調理すれば魔物も美味い?ダンジョン飯の驚愕モンスター料理TOP10!

著者 九井諒子 の長編漫画「ダンジョン飯」に登場するモンスターを調理した料理の紹介と簡単な考察を交えた説明でTOP10のランキング形式でまとめあげたものになります。

調理すれば魔物も美味い?ダンジョン飯の驚愕モンスター料理TOP10!

とある墓地の壁から地下へと延びる巨大な空洞……暗く深い迷宮には、おどろおどろしい魔物達と残忍なトラップの数々がひしめき、そして元凶である恐ろしい魔術師が地下に潜む。

そんなレトロなロールプレイングゲームそっくりの世界で、主人公達も剣と鎧の戦士であるライオスに、杖と魔法の魔法使いのエルフのマルシル、人間よりも小さな種族の盗賊チルチャックと、ドワーフ族の戦士であるセンシ(名前)と言う面子で、王道の剣と魔法のファンタジーかと思いきや、この作品の主観は『出てくるモンスターがやたらと美味しそう』と言う中々斬新なもの。

ガッチガチの剣と魔法の世界感なのに出てくるモンスターを調理して出てくる料理は妙に現実味を帯びていると言うのが笑いのツボと胃を刺激してくれます。なお、この漫画を読む時は食べ物と飲み物を用意しておくのをおススメします。

食欲増進効果がとんでもないぞ!いや、マジで。

10位 人食い植物のタルト

「へー じゃあこのおいしさも戦略なのかな」

亜人系は論外!と断言し、動く鎧は金属?と疑問を投げかける、わがままさんなマルシルの為にセンシが提案したのは木の実や果実を使った料理。人食い植物、である一点を除けばとても普通な料理です。

しかし、タルトと言う言葉からイメージされる甘いお菓子的なものではなく、どちらかと言うとどっしりとした食べ応えのあるタルトの模様。材料の塩や胡椒、サソリ汁(?!)や仲間の一人、チルチャックの「塩味だ 想像してた味と違った」の台詞から、もしかしたらミートパイのような感覚で食べる料理なのでしょうか。食虫植物の木の実や果実も、野菜的な味かと思われます。

厚みもあり、かなりしっかりした弾力のあるタルトのようで是非ともホットミルクなどと一緒に食べたいものです。……ダンジョンで手に入るミルクも勿論モンスターのものになりそうですけど。

9位 マンドレイクとバジリスクのオムレツ

「一番栄養豊富でおいしいところを食べなさい」

そう言ってマルシルの皿にそ……っとマンドレイクの首部分を添えてあげるセンシの紳士さ。男として見習いたいところですね。さて、今回の料理は見た目は我々のよく知るオムレツそのものです。

ただ、中の具材がバジリスク(鶏と蛇の合わさった魔物)のベーコンとその卵、そして人間のような形をして、しかも引き抜かれると叫ぶという植物、マンドレイクを刻んだものとなっている一品です。

今流行りのトロトロ系のオムレツではなく、昔ながらの具材を包んだしっとりふわふわ系のオムレツ。マンドレイクが根菜のようなのできっとホクホクした食感なのでしょう。卵も普通の鶏卵より味が濃いそうなので男の子も満足できそうな一品です。

マンドレイクの首部分も顔のように見える部分の表面を削げばきっと見た目の抵抗感も無くなりそうです。とは言え、やっぱり此処は是非ともマンドレイクを食べている!感を強く味わいたくも思いますが。

8位 天然おいしい宝虫のおやつ

「すっごい選別してる」「いやあぁああ」

いやあぁああぁぁぁ……!と、マルシルばりに悲鳴を上げたくなるこの料理。天然、おいしい、おやつ、の三文字はいいんです。でもね、最後のキーワードの『宝虫』……。虫ですよ、虫。英語で言うとインセクト

出来上がった料理は宝虫の巣のジャムに真珠ムカデの串焼き、コイン虫のせんべいの三種類。現実世界でも蜂の子や芋虫を漬け込んだお酒なんてものがありますし、それに近いものでしょう。見た目にインパクトありすぎなのは漫画も現実も一緒ですね。

