氷室京介の歌詞が魅せる不変の世界へようこそ!

孤高のクリエイティブアーティスト・氷室京介。BOØWY時代からソロに至るまで徹底して貫いた歌詞へのこだわりや、彼でしか成し得なかった独自の言葉遊び等をファンのみならず、ビギナーにも興味を持ってもらえるように紹介していきます!

「イカす男」の頂点・氷室京介の歌詞を紐解く!

#氷室京介

ATUSHIさん(@kyosuke1976)が投稿した写真 –

日本屈指のロック・ミュージシャンでありライブ・パフォーマーでもある氷室京介。彼の魅力を一言で表す事は容易ではありませんが、敢えて言ってみるとしたらそれは「最高にイカした男」・・・この一言に尽きるのではないでしょうか。

彼の音楽に対するスタンスは後のアーティストに多大な影響を与え、楽曲そのものに関しても未だバンドキッズにコピーされている程です。そして男性のファンが大多数かと思えば、いやいや、女性からの支持も負けず劣らず高いんです。

氷室京介の音楽が語られる上で一番に挙がるのは、歌詞というよりは曲の方が多いと思います。もちろん彼の曲というのは最大の魅力の一つなのですが、そこで終わってしまっては氷室京介の半分も知った事にはなりません!

ここでは歌詞の分野にスポットを当てて、そこから見えてくる氷室京介のカリスマへの軌跡を考察してみたいと思います。

BOØWYで確立!氷室ワールド

氷室京介を語る上で欠かせないピースと言えば、やはり何と言っても「BOØWY(ボウイ)」の存在です。1981年に結成されたこのバンドには氷室京介の他に、ギタリストの布袋寅泰も在籍していた事で有名です。

BOØWYの音楽は当時のジャパニーズ・ロックシーンを大きく革新させ、彼らは一躍モンスターバンドに上り詰めましたが、僅か七年後の1988年に電撃解散してしまいます。このBOØWYでヴォーカルを務め、大半の作詞を手がけていたのが氷室京介なのです。  

#氷室京介 #kyosukehimuro

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氷室の歌詞は最初から独自の世界を持っていましたが、個人的にそれが確固たるものとして大きく化けたと思うのが、通算4枚目のアルバム「JUST A HERO」です。その中の1曲目「DANCING IN THE PLEASURE LAND」のさわりだけですが紹介させてください。

プラスティックのノクターン  もてあましてるパッション  ビロードみたいに艶やかなフィクション  銀のピアスにそっと口づけてアイロニー 細い指先にからみつくムーンライト

・・・プラスティックのノクターンですよ。どんな発想からこの言葉が浮かんだのか、そして歌詞のド頭にこれを持ってくる感性。ただこの曲は幻想的でシュールに満ち溢れたサウンドなので、むしろこの出だしじゃないとしっくりこないと思わせるところが凄いんです。

ただ、これだけだと「じゃあ英語を羅列すれば格好良いのか」と思われかねないので、もう一つ紹介させてください。BOØWY5枚目のアルバム「BEAT EMOTION」の1曲目「B・BLUE」より一部を抜粋させていただきます。

OH BABY TRUE 素直になれずに 優しさには照れてばかりで 不器用な愛で いつも傷つけあってたネ

この歌詞は思春期の男子に刺さりまくるのではないでしょうか?みんなの前では照れ臭さに負けて彼女の事をついついぞんざいに扱ってしまい、知らず知らずの内に取り返しのつかない程傷付けてしまった・・・。似た様な出来事、身に覚えありませんか?

「狂介」時代に感じた疑問とは?

BOØWYが結成された当初は「暴威」と書いてボウイと読ませていて、氷室は2枚目のアルバムまでは「氷室京介」ではなく「氷室狂介」と名乗っていました(やはりワルだったのでしょうかね・・・)。

狂介時代の歌詞にも既に独創性が現れており、いわゆる造語が幾つか見られます。ライヴでは必ずと言って良い程演奏するロックナンバー「IMAGE DOWN(イメージダウン)」は本場英語圏にはない、彼が創った造語です。

狂介時代の作品で、もう一つ造語で作られたタイトルが「SCHOOL OUT(スクールアウト)」です。これは「学校なんかやめちまえ」という意味で使われている結構過激な歌詞なのですが、取り敢えずサビの部分を紹介します。

