最強作『ゴジラVSデストロイア』死をテーマに描かれる最後のゴジラとは?

『ゴジラVSデストロイア』は平成版ゴジラの最期の作品と名打たれ、ファンを騒然とさせました。怪獣王ゴジラの最大にして最後の敵のその強さと脅威は驚くべきものです。「ゴジラ死す」のキャッチコピーも話題になりました。

『ゴジラVSデストロイア』平成のVSゴジラ最後の砦

惜しまれつつ終わった人気「ゴジラ」シリーズ

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ゴジラ死す」そんなキャッチコピーと共に「ゴジラ」シリーズの終焉が告げられました。『ゴジラVSデストロイア』の公開は小学校高学年の時で、ゴジラが終わってしまうニュースは非常に残念でした。多くのファンに惜しまれつつ終わった「平成VSゴジラ」シリーズの完結編です。

ゴジラVSデストロイア』は本編を大河原孝夫が、特撮部分を川北紘一が監督を務めています。1954年に公開された初代『ゴジラ』からこれまでにクレジットされ続けてきた田中友幸が最後にクレジットされている作品としても有名です。音楽の伊福部昭もこれ以降に復活した「ミレニアムゴジラ」シリーズに関わることはありませんでした。

ゴジラ死す! 最後の戦いへと至るストーリー

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香港に現れたゴジラは全身が発光して、赤い熱線を吐き散らかしていきました。調べるとゴジラの体内の核エネルギーが不安定な状態にあり、いつ大爆発が起きてもおかしくないことが発覚します。

一方でトンネル工事現場のパイプが誘拐したり、水族館の魚が死滅するなど不可解な事件が起こっていました。犯人はかつてゴジラを滅ぼした恐るべき兵器オキシジェン・デストロイヤーによって生み出された凶悪生物だったのです。

やがて日本に上陸するゴジラ。体内で暴走した核エネルギーのせいで、体内温度が1200度に達した時、メルトダウンが引き起こされる可能性が出てきました。そうなれば地球は人が住めなくなるほど高温化してしまいます。人類はゴジラを唯一倒すことのできるデストロイアゴジラを打ち倒させメルトダウンを阻止する作戦に打って出るのでした。

最後の戦いを描いた『ゴジラVSデストロイア』の見どころ

最強の敵デストロイア

完全生命体」の異名を持つデストロイアは劇中で進化を続ける厄介な相手です。その登場シーンからインパクトを残しています。目に見えないほど小さいそいつはミクロオキシジェンという物質を作りだし、あらゆる素材や生物を溶かしてしまいます。水族館の魚を一瞬で溶かし、「水が魚を食ってる」と錯覚させたシーンはインパクト大です。

進化すると体も大きくなり、よく凶暴になります。人ほどのサイズをした昆虫のような幼体が合体して集合体になると、ミクロオキシジェンをビームとして噴射するようになりました。初代ゴジラを殺したオキシジェン・デストロイヤーに匹敵するほどの威力です。

完全体になるとG細胞の力も取り込んでおり、より凶悪になりました。完全体の吐き出すオキシジェン・デストロイヤー・レイは瞬間的にオキシジェン・デストロイヤー以上になるというのだから凄まじいです。そんなデストロイアが脅威となってゴジラの敵になると考えただけでワクワクします。

死にゆくゴジラが人類最大の脅威に!

ゴジラVSデストロイア』では我らが主役ゴジラもまた人類最大の脅威になっているので最高です。下手をすると人類を滅ぼしかねないゴジラに凶悪なデストロイアをぶつけなければいけないほど、緊迫した状態になっています。

人類の脅威である核に生み出されたものが、これまた人類の脅威になるという警告のようなテーマを持って生まれたのがゴジラです。そのゴジラが核エネルギーを御しきれなくなり、まるで歩く福島第一原発のように超危険な存在になってしまいます。それを必死で食い止めようとする人類の努力が面白いです。

初代ゴジラとのリンクが嬉しい設定

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最強の敵デストロイアを生み出したオキシジェン・デストロイヤーは1954年の初代『ゴジラ』に登場してゴジラを打ち倒した代物です。人類を救うために使われた代物が40年以上の時を経て人類の脅威として復活するのは、皮肉を感じると共に嬉しい設定です。

