坂本真綾の「疲れた時に聞きたい」ヒーリング曲5選

声優・歌手として幅広く活躍する坂本真綾さん。多彩な楽曲の中から、疲れた時にふんわり癒してくれる曲たちをご紹介します。

坂本真綾の魅力を、今もう一度語ろう

坂本真綾ってどんな人?

坂本 真綾(さかもと まあや、1980年3月31日[1] – )は、日本の女性声優、女優、歌手、ナレーター、ラジオパーソナリティ、エッセイスト。東京都板橋区出身[1]。血液型はA型[1]。東洋大学社会学部出身[2]。愛称はマーヤ。夫は声優の鈴村健一。

出典:https://ja.wikipedia.org

声優・歌手として活躍する坂本真綾さん。年齢を重ねる毎に魅力を深める、素敵な女性です。まずは、真綾さん(親しみと敬意を込めて、敢えてそう呼ばせていただきます!)がどんな方なのかを見てみましょう。

出典:http://www.jvcmusic.co.jp

肩書きがすごい!幅広いフィールドで才能を発揮していらっしゃることが分かりますね。鈴村健一さんとご結婚されたことも、発表された当時話題になりました。

歌手としてのキャリア

8歳の頃から子役として活動されており、CMソングを多数歌っていたそうです。そんな彼女が本格的に歌手デビューは、1996年にテレビアニメ「天空のエスカフローネ」にヒロイン・神崎ひとみ役で出演した際、オープニング曲「約束はいらない」を歌ったことでした。この時から、作曲家として数々の作品に関わる菅野よう子さんのプロデュースを2003年ごろまで受け、共に数々の名曲を生み出しています。声優としても数々の作品に出演し、洋画吹き替えではナタリー・ポートマン、ジェシカ・アルバ、キルスティン・ダンストなどを持ち役といています。2003年にはミュージカル「レ・ミゼラブル」にエポニーヌ役で出演。2009年まで同役を担当したり、2012年にはミュージカル「ダディ・ロング・レッグス~あしながおじさんより~」のヒロイン・ジルーシャ・アボットの演技に対して第38回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞しています。こうした経験も、彼女の音楽性に奥行を与えていると言えます。また、多くの楽曲の作詞を担当し、 その瑞々しく優しい世界観も人気です。さらに、歌手として自身が声優として出演していない作品のサウンドトラックにボーカルとして参加したり、他アーティストの楽曲に詞を提供するなど、アーティストとして様々な活動を行っています。  

坂本真綾に楽曲提供している多数の有名アーティストたち

2003年に菅野よう子さんのプロデュースを離れた後は、数々のアーティストに楽曲提供を受けています。2011年の「Buddy」では、作曲をStereo Fabrication of Youthの江口亮とSchool Food Punishmentが、編曲を江口亮が担当。同じく2011年の「おかえりなさい」では、あの松任谷由実さんが作曲を手掛けています!さらにアルバム「You can’t catch me」では、柴田淳さん、スネオヘアーさん、スキマスイッチの常田真太郎さん、真心ブラザーズの桜井秀俊さんらが楽曲に参加しています。優れたクリエイターたちの影響を受けながら、真綾さんの音楽はさらに洗練されています。これらの曲も、是非一度聞いてみてくださいね。

「疲れた時に聞きたい」ヒーリング曲5選

前置きが長くなってしまいましたが、ここから、疲れた時にそっと癒してくれる、真綾さんの楽曲を5曲紹介します。

afternoon repose

どこまでも穏やかに安らかな午後のメロディ

2001年に発売されたコンセプトアルバム「イージーリスニング」に収録されている1曲。 ゴダイゴのトミー・スナイダーの娘、シャンティ・スナイダーが作詞を手掛けています。

