デュラララ!!の5つの魅力 40万部に迫る池袋群像劇を語りつくす

ダラーズ、黄巾族、罪歌。仲の良い3人組に隠されたそれぞれの顔と、数々の人々の悪意や陰謀、または好意の結果が招く事件の舞台は池袋。街の人間は否応無しに巻き込まれる喧騒の中、鍵を握るのは首無ライダー。人間も怪異もごった返す喧騒の街、池袋を舞台とした超人気作『デュラララ!!』の魅力に迫ります。

池袋×群像劇 デュラララ!!

デュラララ!!」は成田良悟先生によるライトノベルで、「デュラララ!!」シリーズは13巻で完結し、現在は続編である「デュラララ!!SH」が4巻まで発売しています。さらに人気キャラクター・折原臨也のスピンオフ作品や、外伝作品も刊行されています。また、2011年のアニメ化から、約5年ぶりに待望のアニメ2期が発表され、注目を集めたことでも有名です。

「デュラララ!!」の魅力は何といっても多種多様で魅力溢れるキャラクターたちの群像劇。トリッキーな登場人物の多さゆえのあっと驚く展開が読者の心をつかみます。キャラクターたちの奔放さに合わせてどんどん広がっていく風呂敷を最後にはちゃんと畳む成田先生の文才も読みどころです。

デュラララ!!の魅力① 謎が謎を呼ぶ伏線の連続!デュラララ!!の物語



キャラクターの多さゆえ、「デュラララ!!」には多くの場面転換があります。関係無いと思っていた多くの場面が、だんだんと繋がりを見せてきて、最終的にはひとつの結末に収束する。そのおもしろさは「デュラララ!!」の真骨頂ともいえます。

たとえば1巻でいえば、矢霧製薬による誘拐、首を一周する傷跡を持つ少女、首無ライダー、ダラーズ……それぞれまったく関係のないところから始まり、それらが絶妙に絡み合いながら、かつ私たち読者の予想をまったく裏切る形で伏線を回収しきります。

目まぐるしく場面が変わっていくので、「これからどう収束するのだろう」というワクワク感はもちろん、結末を読んでからもう一度読み直してみても面白いですよ。

デュラララ!!の魅力② 個性的すぎるキャラクター

首無ライダーと闇医者

「デュラララ!!」の人気の理由の一つが、個性的に過ぎるキャラクターたちです。まずは首無ライダーことセルティ・ストゥルルソン。その名のとおり首が無く、当然人間ではありません。しかしそんな彼女は作中で一、二を争う常識人です。そこがむしろ個性的!妖精でありながら人間よりも人間らしい感情を魅せてくれます。首が無いのに可愛いところも魅力の一つです。

そんな彼女と心を通わせたのが岸谷新羅。彼は4歳で初めてセルティに会ったときから20年間彼女を愛し続けています。セルティと結ばれるためならセルティを騙すことも厭わない、狂気的なまでの愛情を持ちます。「岸谷新羅」という人間の大部分はセルティで構成されているといっても過言ではありません。

池袋の自動喧嘩人形と情報屋



池袋で首無ライダーと同じくらい有名なのが平和島静雄折原臨也。会えば一触即発、実に9年ものあいだ池袋でド派手な喧嘩を繰り広げてきました。

平和島静雄は池袋最強と名高い男。怒りの沸点が異常に低く、人並み外れた膂力でポストを投げ、ガードレールを引き抜き、自動車を蹴り転がし、道路標識を振り回します。イライラしているときや怒っているときは理不尽であることも少なくありません。しかしキレさえしなければむしろかなり良い人です。

そんな彼と対立するのが折原臨也。「人、ラブ!俺は人間が好きだ!愛してる!」という台詞は有名ですね。彼の行動は「こういう状況のときに、人間がどうするのかが見たい」という欲求に基づいています。その常軌を逸した思考と行動は作中一クレイジーです。

デュラララ!!の魅力③ アニメもチェック!セルティたちが暴れまくる!

「デュラララ!!」は2011年にアニメ化され、2015年に2期が分割3クールで放映されました。アニメならではの魅力としてはやはり迫力です。原作がラノベなこともあり、セルティがバイクで駆けるシーンや、静雄と臨也のバトルシーンは、アニメで動きがつくことによって迫力が出ます。

また、アニメでは場面転換も注目してほしいところです。多くの場面がぐるぐると目まぐるしく変わっていき、さらに時間軸までも前後してきますが、それゆえに一話30分とは思えないほど満足感があります。ひとつの事件を色々な場面から見るというスタンスは原作と変わりませんが、やはり映像になるとより分かりやすく、かつ頭にも残りやすいですね。

デュラララ!!の魅力④ 豪華声優陣の名演技

アニメの魅力のひとつは声。声自体ももちろん、ファンにとってはセリフの言い方や演技力も重要な問題ですよね。「デュラララ!!」のアニメは豪華声優陣に支えられているので心配無用です!

