大奥はどれから観るべき?よしながふみの人気作を紹介!

女性から大人気を博した「大奥」シリーズ。人間の根底にある感情を吐き出しまくった作品です。嫉妬・欲望・愛憎劇…その奥には、女性の素顔が見られるでしょう。男性にも観て欲しい!よしながふみが描いた世界観を紹介します。

【大奥】ハーレムという名の監獄へようこそ

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江戸時代に存在していた「大奥」と呼ばれる女だらけの世界。政治を行う「表」と、家族が暮らす「奥」という2つの世界で生きてきた人間たちがいました。まるで昼と夜のような隔てられた世界とは、どのようなものだったのでしょうか?

そして、その異世界にも似た環境ではいろいろな事件も起こっていたわけで…。 女同士の争いや、出世欲から始まった男の駆け引き、はたまた禁断の関係などの人間の裏の顔がギュッと凝縮された大奥の世界を覗いてみましょう。

大奥とはどんなところ?

大奥が出来たきっかけ

徳川家康の孫、後に3代将軍になる徳川家光君は、小さい時から母親と引き離され乳母の春日局に育てられました。春日の教育方針は「褒めて伸ばす」という英才教育です。ことあるごとに「坊ちゃまスゴイ!」「さすが将軍になる人は違うわー」。

チヤホヤされて育った家光は、マザコンならぬ乳母コンに育ちます。思春期になっても、「春日―、どこ?春日―」と、べったりです。春日は嬉しい反面、心配事もありました。なぜなら、春日にくっついていない時には男色家の顔を見せていたからです。

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世継ぎを残すことも将軍家の仕事でした。後に将軍になる偉大な人でも、男同士で子を成すことは不可能です。「これはマズイ」と危機感を持った春日局は、家光の前に美女を集め“選り取り見取り”の状況を作ります。「お好きな女性をどうぞ」。

家光の好みはうるさく、なかなか女性に手を付けません。春日は負けじとドンドン女性を送り込みます。そこにはうんざりした家光が居ました…。 なぜ家光は、美女に興味を示さなかったのでしょうか?

そこには、女性の思考と男の興味対象が違うことが考えられます。女性が「あの子かわいい!」という時は、必ずしも男性がかわいい!と思う対象になっていないことがありますよね。好みではない女性を抱け!と言われても…。

春日の頑張りのおかげ(?)で、“奥”にはものすごい数の女性がウロウロしている状態が出来上がりました。団体をまとめるには、統率者と決まりが不可欠になります。そこで、春日はこのハーレムを“大奥”とし、組織運営に努めることになりました。

最盛期で3,000人いたと言われる大奥、「男子禁制」「外出禁止」「正月の裸踊りは絶対参加」など、決まりは増えていきます。ただ、この決まり事には訳があります。

男子禁制にしたのは、密通を防ぐため。外出禁止も同上。裸踊りは、刺青を入れていないかの身体検査でした。しかし、正月に裸になるのは寒すぎですよね。

【大奥】はドラマ以上にドラマティックだった!

延命院事件

将軍以外に異性と交わることが許されていない大奥の女性たち。将軍に手を付けられなければ、当然欲求不満になります。性行為への興味もあったでしょう。そこで、女性たちは考えました。「お墓参りと称して外出しよう!」

基本、外出禁止だった女性たちも「お墓参り」や「親族の病気見舞い・葬式」は許されていました。皆さんも、遅刻や欠勤の言い訳に「家族の急病」などを使ったとことはありませんか?

大奥の女性たちは、度々「お墓参り」をしに寺へ出かけていきました。そこで待っているのは僧侶たちです。仏に仕える身ですが、僧侶だって人間です。当然欲求もあります。女性の欲求×男性の欲求=禁断の関係に!

精力絶倫!生臭坊主

一度、タガが外れると歯止めがきかなくなるのが人間。延命院には、しょっちゅう大奥の女性が出入りする事態になります。そのうちに「谷中延命院がおかしい…」と噂が立つようになりました。

そんな噂が立っては、寺の威厳が保てません。寺奉行は調査に乗り出します。「まさか…」と思いながら内偵を進めると、そこには住職と大奥の女性がただならない関係になっていました。

延命の住職、日道は歌舞伎役者:尾上菊五郎の息子。イケメンで有名な住職です。加持祈祷も行っていたそうですが、どうやらいい加減にこなしていた生臭坊主だったようですね。絶倫坊主とも噂された精力は、60人にも及ぶ女性との関係に注がれました。

イケメンの悲劇(?)

