⁉

実は二人の名前はアナグラムになっていて、ナウシカ(Nausicaa)の文字を並べ替えるとクシャナ(Cusinaa)になるのだ! 言ってみれば、クシャナはナウシカの別の姿であり、ナウシカと同等レベルの存在キャラということじゃん! 



年齢は違うけど、宮崎監督はそれこそクシャナは未来のナウシカでもあるような扱いをしてるのかもしれんぞ!

深読みかもしれないけど、あの作品においてクシャナがもう一人の主人公であることは間違いないからね。

ナウシカの名前は、ギリシャ叙事詩のナウシカアーが元ネタ。

ホメーロス作のギリシャ叙事詩『オデュッセイア』。その主人公オデュッセウスがトロイア戦争からの帰途、立ち寄った島で美しい娘に出会う。それが王女ナウシカアー。二人は好意以上の気持ちを抱くが、妻もいてイタケーの王である彼は、ナウシカアーと別れ去っていく。

ギリシャ神話なんて誰が誰だかわからんけど、宮崎監督によればバーナード・エヴスリンの『ギリシャ神話小事典』(小林稔訳、教養文庫)における作者エヴスリンのナウシカへの愛情が、ナウシカを主人公とする作品作りへのきっかけの一つみたいなことを言ってる。
ナウシカアーはオデュッセウスを送り出す。そのとき、国に帰ってもいつか自分のことを思い出してほしい、と告げる。なんていい感じの王女なんだ。この名前をいただこう! と、宮崎監督も思ったのかもね。

実際に「腐海」という海がある!

ナウシカといえば腐海というビジュアルイメージが強烈。人間が生きていけない強烈な毒の森で、作品の世界観を表す重要なイメージになってる。火の七日間で世界が焼き尽くされてから1000年後、不気味に広がる森を腐海と呼ぶ。
この腐海、そういう名前の海が実際に存在する。それはウクライナ本土とクリミア半島の間に横たわるアゾフ海の西側に広がる干潟で、各民族が腐海(スィヴァーシュ)という意味で呼んでいる。
これが凄まじいわけ! ピンク色の海なんだよ! この水深はごく浅くて、深くても3.5メートル。海底は分厚いシルトの層。シルトっていうのは、砂より小さくて粘土より荒い砕屑物のことだよ。粒の荒い泥って感じだね。

夏になるとこの腐海の海水が熱くなって酷い悪臭を放つようになる。ピンク色なのは褐色藻類が異常繁殖したからだ。この腐海はダムの建設などで水量が減っていて、どんどん汚染が進んでるとか。
でも見た感じ、毒の森というより「酸の海」がイメージされるのは俺だけ? そういえばウクライナというとあのチェルノブイリ原発事故があったところ。宮崎監督は腐海のモデルはウクライナと言っているし、色々と考えると深い考えが見えてくるような気がする。

王蟲の鳴き声は、布袋寅泰のギターだった!

腐海最大の蟲、王蟲(オーム)。14個の眼がとても深い思慮を持っている印象を与える。でも普段は青くて冷静だが、怒ると赤くなる眼なんて、ちょっと単純じゃない? なにしろ原作漫画じゃテレパシーで人間と対話しちゃうのだ。
ところでその王蟲の鳴き声について。あのギター音、かき鳴らしているのが布袋寅泰なんだよね! 彼のファンが「好きなジブリ映画を教えてください」という質問に対するツイートで一般的に広がった。

「ナウシカのオームの鳴き声は僕のギターなんですよ!」というツイート。

当時はまだBOOWYのギタリストだった布袋が、ナウシカの音楽を担当していた久石譲に頼まれたとか。「ギターで泣いてくれと頼まれました。ずいぶん昔の話です」と明かしてる。

英語版の吹き替えは、意外に豪華キャスト!

ナウシカの海外版は、最初、ロジャー・コーマンが創立したニューワールド・ピクチャーズ社の配給で116分だったのが95分に短縮され、ナウシカも「ザンドラ姫」とかいう変な名前に変えられて、多くの改変がされたものが上映された。
宮崎監督はこれを知らなかったため、のちに激怒。そりゃそうだろ。まったく腹が立つ! その後ディズニー配下のブエナ・ビスタ・インターナショナルがビデオ配給権を得たので、ようやく2005年に完全英語版が発売された。

さて、この英語版の吹き替えを誰がやったか調べてみたらビックリ! ナウシカの声をやったのはアリソン・ローマン。彼女は2003年ティム・バートン監督の『ビッグ・フィッシュ』でジェシカ・ラングの若い頃を演じた女優さん。
で、あのクシャナ殿下をやったのが、なんとユマ・サーマン! 『パルプフィクション』や『キル・ビル』で有名だが、クシャナの声をやったとは! なんとなくイメージは合ってるよね。
アスベルはシャイア・ラブーフ。『トランスフォーマー』の主役で一躍有名になった子だ。そして映画で王蟲の子供を囮にして、風の谷へ大海嘯を引き起こす原因を作ったペジテ市長を、『スターウォーズ』のルーク・スカイウォーカー役マーク・ハミルがやっているのだ! 
凄い人当ててくるよね! ついでに言えば、マークは『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐もやっているぞ!

