2005年10月から2006年の9月末まで放送されたBLOODシリーズの一つBLOOD+。土曜6時に放送するにはギリギリであろう作品名に恥じない血という血の過激な表現、物語の重厚さと奥深さで話題に。一度見たらやみつき(?) になるBLOOD+のキケンな魅力をお伝えします!(ネタバレ注意)
目次
・知る人ぞ知る伝奇アクション!BLOOD+とは?
・BLOODシリーズの第二弾!スタッフにはあの人も・・・
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BLOOD+はBLOODシリーズの第二弾として位置づけられています。作品名にBLOODという単語があるように沢山の“血”が見られます(笑)シュヴァリエなどそれぞれ設定が異なりますが、少女と刀、人の血を啜る怪物というコンセプトは共通しています。
第一弾は2000年に劇場公開された当時ではまだ珍しいフル・デジタルアニメーションの「BLOOD THELAST VAMPIRE」です。この第一弾から5年、スタッフには第一弾に引き続き企画協力として機動警察パトレイバーシリーズや攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELLで有名な押井守氏が参加しています。
またハリウッドから音楽プロデューサーとして「レインマン」「パールハーバー」など名作の音楽を手がけたハンス・ジマー氏がマーク・マンシーナ氏とタッグを組んで参加し、よりスケール感の大きい作品となっています。
OP、ED共に豪華アーティストが勢ぞろい!
アニメを見るにあたって主題歌がどんなものか気になるものです。このBLOOD+は中島美嘉、HYDEや当時売り出し中だった有名アーティストの方々が参加しています。オープニング、エンディングともに4組ずつ担当し、第1期OPから高橋瞳、HYDE、UVERworld、ジン、EDは元ちとせ、中島美嘉、アンジェラ・アキ、Kと非常に豪華です!
私のオススメの1曲は第1期OPの「青空のナミダ」です!私はこの曲が大好きで、疾走感のあるメロディーに哀しい運命を背負うことになる小夜自身の心情をストレートに書いた歌詞が心に響きました。オタク仲間の間でも名曲として上がる1曲です。ぜひ試聴してみてください!
・魅力①喜多村英梨をはじめ豪華キャスト集結!
豪華キャストを主要キャラクターと共にご紹介!
BLOOD+の魅力の一つとしてキャスト陣が豪華なことです。今ではゴスロリ、アニメタルで有名な喜多村英梨さんやあの国民的アニメのキャラクターCVを担当するあの方など豪華メンバーが揃っています。その方たちをキャラクターと共にご紹介します!
哀しき宿命を背負い刀を振る、音無小夜
まずはこの作品の主人公、ヒロインである音無小夜の紹介です。性格は明るく、家族思いで運動が大好きな元気いっぱいの女子高校生。食欲旺盛で男子顔負けの大食いでもあります。
宮城家に養子として迎えられますがそれ以前の記憶はないという謎に包まれた過去があります。実の正体は「翼手の女王」の1人で、翼手を狩る専用の刀を振るいます。
出荷枚数伸びるといいなぁ。。。 pic.twitter.com/6KiPg9yVyT
— 喜多村英梨 ☻ \\m/ 直往邁進 ༄ (@KITAxERI) 2017年3月20日
小夜の声を担当するのはキタエリこと喜多村英梨さん。代表作は魔法少女まどか☆マギカの美樹さやか、物語シリーズの阿良々木火憐で有名ですね。彼女が小夜の声を担当した時はなんと17~18歳です!
しかもこの役が初の主人公役でした。さらに驚いたのが演技力で見事な熱演っぷりを発揮しています。特に小夜暴走時の獣のような呻き声は圧倒されました(汗)
口は悪いが家族思いで根は優しい、宮城カイ
次に紹介するのは小夜の義兄である宮城カイです。彼は元々野球部でしたが故障のため退部、そのあとは気の短い性格もあって喧嘩の日々を送っていました。それでも家族が一番と考えていて、人一倍小夜や弟のリクを思っています。窮地に追い込まれたりすると「なんとかなんねえのかよ!!」という台詞を度々吐きます。
担当する声優は吉野裕行さんです。出演作に機動戦士ガンダムOOのアレルヤ・ハプティズム、鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMISTのキンブリーが挙げられます。二枚目、三枚目、変人、狂人どれもハマって素晴らしい演技をしてくれる声優さんですね。
誰よりも優しい、悲劇のヒロイン(?)宮城リク
リクはカイと小夜の義弟で性格は兄のカイと真逆です。温厚で優しく、運動よりもゲームや本を読むのが好きな少年です。気が弱いですが頭の回転が早くいろいろな気配りができる良い子です。ただ作中で何度も悲しい目に遭うのでスタッフは彼が嫌いなのかと疑うくらいです……。
担当声優はあの野原しんのすけの声で有名な矢島晶子さんです!元々美少女、美女役が多いのですが、実はこの作品で一人二役しています。そのキャラクターとはのちに紹介する小夜の妹、ディーヴァです。流石ベテラン声優という演技に注目してください!
