新海誠の映画5作品で「君の名は。」をより深く楽しむ方法

2016年に公開された大ヒット映画『君の名は。』皆さんまだ記憶に新しく、劇場に足を運ばれた方も多いと思います。そんな『君の名は。』は新海監督の過去の作品を知るとより深く楽しむことが出来ます!その繋がり、共通点を徹底解説!

今や誰もが知る映画監督・新海誠とは



『君の名は。』で一躍時の人となった新海監督。皆さん名前だけは知ってると思いますが、ここではもう少し詳しく解説していきます。新海さんは最初から映画監督だったわけではなく、大学卒業後にゲーム会社で会社員をしていた時期があります

会社ではパッケージのビジュアルやキャッチコピーを作成しており、帰宅後のわずかな時間で自主制作アニメを作っていました。この頃は深夜3時に寝て朝6時に起きるという生活をしていたそうです。凄まじい努力家ですね!

そして『秒速5センチメートル』で新海誠の名を世間に広めました。どの作品にも言えることですが新海監督の作品に特筆されるのは背景の緻密さ距離です。ちなみにご実家は建設業をされていて年商70億円ほどとかなりの規模。

会社の後を継ぐのを断りゲーム会社に就職しました。僕だったら間違いなくやりたい事より後を継ぐことを選んでしまいます。だってそしたら簡単に地位とお金が手に入りますもん!笑

新海誠、初の劇場公開作品 『ほしのこえ』

『ほしのこえ』ってどんな作品?

中学生の長峰ミカコと寺尾ノボルの物語。お互い恋心を抱いており、同じ高校への進学を望む中、ミカコが国連宇宙軍に選抜されてしまいます。宇宙に行ったミカコとの連絡手段はメールのみで、ミカコが地球から離れるにつれメールも数週間、数年、1年と時間がかかるように…

めちゃくちゃ切ない作品です。ミカコとノボル会わせてあげてぇぇぇ(涙)ちなみにこの作品は制作のほとんどを新海監督1人で担当しており、オリジナル版ではノボルの声までやっているという驚き!

『ほしのこえ』と「君の名は。」

この作品では宇宙がでてきますが、君の名は。にも彗星といった宇宙要素がでてきますね。また、宇宙と地球に引き裂かれる2人ということで物理的距離、メールによる時間的距離が表現されており、どちらも君の名は。にも取り込まれている要素です。

そして君の名は。と似た構図のシーンも出てきます。これはあえてなのかたまたまなのか・・・新海監督(神)のみぞ知るですね。この作品自体もとても面白いですが、君の名は。から入った人からすると物足りなさを感じるかもしれません。

ただ、ほとんど新海監督お一人で作られたことを考えるととんでもないクオリティです!

まだ若かった!?『雲のむこう、約束の場所』はセカイ系の代表作

『雲のむこう、約束の場所』ってどんな作品?

もう1つの戦後の世界。中学3年の藤沢ヒロキは白川タクヤと海の向こうにそびえ立つ塔に行くことを目標に小型飛行機を作っていた。そしてヒロキが想いを寄せていた沢渡サユリも含め、3人で塔に行く約束をした

しかし、夏にサユリは突然姿を消した。眠り病にかかり、眠りから覚めなくなったサユリは東京の病院に入院してたのだ。そのサユリを眠りから覚ますため、ヒロキがサユリを塔に連れていくというもの

今作も前作「ほしのこえ」と同じくSF要素がふんだんに盛り込まれたセカイ系の作品となっていますが、『雲のむこう、約束の場所』は高評価の人と低評価の人で意見が真っ二つに割れる作品でもあります。ぜひあなたにも実際に観て欲しい。

『雲のむこう、約束の場所』と「君の名は。」



今作はです。夢で出会える2人や目を覚ますとその記憶を忘れてしまうこと。君の名は。でも重要な要素としてこのエッセンスが盛り込まれています。そして夕陽をバックにしたこの構図!完全に君の名は。のシーンと一致しますねぇ。

新海作品はいつも距離が描かれていますが今作はちょっと分かりにくいです。夢の中と現実の世界との距離(ギャップ)とでもいいましょうか。ちなみに「ほしのこえ」から比べて絵がえげつないくらい進化しています。今の新海監督にイメージされる精緻で美しい背景の片鱗を見せている作品です

一躍名を馳せた名作『秒速5センチメートル』

『秒速5センチメートル』ってどんな作品?