タイトルの「afternoon repose」は、簡単に訳すと「午後の平穏」といった意味でしょうか。アコースティックギターとピアノのアルペジオが美しくボーカルに寄り添い、穏やかで浮遊感のある楽曲です。波の音のような(レインスティックを使用しているかと思います)涼しげな音が入るのも印象的です。夏の日の昼下がりに、窓から木漏れ日が射し、白いカーテンが揺れ、ぼんやりとまどろんでいる。カーテン越しに、青々とした緑をたたえた庭が見える・・・。そんな情景が浮かびます。イントロのコーラスで一気にふわりとした世界観に引き込まれ、真綾さんの優しく瑞々しいボーカルが、この曲の登場人物たちを想起させます。

この曲は全英語詞ですが、歌詞の意味を見ていくと、単純な楽曲の美しさ以上に世界観の強い作品です。

In this peace of mind,no apprehensions
I’ve found my own bright reflection
Something calm and strong, I can’t explain it
and it’s embracing me

I’ll wake up to the morning sun here comes another day
and somehow know everything will be OK.

やすらぐ一瞬に 不安は何もない
まぶしく輝く自分を見つけたの
言葉にできない なにか穏やかで力強いものに
包まれている

新しい一日 朝の光に目を覚ますわ
すべては大丈夫だと知って

これはサビの一節ですが、この歌詞だけで、登場人物たちの姿が見えてきませんか。主人公は、一人ではありません。大切な人と共にいる。そしてその人の存在が、彼女に穏やかな午後をもたらしている。愛する人と一緒にいる。だからここにはなんの不安もない。すべて大丈夫と感じる。胸を覆い尽くすような幸せが、そこに溢れています。歌詞の意味を知って聴くと、よりこの曲が愛おしく感じます。ぜひ、よく晴れた日に陽射しを浴びながら、大切な人を思い出しながら聴いてほしい曲です。

ムーンライト(または”きみが眠るための音楽”)

ポップスの天才が作った眠れぬ夜のための曲

2011年のアルバム「You can’t catch me」に収録されている1曲です。キリンジの堀込高樹が作曲し、富田恵一が編曲を手掛けています。

キリンジは、96年にデビューし、複雑だけれどポップなサウンドと哲学的な独特の歌詞で注目を集めたグループです。兄弟でのユニットでしたが、この曲の作曲家である堀込高樹さんはお兄さんです。堀込さんは音楽が大好きで音楽を知り尽くしたような、計算された楽曲作りが特徴。ナムコの社員として勤務されていた時期があり、「風のクロノア」などの音楽を手掛けています。編曲を担当する富田恵一さんは、松任谷由実さん、平井堅さん、Crystal Kayさん、BONNIE PINKさんなど多数のアーティストのプロデュースを手掛ける音楽家です。

そんな2人が参加して制作されたこの曲は、ポップで聴きやすいながら、ドラマティックな進行のナンバー。真綾さんの高音のボーカルが透き通るように抜けて美しく、それでいてどこか素朴で優しい響きがあり、”きみ”への大らかな優しさを感じさせます。静かな夜に温かいものを飲みながら聴きたいような曲です。

きみがおとなになっても 未来は未来のまま
本当に知りたいことを教えられる人はいない ごめんね

素晴らしい出来事が
まぎれもない明日が
きみだけを迎えに来る
だからそれまで グッドナイト

この曲では、少し先を生きる誰かが、”きみ”に語ります。これから”きみ”が生きていくだろう時間のことを。大丈夫、心配ない。だから焦らず、急がずに今はおやすみ。その時がくるまで、ただ待っていれば大丈夫。そんな風に語りかける歌詞は、不安や迷いをふわりと包み込むような安心を感じさせてくれます。大人と若者で、感じ方が違う曲かもしれませんね。

うちゅうひこうしのうた

泣きそうなほどやさしく懐かしいうた



2003年のアルバム「少年アリス」に収録されている1曲。NHKの「みんなのうた」で放送されたことでも知られています。作詞を手掛ける一倉宏さんは、コピーライターとして「きれいなおねえさんは、好きですか」などのコピーを手掛けた方です。