子を守る父の鏡、宮城ジョージ
宮城ジョージは3人の子供を男手一つで支える父です。小夜含め、3人を養子にしたのには過去に関係があります。バスの事故で妻子を失って絶望し、命を絶とうとしますが、休眠中であった小夜がきっかけで立ち直ります。その後同じように事故で両親を失ったカイとリクを養子にします。
元々アメリカ軍の兵士でしたが退役し、沖縄料理屋「OMORO」を営んでいます。ジョージの声は大塚芳忠さんが演じています。NARUTOの自来也先生やアイドルマスターの高木順二郎社長、洋画の吹き替えでも多数出演されてるベテラン声優さんですね。ちなみに「おもろ」という言葉は「思い」と同源の沖縄方言です。
翼手の殲滅に強い信念を持つ男、デヴィッド
デヴィッドは翼手殲滅を掲げる「赤い盾」に所属し、小夜の監視兼サポート役です。度々小夜の処遇を巡ってジョージと対立していました。人柄は責任感が強く、判断も冷静でプロのエージェントとして組織から評価されています。
いざとなると無茶して年中怪我をしています。それでも死ぬことがなかったので「不死身のデヴィッド」と呼ばれています。ちなみに彼の父親も同じく「デヴィッド」というコードネームで赤い盾の構成員でした。
声の担当は小杉十郎太さん。出演作に機動戦士ガンダムΖのヘッケン・ベッケナー、ONE PIECEのアーロンなどがあります。吹き替えでもよくお聞きする声ですが渋くて好きな声優です。
料理上手で食いしん坊、気さくなムードメーカー、ルイス
いつも何かしら食べている太めの黒人がルイスです。「デブキャラは食わないと力が出ない」という名言(?)を残すなど赤い盾メンバーの中でムードメーカー的存在です。それでも構成員としては優秀で諜報活動における情報収集能力と銃火器の扱いに長けています。また料理の腕も一流で手料理を振舞うこともある、いいおじさんキャラです。
声を担当しているのは長嶝高士(ながさこ たかし)さんです。最近ですと鬼灯の冷徹の閻魔大王を演じています。任天堂のゲームキャラや特撮の悪役など多岐に渡って活躍されています。
ブロンドヘアーのセクシー女医、ジュリア
赤い盾のメディカルスタッフであるジュリアは、主に小夜の健康管理やデヴィッドの補佐としてデータ解析などしています。外見は眼鏡をかけていて知的な雰囲気を漂わせていますが、露出の多い衣装を着ていることが多く、プロポーションは抜群です。露出が多い服を着ているのはデヴィッドの気を引くためだとかなんとか…BLOOD+の数少ないセクシーキャラです。
声は甲斐田裕子さんが担当しています。一騎当千シリーズの呂蒙子明、銀魂の月詠など演じていますが、元々吹き替え志望の方なので吹き替えの方でよく耳にするかと思います。甲斐田さんの大人っぽい声堪らないですね(笑)
純粋無垢な凶暴性を持つ歌姫、ディーヴァ
リクの紹介で少し触れましたが、もう一人の「翼手の女王」、そして小夜の妹であるディーヴァの紹介です。研究の実験で小夜は人間らしく育てられた一方でディーヴァは塔に幽閉され実験動物のような扱いを受けていました。
そのため倫理観や社会性に囚われず、人間を襲って吸血することも躊躇いません。性格は子供っぽいですが、凶暴で残忍な性格をしています。物語が進み、ある出来事がきっかけでリクのことを大変気に入ります。そのせいでリクが散々な目に遭うことになるのですが…(苦笑)
担当の声優はリクと同じ矢島晶子さんです。ちなみに左上が登場時の姿で、物語の終盤にリクと同じ声と中性的な姿に変わります。
ディーヴァのシュヴァリエを統べる男、アンシェル・ゴールドスミス
ディーヴァのシュヴァリエ長兄であるアンシェル、表向きはゴールドスミス・ホールディングス総帥です。シュヴァリエとしては一番歴史が長く、元々初代ジョエルの助手でした。ディーヴァの研究に携わっていくにつれ、ディーヴァの魅力に取り憑かれ、ボルドーの日曜日にシュヴァリエとなります。
性格はまさに悪人で、ディーヴァのためなら手段を選びません。またディーヴァに対する独占欲が非常に強いです。声の担当は中田譲治さんです。元々俳優でドラマにも出演されている過去があります。90年代から声優としても活動し、幅広いキャラクターを演じています。中田さんの渋い声は憧れますね。
・魅力②個性派イケメン多めのキャラクターたち
個人的BLOOD+のイケメンを紹介!