うらやましいですか?自分もあやかりたいですか?しかし、考えてみると60人全員が好みのタイプだった。とは思えません。中には歳を取った女性や、不細工な女性もいたでしょう。生理的にムリな女性もいたかもしれません。

もしかすると「〇〇さんと、寝たことは知っている。バラされたくなかったら、私とも性行為しろ!」なんて脅されていたかも…。それでも、うらやましいですか? ここは「ざまーみろ!イケメン君」なんて笑ってやりましょう。

【大奥】よしながふみの漫画が女性にウケたわけ

女性が奥に秘めた欲求

#大奥#沢尻エリカ#蓮佛美沙子#ooku

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男性の「厨二病」が女性に理解されないように、女性の好むストーリーには「胸キュンなラブストーリー」「奇妙な都市伝説」「女同士のドロドロした世界」など、男性には理解しがたい好みがあります。

よしながふみさんは「大奥」で、上手く女性の好む世界観を生み出しました。“妬みや嫉妬が渦巻く女性ばかりの大奥。そこでのしきたりは、現代女性にとって馴染みが無いものばかりでした。そこで、繰り広げられる禁断の恋…”女性の心を捉えて離さない物語です。

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よしながふみさんは、「ベルサイユのばら」や「スラムダンク」の影響を受けながら二次創作の同人活動を行っていました。BL作品が多い事でも知られています。

よしながふみさんが描く男性は、女性を沸かせる魅力的な男性ばかり。ドラマにもなった「西洋骨董洋菓子店」でも、滝沢秀明さんや藤木直人さんなどのイケメンが出演していました。

人間は知らない世界を覗いてみたい欲求にかられます。女性の知らない世界…。それはBL!男性同士のイケナイ関係。女性はゾクゾクします。男性はゾワゾワするでしょう(笑)。 このBL観を出したのが、映画「大奥~永遠~右衛門佐・綱吉篇」です。

映画【大奥】では男女逆転も!菅野美穂と堺雅人の逢引現場

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「大奥~永遠~右衛門佐・綱吉篇」では、男女が逆転して巻き起こる大奥劇が観られます。男性のみにしか発症しない奇妙な病気によって男性の数が減っている世界。江戸幕府は、女性将軍:綱吉(菅野美穂)が取り仕切っていました。

ここでもお世継ぎは必要です。大奥に集められた才色兼備な男性陣。綱吉はここで、情事にふける日々を余儀なくされていました。正室には子が授からない中、側室には世継ぎが誕生します。(どうやって、父親を特定できたかは不明)

焦る正室は、京から一人の男を呼び寄せます。この男:右衛門佐(堺雅人)が大奥を取り仕切るようになり、綱吉の人生が変化していったのです…。

「大奥」作品の歴史

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大奥は1967年から数々の映画やTVドラマが作られています。日活という成人向けの映画では、レズものAVとして上映されてきた歴史があります。男性も知らない世界は、覗いてみたいですよね。

NHKでは大河「春日局」「篤姫」など。民放では、よしながふみさん原作として数多くの有名俳優たちが「大奥」を演じてきました。史実に基づいて作られているわけではないので、どの作品から見ても楽しめる形になっています。

ここで男性におすすめしたい「大奥」は、TVドラマ「大奥~誕生[有功・家光篇]」を見てからの上記「大奥~永遠~」。女性特有のドロドロより、男性特有の嫉妬と名誉欲が入り乱れます。

男性は嫉妬心なんかない!なんて思っている人はいませんか?男性には独占欲が強く、征服したいという気持ちが強い人が多いでしょう。そのため嫉妬心が生まれるのは自然なこと。

この男性の感情が、男女逆転「大奥」で見事に表現されています。「うわー。分かるわ」と感情移入しやすいでしょう。そして、この作品のもう1つの見どころは菅野・堺夫婦の馴れ初めが垣間見られるところです。

右衛門佐(堺)の心を綱吉(菅野)は、どうやって引き付けていったのか?綱吉の心を右衛門佐が溶かしていく様を、じっくり観察できる作品になっています!

【大奥】瀧山や大奥スリーアミーゴスなどキャラクターが大暴れ!

よしながふみ原作「大奥」では、名物キャラクターも生まれました。浅野ゆう子さん演じる「瀧山」がその1人です。大奥総取締役という圧倒的な権力を持ち、トゲトゲしたオーラで皆を威圧しました。

大奥ではキャストの中の1人でしかありませんが、浅野ゆう子さんの代名詞になっていると思います。そして、忘れてならないのが“大奥スリーアミーゴス”です。「踊る大捜査線」の湾岸警察署幹部の三人衆から派生しました。

鷲尾真知子さん・山口香緒里さん・久保田磨希さんたちが繰り広げる“OL給湯室”のようなゴシップトーク。「美味でございますー!」の声が耳について離れません(笑)。 

「大奥」は魅力あふれる物語なので、時間があるときにじっくり見ていただきたい!というのが本音です。ですが、入門編として男女逆転大奥から観てみてはいかがでしょうか?TVドラマ「大奥~誕生[有功・家光篇]」からの、映画「大奥~永遠~右衛門佐・綱吉篇」がおすすめですよ!