げんしけん初代から二代目最終回・アニメ版まで語り尽くす!【ネタバレ注意】

皆様おぼえていますか?学生時代に好きなサークルに入り、仲間と談笑した日々を。そして自分がオタクだと認識したときのことを。げんしけんは「現代文化視覚研究会」の略称、ざっくり言えばアニメ、漫画、ゲームをこよなく愛する人種の集まり。その中で展開していくストーリーに目が話せません!

なつかしのオタクマンガ「げんしけん」を語る!【ネタバレ注意】

The Society for the Study of Modern Visual Culture


げんしけんという作品をお読みになられた方も多くいらっしゃると思う、木尾士目先生の力作で、大学入学を機会に主人公「笹原 完治」がオタクサークルに入り、オタクとして成長して行く様子を観察する「オタクの世界」を赤裸々に描いた良作。アフタヌーン掲載時には反響が大きく、オリジナルフィギュアも出してしまうほど。

ファンは「オタクの世界を覗いてみたい」という方から「木尾士目先生の(ラブ)ストーリーを見てみたい」という方など様々。人気作品として鳴り物入りでアニメ化、制作はパルムスタジオ「バーテンダー」や、あの「くじびきアンバランス」などを制作した知る人ぞ知るスタジオである。

げんしけん初代をおさらい!~大正義斑目、笹原は爆発しろ!~


斑目晴信はオタクの鏡のようなオタク。なかでも漫画内漫画である「くじあん」について熱く語っているファンで「第○回、○○は面白かった会議~」などと自分のパッションについて周りに同調を求める会議を開催する少々付き合い方に気をつけたほうが良いオタク。

そして初代主人公と言える笹原完士は友人である高坂を迎えに来た、高坂の彼女である春日部に「きみもげんしけん?」と言ってしまい、瞬時に沸点に達した春日部にグーパンチで殴られる。意図せず「親父にも殴られたことがないのに」とガ○ダムの名言を放つ。周りのメンバーは「やっぱりここはそうだよな!」とか「えらい!よく言った!」と笹原をほめる。春日部は「ごまかされた」と複雑そう。この後全オタク読者に「爆発しろ!」と集中砲火を食らう笹原だがこのときはまだ不遇キャラだった。いやはや非常に懐かしい……。

笹原はチキン!でもフィギュアのパンツを見るなど資質は完璧!


げんしけんの部室から”先輩方”が(向こう正面の児童文化研究会)に行ったスキに本能的に「ものがどこかにかならずあるはず!」と物色し始める笹原。

フィギュアの下着を見たり、ロッカーに隠された大量の同人誌(成人向け)を物色しはじめる、もはや時は満ちた。

高坂のお部屋で


斑目たちが戻ってきて高速で同人誌を戻すが・・・、斑目はすべてお見通し。「同類」だから入らないかと勧誘、しかし笹原は明言はしなかった。バツが悪くなったのか「げんしけん」を避けるようになる。 そのような状況で高坂と学食で再開、「ウチでゲームしない?」と誘われる。

「こんな友達が欲しかった!」と心で歓喜する。そこで高坂のオタ部屋に入った笹原は(自分には覚悟が必要だ)と思いを新たにする。同学年なのにこのカロリー、自分がいかになまぬるい人間であったか思い知らされたようだ。この回以降、笹原は欲望に忠実なオタクへと歩みをすすめてゆくのだ。

荻上のトラウマを救えるのはおまえだ笹原!


元漫研部員でげんしけんに引き取られた荻上は、「オタクが嫌いな荻上です」と、鮮烈なげんしけんデビューを飾る。時は進み斑目たちが卒業後も大野と衝突を繰り返していた荻上だったが、ある日、笹原の妹の無茶振りで荻上はメンバーと共に軽井沢に合宿に行くはめになる。

そこで荻上は高校生時代に想いを寄せていたマキタ君の同性愛の本を描いて(描かされて!?)登校拒否に追い込んだ自分を責め続けていると女子会(飲み会)で告白。決して荻上だけの責任ではないのだが・・・。

荻上の中で何かがハジケる

自分の攻撃的な性格にも優しい笹原に負い目を感じていた荻上だが、合宿のロッジの中で(二日酔いの介抱を行なっていた笹原を見て)何があっても変わらない笹原の”優しさ”に触れ、虚心となり泣き崩れる。

涙の意味を知った笹原は声を絞り出し告白した。一度は精神的苦痛のため逃げ出した荻上だが、笹原の想いに応えようと覚悟を決める。 こうして二人の恋は成就した。このストーリー以降ベタ塗りだった荻上の目にハイライトが入るなど、荻上のキャラにもすこし丸みがプラスされた格好に。

万感の思いで荻上が会長に!ツンデレキャラ全開で席巻する!

笹原が会長を退き、次いで荻上が会長となる。周りのメンバーは暖かく新会長となった荻上を歓迎した。荻上はメンバーに「卒業祝い」の(飲み会)準備をするよう、皆を煽るも笹原には「私も後で行きますから」と耳打ち。部室に戻った二人、荻上はキスをねだるが笹原が大野の「トイレ」が長いことに違和感を感じた。

結局覗き見をしていた大野とその他のメンバー。ビターな恋の始まりを告げた。時は経過し、荻上は会員不足に頭を抱えることに、そこへ大野の友人でスザンナ・ホプキンスとアンジェラが登場。スザンナ(愛称:スー)が椎応大学へ入学し、セオリー通り現視研に入部する。しかし慢性的な人員不足の解消策にはならず、迎える新歓祭で荻上はイラストパフォーマンスにチャレンジ。