個人的に中の人含めイケメンだと思う6人を選出しました!!もちろんこの他にもイケメンや素敵なオジ様キャラは多数登場しますので気なる方は是非チェックしてください!
寡黙なチェロ引きの青年、ハジ
物語の初めから最後まで小夜に付き添うシュヴァリエがこのハジです。端正な顔立ちと物腰の柔らかさ、寡黙なところが当時の女性たちの間で人気でした。ある出来事で小夜のシュヴァリエになります。ちなみにチェロ奏者としてプロ級の腕前です。
右手の包帯の下は翼手化していて、ベトナム戦争時の出来事がきっかけで自らの戒めのためわざとさせています。ハジの戦闘力は高いですが、戦いが長引くと力が弱くなる、安定性に欠けるという弱点があります。
ハジの声優は小西克幸さんです。勇者王ガオガイガーのボルフォッグで初のレギュラー役を演じ、2015年には第9回声優アワード助演男優賞を受賞した実力派声優です。
製薬会社のCEO、ソロモン・ゴールドスミス
ディーヴァのシュヴァリエ四男であるソロモンは表向きサンクフレシュ・ファルマシーCEOです。5年でこの会社を世界的企業に成長させた凄腕経営者です。人柄は物腰が柔らかく、笑顔が素敵なイケメン紳士でハジに次ぐ人気がありました。物語が進むにつれてディーヴァの寵愛を受けながら小夜に心惹かれていきます。
ソロモンの声は辻谷耕史さん。機動戦士ガンダムF91のシーブック・アノー、犬夜叉の弥勒を演じています。奥様は同じ声優である渡辺久美子さんです。
オネエ口調の敏腕プロディーサー、ネイサン・マーラー
ディーヴァのシュヴァリエ七男にしてニューヨークのメトロポリタンオペラハウスのプロデューサー兼ディーヴァの母親役。普段はオネエ口調で軽い感じですが、本性が表れたときはドスのきいた低い地声になります。その威圧感は兄弟の中で一番とも言われています。このネイサンは謎が多くて掴み所が難しい人物です。
声を担当するのはひろしで有名な藤原啓治さんです。言わずもがなアニメだけでなく吹き替えでもたくさん出演されています。ちなみに藤原さん演じるキャラで好きなのはハガレンのヒューズ中佐です(笑)
女学校の理事長、しかしその正体は…カール・フェイオン
ディーヴァのシュヴァリエ五男であり、表向きはベトナム編で登場する女学校「リゼ・ドゥ・サンクフレシュ」の理事長兼サンクフレシュ製薬のベトナム支社担当です。その正体は黒髪の美少女は青い薔薇の告白を受け、連れされてしまうという伝説に登場するファントムです。
こちらがファントムです。話し方が芝居掛かった独特な台詞回しで話します。これもオペラ座の怪人がモデルにあるようでそのためだと思います。またどこか噛ませ犬のような香りが漂って残念なイケメンかなと思います(笑)声の担当は幽遊白書の浦飯幽助を演じた佐々木望さんです。
赤い盾の若き長官、ジョエル・ゴルドシュミット
ジョエルは若くして赤い盾の長官になり、デヴィッドと親交が深い人物です。人柄は温和で本部から小夜たちをサポートしています。そもそもゴルドシュミット家当主は代々「ジョエル」という名と赤い盾長官という地位を継ぐのがしきたりで、このジョエル自身も継ぐ者として強い信念を持っています。
ジョエルの声は様々なアニメや吹き替えで何年経っても変わらず甘いボイスを聞かせてくれる石田彰さんが担当しています。
D67の戦略担当官、ヴァン・アルジャーノ
物語の序盤から登場するヴァンはシュヴァリエではなく一般人です。よくキャンディを舐めていますが、甘い物が好きいうわけでではなくコミニュケーションツールの一つとして持ち歩いてるそうです。一応梅味がお気に入りのようですが(笑)
長いものには巻かれろというタイプで、ちょっと変人扱いされてる部分があります。声の担当は今現在イケメンボイスで女性に大人気の諏訪部順一さんです。
・魅力③世界6カ国を旅する壮大なストーリー
総話数50!!世界を駆け巡る大ボリュームなストーリー展開!