ナウシカの胸が大きい理由に、超納得!

宮崎監督の描く女性キャラクターは基本的に鳩胸なのが有名だけど、ナウシカはその中でも、しっかりとその理由が設定されていた。

宮崎さんいわく「その、やっぱりね、胸に抱きしめてあげた時にね、なんか、安心して死ねる、そういう胸じゃなきゃいけないと思ってるんですよ」だそうだ。死と隣り合わせの世界では、そんな姫様のためなら確かに死ねるって思えるよね! 

「らん、らんらら、らんらんらん♪」は久石譲の娘!

『風の谷のナウシカ』から『風立ちぬ』に至るすべての宮崎駿監督長編アニメーション映画の音楽を担当しているのが久石譲だ。そしてあの劇中で出てくる「らん、らんらら、らんらんらん♪」という歌は彼の当時4歳だった娘、麻衣が歌っている。

彼女はその後も歌手として活動していて、2011年にはNHKの『坂の上の雲(テレビドラマ)第3部』で、主題歌『Stand Alone』を歌っているんだよね! そういえばこのドラマの音楽は久石譲だったな。やはり親子の繋がりって強い!

ナウシカの声、島本須美。宮崎監督はかなり前からお気に入り!

島本さんと宮崎さんの出会いは、ナウシカより5年前にさかのぼる。1979年放送開始の世界名作劇場シリーズ『赤毛のアン』の主役オーディションで島本さんは最終選考まで残ったが、結果は山田栄子さんに決まった。
まあ、島本さんは落ちたのである。この『赤毛のアン』にレイアウトと場面設定スタッフで加わっていたのが宮崎さん。宮崎さんはどうやらこのオーディションで、島本さんの声に感銘を受けた。
そこで、このあと自ら監督する『ルパン三世カリオストロの城』のオーディションに呼んだ。


結果クラリス役に抜擢。島本さんはこのクラリス役の後に『風の谷のナウシカ』で自主的にオーディションに参加し、さらにナウシカ役をつかんだ。幸せな出会いだったと言える。それは僕らファンにとってもだ。

ちなみに島本さんの初レギュラーは『ザ☆ウルトラマン』のヒロイン星川ムツミ役だ。

ユパさまの声は、銭形警部!

ナウシカの師匠で、腐海辺境一の剣豪ユパ・ミラルダ。とても有名で人望も厚く、腐海の謎を追う旅人だ。各国の文化や歴史に詳しく、自然科学についても造詣が深い。その重くて頼もしくて超カッコいい声は納谷五郎があてている。

納谷五郎といえば、あのルパン三世の銭形警部である。とても同じ声とは気が付かなかった! 凄いぞ納谷五郎! 

納谷さんは2013年に満83歳で旅立ってしまったが、あの濁声がいつまでも忘れられないものだ。しかし実は元々の地声は濁りのない声質だという。それが堪能できるのがユパさまなのだ。

『ナウシカ』に多大な影響を与えたフランスの漫画がある!

どんな作家でも、何かしら他からの影響を受けるもの。巨匠宮崎駿も色々なものの影響を受けた。若い時に読んだ『ゲド戦記シリーズ』もそうだし、多くのSF小説もそうだろう。『地球の長い午後』や『デューン/砂の惑星』とかね。
そんな中、宮崎さん本人がナウシカに影響を与えたとはっきり認めているフランスの漫画がある。メビウスの『アルザック』(1975年)だ。メビウス本人と対談した時にそう語っている。このメビウスとは何者か? 

メビウスはペンネームで本名はジャン・ジロー。彼の影響を受けた日本の漫画家は他にも多い。大友克洋、浦沢直樹、谷口ジローなどがそうだ。現実と空想の間のような世界が、とてつもなく大きなイマジネーションを与えてくれるのだ。
独特の色彩感覚にも感嘆する。とにかく圧倒的なのだ。一度検索してみることをお勧めする。ちなみに、メビウスさんの娘の名前はナウシカである。『風の谷のナウシカ』にちなんで命名したとか。

原作漫画では巨神兵はナウシカをママと呼び、空を飛ぶ!

