吉高由里子出演「蛇にピアス」に注目!問題作は壮絶エピソードだらけだった!

芥川賞作家・金原ひとみ原作の映画「蛇にピアス」は、タトゥーやピアスだらけのアマとの出会いから、その文化と生き方に強い興味を持った、19歳ルイの渋谷を舞台にした社会からちょっと外れてしまった短い青春記。体当たり演技の当時の吉高由里子とは?!

吉岡由里子主演の「蛇にピアス」とは?

東京・渋谷。人生が何なのか解るはずもない19歳のギャル系ルイ。世間のど真ん中で生きながら、いつも何かが足りない。知らずに純粋で真っ直ぐなものに惹かれ求め街をさまよう日々。

ある日、出会ったアマはスプリットタン(蛇のように舌を二つに割る人体改造)や、刺青やピアスにモヒカン。生まれて初めて実際にそういう人間や文化を真近にし興味を惹かれる。

心のすき間を埋めるように、未知の世界にのめり込んでいくルイは一人よりは幸せだった、あの事件が起きるまでは。。喪失感やフラストレーションを抱えた者だけの純粋性と青春群像。

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見どころは吉岡由里子の体当たり演技!

蛇にピアスでの吉岡由里子は、上から下まで髪型もファッションもどこから見ても当時の渋谷によくいそうなギャル。現在の時代劇などの幅広い活躍からは想像もつかないイメージです!

蜷川幸雄監督の演出も素晴らしいと思いますが、女優として吉岡由里子の演技力や、役に入り込んだ意気込みが感じられるヌードやベッドシーンでの自然な表情などがより引き立たせます。

ハッキリ言って若いギャル吉岡由里子はかなり可愛いです!流石に刺青やスプリットタンはCGなどによるものですが、彫スタジオや彫られ方など実際の状況をよく研究していてリアルです。

「蛇にピアス」衝撃エピソード①



女優として吉高由里子の初主演で初ヌードとなった、蛇にピアス。彼女は監督である蜷川監督に、ヌードが多い脚本を熟読し私の裸を見ないで撮影できるんですか?見てみて下さい!と自ら懇願。

「じゃ見せて。」とは言ったものの、これには驚いた蜷川監督。パッと裸になった吉高由里子に、両手で目を覆い「わかった、わかった。撮れる、撮れる。」と慌てた様子で、恐るべし天晴れな女優魂です!

そんな吉高由里子を蜷川監督は高く評価し、かなり厳しい事も言ったが少しも動じないと語っていました。現場では厳しく鬼の蜷川と言われ映画・ドラマ・CM数々の作品を残し、2016年他界しました。

蛇にピアス撮影秘話



蛇にピアスで初共演だった吉高由里子と高吉健吾。当時、吉高は際どい濡れ場の相手役である高吉に「本当にするもんなの?」と楽屋に聞きに行き「えっ?!しないでしょ。」と驚く。

そんな吉高を変わった娘だなぁと当時の印象を語ります。一方、SM的ベッドシーンで首を絞められる撮影で、「んんん~んん~」と監督の具合の悪そうな声が気になった吉高由里子。

大丈夫ですか?と心配したところ、自分の首を絞めてガンバレガンバレとエールを送っていたそうです。蜷川監督への第一印象が、目が澄んだ人。その通りだったようですね!

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「蛇にピアス」衝撃エピソード②



撮影が決まった翌日に交通事故で入院?!しかも?生死をさまようICUに5日間の大怪我?!全治半年と診断され撮影は断念せざるを得ないかと誰もが、実は思ったそうです。

しかし奇跡が起きました!ICUで隣の患者達が亡くなっていくのを見た時、それまで感じた事が無い猛烈な「生きたい!」という感情が溢れだし原因不明の40度の発熱をしました。

すると、そこから急激に身体が回復し一ヶ月半で治った?!という生命と気持ちの神秘。クランクインにも間に合い何も怖いものは無かったとか。運命的なものを感じますね!

顔がジャリジャリした?!