BLOOD+の総話数は50話、公式では「世界を駆け巡るハイパーアクション・バトルロードムービー」と謳っているように沖縄からベトナム、ロシア、フランス、イギリス、最後にアメリカと渡ります。翼手との戦い、その裏で暗躍するディーヴァとシュヴァリエ達の目的、そして失った小夜の過去がそれぞれの舞台で解き明かされていきます。
沖縄編は1~7話と14、15話、ベトナム編8話~13話、ロシア編16話~19話、フランス編は20話~32話、イギリス編33話~40話、アメリカ編41話~最終話という編成です。また沖縄からフランスまでを第1部、1部の終わりから1年後のイギリスからアメリカまでの物語を第2部に分かれているので壮大なスケールと大ボリュームなストーリーとなっています。
始まりは沖縄、日常が終わり少女は翼手を狩る“刀”となる
沖縄市は市名をコザ市に戻せ、という個人的な好みの問題です。 pic.twitter.com/qnIPsCMB20
— うらしー猫 (@urashi_neko) 2015年7月31日
物語は沖縄から始まります。女子高生の音無小夜は養父の宮城ジョージと血の繋がってない兄弟の宮城カイとリクの4人で家族仲良く暮らしていました。ただ小夜の記憶は養子に迎えられた一年前より前の記憶がありません。ある日小夜は忘れ物を取りに夜の学校へ行きます。そこで「翼手」という怪物に小夜は襲われますが謎の青年ハジに助けられます。
ハジは自身の血を口に含み、小夜にそのまま口付けをします。「小夜、戦って」というハジの言葉の後、血を飲み込んだ小夜は瞳が赤くなっていき、それまでの怯えていた姿はなく自ら刀を手に取ります。この夜、それまでの幸せな日常が終わり、小夜は翼手を狩る刀として覚醒し、戦いの日々に身を投じることになります。
そもそも“翼手”とは、“シュヴァリエ”とは?
もういいです翼手やります pic.twitter.com/cn9HTY3pgZ
— おぱんつちゃん? (@cu_te__Xx) 2015年12月5日
劇中に登場する翼手とは一体何か、それは人間には元々無かった第5の塩素を持った新種生物で、擬態能力と高い戦闘力を持っています。食料は主に人の血液で劇中の翼手はD67という薬品を投与された人工翼手です。弱点は小夜の血で結晶化して死亡します。
シュヴァリエ、フランス語で「騎士」という意味で自分の守るべき主に従う翼手です。シュヴァリエは全て男で翼手の女王と呼ばれる始祖翼手(姿は女性)と交配することで子孫を残すとされています。半不老不死で人間と翼手の姿を自由に変えることができます。普通の飲食は可能ですが、血を取り込まないと渇きも飢えも満たされない身体です。
またシュヴァリエは眠ることもできません。これらは度々劇中で聞くことになると思うのでぜひ頭に入れておいてください!
・魅力④鬱注意!放送の限界に挑戦した壮絶な表現!
第1話から冒頭から衝撃的!
BLOOD+は当時毎日放送の土曜6時枠、通称土6での放送でした。当時私は機動戦士ガンダムSEED DESTINYをリアタイで視聴していて後枠のBLOOD+のCMを見てちょっと面白そうだなと思っていました。いざ初回放送を見ると、開始1分弱で血、血、血…これから夕御飯という時間に大出血サービスをぶっ込まれました…
冒頭のシーンはベトナム戦争での小夜の回想シーンでしたが、暴走した小夜は翼手だけでなく兵士、民間人、女、子供を見境なくバッタバッタと切り倒していきます。そして吹き出す血。その時自分はあまりの衝撃で画面から目が離せませんでした。
今の時代深夜アニメでも流血シーンなど黒いボカシ(テラフォーマーズやジョジョ)が基本になりましたが、土曜夕方です。一家団欒の食卓前です。本当にリビングでなくて良かったと…
印象的な欝展開① 「ベトナム編」~リクとムイの出会いと別れ
Nan-kuru-nai-sah #BLOODplus (BLOOD+) Best #Anime show ever. #Netflix #Saya #Haji #Riku #Kai #EvilSisterDiva #Okinawa pic.twitter.com/AMOV5Wnd7Z
— Jo_Jones_20 (@LenaSimpson143) 2014年1月5日
