91daysが敢行したアニメ界への5つの挑戦。子供は観れない復讐劇の世界とは?

91daysはアニメでは異色のピカレスクロマン作品です。舞台はアメリカの禁酒法時代。一人の青年と密造酒とマフィアを廻る子供厳禁の復讐劇を徹底解析します!

知る人ぞ知るピカレスクロマン「91days」

https://youtu.be/m5XGnMPR-0o

2016年7月から9月に放映されたアニメ91daysは、禁酒法時代を描いたピカレスクロマンです。ピカレスクロマンというのは、簡単に言うと悪者を主人公に描いた物で、有名なものだとルパン3世やデスノート、コードギアス等があり、根強い人気を獲得し続けているジャンルです。

そんなアニメでいえばダークヒーローものの91daysの監督を務めたのは『鬼灯の冷徹』や『となりの怪物くん』を手掛けた鏑木ひろで、本作は日本の近年のアニメ史へ真っ向から挑戦した完全オリジナルアニメです。本ページではその挑戦の内容を徹底的に解説します。

舞台は1920年、禁酒法時代

遡る事1920年代、アメリカで最もマフィアが輝いた時代。其の頃のアメリカでは通称;禁酒法が施政されており、警察は酒を取り締まり、マフィアは闇で酒を売る。酒の密造と販売でマフィアの懐は潤い、利益を廻った抗争が抗争を呼び、血と金と死が満ちた、まさにマフィア達の黄金時代と言われていた時代がありました。

この91daysの物語は禁酒法が終わる直前の頃を舞台に作られています。アイランドという金を産むマフィア達の島とアパートのキッチンで作られた極上の密造酒。そこに復讐を抱いた一人の青年が絡むことで、物語は動き出します。

声優陣は・・・

復讐を誓う主人公に「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」で葉山隼人役を演じた近藤隆、マフィアの息子で主人公の敵役に「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」で比企谷八幡を演じた江口拓也がそれぞれ役どころを変えて挑戦。

また、敵対するギャングに『ギャングスタ』のニコラス役だった津田健次郎、主人公の親友で密造酒の作り手を「六花の勇者」でアドレッドを演じた斎藤壮馬が演じており、声優陣も癖のある顔ぶれとなっています。

挑戦①アニメでは異色な復讐劇というコンセプト

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91dyasの物語の鍵りなるのはアニメでも珍しい”復讐”という暗いテーマです。幼少期に両親と弟をマフィアに殺された主人公、アンジェロは名前をアヴィリオと変え日々気力なく生きていました。

そんなアヴィリオの元へある日一通の手紙が届きます。差出人のないその手紙には、家族を殺した男たちの名前が書かれてあり、アヴィリオの復讐劇が幕を明けます。

計算づくされた計画

https://youtu.be/J63QbkTdk2Q復讐に憑りつかれたアヴィリオの91日間を追った物語ですが、劇中ではアヴィリオの計画の全ては最後になるまで明かされることはありません。マフィアに復讐するためにそのファミリーの一員になる事でアヴィリオもまた復讐をされる側へとなっていきます。

アニメには珍しい生々しさを持つこの物語は、復讐は復讐を、金が血を呼びシーンやカット、音楽のかっこよさも相まって見ている観客をもその復讐劇の中へ引き込んでくれます。打ち出された銃弾さながらに引き返せずに突き進むアヴィリオと友人のコルテオ

どうか、セリフの一言、シーンの一枚まで見逃さずに見てください。伏線が伏線を呼び計画が計画を形作るこの物語はまさに、大人が楽しむのにうってつけのエンターティメントとです。

挑戦②美麗かつ醜悪・・・ギリギリなキャラクターたち

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91dyasの魅力を語るのに欠かせないのは、その色とりどりのキャラクター達です。マフィアに生きる男たちは、衝動に忠実で、金に貪欲で、欲望に正直で醜悪です。ですが、友人、部下、家族、”ファミリー”のをなにより大切にし、プライドで生きてプライドで死ねる美麗ともいえる男の美しさを兼ね備えています。

最も醜悪な男

https://youtu.be/qEPF-kqXo4E

91daysで最も醜悪な男というと、やはりオルコファミリーのファンゴの右に出るキャラクターは居ないでしょう。最もキャラクターが生きていると言っても過言ではないファンゴは、マフィアのチンピラでありながらドM、残忍で暴力的だが狡猾で頭も回る。いい意味で、安い映画で描かれるような若いアメリカンマフィアをそのままアニメに入れたようなキャラクターです。

 ファンゴ役を見事に演じきった声優の津田健次郎はキャストコメントで”ぶっ飛んだキャラクターを演じる事が出来て楽しいです。”と答えています。このファンゴが91daysの世界をかき回すことで、アヴィリオの復讐劇を悲劇へと転換させる重要な役割を持っています。

魅力的な敵

91daysで最も魅力的な男主人公の敵であり、ヴァネッティファミリーの長男のネロ・ヴァネッティーでしょう。幼いころのアヴィリオに銃を向けるも撃つ事が出来なかった14歳のネロは、アヴィリオが復讐を開始したとき、陽気で気さく、荒事も辞さないが部下や仲間をめっぽう大切にする魅力が溢れる男に成長していました。