ちょっと不思議な夢みたの
私は宇宙飛行士で あなたが農夫

宇宙飛行士になった夢を見た内容を語る、少し不思議な内容の曲。ピアノ伴奏のみの中に、時折宇宙船の機器の音が聞こえてきます。シンプルな構成であるにも関わらず、主人公がふわふわと宇宙を漂う情景が目に浮かびます。また、あっけらかんとして楽しそうなのに、泣いてしまいそうな、胸がキュッとするような切なさを感じます。ラストの「ラララ ラララ ラララララ・・・」というハミングは、地球に戻った主人公が、一面の麦畑の中で”あなた”に抱きしめられている情景が広がります。シンプルな言葉と音でイメージを大きく広げる、一度聴いたら忘れられない名曲です。

猫背

真摯に想う気持ちが溢れる、やさしいラブソング



2012年に発売されたベストアルバム「シングルコレクション+ミツバチ」に収録されている1曲。作曲は菅野よう子さん、作詞は岩里祐穂さんという、黄金コンビで制作されています。

この曲もピアノ伴奏のみ。シンプルな構成あるがゆえに、真綾さんの声とメロディの美しさ、歌詞の世界観をよりしみじみと感じることができます。この曲では少し幼く感じるボーカルですが、それが歌詞に描かれる主人公のいじらしさ、可愛らしさをよく表現しています。

背の高い君は
私の顔を見て話してくれる
背中まるめるその仕草が好き
もっともっともっと
近づいて

猫背は”君”のこと。こんなことを彼女に言われたら、どんな男性もいちころですよね。お互いを気遣いあう2人の様子が浮かびます。

等分のしあわせが与えられていると言う
でもそうは思えない出来事ばかりが続く
この手のひらは
何のためにあるのだろう

幸せで楽しくて嬉しくて、それでも相手を想うがゆえに不安になる。ぼんやりとしたやるせなさがある。そういった気持ちも書いてあるからこそ、この曲がより共感しやすくなっているのではないでしょうか。人を好きになる気持ちを思い出して、キュッと切なく、それでいて嬉しくなる曲です。

Remedy

自分を受け入れて前へ進む力をくれる、爽やかな応援歌



2009年のアルバム「かぜよみ」に収録されている1曲です。

「Remedy」とは、治療・救済という意味。爽やかな風が吹く丘に立っているような軽やかなミディアムナンバーで、ギターのアルペジオが印象的なイントロから始まります。コーラスワークにも厚みがあり、シンプルな構成の進行ながら聴きごたえがあり、シンプルであるからこそ歌詞のメッセージがストレートに響きます。真綾さんの声の良さが一番表せるキーの曲で、彼女の声の美しさを感じられる点も素晴らしいです。ちなみに、誰でも歌いやすいキーなので、カラオケでは気持ちよく歌えますよ。試してみて下さい。

私をもっと、もっと信じたい できることはたくさんある

この曲では、忘れたい過去を含めた自分を受け入れて、前へ進もうとする気持ちが描かれています。曲調と相俟って、風の吹く丘に立つ情景が浮かんできます。人を励ますのではなく、自分に言い聞かせる内容ですが、だからこそより私たちの胸に、自分に語られているかのように響きます。大丈夫、きっとできる。そう思えて、溌剌とした元気ではないけれど、心がすっと晴れやかになります。

未来の私に祈ってあげたい きっとしあわせになれるように

落ち込んだ時、疲れて明日への意欲が湧かない時に、押しつけがましくなくそっと励ましてくれる曲です。

坂本真綾の音楽は、自分の人生にそっと寄り添ってくれる。

大人になるほど聴きたい、大切な曲たち。

16歳でデビューしてから20年、歌い続けてきた真綾さん。その楽曲たちには、彼女が歩んできた人生が映し出されていると感じます。彼女の歌には誰もがいつか感じたことのある気持ちがあり、彼女はそれを力まず気負わずにただまっすぐに歌ってくれる。だからこそ彼女の曲たちは、多くの人に愛され続けているのでしょう。筆者としては、彼女の曲は大人になり、沢山の経験を積んでから聴くと、さらに胸に響くように思います。疲れたときにそっと包んでくれる曲たち、ぜひあなたも、もう一度聴いてみてください。