私が見た中で1、2位を争う欝展開はベトナム編です。小夜と別行動でリクとカイもベトナムに入国しますが、小夜を探す途中の街でリクは片足を失ったムイという少女に出会います。リクは体が不自由でも前向きで明るいムイと接していくうちに恋心が芽生えます。そんな中ムイの父親が怪我で倒れてしまい、知らせを聞いたムイは金属探知機で不発弾を探して生計立てると故郷に帰ってしまいます。
それを知ったカイはリクを連れてムイの故郷に向かいます。故郷に着いたその夜にリクは音が聞こえると外に出ます。すると同じようにムイも音を聞いたと外に出ていました。その時、何者かに薬品で眠らされ連れ去られます。この物音にカイは気づいて助けようとしますが後ろから襲われ一緒に連れて行かれます。
13話「ジャングルパラダイス」
題名に騙されはいけません。パラダイスでも何でもないです。連れ去られた3人と同じくして小夜と赤い盾の実戦部隊も同じ建物に到着します。そこで赤いマントを羽織った子供達と遭遇。そしてファントムも姿を現します。すると子供たちは次々と小型翼手へと姿を変えます。翼手に変わるときが人間の皮を破って出てくる感じなので結構エグいです…
また部隊の隊員が襲われますがその描写が完全に過激映像です。小型翼手も頭吹っ飛ばされたりしますが再生するときの描写もなかなかに過激。本当に夕飯時によく放送できたなという思いとティーンエイジャー向けだよね?と首を傾げたくなる思いでした(笑)ただクララという女性隊員の最後の散り際は胸に来るものがあります。
そして最後には…
13話の終盤はファントムと小夜の一騎打ちですが、その間になんとムイも腕が翼手化し、理性がなくなってしまいます。なぜ翼手化したのか、それはムイが以前から薬としてD67を服用していたからです。この時のディーヴァの歌により翼手化が始まってしまったのです。
最後にムイは赤い盾の管理下に置かれるため檻に入れられます。いくらリクが声をかけてもただ噛み付こうとするだけ…リクの「ムイ…ムイは元に戻るよね?」というカイへの台詞に「なんとなんねえのかよ!」と思いました。多分カイも思っていたはず(苦笑)このあとのルイスとジュリアの会話もまた出来事の悲痛さを物語っています。
フランス編~リクの最期
小夜の過去について解明されていくフランス編。24話でリクはディーヴァに吸血されたことで瀕死の状態になります。カイは小夜に懇願し、小夜の血をリクに飲ませシュヴァリエとして目覚めさせます。ディーヴァはリクの血を吸ったことで、リクに対して興味を持ちます。
32話で本部に戻った小夜たちはファントムとディーヴァの襲撃を受けます。小夜とハジがファントムの相手をしている間にカイとリクはディーヴァに追い詰められ、カイはリクを守ろうとしますが返り討ちにされます。
ディーヴァはリクの前でドレスを脱ぎ、怯えるリクに対して怖がらないでと優しく話しかけ、そのまま口づけしようとするシーンで画面が切り替わります。小夜がこの場所に来て見たものは変わり果てた裸のリクの姿でした。
なぜリクが死んだのか、裸だったのか
@riku_embryology
BLOOD+ってアニメや
中里リク死亡 pic.twitter.com/QcCtaRQ0Rg— スロアニヲタ大学生 海胴 遊戯 (@umrumrkaisei) 2017年1月24日
このときディーヴァは「彼から大事なものを貰った」とお腹を摩りながら言い、続けて「お礼に私の血を与えた」と言います。リクはこの時ディーヴァに強姦され、そのあとに血を注がれて結晶化してしまったのです。直接的な表現はないですが、少年が身包みを剥がれて死んでいるシーンは当時の自分にとって衝撃的でした‥・
このあと船が揺れ、倉庫内のコンテナなどの貨物が倒れて、リクは粉々に砕け散ります。このシーンを見て更にショックを受けたと同時に「なんとなんねえのかよ」とスタッフに対して怒りが込み上げました(苦笑)
BLOOD+はこの他にも大切な人や守りたい人が次々と亡くなっていきます。最終回まで話は重く、欝な話が続きますが、それでも魅力を感じたのは最後こそ小夜とカイたちが笑顔で終われるんだと信じていたからですね(笑)
・魅力⑤実際の歴史を知っていればより楽しめるディープさ!
翼手の歴史の裏に史実アリ!
