【無限の住人】映像化不可能なファンタジー時代劇の5つの魅力に迫る!

話題沸騰で現在公開中の映画「無限の住人」。内容もさることながら映像化することは難しいとされた人気漫画を徹底解剖します!映像化不可能な訳、ただの時代劇ではないその魅力、実写版のキャストなどを詳しく紹介。

この漫画は映像化不可能!と言われる無限の住人とは?

映画で公開中の「無限の住人」とはどんな作品なのでしょうか?作者は沙村広明で、月刊「アフタヌーン」にて1993年~2012年まで連載していた作品で全30巻で完結しています。1997年に「第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」を受賞していて、英語版は2000年に「アイズナー賞最優秀国際作品部門」を受賞しています。

2008年にテレビアニメ化2016年に舞台化されて今年2017年4月29日には遂に実写映画化され公開しました。

あらすじは、剣客集団である逸刀流に両親を殺された少女、浅野凜(あさのりん)が仇討ちを遂げるため、流浪の剣士万次(まんじ)に用心棒を依頼し、そこから逸刀流との闘いが繰り広げられるというものです。それだけではただの時代劇にしか見えませんが登場する人物や武器、技から身体的能力など奇抜なものが多いのです。

魅力①時代劇を覆してしまう奇抜な設定の連続

基本設定が時代劇ではありますが、そこに不死身という要素が加わります。主人公万次は不死身の体なのでいくら斬られても死にません。正に無敵で反則のような設定ではありますが、万次が最強なのかというとそれは別の話になってきます。

浅野凛の仇討ちということが話の中心にありますが、いろんな人物の境遇や過去、問題解決に焦点が変化するので敵対している人間側の心情なども見ることができます。そういった多方面から見せる設定も読者を飽きさせず、感情移入をさせるような技術が入っています。

猟奇的という部分でも時代劇ではあり得ない設定とも言えます。非人道的なことをしないことが武士道とも言えることに対してそれを平然と覆したり、人体実験などを行ったりと現代的な要素があります。

魅力②個性が強すぎる!時代劇とは思えない登場人物たち


人物がとにかく濃いのが魅力のひとつとも言えます。何が濃いかというと、まずは容姿からですが髪型、着物がまるで時代劇に相応しくないものがたくさんあります。銀髪だったりヘアースプレーで固めないと絶対にできないでしょ!といった髪型などがあります。

着物も斬新で昔にはないようなデザインだったり、どこかファッションに近い形で着こなしたりしているのが新鮮です。普通、時代劇だと着物は落ち着いたシンプルなデザインで派手ではないものが多いのですが真逆になっている感じです。

そしてまるで現代人のような考え方や性格を持っていることも異質さを感じさせます。どことなく現代人に近い軽いノリだったり、サイコパスのような狂人振りなどもその時代にはあり得ないという設定です。このように現代人に近い性格や格好だからこそ入り込みやすかったり、時代劇なの?と思わせたりします。

魅力③今まで見たこともない武器とその戦い方とは?

この作品に登場する武器がまた変わっていて面白いです。普通なら時代劇的に刀、槍、鉄砲、弓で終わってしまいそうですがこれに殺傷能力を高めるためのアレンジが加わったり、更に違う国の武器や明らかに存在しないものがたくさん登場してくるのです。

作者の遊び心が存在するからこそできることですが「どうやってこの武器使うの?」というものや「なるほどこんな効果があるんだ」と思わせたり「見た目はそうでもないけど、以外と強いんだ」と使われてからこそ知れる楽しみがあります。

ただ刀と刀をぶつかり合うのではなく、各々の変わった武器をどういう状況でいかに相手を出し抜いて使うか、という戦略やその武器を特化させることで戦況ががらりと変わったりするので勝ち負けが分かりません。

魅力④主人公、万次の奇抜すぎる設定とは?



主人公である万次とは一体何者なのでしょうか?やはり物語の全ての鍵を握っているのはこの男なのでもちろん普通ではありません。元々はお尋ね者で追っ手を100人斬ったことから「百人斬り」の異称で呼ばれるただの人間でした。

しかし 800歳という謎の老婆、八百比丘尼によって血仙蟲という蟲を体に植え付けられたことにより不老不死の肉体を手に入れてしまいます。だから体を斬られようが、刺されようが時間が経てば元に戻ってしまうという奇妙な体になっています。

不老不死だからといって必ず死なないということではありません。実際に血仙蟲を植え付けられた閑馬永空も万次の手で解体されて死んでしまいますからばらばらにされると終わりということになります。

魅力⑤原作ファンも唸らせる、実写の出演キャストを紹介



4月29日から公開された実写映画「無限の住人」は監督を始め、出演者がとても豪華なことでも有名です。これほどの役者を集める事態も難しいことですが、キャラクターに合わせた俳優陣にも注目です。

監督:三池崇史

三池監督といえば、数々の漫画原作を映画化してきた正に漫画実写に長けている監督です。過去の漫画原作の作品と言えば、「クローズZERO」「ヤッターマン」「土竜の唄」「愛と誠」「神さまの言うとおり」「テラフォーマーズ」などたくさんありますが、これらの作品に参加している俳優さんが今回の「無限の住人」にも参加しています。

