ゴジラが紅白襲撃で賛否両論?本気すぎる演出の効果は如何に!

2016年大晦日の第67回紅白歌合戦は、いろんな意味で物議を醸しましたね!?ツッコミどころ満載でしたが、特に注目を集めた“ゴジラ紅白襲撃”は、はたして成功?それても失敗?どっちだったのかを、検証してみます。

NHKのご乱心!紅白にゴジラ登場

事前予告で“煽り”作戦へ!?



若者のテレビ離れが叫ばれて久しいですが、「大晦日は家族揃って紅白歌合戦」という光景も、年々減っていると思います。とはいえ、紅白歌合戦を観ると、その年に日本で流行ったものがわかるという側面もあります。

2016年7月に公開された『シン・ゴジラ』は、邦画実写映画では久しぶりに興行収入80億円を越えたヒット作で、暮れの流行語大賞にもノミネートされましたが、大晦日の9日前に「ゴジラがNHKホールに襲来!」、「映画の世界観はそのままに『紅白対ゴジラ』が展開されます」と、NHKから突然の煽り事前予告がありました。

スタジオにゴジラの着ぐるみでも登場するのかなぁと、ぼんやり想像していた人がいたかもしれませんが、まさかゴジラが紅白歌合戦をまんまジャックするとは!!いい意味でも悪い意味でもさすがNHKでしたね。

“緊急速報”動画挿入で緊迫感を演出!

司会者2人の演技が微妙・・・

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NHKが「新しいスタートの年」と位置付け、「夢を歌おう」をテーマにした2016年の紅白歌合戦は、『シン・ゴジラ』の音楽を手がけた作曲家・鷺巣詩郎の「Fly into the Sun」で始まりました。開始早々ゴジラ登場の伏線でした。深いなぁ、NHK!!
 
後半戦が始まってすぐの21時10分頃、番組内に鳴り響いた警報を合図に、ゴジラ企画のスタートです!「まもなくNHKホールにゴジラが到着します」とアナウンスが流れ、司会の相葉雅紀が戸惑い、有村架純が「ゴジラを止めるには、良質な歌が必要です」とみんなでゴジラと闘うように鼓舞し、視聴者が困惑する展開に。

審査員席の新垣結衣は目をまんまるにしてビックリしていましたが、ガッキーは何をしても可愛いです!!隣の大谷翔平は、終始苦笑いで反応に困っている様子が、窺えました。

長谷川 博己~バツグンのNHK貢献度



堤真一、西島秀俊、福山雅治が結婚し、悲鳴を上げた女性たちの次なる関心の筆頭であるイイ男のひとりが、長谷川 博己でしょう。文学座出身で演技力のある長谷川博己がブレイクしたのは、NHKドラマ10の『セカンドバージン』でした。

そんな長谷川が内閣官房副長官・矢口蘭堂を演じる『シン・ゴジラ』。映画では、「あれはなんだ!?」、「どうする」に時間が割かれましたが、紅白では、「ニュース速報」の画面から、「未確認巨大生物が東京湾から襲来し、17時30ごろに港区を移動していたことが確認されました」とアナウンして、「政府による緊急記者会見に繋げます。

緊急記者会見で、矢口が「政府は巨大不明生物特設災害対策本部-巨災対を設置し、未確認巨大生物をゴジラと呼称する」と発表。矢口を映すカメラの切替えが絶妙で迫力がありました。

最大の功労者は!?

「ゴジラを止めるための良質な歌」として、選ばれたのがピコ太郎XJAPANでした!?ピコ太郎が第九バージョンの「PPAP」を披露しますが、ゴジラ撃退には至らず、YOSHIKIのピアノソロからToshlの絶叫「紅」で、ゴジラは完全退散。みんなで力を一つに合わせた良質な歌の力で我々は助かりました!?

ゴジラ企画功労者に、YOSHIKIToshlがあがります。役者でもない2人が、keyとなるセリフを見事にクリア。さすが、大物アーティストは違いますね!!あんな恥ずかしい役を引き受けるなんて、余裕があります。

最大の功労者は、総合司会の武田真一アナかと。前撮りなのかNHKホール前から、「アイ・ハブ・ア・マイク、アイ・ハブ・ア・ゴジラ…ゴジラマイク!」と、「PPAP」のパロディーでゴジラ襲来をレポート!?今年の「好きな男性アナウンサーランキング」で、過去最高位の1位、2位が狙えるかもしれません!

その時ゴジラでTwitterの歴史が動いた!?

紅白“ゴジラ”の評価は真っ二つ!!

大晦日の紅白歌合戦をみながら、その時の感想をタイムリーにTwitterに呟くというのは、多くの人がやっているテレビ視聴のスタイルですが、裏番組の日テレ『笑ってはいけない』とチャンネルを変えながら観ている人もいるというのは、否めません。

紅白・ゴジラに対するTwitterでのつぶやき評価は、ホントに真っ二つです。「誰が、あんな企画言い出したんだ!!」と激怒した人がいるかと思えば、「本当に楽しかった!ありがとう」という人もいて、紅白“ゴジラ”の評価は、まさに賛否両論といった感じです。

否定的な声もあるにせよ、そこは紅白。お年寄りからお子様にまで、そこそこ納得していただきかつ、Twitter上で話題になることも想定していたとしたら、さすがNHKというしかありません。国民の税金とみなさまの受信料を財源としている公共放送局なのですから!?