このBLOOD+は実際の史実にある人物や出来事と関係が深い部分が幾つもあります。小夜とディーヴァの母であるSAYAが発見され、動物園という施設に運ばれたのは19世紀の1833年。その後ロシア革命や第一次大戦、そして小夜が暴走するベトナム戦争と長い歴史と共に小夜とハジの歴史があります。
またディーヴァのシュヴァリエ達も実際の歴史的な名家や人物と深い関係があります。ディーヴァのシュヴァリエであるアンシェル、ソロモン、ジェームズ、カール、ネイサンは実在したロスチャイルド家の五人の息子から名付けられています。
また次男のグレゴリー・エフィモビッチ・ラスプーチン、三男のマルティン・ボルマンは実在の人物でもあります。
5本の矢、ロスチャイルド家
ロスチャイルド家
有名なユダヤ系金融財閥。陰謀論を連想した人はムーの読みすぎ!世界記録で有名なギネス家とも親戚。ドイツ語ではロートシルトと読む。姫騎士を連想したやつ、あなたって、本当に最低の屑だわ! pic.twitter.com/Ryu5Dvsds0— 紋章bot (@coat_of_armsbot) 2017年4月17日
ロスチャイルド家はヨーロッパの財閥、貴族です。18世紀後半にフランクフルトのゲットー出身のマイアー・アンシェル・ロスチャイルドが銀行家として宮廷ユダヤ人になります。後に5人の息子がフランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリの5カ国に別れ、それぞれ銀行業を拡大させ、ロスチャイルド家は栄えました。
またロスチャイルド家は当時のロシア帝政を治めていたロマノフ家とも繋がりがあり、劇中ではアンシェル達のファミリーネームであるゴールドスミスもまたロスチャイルド家と繋がりがある一族の名前です。そしてこのゴールドスミスは元々ゴルドシュミットというユダヤ系の財閥であり、ジョエルのファミリーネームで使用されています。
ロスチャイルド家とワイン
あなたの理想の週末といえば?#ボルドーワイン #週末.pic.twitter.com/PbBYn19dbE
— ワイナリー農夫 (@winery_meister) 2017年3月16日
ロスチャイルド家はボルドーの赤ワインの生産者として最高の位置付けである「5大シャトー」の農園を2つも所有し、ワインを生産していました。劇中でもサンクフレシュ社がデルタ計画遂行のためにD67の成分が含まれた赤ワインを製造していたのもこの史実を元にしていると思います。
またサンクフレシュと言うのはフランス語で5本の矢と言います。ロスチャイルド家の家紋には5本の矢が描かれていて、サンクフレシュ社のロゴにもこれにちなんで5本の矢のマークになっています。それにしてもシャトーの高級赤ワイン一度は飲んでみたいです…(笑)
怪僧、グレゴリー・ラスプーチン
「塔の上のラスプーチン」(ラスボス感ある) pic.twitter.com/ScZBnCn4jR
— 富士けい (@fujik100) 2017年3月11日
ラスプーチンは本作のロシア編に登場したソーニャと言う女の子に擬態していた次男です。その正体は元々ロシア革命前のニコライ二世の治政で名を上げた祈祷僧でした。このラスプーチンの話が大変興味深いもので、プレイボーイで女性信者によく手を出していたという話が残っています。それでもニコライ二世に寵愛されていたので貴族から嫌われていました。
そして1916年12月に暗殺されますが心臓と肺に銃弾を受けても起き上がったという本当に人間だったのかと思わせるエピソードもあります。さらに暗殺者に切り落とされた男根がアルコール漬けで博物館に保管されているのも面白い話です(笑)
実は「BLOOD+A」という単行本でこの時代の小夜の話が描かれていますのでアニメを見た後に是非購入してみてください!
・魅力⑥【ネタバレ注意】ファン厳選の名シーン5選!
あの名シーンやこの名シーンを選んでみました!
50話というなかなかボリューミーなアニメなので当時の記憶を辿りつつ、あやふやな場面はアニメを見返して「このシーンはそういうことか!!」「この話今思うと深いなあ!!」と新発見も込みで5つ厳選しました!!
今でも思い返すと涙してしまいそうなあのシーンやこのシーン、見た方はBLOOD+を思い出しながら、まだなのにこの記事を読んでしまった方はこれを機にご視聴のほどよろしくお願いします!!