突然の交通事故でICU(集中治療室)に運ばれた吉岡由里子は、少ない意識の中でどうしても「顔がジャリジャリする。」事が気になり(女優ですからねぇ。)鏡を見たかった。

しかし、看護婦に頼むと「鏡は置いてません。」まぁ機転を利かしてるんでしょう。夜中トイレで鏡を見ると包帯でグルグル巻きの自分が居て愕然としたそうです。。でしょうねぇ。

皮膚は全部剥がれ、かさぶただらけで痛みに耐えきれず唸る自分の声で夜中も眼を覚ます。そんな壮絶な怪我後とは思えない綺麗な顔をしています。ただただ、驚きです!

吉岡由里子の奔放さは母親ゆずり?!



看護婦も気を遣うほど女優どころか女性として非常に不安で、周りからしても気の毒な状況。そんな一瞬でも絶望しかけた時に救ってくれたのが母親のおおらかな存在と語ります。

グルグル巻きで包帯だらけの顔を見て、鼻のところで包帯が呼吸でプルプルするのが面白いと、ケラケラ笑って写メをパシャパシャ撮る母親。あっ、なんか大丈夫かなと思ったそうです。

気丈というか明るいと言うか、いざという時そんな態度をしてくれる母は偉大ですね。また、それをすんなり受け入れられた彼女も、明るく開き直る母親の血を引いているんでしょうね!

「蛇にピアス」タトゥーやピアスにはどんな意味が?

タトゥーやピアスというと、嫌悪感しか無い人も居ます。ある種の不理解が引き起こすのでしょう。ファッション性以上にそのままでは生きられなかった不器用な心の自己表現の一つです。

自己表現を病んでいると決めつけるのも了見が狭い偏見でしかありません。あなたの個性を否定されたら不愉快な様に、色々な個性を認め合わなければ行きつく先は争いしかありません。

もちろん理解なんて求めていない考えの人も居ます。但し、そんな人こそ争いよりも本当の意味で調和や人間を見た目では判断してません。受ける目や社会が充分に達観させるからです。

シバという彫り師役を演じたARATAにとっての蛇にピアス



俳優ARATAにとっての蛇にピアスは一言で表すと「破壊」これに対し主人公・吉高は「再生」一見、全く逆の事を言っているのが面白いですね。しかし破壊と再生は表裏一体ですよね。

まさに俳優にとって分岐点にもなった本作品での主要人物ルイ、アマ、シバ、三人はそれぞれ今までのイメージを壊し生まれ変わる必要に迫られるくらいの作品内容だった訳です。

しかしながらシバという人物像をはじめ登場人物達を彼は、誰にでもあり得る部分であり、繊細さの裏返しで内面的には普通の話と冷静に分析しています。蜷川監督と仕事し夢が叶ったとも。

時代が生んだ芥川賞「蛇にピアス」

小説・蛇にピアスは、作者である金原ひとみという当時まだまだ若かった感受性が、バーチャルな情報ばかりが溢れ捉えようの無い時代の混沌を流されやすい架空の女性視点で描きました。

主人公アマは痛みでしか生きてる実感を感じられない。そして、その喪失感を埋めるだけのアマの行動が負の連鎖を呼んでしまう。大なり小なりそんな青春は決して少なくはないでしょう。

その中で唯一の救いであるアマの純粋性、病みや歪みの象徴的なシバ。これもまたアンダーグラウンド・ストリートによくある相対的な人物像です。痛いほど純粋ゆえの矛盾と魅力ですね。

主人公ルイ役を見事に演じきった吉高由里子



生死の境を感じる壮絶な交通事故。その後、奇跡的な回復力でクランクインに間に合うという魔訶不思議な巡り合わせ。まさに吉岡由里子にとってこの映画は運命的な一本でしょう!

彼女にとっての人生観の変化という普通の生活ではなかなか到達し得ない事態が、こういった物語の主役を演じる撮影前に起こったのはただの偶然には個人的には思えません。

吉岡由里子のこの時の演技は間違い無く何か降りてますねぇ。そして、こうしている今現在も蛇にピアスという独特な世界観を持つ映画は、新しい世代のファンが増殖しています!

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