キャストコメントではネロ・ヴァネッティーを演じた声優の江口拓也”ひょうきんだけど、どこか凄みのある、そんな感じが出せればいいなと思っています。”と答えており、アニメ内のネロ・ヴァネッティーの魅力を極限まで引き出すことに成功しています

挑戦③リアルを極めた世界観

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91daysが1920年代になった理由は、現在のマフィアでは麻薬犯罪を描くことになり、麻薬からは日常離れている視聴者の共感を得る事が出来ないと考えられたため、あえて日常で接する機会が多いに着目し、禁酒法時代の設定にしたと言います。

物語の醸し出すリアルさを追求するために『ゴッドファーザー』や『ブレイキングバット』など、時代を同じくする禁酒法統制下の映画を参考にして作られており、更には『ゴッドファーザー』の日本語吹き替え版でアル・パチーノ役を演じた山路和弘をマフィアのボス、ヴィンセント・ヴァネッティに起用するなど、キャスティングにも細かな配慮を行っています。

④複雑&計算されつくした人間関係



91daysのもう一つの魅力としては、適度に複雑で計算された人間関係があります。視聴者が置いて行かれない程度の複雑さと、そこにアヴィリオの復讐を絡め、クモの糸のように編み込みねじれていく人間関係は見ていても飽きがなく、主要人物のそれぞれがとても個性豊かなためにリアルなのでキャラクターに無理がありません

マフィアのファミリーと言えど1つの組織。表面上は仲良くても一皮むけば陰謀と策略の渦巻く血と硝煙臭い世界です。そこでは嫉妬から殺し合いに発展する兄弟喧嘩や、仲間同士の裏切り。表面化で見てないほどに膨れ上がっている”ソレ”に復讐者アヴィリオというを一滴垂らすことで、争いは加速していきます。

挑戦⑤賛否両論・・・衝撃の最終回に視聴者は【ネタバレ注意】

・コルテオの死

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91daysのストーリーの中で最も衝撃的なものが2つあり、1つは主人公の友人、コルテオの死、そしてもう一つは12話の最終回のラストシーンです。ファンの間でも賛否両論わかれるこの2つのシーンを解析します。

物語の内容に深く触れるので、91daysをまだご覧ではない方、【ネタバレが嫌な方】はこちらの項目は読み飛ばしてください。

・コルテオの死【ネタバレ注意】

https://youtu.be/zh7FbcYlH90第10話のラストで死ぬコルテオは、主人公アヴィリオの幼馴染。物語の鍵となる酒「ローレス・ヘヴン」の製造者です。アヴィリオと共にマフィアへ協力をしながらも、自身の夢の為に金が必要だとはいえ、マフィアが危険だという事をよく知るコルテオは、復讐を掲げながらも深くのめり込んでいくアヴィリオを常に心配しています。

映像を見ながら、思わず口元を抑えた人も多いと聞くほど、コルテオの死のシーンは衝撃的でした。コルテオを殺してしまえば、もうこの先に見えている凄惨な惨劇への道を後戻りはできないのは判っていながら、アヴィリオを大切に思うコルテオの気持も分かる。

ファンゴが絡んだ結果がコルテオの死という結果を招き、アヴィリオの復讐計画を”何も残らなかったもの”に仕立て上げてしまう出来事です。

第12話 衝撃のラストシーン【ネタバレ注意】

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復讐を遂げてすべてを失ったアヴィリオと、それによってすべてを失ったネロ。ネロの部下のバルベロが「ネロにはアヴィリオが殺せない。」と言った通り、ネロはアヴィリオを殺す事が出来ません。

ストレーガからの追っ手から逃げながらアヴィリオとを目指す道中で、かつて自身の初仕事の時にアヴィリオを殺す事が出来なかった為に、彼がどんな地獄を生きたかを察し、。自らの弱さが結果、すべてを失う事に繋がったことを悟ります。

ラストシーンの海岸で、ネロはアヴィリオに銃口を向けながらも迷いますが、「お前を殺したくなかった」というアヴィリオの言葉を聞き、引き金を引きます

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ラストシーンでは銃声はしたものの、アヴィリオの死体は映らず、シーンはネロが一人で車を運転する車内に移るため、アヴィリオは生きているのではないかという見方もありますが、反対にネロは復讐をやり切ってすべてをなくしてしまったアヴィリオを殺すことで”救った”のではないかという見方もあります。

91daysはまさに「アニメ史への挑戦」

91daysが行った5つの挑戦をあげていきましたが如何だったでしょうか。計算され、凄惨な復讐劇のピカレスクロマンなのになぜこんなにも魅力的な物語に仕上がっているのか、その謎に少しだけ触れられた気がしませんか?

近年のアニメでは特に訴え掛けるモノがないただの残酷なだけの物語や、ストーリーよりもただキャラクターを前面に押したしたものが多い中、91daysはストーリーもキャラクターも、すべてが生々しく描かれており、近年のアニメへまさに挑戦を仕掛けています

91daysは、ただのダークヒーローの物語ではなく、生々しくも醜悪で、画面のこちら側までこびりついた血の匂いが漂ってきそうなほどに凄惨ですが、最高にクールで、悲嘆だけどもカッコいい、そんな物語です。

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見逃した方も、放送を見た方もぜひ今一度、91daysの世界を1から見て、アヴィリオとネロの最期の91日間を共に旅してはいかがでしょうか?

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