第6話「おとうさんの手」~父ジョージの死
最初に紹介するのは第6話での父ジョージの死に際のシーンです。小夜たちはジョージ奪還のため秘密施設に潜入します。しかしそこで翼手に襲われピンチに陥ります。絶体絶命の場面で助けに来たのは負傷したジョージでした。
天井から翼手が来て小夜が襲われそうになります。ジョージは再び小夜を庇って致命傷を負います。翼手化が始まったジョージは小夜に父親のまま死なせてくれとお願いします。このあとの小夜への言葉に感動しました。
「小夜…何があってもお前の信じる道を行け。お前の過去を受け入れろ。躓いたら思い出せ、ナンクルナイサ。明日のために今日を生きろ。笑顔を忘れるな。」
まさに名言です。この言葉一つ一つが物語の要所に散りばめられています。血は繋がってなくとも父として全うした最期でした…
第14話「さいごの日曜日」~小夜と香里の再会
ベトナムでの戦いを終え、小夜たちは一度沖縄に帰ります。次の戦いの地へ向かうため、たった一日の休日。3人はそれぞれやりたいことをしようと決めます。やりたいことの一つが父ジョージのお墓参りでした。
墓参りを終えたカイとリク、小夜は八重島公園に向かいます。カイのはからいで親友の香里と再会する小夜。
小夜の話を聞いた香里は…「私にできることだったらなんだってするよ。だから1人で苦しまないでよ。私は小夜の友達なんだよ。」
この時の小夜に対する香里の正直な気持ちでしょう。多分香里は小夜が自分で思っている以上に背負っているものがあると気づいた、だからこそ「私にできることはなんでもする」という言葉だったと思います。香里ちゃん本当に良い子です(泣)
褐色キャラは何年か前からマイブーム。褐色・眼帯・一人称が俺・語尾に「ぜ」とかつけるキャラいませんか?
最近知った褐色キャラはBLOOD+の金城香里ちゃん!!! pic.twitter.com/Cgx6wB5FYk— ゆっきぃ#コンパス@我々の動画 (@21foxxx) 2016年9月12日
違うシーンですが、こちらが小夜の親友である金城香里ちゃんです。褐色肌の優しい友達思いの女の子です(笑)
第26話「サヤに従うもの」~リクとカイの兄弟愛
ディーヴァに血を吸われた後、小夜の血分けを受けたリクは小夜のシュヴァリエになりました。この話の後半では赤い盾の本部船がシフという人工シュヴァリエの集団に襲わます。戦いの最中リクは巻き込まれて重傷を負います。
シフが去ったあとリクは既に回復した体を見て、もう人で無くなったと涙します。カイはリクはリクだと諭しますが落ち込むリク。突然リクは異常な喉の渇きに苦しみます。慌てているカイを見てデヴィッドは血を欲していると言います。
それを聞いたカイは「リクは俺の弟なんだ!!」と自分に言い聞かせるように叫び、リクを抱きしめ、自ら血を分け与えます。カイの血を飲んだあとリクは「カイ兄ちゃんって、あったかいね。」と…そのあとのカイのやるせない表情に胸が痛みました。
第33話「信じるチカラ」~希望を捨てない者と失った者
BLOOD+のデヴィッドが理想の男性像 pic.twitter.com/n8WozwubYQ
— ゆとり@ポンコツ (@nyanyanmarumaru) 2017年1月2日
33話は1部から2部への最初の話で赤い盾崩壊から1年が経ち、舞台はイギリスになっています。カイたちはグレイが営む農園で生活しながら翼手と戦い続けていました。デヴィッドは赤い盾の崩落と小夜を失った絶望で昼から酒に溺れ、まるで別人に…
そんなデヴィッドにカイは耐え切れず、目を覚ませと言わんばかりに言葉を浴びせます。デヴィッドも辛抱堪らず、そんなカイに手を出しますが返り討ち。このあとにカイは「これが俺たちのいる世界だ」と序盤にデヴィッドがカイに向けて言った言葉をそのままぶつけます。
この場面は小夜が行方不明でも希望持って前へ進むカイの揺るがない信念と、守って来たモノが一度に全て失って強い信念が折れたデヴィッドとの対極的なシーンです。当時はカイの変わり様に驚きました(笑)
最終話「ナンクルナイサ」
やっぱり最後は最終回から選ばさせていただきました。正直この最終話だけでもどこにしようか悩みました。その中でも印象的だったのはハジが本心を小夜に告げる流れです。
ディーヴァを倒した小夜はディーヴァの子供を殺して自分も死ぬという約束を果たそうとします。カイは止めに入り、ハジにもどうしたいか尋ねます。それでもハジは小夜に従うまでと変わりません。
耐えかねたカイはハジを殴り、お前はお前、だからお前自身の言葉で言ってみろ、お前だって小夜を愛しているんだろと声を荒らげます。そしていよいよハジはずっと隠していた本当の気持ちを小夜に伝えます。
「笑顔が欲しかったのです」~ハジの告白
“笑顔が欲しかったのです。貴女と出会った頃の笑顔をもう一度、貴女に戻るなら私は全てを引換にしてもいいと貴女に尽くしてきたのです…”