出典:http://www.cwfilms.jp

小学校の同級生である貴樹と明里。両想いの2人だが小学校卒業を機に離れ離れになってしまう。その後は文通を重ねる2人であったが、中学生になった貴樹は大雪の降るなか明里に会いに行くことを決心する。

再会し想いを確かめ合った2人。しかし重ねていた文通もいつしか途切れてしまう。そして大人になった2人は・・・という感じの内容です。観ると胸が締めつけられ、僕は今日死ぬのかと思うほどです

今作はSF要素が完全に排除され、現実を舞台として心の遷移が描かれているので、目移りするものが無くスッと入ってきやすい作品です。個人的にはこれが新海誠の1つの到達点だと思います。

『秒速5センチメートル』と「君の名は。」

出典:http://www.cwfilms.jp

『秒速5センチメートル』に関しては完全にラストシーン!秒速のラストでは2人がすれ違った後、貴樹が振り返るが明里はいないというものでした。君の名は。のラストは2人がすれ違い「え、振り返らないの?振り返らないの?やめて、気づいてー!!」と思わされたとこで2人が振り返ります。

もう、最高のラストシーンです。また、今作では貴樹が電車から明里を見かけるシーンがありますが、君の名は。では2人が電車ですれ違うことによって出会うキッカケになります。距離に関しては、秒速では親の都合で離れ離れになってしまう2人の物理的距離が描かれています

ジブリをリスペクト?『星を追う子ども』

『星を追う子ども』ってどんな作品?



母と二人暮らしの明日奈はある日アガルタから来たという少年シュンと出会う。翌日また再会し仲良くなった2人はまた会う約束をして別れるが、それは叶わず、後日シュンが遺体で見つかってしまう

「シュンにもう一度会いたい」と願う明日奈のもとに、シュンそっくりの弟シンと妻を生き返らせたいと願う森崎が現れる。そして3人はアガルタに向かうことになるのだが・・・。というお話で、とてもファンタジー色が強いです

また、この作品はテトや飛行石などのジブリを思わせる要素やシーンがとても多く、これに関して新海監督は「ジブリ作品を連想させる部分が確かにあると思うのですが、それはある程度自覚的にやっているという部分もあります。」と語っています。

『星を追う子ども』と「君の名は。」

フィニス・テラの崖と君の名は。で御神体のあるクレーターのデザインがとても似ていますねどちらも黄泉との境界というのも同じです。また今作では今までになかったが扱われています

君の名は。でも三葉は一度死んでしまい、瀧くんは大切な人を失っています。この点も今作から引き継がれた部分ですね。そして『星を追う子ども』の距離は黄泉と現世です。失った大切な人に会いに行く話ですから分かりやすいですね。

ちなみに僕は今でも星を追いかけている子どもです!今作を観ればこの意味がきっと分かるはず!

これぞ新海誠の真髄!『言の葉の庭』

『言の葉の庭』ってどんな作品?

出典:http://www.kotonohanoniwa.jp

靴職人を目指す高校生の秋月孝雄は雨の日は学校をサボり庭園の東屋で靴のデザインを考えていた。ある雨の日、孝雄はチョコレートを片手にビールを飲んでいる女性、百香里と出会う。去り際に百香里は『鳴る神の 少し響みて(とよみて) さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ』という和歌を残し去っていく。

ここから雨の日だけの2人の交流が始まる。お互いがお互いを必要としていることをなんとなく気づきながらも関係が続いていき・・・というお話しですが、この映画は最高です!まだ観てない方が億が一いるようならぜひ観て頂きたい!

『言の葉の庭』はアニメーションという芸術・文化の1つの極地です!リアルガチに今作に関しては原稿用紙20枚書けます!それだけ語りたくてたまりませんが、この作品だけはまだ観てない人のためにネタバレしたくないので、これ以上は語らずにおきます。

『言の葉の庭』と「君の名は。」

出典:http://www.kotonohanoniwa.jp

孝雄と百香里は15歳と27歳で12違います。瀧くんと三葉も3つ歳が違います。そう、この作品の年齢差という要素が君の名は。にも含まれていたんです。そしてこの年齢差は年齢の距離でもあります

もう1つの距離は位置の距離です。ここで言う位置というのは立ち位置や立場といった意味合いです。学校の教師という位置にいる百香里と生徒の位置にいる孝雄。この距離はめちゃくちゃ遠いですよねぇぇぇぇ(涙)

ちなみに君の名は。で古文を教えている先生として出てくるのはこのユカリ先生です。新海誠ファン・花澤香菜ファンには嬉しいサプライズでした!

過去作から繋がる『君の名は。』

そして『君の名は。』から繋がっていく



ここまで見てきて「こんなに共通点や繋がりがあったのか!」と驚きの方もいるかと思います。ただ、上記に挙げたものはあくまで僕が気づいたものなので、きっともっと多くの繋がりがあると思います。

過去作との繋がりの中でも一番なのはやはりラストシーンでしょう。秒速のラストを踏襲した上での今回。あの振り向くか振り向かないかの数秒に10年分心臓が脈打った気がします

そしてこの繋がりというのが君の名は。の中でも1つの重要な要素になっています。それを制作段階にまで広げ、これだけ圧倒的な作品を作り上げた新海監督はなんなんでしょう、神ですかね。

『君の名は。』という映画は過去の作品が繋がり生み出されたものです。それと同時に多くの人に「新海誠の過去の作品を観るきっかけ、繋がりをくれた作品」でもあると思います。上記のような共通点、繋がりを知った今もう一度観ると、1度目の100倍楽しめるはずです!そして過去の作品にもぜひ手を伸ばしてみてください!

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