【ダイ・ハード3】あらすじと豪華キャストを振り返る!驚愕の制作裏話も紹介!

1988年に公開された『ダイ・ハード』(主演:B.ウィルス)のヒットによって、一躍「世界のヒットシリーズ」の仲間入りを果たした同シリーズ。現在まで5作品が作られていますが、その分岐点となった第三作をここでは紹介します。タフでジョーク好きな主人公のジョン・マクレーン刑事の勇姿を再確認してみましょう!

『ダイ・ハード3』はどんな作品?あらすじ紹介!

限定空間を飛び出して、ニューヨーク市街で大暴れ!

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ニューヨークから妻の勤めるロサンゼルスに、クリスマス休暇でやって来たニューヨーク市警のジョン・マクレーン巡査部長(以下、マクレーン刑事。『3』では、めでたく警部補に)。そのマクレーン刑事が、日系企業「ナカトミ」ビルで爆弾テロに巻き込まれる顛末を描いて大ヒットしたのが『ダイ・ハード』(1988年)です。

第二作(1990年)はクリスマスの日のワシントン空港で、またしても事件に巻き込まれてしまいます。映画のキャッチ・コピーも「世界一運の悪い奴」と銘打って、主演のB.ウィルスも乗りにノってきました。そうした経緯で作られたのが『ダイ・ハード3』(1995年)です。

この第三作は、それまでの高層ビル、国際空港という限られた空間ではなく、ニューヨーク全体を舞台にしているところがミソです。

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建造物を舞台としなかった事に加えて、今作では季節もクリスマスではなく真夏に変えています。

この変更に対しては、公開後(今でも)賛否が分かれていますが筆者は大賛成でした。これでマクレーン刑事の暴れる舞台が広がり、もし今作以降も続編が作られるとしたら、ますますスケールアップされると単純に期待したからです。クリスマスについても、また然りです。

こうして舞台をニューヨーク市全体に移した今作では、マクレーン刑事は爆弾テロ集団に指名されて偶然ではなく、「必然的に」組織の言うところのゲームに参加。「駒」としてニューヨークを動き、チェイスするのですが、そのシーンの迫力は満点です。

アクションに加味された“謎解き”も、上手く効いていてエンターテイメントとして十分に楽しめる作品に仕上がっています。米映画ファン必見の一作ですよ!

マクレーン刑事の事件関与!『ダイ・ハード3』は偶然ではない?

マクレーン刑事を指名したのは意味がある?

いつもと変わらぬニューヨークの朝のラッシュ時。市街のデパートが突然、爆発します。それが爆弾テロ組織の犯行だという事は、組織のリーダーと名乗る男から警察署へかかってきた電話で判明しました。要求はというと「次の標的を爆発させたくなかったら、マクレーン刑事を署で待機させろ」。

第一作や第二作のように、偶然その場にいたがために運悪く事件に遭遇してしまうシチュエーションと『ダイ・ハード3』は、この状況が大きな相違点です。今作品ではマクレーン刑事は犯人からの指名で事件の中へ飛び込まざるを得ない状況なのです。

しかし、連れてこられた停職中のマクレーン刑事は、ひどい二日酔いで「アスピリン(宿酔の頭痛に効く)をくれ~」な状態です。もちろん、犯人の見当などつくはずもありません。

最初の指令「「I hate Niggers(黒人は嫌いだ)」という文字を書いた看板を持ってハーレムに立て」というものです。ハーレム(写真・下。イメージ)は黒人居住区で、治安が良くなってはいますが、まだまだ差別に苦しんでいる黒人が多い事で有名な一画です(写真・上)。

ここでマクレーン刑事は街のギャングとイザコザを起こし(当然ですよね)ますが、街の電気屋のゼウスのお陰で難を逃れました。このゼウスこそ、この作品においてはマクレーン刑事の相棒として、充分過ぎるほど機能しています。共演の域を超えているとも思いますよ(笑)。

とりあえず、ここでマクレーン刑事とゼウスはハーレムでの事情説明と応急処置のために署に戻りました。(※一部、不適当な表現をしていますがオリジナルのまま掲載しています)

「世界一運の悪い奴」は相棒のゼウス!