たとえば、折原臨也役・神谷浩史さんは臨也のクレイジーさを見事にあらわしてくれています。テンションが上がったときの子どもっぽさや、帝人に対する期待が現れる上擦った声、静雄に対する嫌悪を滲ませる低い声など、まさしく臨也!という感じです。原作にある、「青空が話しかけてきたような声」を地でいってくれます。

平和島静雄役・小野大輔さんの迫力ある演技にも注目です。静雄の普段の穏やかな声はもちろん、キレたときの地を這うような声と咆哮のド迫力が凄まじいです。2期では同じセリフを何回も叫んだりと、大変な静雄の声を演じてくださっています。

セルティ役・沢城みゆきさんは、首が無い、つまり表情の無いセルティの感情をあらわす重要なファクターとしての声を演じています。セルティの可愛さがアニメならではの動きとともに声でもよく分かるようになっています。「結」ではセルティの「首」の声も担当していて、身体と違う冷たい声にも注目です。

竜ヶ峰帝人役・豊永利行さんの、帝人が平凡な男子高校生の面とある種狂気に満ちた面を併せ持っているゆえの、微妙な声の変化は鳥肌がたつほど。紀田正臣役・宮野真守さんの、沙樹が攫われたときの必死な声や無力感、臨也への憎悪や帝人への想いなど、正臣の感情を表現する技量はさすがの一言に尽きます。

」では、帝人と正臣の言い争うシーンでの、帝人の正直でありながら危うい気持ちの吐露や、正臣の慟哭など、彼らの悲痛な叫びに圧倒されます。

デュラララ!!の魅力⑤ キャッチーなOPED



「デュラララ!!」といえば、特徴的なOPEDも有名です。OPは、池袋の街で各々過ごしているキャラクターたちに次々と焦点を当てていく仕様になっています。キャラクター同士がすれ違ったり、サングラスや携帯を軸に場面が変わったりすることで、「繋がった」OPです。クローズアップされたキャラの名前が一瞬出てくるところもカッコイイですよね。OPの途中で前話のアバンが流れるのも恒例です。

EDもまたユニークで、キャラクターたちが縦に繋がっていく仕様です。1期の2クール目だけ縦ではなく横でしたが、「繋がっている」というところは同じですよね。関係が深い人たちは続けて繋がっているなど、関係性をも表したものになっています。OPもEDも、数々の場面がひとつの結末に繋がる「デュラララ!!」らしいですね。

第2部 デュラララ!!SHも刊行中!

出典:https://www.amazon.co.jp

竜ヶ峰帝人、園原杏里、紀田正臣を中心とした「デュラララ!!」第一部は13巻で完結し、アニメもちょうどそこまで放映されました。しかしデュラララ!!はまだ終わっていません。新たなキーパーソン、三頭池八尋、辰神姫香、琴南久音を中心とする新シリーズ・「デュラララ!!SH」が刊行中です。

「デュラララ!!」シリーズは全編通してセルティが主人公なので、もちろん八尋たちとセルティは関わっていくことになりますが、静雄や門田など、他のキャラクターも数多く登場します。特に第一部ではあまり描かれなかった、青葉や九瑠璃、舞流などの意外な一面も見ることができます。あっと驚くようなキャラクターも登場するので、第一部から読んでいるファンにとってはワクワクしますね。

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臨也だけは、第一部最終巻での静雄との決着以降、池袋から姿を消します。しかし久音との浅からぬ関係もあり、名前はしょっちゅう出てきますね。良くも悪くも影響力の強い男だったということがわかります。

そんな彼は最終巻以降どうしているのか。その答えはSHとは別シリーズのスピンオフ・「折原臨也シリーズ」にあります。このシリーズでは静雄を始めとする臨也のストッパーがいない状態で、臨也が各地で燻っている火種に火をつけて人間観察に勤しむシリーズです。

臨也の「反吐が出る」性格を存分に堪能でき、子どもに振り回されたり、老人に振り回されたりする意外な一面を見ることもできます。デュラララ!!シリーズのキャラクターもちらっと登場するので、SHと合わせて一読の価値ありです!

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