しかし、味の方はとろっとした食感の真珠ムカデに、小魚っぽいコイン虫、パンに挟んで食べる甘くてキラキラファンシーな宝虫の巣のジャムと食べ始めると、わりと抵抗なく食べているので味さえ良ければ口に入れるのも抵抗がなくなるという事なのでしょうか。確かに宝虫の巣のジャムは見た目だけなら宝石そのものだし、パンに挟んで食べるし、巣以外は水と砂糖だけの材料で出来ていますし。

大人数で集まったときのパーティーを盛り上げる、一種の度胸試しと思って食べるのもアリかもしれませんね。

7位 ジャイアント寄生虫の蒲焼き&白焼き

「これはイカやタコよりうまいんじゃないか?」

この漫画の特徴として、世界観は中世ファンタジー系なのに料理や調味料は和洋中なんでもアリと言うものがあるのですが、今回の料理は見た目だけなら完全にうなぎの蒲焼白焼きです。

食感は凄くふわふわとの事なので、うなぎのように蒸さず直接焼いてその食感という事はうなぎ以上の美味しさの食材なのかもしれません。見た目も寄生虫なのでにょろにょろと長く、鋭い牙が生えた姿をしていますが、もしかしたら、ヤツメウナギ的な側面もあるのかもしれません。ヤツメウナギはうなぎの仲間ではないですが……。

ただし、ジャイアント寄生虫の中にも寄生虫がいるので、くれぐれも生食しないように注意しましょう。現実のうなぎも生で食べる事が出来ないのでその辺りも共通点がありますね。折角美味しく食べた食事なのに、『身体の内側を刃物で刻まれるような痛み』が一晩続くのはゾッとします。この辺りは現実の寄生虫も同じなのでくれぐれも注意したいところです。

6位 茹でミミック

「すげえうまい……」

自分自身も強固な殻を持っているにもかかわらず、さらに宝箱や箱などに身を隠しつつ、それを鎧としているミミック。見た目から甲殻類そのものと言った風情で茹で上がったそれを見るとまさに蟹のよう……ですが、茹で上がる前の姿を見る限り、巨大なヤドカリと言った感じです。

食べ方はシンプルな塩茹でですが、ライオス達は強固な殻にみっちりと詰まった肉が中々穿り出せないようで盗賊の命とも言えるピッキングツール(鍵開けのための細く固い針金のようなもの)を、カニスプーンとして穿り返して肉を食べています。

カニと名付けられていながらタラバガニと言うものはカニではなく、ヤドカリの仲間なので恐らくこの茹でミミックもそれに準じたしっとりとした食感と蟹独特の香ばしさ、それに柔らかいのにしっかりとした歯ごたえのある高級感溢れる肉になっていると思われます。

ただし、現実のタラバガニと違う点が一つあり、蟹味噌にあたる部位はそれほど美味しくないようで、この辺りにヤドカリらしさが残っているようです。

もしかしたら、この世界のミミックは魔法の影響で大きく育つようになったヤドカリそのものなのかもしれませんね。

5位 マンドレイクのかき揚げと大蝙蝠天

「かき揚げ!!!」

料理もさることながら、この漫画のキモはレトロなロールプレイングゲームのような中世ファンタジーの世界感であるところは前述したとおり。特にダンジョンには恐ろしいモンスターと同様に危険な罠が幾つも待ち受けています。

しかし、そんな罠すらも料理のための調理道具にしてしまうと言うのが非常に新鮮です。その罠と言うのが仕掛けを踏むと落ちて来るギロチンや、飛び出すグツグツの油、床から吹き上がると激しい罠ばかりですが、ギロチンは肉切り包丁として。グツグツの油は揚げ物用の油(しかも上等のオリーブオイルを鍋一杯に使う贅沢さ!)床から吹き上がる炎はガスコンロとしてそれぞれ使い、野外でこんがりサクサクのマンドレイクのかき揚げと大蝙蝠のてんぷらを作ってしまいます。