SCHOOL OUT やっちまえ今すぐ SCHOOL OUT やっちまえ BOYS AND GIRLS

・・・とまあこんな感じなのですが、実際にBOØWYファンの中で、この歌をきっかけにして学校を辞めた者が現れたそうです。その為に作った歌詞である筈なのに、氷室本人の心中は全く爽快なものではなく、氷室は自分の作り出す歌詞に疑問を抱く様になった、というエピソードがあります。

自作からの転換・・・ソロ活動に突入

出典:http://www.himuro.com

上記の様な出来事もあってか、BOØWY解散後の氷室はあまり歌詞を自分で作成しなくなりました(理由はもちろんそれだけではないとは思いますが)。そこで、ソロ後に携わった作詞家を調べてみると・・・ごく少数、限られた数人しかいない事に気付きます。

以前とある大物芸人さんの本に「何でこの監督の映画には同じ俳優ばっかり出てくるのか?と思っていたけど、いざ自分が全てを指示する立場になって、俺が何をやりたいかを肌で知っている人達じゃないと、それを作り上げるまでにまた凄く労力が必要になるからだと分かった」の様な事が書かれていました。

これは氷室京介のソロ人生にも同じ事が言えるのではないか?と個人的にはしっくりと当てはまりました。

ソロとして今までと違う氷室京介を見せていく、そして自分が見えていない自分というものをあらゆる面から発掘していく、というこの大きな転換期に、歌詞の分野において納得できる表現ができる人は、やはり限られている筈です。

自分の作品に対する思いを伝えて、それを最上の言葉にして返してくれる人が見つかったら、そりゃあ依頼し続けるに決まってますよね。その中で「ここは不器用でも自分の言葉で語る方がしっくりくるんじゃないか」という場面では、自らがペンを取ったのではないかと推察します。

最後にもう一つ!氷室京介の特筆すべき点とは?

これからお伝えする事は私の知る限りどこかで話題に上がっていた記憶がなく、誰も気にした事がないのかな・・・?と不思議だったのですが、個人的には氷室京介の特徴的な一面だと思うので記述させていただきます。

皆さんはカタカナから覚えた英語ってありませんか?簡単な例をあげると、ステーキとかシチューとかドラマ等々・・・。それらの英語表記を知るのはかなり後になってからというのが日本に住む我々の常だと思いますが、私はその様なカタカナ英語の英語表記を氷室京介の歌詞から学びました。

#氷室京介 #kyosukehimuro

1669/1669さん(@angel19880721)が投稿した写真 –

ソロになって2枚目のアルバム「NEO FASCIO」には「CHARISMA」「CAMOUFLAGE」という曲がありますが、これらはそれぞれ「カリスマ」「カモフラージュ」と読みます。

そして3枚目のアルバム「Higher Self」には「CLIMAX」「CABARET IN THE HEAVEN」が収録されていますが、それぞれカタカナにすると「クライマックス」「キャバレー・イン・ザ・ヘヴン」と、聞き覚えのある言葉である事が分かります。

他にもまだありますが、この様なタイトルを付けるのは氷室京介の一つの大きな特徴ではないか、と思っています。因みに、下に貼り付けた曲の名前も、氷室を通じて初めて知った英語表記です。皆さんは分かりますか?

今後の動向は・・・?氷室京介という巨像の行方



耳の不調の為に、2016年5月を以てライヴ活動を卒業した氷室京介。孤高のカリスマの引退をまだ受け止め切れないファンも沢山いると思います。そして、彼の残した功績はもはや計り知れません。

氷室の出で立ちや歌い方を真似たバンド・ヴォーカリストは数え切れない程出現しましたし、歌詞に関しても彼女の事を「オマエ」、要所要所に入る「ジャスト」なんかはかなり使われていた時期がありました(それ以前にも「オマエ」は使われていましたが、後のミュージシャンに影響を与えたのは氷室、という意味です)。

出典:http://www.himuro.com

誰もが天才だと思っていた氷室京介の言葉で驚かされたのが、「いつもクリエイティヴなものを目指しているけど、やってる事の九割は失敗してる」といったもの。私達の羨望の眼差しを受けながら、その陰では常に苦悩の連続だった様です。

ただ、それとは別に「いくら打ちのめされても、また立ち上がればいいっていうのが俺の矜持(自負しているもの)」とも語っています。実際ライヴは出来なくなっても創作活動自体を辞めるわけではない様なので、今後も困難に立ち向かう氷室京介を応援していきたいと思います!

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