映画しか観てない人には衝撃だろう。あのドロドロで崩れ落ちた恐ろしい巨神兵は原作漫画では、ナウシカによって目覚めさせられ、名前を付けられ、突然意識が急成長。ナウシカをママと呼び、その手でナウシカを包んで空を飛ぶのだ。

その飛ぶ様がまた強烈。背中からニューッと何本かの触手が伸びて、ジンジンと唸る音と共に、反重力パワーがあるような感じで光と共に舞い上がるわけ。いやー、凄いです宮崎さん!

ナウシカのモデルは、堤中納言物語『虫愛づる姫君』!

堤中納言物語は平安時代後期の短編物語集で、誰が作ったかわかっていない。これは10編の短編物語と1編の断片からなる。その一つが『虫愛づる姫君』だ。美しく気高い姫が、化粧もしないで可憐なものを愛さず、毛虫ばかり愛する

その彼女を見た風流な貴公子が歌を詠みかける。という展開なのだが、どうも突然話が終わってしまう。宮崎さんは内容じゃなくタイトルに惹かれたんだろうな。

巨神兵の原画は、庵野さんが宮崎さんに叱咤されながら仕上げた。

庵野さんによれば、巨神兵を作画していた当時、よく宮崎監督に呼び出されダメ出しされまくったとか。「タイミングが早すぎる!」とか「人間、ヘタだね」とか「マクロスとは違うんだぞ!」とか。

巨神兵は二人で何度もやり取りして完成していったらしいので、ことのほか時間がかかった。一週間で1カット。下手したら10日もかかった。原画で最後まで残っていたのは庵野さん一人だった。でも庵野さんは「楽しかった」と回想している。

ナウシカがゲームに。だが宮崎監督は激怒!

ナウシカがゲームになっていた。それは「忘れじのナウシカ・ゲーム」。これ、シューティングゲームなんだけど、その内容がとんでもない。メーヴェに乗ったナウシカが王蟲や蟲たちを倒していくというもの。

「虐殺するなんて何事だ!」と宮崎監督は激怒。これ以降、ジブリ作品にゲーム化の許しがでなくなったとか。

「ナウシカ続編」に、ついに許可が下りた!

庵野監督がことあるごとにナウシカ続編をやりたいと懇願してきたことは有名なんだけど、宮崎さんは「いい加減にしろよ」と断っていた。ところが『風立ちぬ』の途中、病院に連れ込まれた宮崎さん、考えが変わったみたい

「庵野が好きにすればいい」と許したんだよね。でもね、宮崎さんはナウシカを作ることの大変さをわかってるから、どうなんだろうね本当は。庵野さんは「自分がどうこういう事ではないので、ただ、僕がやることはないと思いますね」と言ってる。

ナウシカと風立ちぬはキャッチコピーでつながっている。

現状宮崎監督の最終作であり最新作『風立ちぬ』のコピーは『生きねば。』だ。そして実はナウシカ漫画最終巻の最後のコマにある言葉も『生きねば……』なのだ。

一つの時代が終わりをつげ、ループとなったということじゃなかろうか。偉大な宮崎駿のオリジナル映画が始まったのが『風の谷のナウシカ』。そして現状最後の作品が『風立ちぬ』。

最後の作品のコピーで、最初の漫画のラストの言葉を使うなんて、初心に返ったという気もするし、なんとも言えない、偉大なものの決着を感じる。長い長い落とし前がついたということか。

まとめ。20選してみて・・・

宮崎駿監督の作品はどれもが名作であるけれど、その中でも語るべきことの多いのが「風の谷のナウシカ」だ。もう何度観たことだろう! だけど初めて観た若い人もいるんじゃないかな? 
最近、新海誠監督の『君の名は。』が超大ヒットをして、アニメ映画に対する世間の見方、考え方がさらに大きく変革した感じがしない? 


片淵須直監督の『この世界の片隅に』も実に素晴らしい作品だったしね。なんでも業界では、アニメ作家時代の到来と言われ始めてるとか。

その第一人者、アニメ界の巨匠といえるのが宮崎監督。宮崎さんが生み出した凄すぎる究極のオリジナルワールド『風の谷のナウシカ』。

公開から30年以上経っても改めてナウシカの凄さを感じる! そして何度も言うが、宮崎駿監督って凄すぎるぜーッ!

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