ダンジョン内で揚げ物が食べられるとは思わなかったとライオスが発言していますが、実際野外では強い火力の確保が難しいので、てんぷら類を美味しく作るのは非常に困難です。その難しい課題を罠と言う冒険者を妨害する危険なものでクリアすると言うのは中々のものでしょう。

材料を見る限り砂糖やダシ汁が無い為、めんつゆの類はなく、醤油か塩で食べるシンプルなもののようなので、今後冒険をする予定の方で和食好きな人は、めんつゆを持って行くか、ダシを取るための魚介系のモンスターを狩っておく事をお勧めします。

4位 ゴーレム畑の新鮮野菜ランチ

「わしは魔術は好かんがあれは賞賛に値する!すべての畑はああなるべきだ」

料理自体は、ダンジョン飯であるにも関わらず現実でも容易に手に入れることの出来る材料を使った、ボリューム満点でホカホカの丸ごとキャベツ煮と、箸休めにぴったりのかぶのサラダです。

丸ごとキャベツ煮は文字通りキャベツを四等分しただけのものを鍋で煮込み、ホロリと崩れるほど柔らかくスープの染み込んだもののようで、塩と胡椒だけの調味料だけですが、厚切りのベーコンも入っており、深いコクと塩気が出ていそうです。ニンジン、じゃがいも、たまねぎもゴロゴロと入っており前述のキャベツと相まって自然な甘味がたっぷり溶け出している事でしょう。

しかし、この料理(と、言うか材料)は、全てゴーレムと言う動く土人形の背中で育てられたもので、現実にあれば害虫駆除(※野菜泥棒含む)も水分管理も全自動でしてくれるという夢のような畑です。

馴染みのある素材ばかりで料理の味が想像できる分、ファンタジー要素に説得力とリアリティを持たせているこの話は、読者の想像力を高めてくれる話の最高峰と呼べるでしょう。

3位 盗れたて野菜と鶏のキャベツ煮・略奪パンとご一緒に

「同じ食材なのに全然違う料理」

前述の『ゴーレム畑の新鮮野菜ランチ』で使われた野菜類でまったく違う料理が振舞われます。オークに。オークと言うのは、迷宮内に住まうモンスターの一種ですが、このダンジョン飯では会話が可能な上に、迷宮内で集落を作り生活を営んでいます。

料理の材料のメインとも言える鶏は集落で柵の中や野放しで飼われている描写があるので基本的に自給自足のようですが、赤い竜が現れたため、元々住んでいた集落を捨てて、逃げてきたとのこと。センシと元々は野菜の取引などもしており、またライオス達を物珍しく見ているオーク達もいる事から、比較的友好的なモンスターのようです。

(またダンジョン内で死んだものは生き返ることが出来ると言う事から今回の略奪は緊急だったと思われます。長期的に見れば人間と敵対せず、取引をした方が得られるものが多いのはセンシと交流している点から理解しているでしょうし。)

さて、話が逸れましたが今回の料理は『ピリ辛鶏と丸ごとキャベツ煮』と『手作りパン』『クレープ』となっております。説明に、キャベツ煮をクレープに挟んで食べるとあり、クレープと言うよりガレットに近い食べ物のようです。また、丸ごと、と言う名前はキャベツ一玉全てを材料に使っているようで、ゴーレム畑の新鮮野菜ランチでの丸ごとキャベツ煮とは違い、やや細かくキャベツやニンジン類を切っているようです。

マルシルが一口食べただけで汗を掻いているところを見ると文字通り辛味の強い料理のようで、非常に食欲を掻き立てられます。調味料が塩、胡椒の他にとうがらしが追加されており、鶏の手羽先が皿に盛られているところを見ると腿肉や胸肉などの部位は野菜と一緒に細かく刻まれているのではないかと思われます。

鶏肉の皮は脂が出るので、しっとりとした炒め物と言う感じの料理に仕上がっているのでしょう。前述のゴーレム畑の丸ごとキャベツ煮が野菜メインに対し、ピリ辛鶏と丸ごとキャベツ煮は鶏肉の旨さと刺激的な辛さを楽しむ料理に思えます。