結果、そのパフォーマンスに感激して新人が入部。総勢7名になった現視研は「腐女子サークル」としてスタートした。1期で春日部が「ホモ研究会にすれば?」と言った言葉が図らずとも事実となる・・・。

げんしけん二代目をおさらい!~裏切りの斑目!ハーレム王国爆誕!~

二代目になり、就職している斑目は仕事する上で「オタ心」を忘れて、裏切りモノとしている自分に気付き「オタ心」を取り戻そうと現視研の部室へ行く。笹原妹と話を繰り返す内に「春日部咲」の話にフェードインしていく。春日部も斑目の気持ちに気付いているはずだが・・・。第1期でも触れられているが、斑目はスーにも一目ぼれしている。

2次元限定の愛は、3次元にも向けられている事がここで分かる。無論、1期アニメ、および漫画を読まれた方は斑目が「春日部咲」に想いを寄せていることに気付いているだろうし、その話題を今回このタイミングで持ってきたのはすでに「オタアニメ・オタ漫画」としてではなく、「学園恋愛モノ」という木尾士目先生の大好物へとメタモルフォーゼしていることが伺える。

荻上会長げんしけん!ニューフェイスの共通項は”腐”

上記したように、新入部員の最大公約数は「腐」である。腐女子と、腐男子(男の娘)の登場で作品に大きな影響を与えている。腐男子である「波戸」は同性愛の疑惑をかけられるも「ただ、BLモノが好きなだけ」と訴える。問題行動ばかりであるが、スーから「第1回波戸くんそれは問題だよ会議~」として”女子トイレ”でウィッグをつけたり、メークしたり、着替えたりするのは当然ご法度とされ、斑目の部屋が”更衣室”として強制的に指定されてしまう。

斑目よ、戻って来い。お前の助けが必要だ!



「新生現視研」では夏に開かれるコミフェスに出品する同人誌の作成作業で、連日の徹夜作業となっていた。斑目は情熱を失いつつあることを自覚し始めており一抹の不安は隠せなかった、その時アンジェラから猛攻(勧誘)を受けていたのだが・・・。そこで業を煮やした波戸は女装をやめて、憧れである斑目と共に同人誌を購入することを決意。

げんしけん、ついに最終回へ!斑目が最後に選んだのは…


ロリコンで、デコ好きな斑目が最終的に彼女として付き合い始めたのは、1期原作で伏線でもあった、スザンナ・ホプキンスだった。1期原作では「ネコヤシャオスワリ!」と言われ、スーを肩車するイベントがあったのは記憶に鮮明に残っているのではないだろうか?付き合うべくして、付き合い、結ばれたという意味があると思われる。

二代目では、スーが斑目と交際することがメインに展開されて行っているといっても良いだろう。スーが日本に来て椎応大学に入学し、現視研に入部して個性を爆発させているシーンを見て、ロリコンな斑目が揺るがないはずがなく「化け物語」パクリのシーンでスーの「噛みました」というネタを斑目に見せている時点でスーは斑目に告白をしていたのでしょう、間違いなく。

初代と二代目、どっちが良かった?

初代の魅力と、二代目の魅力について読者の間でも意見が分かれるところだろう。しかしここでは現視研を客観的に見てみたいとおもう。先ず初代だが、笹原のオタクデビューから話が転がり始める、徐々に現視研の面子が固まり始めた時のコアメンバー(斑目晴信、田中総市郎、久我山光紀)が在籍中であるのに、笹原が会長を務めるようになるわけだがカリスマ性や、人望がもともとあついわけではなく「オタクらしくなったから」選ばれただけ、まともに部員を掌握できるはずもない。

そこで威力を発揮したのが春日部咲だ、同人誌を作ろうと言う話になっていたが、笹原の力不足で原稿が全然仕上がっていない状態で春日部咲は見事な指揮をとり、1週間というショートノーティスで本を「でっちあげ」させてしまう。参謀タイプだ、現視研というサークルは会長がダメダメだったためなんの生産活動も行なわず、ダラダラと続いてきた部なのだが、そのダメダメな歴史にピリオドを打ったのだ。

アニメ版初代と二代目は秀逸!


アニメ版初代は、荻上の妄想が印象的ではないだろうか。荻上は笹原と斑目を絡ませて妄想を膨らませているのであるが、アニメでは結構濃密に描かれていた。

絵柄もBL路線まっしぐらだ。そのため叩かれたこともあるのも事実!「ササ×マダ」萌えで、「斑目先輩は総受け」と決めたり、無論、高坂も、朽木まで荻上エンジン全開で絡まされているあたりと逆ハーレム状態だ。

げんしけんは永遠に不滅!!


笹原のオタクデビューから始まり、斑目とスーが付き合うという「オタクとはなんなのか」を考えさせられる作品だ。なにも2次元限定でオタクたちは生活しているわけではないことが分かる、これは木尾士目先生の主観が多分に含まれ、先生の好みにストーリーが構成されているため「こんなのオタクマンガじゃない」とのきびしい意見もある。

げんしけんという作品は学園ドラマの舞台をオタクというサブカルチャーにしているために、賛否両論が別れる結果となっている。好き嫌いがはっきり別れる作品でもある。しかし、現代のオタク文化を俯瞰したこの作品は「オタクって楽しそう」とノーマルな人間に思わせるマジックポイントがある。まさにリアルなオタクとはどのようなものかが分かる作品であろう、そして既にヲタクな人間は「自分もヲタを突き詰めよう」と思うかもしれない。オタクではないと言う人たちに、一度は読んでもらいたい秀逸な作品だ。

げんしけん 二代目の十二(21)<完> (アフタヌーンKC)” style=”border: none;” /></a></div>
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木尾 士目
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