“人助け”が仇となって、事件の渦中へ



マクレーン刑事が指名されてニューヨークの街を走り回るのが「必然」だとして、どうしても役回り上、欠かせないのが「運の悪い奴」です。やはり『ダイ・ハード』シリーズでは、この役を演じてくれる人がいないとピリッとスクリーンが締まりません。そこで今回、栄えある役に選ばれたのがゼウスです。

もともと、ハーレムでマクレーン刑事がチンピラ達に絡まれたのを救ったのが彼でした。ニューヨーク市警で応急処置が終わり、いったんは出て行こうとしますが市民のために踏みとどまりました。要するに「人がイイ」んですね。この人の良さが災いして、これから大騒動に巻き込まれる等とは思いもよらなかったと思います。

何せマクレーン刑事と行動を共にするのですから、タダで済むわけはないんですよ。観客も全てお見通しだったのではないでしょうか?

『ダイ・ハード3』はN.Y市街を走り回るスピード感がたまらない!

セントラルパークを突っ切り、地下鉄には頭上からジャンプ!!

まだテロ・グループの狙いが掴めないまま、指示通りにマクレーン刑事とゼウスはブロードウェイの公衆電話(写真・上)へ走ります。ここでは、なぞなぞ的要素を含んだクイズを出題されて、まずはクリアしました。次は地下鉄のウォールストリート駅3番線裏のキヨスクの公衆電話です。

しかし、与えられた時間は13分しかありません。それに市内はいつものように渋滞しています。そこでマクレーン刑事は、乗ったタクシーを自分で運転してセントラルパークを突っ切って行きます(写真・下)。理由は単純明快で「(回り込んでいたら間に合わないから)この方が早く着く!」から。

そしてそれだけではなく、途中に地下とつながる鉄溝を発見するや、それを外して自分は地下鉄に飛び乗るという離れ技を見せるのです。保険をかけるとは、さすが修羅場慣れしています。

マクレーン刑事は、爆弾の仕掛けられた電車に首尾よく乗り込む事に成功、乗客を離れた車両に誘導しますが時は既に遅く駅手前で爆発してしまいました。ここまでくると、犯人グループが“いかに本気か”という事が、分かります。

この地下鉄の爆破により、マクレーン刑事とゼウスは心身共にボロボロになります。ただ、筆者を含めた『ダイ・ハード』ファンは、ここから(B.ウィルスの衣装がボロボロになってから)が本番だという事が、よ~く分かっています。つまり、確信部分は、これからだという事なんですね。

ウォールストリート駅爆破の次も球場だったり公園(撮影用に作ったもの。実在はしない)だったりと、市内を右往左往する二人。ですが、この騒動の裏には周到な計画が立てられているのでした。

爆弾テロの“からくり”は金塊強奪だった!?

マクレーン&ゼウスコンビの市内探訪はカモフラージュ

地下鉄駅の次の指示の球場には爆弾が仕掛けられていませんでした。引っ張り回されています。ただ、テロ組織については分かってきた項目もあります。組織のリーダーは元東ドイツの特殊部隊を率いていた人物(電話での、かすかなドイツ訛りアリ)で現在はテロリスト。

そして、『ダイ・ハード』において、マクレーン刑事に一掃された現金強奪団のボス・ハンス(写真・上)の兄、サイモン・グルーバーだったと判明します。このサイモン特定の分析には、FBI(連邦警察)IとCIA(中央情報部)も絡んできています。それだけ、相手が大物だという事です。

この段階で筆者は、『3』のスケールの予想以上の大きさにワクワクしてきた事を覚えています。この時点でのマクレーン刑事が指名された理由は、復讐に見えました。しかし、復讐に見せかけた真の狙いには、まだ当局は気づいていません。

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つまり、サイモンの本当の狙いは地下鉄駅爆破は隣接する連邦準備銀行に眠る、1400億ドルの金塊だったのです。爆破騒ぎに乗じてパワーショベル等の重機も運び入れ放題ですから。それを爆破テロに見せかけるためのカムフラージュとして、デパートを爆破したのです。本命は地下鉄駅爆破・連邦準備銀行侵入だったとは!