2位 ローストバジリスク

「……に 肉汁が……良く出ておいしいです」

胴は鶏尾は蛇その牙と蹴爪には猛毒を持つという蛇の王バジリスク!! と言う中々のデンジャラスっぷりを感じさせる説明のモンスターですが、ライオス一行がこいつを狙う理由はバジリスクが守る宝の為でも、バジリスクが行く手を塞いでいるからでもなく、バジリスクの肉と卵を食べるためと言うシンプルな理由です。

しかし、このモンスターは初心者の手には余るほどの中々の強敵のようで、まだ経験の浅いパーティーが襲われ、戦士と魔法使い以外全滅してしまいます。さらに、その戦士が蹴爪の毒にやられて瀕死の状態に。バジリスク自体は経験豊富なライオスとセンシが見事なコンビネーションプレイで仕留め、毒を受けた戦士の為に早めの昼食として毒消し草他、薬草類を詰め込んだローストバジリスクを作ることになります。

しかし、ここでマルシルが薬草を美味しいと思ったことが無いのに何故入れるのかと疑問を投げかけており、この事から、この世界の薬草類は効果の高いハーブのようなものかと思われます。つまり、ローストチキンの香草詰めのような料理なわけで不味いわけが無いでしょう。

たっぷりの肉汁と各種薬草から染み出る芳香が漂って来そうな一品で、マルシルが杖と間違えて手にした腿部分の肉は是非とも齧り付きたい衝動に駆られる一品です。

1位 大サソリと歩き茸の水炊き

「うわっ おいしい!」

第一話のモンスターを食べるなんて、と思っているマルシルがスライムを食べての一言。これこそこの漫画の全てを物語っている気がします。この直前まで、やだやだ絶対やだと、ブレイクダンスで抗議をしていたマルシルがあっさり掌を返した事から、余程美味しかったのでしょう。

鍋の中身を見ると大サソリはぷりぷりの海老の身のようで、歩き茸も身体はエリンギ、脚はしいたけそっくりです。野菜類が足りないと入れた花苔やサカサイモも白菜やジャガイモとそう変わらなく見えて実に美味しそうです。

一番の懸念であるスライムも干しスライムとなったことで、細切りにされ一見するとプルプルとしたくずきりのような見た目になっており、見た目も美しく、味はマルシルが保障済みです。

果汁に浸してもうまいとの事なので、トコロテンのようにも食べられそうです。水炊きとの事は、特に調味料を入れていないので、恐らく大サソリから良いダシが出ているのでしょう。ミミックもそうですがこの世界の甲殻類のモンスターは巨大なのに非常に味が濃厚そうで、蟹、海老類が大好きな日本人ならばきっとこの水炊きを囲む時は無言で黙々と味を堪能してしまいそうですね。

お父さんもお母さんも子供達もみんなで静かに大サソリと歩き茸の水炊きを楽しむ……まさに古き良き日本の一家団欒(?)といったところでしょう。

「ドラゴンも焼けば美味い!!!」

冒険者の行く手を阻む、凶悪なモンスター達を調理したダンジョン飯のトップテン、いかがだったでしょうか。どれもこれも非常にインパクトのある食材ばかりなのに、出来上がりの品は驚くほど身近で味が想像しやすいものばかりだったのではないでしょうか。

実際にもしもモンスターがいたら、剣を取って格好良く戦う。魔法を唱えて鮮やかに退治する。そんなとりとめのない夢想の中に新たに投げかけられたモンスターを『食べる』と言う読者側への新しいファンタジー感と言うもの文字通り味わう事の出来る貴重な作品となっていると思います。

ライオス達の目的はあくまでもファリンの救出のようですが、やっぱり読者的に気になるのは第一巻の帯にあるようにドラゴンの肉の味はどんなものなのか言う事で、早く続きを読みたいところですね。

ダンジョン飯 ああ ダンジョン飯。……それにしても腹が減る。うーん、今日の夕食は何にしようかな。

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