三池監督との信頼関係を築き上げた俳優さんの集合体とも言えるのが今回の作品でもあります。

万次(まんじ):木村拓哉

主人公である万次は不死身であるがゆえの普通の人間にはない苦悩を抱えています。死ねない体でありながら戦い続ける男……そしてそれを演じるのはあの木村拓哉さんです。

二枚目俳優でありながら過去の作品にないぐらいのかなり難しい役に挑戦しています。しかし木村拓哉さんは剣道をやっていたからこそ殺陣がきれいにはまっているように見えます。過去の作品でも時代劇で忠臣蔵や宮本武蔵などを題材に演じているので時代劇をすることに違和感を感じません

浅野凛(あさの りん):杉咲花

浅野凛は若くして復讐に生きる女性という役だけあって泥臭く鬼気迫る演技力が必要ですが、それをこなしてしまう杉咲花さんはかなりの実力派の女優であると言えます。19歳という若さもありますが、昨年公開された『湯を沸かすほどの熱い愛』で数々の賞を受賞している注目の女優でもあります。

凛の家族を失う絶望や万次に向けられる希望、現実のきびしさを杉咲花さんなりに表現をしています。

天津影久(あのつ かげひさ):福士蒼汰

天津影久はただの美形の剣士ではなく、強さの追及と自身の信念の元に幕府を相手にする芯の強さがあります。それをあの福士蒼太さんが演じるのですが、容姿だけではなく天津影久なりの苦悩や自ら立ち上げた逸刀流の当主としての責任を背負い人を斬るということを必死に演じています。

強さを求めるからには幾度となく屍の山を越えてはいかなくてはならないのがこの時代だけに、業の深さを感じさせることも大事になっています。

閑馬永空(しずま えいくう):市川海老蔵

主人公万次と同じ不老不死の体を持つ閑馬永空を演じているのは、誰もが知っている歌舞伎役者でも有名な市川海老蔵さんです。同じ境遇の者同士の戦いということで役作りも難しいのですが、ドラマや映画を通して演技力がぐっと高くなったこともあり木村拓哉との掛け合いに注目です。

閑馬永空は万次よりも孤独ということに耐えて生きてきた存在であり、不死についてずっと考えていた人物でもあるので、生ということに対して誰よりも向き合った人物でもあります。

乙橘槇絵(おとのたちばな まきえ):戸田恵梨香

乙橘槇絵は女性でありながらも登場人物で最強に近いキャラクターです。それを演じているのは戸田恵梨香さんです。

女性でありながらも芯が強くて男にも負けない度量の持ち主ということもありぴたりな役柄であり、その華奢な体でアクションを頑張る姿にどきどきさせられます。

尸良(しら):市原隼人

作中でも狂気の塊のような男の尸良ですが、これを演じるとしたらかなり演技力が必要なのですが演じているのは市原隼人さんです。

バイオレンスな演技は過去に何度か経験はあるので迫力は伝わってくるものがあります。作画に合わせて髪の毛も銀色に染めていますがとても似合っています。

その他のキャスト

その他にも豪華なキャストが揃っています。天津影久率いる逸刀流の黒衣鯖人(くろい さばと)には北村一輝さん、凶 戴斗(まがつ たいと)には満島真之介さん。

そして逸刀流 と対峙する無骸流の百琳(ひゃくりん)には栗山千明さん、偽一(ぎいち)には北代高士さん、吐鉤群(はばき かぎむら)には田中泯さん。心形唐流の伊羽研水(いばね けんすい)には山﨑努さん。

ここまで揃うのもなかなかないですね。更に全員がきちんと作画に合わせた髪型や髪色、衣装を着こなして武器を手に取っているから絵になります。

原作を読むなら一気読み!



「無限の住人」を漫画で読むなら少しずつ読んでいるとその内容や描写が上手く伝わりません。全30巻と巻数はかなりのものですが、できることなら一気に読むことをお勧めします!

何故一気読みが良いかというと、最後まできちんと完結していることもまずありますが、方向性が最後までぶれないというのもあります。しっかりと結末に向けて話を盛り上げているので勢いを失わないまま読み進めてほしいです。

漫画を読むことで実写映画やアニメなどもどのような感じで表現されているのか楽しくなってきます。

予備知識がなくても楽しめる無限の住人

映画が公開されたこともあり注目を集めている「無限の住人」にはやはり映画化されるだけの魅力がたくさん詰まっています。

全30巻からなる現代要素を盛り込んだ時代劇になっていますが、画力、内容共に圧倒されるものになっていて見るだけで惹きつけられる作品ですので見る価値は十分にあります。

実写版の映画ではキャストがとても豪華でこれほどの大物俳優が揃っているのが珍しいともいえます。終了したにも係わらず映画化されているのは、やはり根強いファンが多く作品自体のクオリティが高いことになります。

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