マクレーン刑事とゼウスに市内を走り回らせたのも、陽動作戦だったという事です。結果的には、とんだ市内巡りになってしまいました。加えて、次の標的は[21/42]に関連した名前の市内の小学校という言葉も残し、注意の目をそちらに向けさせるのも忘れてはいません。こちらも、場数を踏んでいるのがうかがえます。

このカラクリに気づいたマクレーン刑事は、金塊運搬中のサイモン一行を途中で阻止するための方策を練ります。この時の映画館内は物音を立てる客もおらず、皆、固唾を飲んで次の展開を待っていたのでした。

トンネルからコンテナ船内まで、追い詰めたつもりが…

ここでマクレーン刑事は一旦、学校の方はゼウスと市当局に任せてサイモンを追う事にします。「奪った金塊は何処に、どうやって運ぶのか?」を考えた時に、おぼろげながら答えが見えてきました。連邦準備銀行の金庫をぶち壊すだけならば地下鉄駅を爆破するだけでイイはず。

それが、横の公園側の壁も壊すという事は、金塊の持ち出しを考えていたのでしょう。そして、輸送はダンプかトラックという事になりますよね。そんなルートを探していると、“あった”のです。

マンハッタンから約100km離れたキャッキル山脈まで水を通すためのトンネルを工事していたのです。そこに、トラック14台が指示を無視してトンネルへ入って行ったというじゃありませんか。ビンゴです!マクレーン刑事も、ダンプを借りて(写真・上)突入したのは言うまでもありません。



このダンプを貸してくれたドライバーも、なかなかイイ味を出していて、サイモンの質問[21/42]とは、すなわち歴代大統領42人(公開時)の中の21代大統領の名の事。で、「チェスター・A・アーサー」と、すんなりと解いてしまうのでした。つまり、爆弾を仕掛けたのはアーサー小学校であるとういうのが判明したのです。

児童を避難させて、爆弾処理をしたのがニューヨーク市警のチャーリー刑事(写真・中)です。普段はおどけていますが、小学校に残ってみずから起爆装置を解除する等、勇敢な面を見せてくれました。結局は不発で爆破の代わりに仕込まれていたシロップが顔面を直撃していました。

この辺の笑いの入れどころは、いかにも米映画のノリです。筆者は、こういう手法は嫌いではないです。



勇んでトンネルに入っていったのはいいのですが、逆に、その追跡をサイモンに察知されてしまいました。そしてサイモンは、水流管を爆破してマクレーン刑事をダンプごと流してしまおうとします。その危機を何とか脱して、ゼウスと合流したマクレーン刑事は、今度は海(河口)に向かいます。金塊は海上輸送されると予想したからです。

この予想はピタリと当たり、二人は橋の上からウインチ伝いに船に潜入しました。しかし、努力もむなしく捕われてしまいます(写真・下)。しかし、ここでも「運の悪い」相棒に助けられます。彼は、針金で縛られていた鎖の錠前を破ったのでした。

たくましいですよね。筆者は今でも「ゼウスでスピン・オフを!」と、映画ファンが集まると叫んでいます。

『ダイ・ハード3』のキーワードは「偏頭痛はつらい」

薬瓶をヒントに、国境まで追いかける!

やっとの事で拘束を解いた二人ですが、実は船内のコンテナにもカラクリがあり、そこには金塊はありません。鉄屑とスリ替えられていたのです。つまり、船そのものが囮だったわけです。しかも、船を爆破して、金塊もろとも海底に沈んだ事にしようとしています。

爆発寸前に海に飛び込んで難を逃れはしましたが、二人の追跡はここまでです。陸に戻ったゼウスは、マクレーン刑事に「奥さんに電話しろよ」と言って去りました。マクレーン刑事は相棒の進言を素直に受け取って妻・ホーリーにコレクト・コールしつつアスピリン(写真・上、イメージ)を飲もうとします。

その薬は、鎖で縛られる前にサイモンに「頭が痛くてしょうがない。薬をくれよ」と言ってもらったものでした。CIAの調査により、彼が偏頭痛持ちだという事を、マクレーン刑事は知っていたのです。その瓶には「NORD DES LIGNES」の文字が!

多分、そのアスピリンはサイモンが“行きつけ”のドラッグ・ストアで買ったものなのでしょう(偏頭痛持ちは、いつも薬を持ってないと不安に思う人がいる事も知っていた。つらいですよね)。それを見たマクレーン刑事はホーリーの電話をそのままにして、ゼウスを走って追いかけて行きました。「最終決着は二人で」という事なのでしょう。

そこで待ち伏せたのが、北の国境から少しカナダ寄りに入った辺りです。しかし、待ち伏せて優位に立つはずが、逆にヘリからの重機関銃の掃射に合って、またしてもマクレーン組は大ピンチに陥りました