ハジは小夜に対しての気持ちをありのまま伝えます。ハジは戦いの中で忘れてしまった小夜に笑顔を取り戻して欲しかったこと、沖縄で出会った時の小夜は自分が求めていた笑顔に包まれていたこと、その笑顔を与えたのは自分ではなく、カイとその家族だったこと…
シュヴァリエとしてただ一度だけ背くと言ったハジは続けて言います。「生きて、生きてください。明日のために今日を生きて。もう貴女が戦うことはないのです。」と…小夜も生きたい、カイやハジとみんなで一緒に生きてみたいと本心を語ります。
魔法の言葉“ナンクルナイサ”
「今日を生きて明日を笑うんだ。明日を向いて一生懸命生きてりゃなんとかなるさ。“ナンクルナイサ”」ハジと小夜の本心を聞いた後のカイの台詞、父ジョージの面影が感じられました。
そんな束の間、死んだはずのアンシェルが襲ってきます。最後の戦いでハジはアンシェルと相打ちになり、オペラハウスは崩壊していきます。「カイ!行ってください!小夜を明日に導いてくだい!」ハジは小夜をカイに託します。
崩れる中小夜に聞こえるかどうかの声で「“ナンクルナイサ”貴女を愛しています」とハジが言った途端、崩れてきた瓦礫の下敷きになってしまいます。
カイとハジ~“二人の騎士”
笑顔が似合う明るい女子高生だった小夜と過ごしていたカイ、翼手との戦いで笑顔を忘れていった小夜と過ごしたハジ。それぞれ小夜と過ごしていた時間の流れは違うとも結局二人は小夜の笑顔を守りたいという思いが同じだったと最後にハッキリ分かりました(笑)
最終回の最後にカイは預かったディーヴァの子供と一緒に小夜の眠るハジマリの場所に向かいます。すると青いリボンで結ばれたピンクのバラが供えられています。ハジだとは描かれていませんが、ハジらしいと言えばハジらしい演出です(笑)
最後が長くなりましたが、他にも名シーンとして選びたいシーンがありました。是非皆さんにもアニメを見ていただいて、それぞれの名シーンを見つけられたらと思います。
・BLOODシリーズはまだ終わらない!
コミカライズ、ゲームなど今年2月にはアニメBLOOD+の続編小説も発売!!
アニメBLOOD+はコミカライズもされて、全5巻発売されています。アニメとは少しストーリーや登場人物が変わっています。例えば、小夜がアニメより少しグラマーになっていたり…
その他にもロシア革命前夜の小夜とハジの物語を描いた「BLOOD+ A」、ベトナム戦争で離ればなれになったハジが小夜を探すため香港の街にいた物語を描く「BLOOD+ 夜行城市」があります。
ゲームではPlayStation2専用ソフト「BLOOD+ ONE NIGHT KISS」 はベトナムに向かう前のある一日を描き、ベトナム編とロシア編の間の“空白の7日間”を描いた「BLOOD+ 〜双翼のバトル輪舞曲(ロンド)〜」が発売されています。PSPでも完全オリジナルアニメが収録された「BLOOD+ 〜ファイナルピース〜」が発売されています。
「BLOOD#」、アニメのアフターストーリーを描く
テレビ放送から10年経った、今年の2月に後日譚である「BLOOD#」が発売されました。以下に概要を引用させていただきましたが、今回のヒロインはディーヴァの子供である音無響と奏です。
カイは二人の父親として登場し、他にもアニメでお馴染みのキャラ達も出てくるということで楽しみな一冊になってます。また内容にはアニメでは語られなかった第二次世界大戦中の話が収録されています。
私もまだ購読していないで早くチェエクしたいと思います!!出来ればアニメ化して欲しい…(笑)
さらに2月に公演された朗読劇もDVDで発売!
今年2/18、19に天王洲 銀河劇場にて公演された朗読劇「BLOOD+~彼女が眠る間に~」のDVDが5/24に発売予定です。舞台は1945年、第二次世界大戦終結後のフランス、アルザス山奥のホテルです。この話では小夜は休眠中のため劇には登場しません。ハジが主人公ということですね。
キャストはハジ役の小西克幸さん、石田彰さん、朴璐美さん、諏訪部順一さんと豪華キャストですので、自分も購入してみたいと思います(笑)
BLOOD+後のBLOODシリーズ
BLOOD+の後には第一弾を原作とした実写映画「ラスト・ブラッド」が2009年に上映されました。2011年にはCLAMPとコラボして制作された「BLOOD-C」が放送されました。
この作品のヒロインは更衣(きさらぎ)小夜といい、声の担当は歌手でも活躍されている水樹奈々さんです。放送後いろいろ騒がれた作品でもあります(笑)
今はまだ新しいBLOODシリーズの発表はありませんが改めてここまでBLOODシリーズについて携わることができたので、新しいBLOODな世界を、これまでの作品より強烈で魅力的な作品を心待ちにしてますのでよろしくお願いします!!(?)
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