紅白Twitterに“ゴジラ”は貢献した?



紅白はあらゆる世代をターゲット層としているのに対し、『笑ってはいけない』のコアターゲット層は紅白とは異なるのではないかと思います。ちなみに、Twitterのコアターゲット層は20代、30代がメインです。

紅白に関するTwitterでゴジラネタが呟かれたのは、長谷川博己演じる矢口蘭堂の記者会見シーンから始まって、一番盛り上がったのは武田アナのゴジラマイクについてでした。星野源とガッキーの恋ダンスを上回る結果です。

紅白ゴジラが良かったのか悪かったのかは別として、これだけTwitterで呟かれ話題になったのなら、結局NHKの思惑通りということでしょうか?だとすると、伊達に税金を投入してないってことになるのでしょうか。ちなみに、視聴率は後半が40.2%、前半が 35.1%で、ゴジラ登場の後半の方がよかったようです。前年は後半39.2%、前半 34.8%ということで、全体としても前年を上回りました。

ゴジラ監督・樋口真嗣監督は特撮界のカリスマ

現代の名工!?樋口真嗣の手仕事



劇場版と同様に本作で監督・特技監督を務めたのは、樋口真嗣。初めてかかわった映画の仕事は、高校卒業直後の1984年、ゴジラ誕生30周年記念映画であり、ゴジラ第16作の『平成ゴジラ第1作でした。着ぐるみの脱ぎ着の補助を、担当しました。

いまの日本の特技監督といったら、樋口の名前が筆頭であがってくるでしょう。樋口が関わった『平成ゴジラ』のヒットがきっかけで、「ガメラも復活させよう」という動きがあり、1995年の『ガメラ 大怪獣空中決戦』の特技監督を樋口が担当することになりました。

監督の金子修介は、あまりの低予算に「まともな映画は作れない」と落胆しましたが、特技監督に樋口を得たことで、自由な発想が可能になったようです。大人向けの演出を前面に押し出しましたが、これはその後に続く特撮映画の特徴となっていると思われます。

朋友2人の最強タッグ!!

『シン・ゴジラ』で樋口真嗣とタッグを組んだ総監督・脚本担当の庵野秀明。2人は、テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」制作会社「ガイナックス」の創設メンバーで、30年以上にわたって親交があります。

東宝から劇場版『シン・ゴジラ』制作の打診を受けたのは庵野でしたが、庵野の人となりを知っていれば、色んな意味でリスクだったと思いますが、そこを東宝は樋口起用で保険をかけ、腹をくくったのではないかと思います。

庵野と旧知の仲である樋口を組ませているのですから、庵野のコントロールは、ある意味樋口に委ねられていたのではないでしょうか。監督の樋口がOKを出しても総監督の庵野がNGを出すことがよく起こり、現場スタッフは混乱を極めたようです。そこをうまく調整するのが樋口に求められたことだったと思います。

ゴジラ総監督・庵野秀明の本気度

庵野秀明という男



いかがだったでしょうか。庵野秀明を漢字一文字で表現すると「」ではないかと思います。「奇」は、普通とちがっている、めずらしい、すぐれている、ふしぎという意味です。

庵野は、漫画家・安野モヨコと2003年に結婚しましたが、当時「Wアンノ」と話題でした。庵野は背も高いしルックスも悪くないのに、お風呂に1ヶ月も入らず、同じ服をボロボロになるまで着続ける『奇人』だったのです!!

2人の結婚生活は、安野モヨコ著『監督不行届』に綴られていますが、庵野は結婚を機にお風呂は1日おき、洋服は4、5日おきに着替えるようになりました。しかも、体脂肪40%以上から180cm73kg体脂肪率22%へと華麗なる変身も遂げました。一つのことに長けた人は、自分の関心があること以外、全く無頓着です。今やレッドカーペットも歩くのですから、見た目の印象も大切です。

紅白ゴジラはオタク全開『シン・ゴジラ』のショートムービー

1954年に第1作が公開された『ゴジラ』の第29作目として制作された『シン・ゴジラ』ですが、政府対応のリアリティに、総監督を務めた庵野秀明は、相当な凝り性で、政府関係者への綿密な材を重ねた賜物であるなと、舌を巻きました。

妻の安野モヨコ曰く、「日本のおたく4天王」と呼ばれる庵野秀明カントクくんなのですから、当然のこだわりだったかもしれませんが、その極めっぷりが半端ないですね。凄いなおたく!!

劇場版『シン・ゴジラ』と紅白ゴジラを改めて見比べてみると、紅白ゴジラは『シン・ゴジラ』を要約したショートムービーのようにも感じました。劇場版『シン・ゴジラ』は、ゴジラ第一世代の50代、60代も牽引して、幅広い層が足を運び興行的成功を収めましたが、初見の層にも認知されたことが、紅白ゴジラの功績ではないでしょうか。