そのマクレーン刑事に残された弾は二発。最後は、電線を打ち破ってサイモン機を感電させて、やっと長い一日が終わりました。『ダイ・ハード』(特に『3』まで)を観ていて毎度思うことは、「一日が長いなぁ」という事。でも、爽快感も必ず残るんですよね。

脇を固めるいぶし銀!『ダイ・ハード3』の名バイプレーヤー達

ジェダイ・マスターや三冠所持など豪華共演陣

この作品には、映画ファンを唸らせるキャスティングがされているのも特徴です。「世界一運の悪い奴」を演じたゼウス役のサミュエル・L・ジャクソンは『パルプ・フィクション』(1994年)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、『ジャッキー・ブラウン』(1998年)ではベルリン国際映画祭助演男優賞を受賞しています。

『スターウォーズⅠ~Ⅲ』(1999年~)でジェダイ・マスターのメイス・ウィンドウ(写真・上)役として日本では有名ですよね。紫色のライト・サーベル使いの、あの男です。

サイモン役のジェレミー・アイアンズは『Real Thing』(1984年)でトニー賞を受賞後、アカデミー賞主演男優賞とエミー賞もそれぞれ受賞しています。舞台、映画、ドキュメンタリーでそれぞれ権威ある賞を獲っているんですから、凄い俳優です。


ニューヨーク市警の女性刑事役のコリーン・キャンプ(写真上・左)は、キャリアが長いだけあってオールドファンには懐かしい映画にも多数出演しています。ブルース・リーの遺作となった『死亡遊戯』(1978年)には、リーの恋人役で。フランシス・フォード・コッポラ監督の『地獄の黙示録』(1979年)プレイメイト役で出ていました。

この両作品は筆者が中学生の頃にロードショーで観たのですが、まさか『ダイ・ハード3』で再会するとは思ってもいませんでした。新しい作品では(そんなに新しくはないですけど)『ポリス・アカデミー』の「2」と「4」にも出演していて、まだまだお元気みたいです。

冒頭のシーンは全て日本車!?『ダイ・ハード3』制作秘話

大がかりな撮影を、小回りの効いた技で味付け

冒頭の爆発シーンをご存知でしょうか?爆破されたデパート前の通りにあるクルマが全て右ハンドルです。いくら日本車の米国シェアが、今よりも高かったとはいえ、あり得ないですよね。それもそのはずで、デパートの立地上、このアングルからは撮れなかったらしいですよ。

そこで右から撮ったフィルムを反転させたために、左右が逆に写っていたんです(裏焼きといいます)。よく見ると、手前のSUV車のハンドルが右にありますよね。輸出仕様でも左ハンドル・モデルしかラインナップしないのに、おかしいです(笑)。

ハーレムでマクレーン刑事が看板を体に掛けて街角に立つシーンでは、文字ナシの看板を持っての撮影でした。あまりに危険なためです。そして、あとから文言をはめ込んだという事です。

元来、海上での「運の悪い奴」のはずだった!

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もともと『ダイ・ハード3』は、豪華客船(写真はイメージ)で休暇を楽しむマクレーン刑事が「運悪く」事件に巻き込まれるストーリーになる予定でした。それが、S.セガール主演の『沈黙の戦艦』(1992年)が一足早く公開したために、変更を余儀なくされてしまったのです。

マクレーンン刑事の海上アクション映画も観てみたい気もしますが、そうなるとゼウスの存在も「?」になってしまうかも知れなかったですね。やはりコレで良かったのかも知れません。筆者はサミュエル・L・ジャクソンのファンなものですから。

マクレーン刑事「奥方は大切に!」

いつの時代も男は女に弱いもの…

マクレーン刑事の良い点は、あんなにタフで強いので、妻のホーリーには頭の上がらないところだと思います。船から脱出した時と、最後に事件を解決した時の二回も「女房に電話しろよ!」とゼウスにハッパをかけられても何だか気が進まない様子なのは気の毒にさえ思えてきます。

ただ、未練タラタラなのも分かります。でなければ、アスピリンをあんなに必要としないですから。現に「1」の頃は、飲んでいなかったですし……。「あいつは強情だから、、ブツブツ」と呟くマクレーン刑事。この後の「4」と「ラスト・デイ」では遂に、復縁とはなりませんでした。

しかし、世の男性諸氏はきっとこう思っているでしょう。「マクレーン刑事、もし、ホーリーとやり直す事ができたら、今度こそ奥方を大切に!」と。

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