初代ゴジラのシーンが回想で使われたり、ヒロインだった山根恵美子山根博士の孫が登場したりと、ファンには嬉しい仕様になっています。また初代のロゴをオキシジェン・デストロイヤーに破壊させ、改めて『ゴジラVSデストロイア』のロゴを登場させるシーンはファンにとって嬉しくもあり、カッコいい演出です。

親子愛が交錯する衝撃のエンディング(ネタバレあり)

平成VSゴジラ」シリーズのラストはかなり壮大な終わりになっているのではないでしょうか。息子であるゴジラジュニアデストロイアに殺されたゴジラは怒り、デストロイアに猛攻で打ち勝ちます。逃げようとしたところ自衛隊に撃ち落とされて力尽きてしまいました。
 
そしてゴジラにメルトダウンの時が訪れます。核エネルギーを放出し、もはや地球は焼き尽くされてしまうかと思われた時、軌跡は起きます。死んだはずのジュニアが核エネルギーを吸収し、親であるゴジラのエネルギーを受け継いで復活したのです。蘇ったジュニアの姿を映しだし、映画は終わります。

ゴジラの最期を見守るキャストたち

三枝未希(小高恵美)

三枝未希は「平成VSゴジラ」シリーズになくてはならないお母さん的存在です。『ゴジラVSメカゴジラ』でベビーゴジラと出会ってから、『ゴジラVSスペースゴジラ』ではリトルゴジラ、そして本作『ゴジラVSデストロイア』ではゴジラジュニアと彼の成長を見守ってきました。そんなゴジラジュニアを愛する彼女が人間の生き残りとのはざまで葛藤する様子が健気で良いです。

ゴジラデストロイアを戦わせるためにジュニアを囮にする作戦の命令が下ります。故郷に帰ろうとするジュニアを囮にするなんてと渋りますが、どうせ人類のためにやらなければならないなら自分がやるとジュニアの元へと向かうのでした。

黒木翔(高嶋政宏)

黒木翔は防衛庁特殊戦略作戦室室長で、ゴジラと戦うための作戦指揮を取っています。『ゴジラVSビオランテ』では高嶋政伸が演じていましたが、本作ではスケジュールの都合上、兄の高嶋政宏が演じています。ゴジラのメルトダウンを止めるべく、デストロイアと戦わせる作戦を立てます。  

山根健吉(林泰文)

山根健吉は初代に出てきてゴジラを最後まで見守った山根博士の孫で、ゴジラのメルトダウンをずばりと言い当てます。その後もGサミットに参加し、ゴジラによる地球の危機を救おうと頭脳をフル回転させて活躍してくれます。祖父と同じようにゴジラの行く末を見守るようになる展開は胸アツです。

最後のゴジラが与えた感銘(感想)

人類の行いを警告する初代『ゴジラ』の精神を正当に受け継いだ作品だと感じている人が多いです。初代の持っている魂を受け継いでいるからこそ、ゴジラファンに認められる最高傑作となっています。

親子の愛が受け継がれた『ゴジラVSデストロイア』。初代のテーマを内包し、新たな解釈で消化しているからこそ、ゴジラ映画のけじめとして認められている由縁です。ラストに相応しい有終の美を飾った映画です。

初代のテーマが内包されている中身の濃い『ゴジラVSデストロイア』ですが、純粋な怪獣映画としても面白いです。デストロイアの最終形態や、赤く体が燃えるバーニングゴジラなど、怪獣の造詣が素晴らしくてカッコいいです。怪獣好きなら絶対見て欲しい映画です。

全部観たい平成版ゴジラのラスト『ゴジラVSデストロイア』

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「平成VSゴジラ」シリーズのラストを飾る『ゴジラVSデストロイア』はゴジラ愛にあふれた作品です。初代『ゴジラ』のオマージュ、平成版のゴジラ映画と共に成長を続けてきたゴジラジュニアの奮闘、そいしてジュニアにとってお母さん的存在の三枝未希の愛情など。これまでのゴジラ映画の集大成という作品です。

オマージュされている初代とこれまでの平成ゴジラを通して観れば、世界観が広がる本作は素晴らしいです。加えてゴジラが原点である核の脅威となって再び人類を脅かす流れは、製作者のゴジラ愛にあふれた集大成になっています。ゴジラとは何かを知るには他の作品と通して観たい最強のゴジラ作品です。

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