スラムダンクは山王戦が文句なしのベストバウトである3つの理由

スラムダンクの最終戦、湘北高校VS山王高校。山王の強さと湘北の持ち味が発揮され、ラストにふさわしくスラムダンクの醍醐味が凝縮されたベストバウト(最高の試合)である理由を説明します。

湘北VS山王とは


バスケットボール漫画の金字塔スラムダンク。主人公桜木花道がバスケットボールの練習と数々の強豪との試合を通じて、技術的にも精神的にも成長を遂げていく漫画ですが、県予選を勝ち上がり、インターハイ1回戦豊玉高校に勝利し、次の2回戦が漫画スラムダンクの最終戦山王工業高校との試合となりました。山王戦はアニメ化されていないのが残念なところですね。

山王は、前年までインターハイ3連覇を果たしており、この年は大学オールスターと呼ばれる山王OBに圧勝するほどの実力で、「過去最強の山王工業かも」「高校界の絶対王者」と評価されるほどの最強のチームでした。この絶対王者相手に桜木たち湘北メンバーたちの死力を尽くした試合が最高で最後の試合である理由を解説します。

理由1 高校バスケ最強!山王のメンバーがすごい!

高校バスケ最強のセンター河田雅史

「日本高校バスケ界最強のセンター」と言われるが、全日本のセンターの杉山に現時点でも大学のセンターでもベスト3には入ると言われる超高校級の選手。高校入学当初は165cmでガードだったが、1年で25cm背が伸び、フォワード、センターへとポジションを変え、センターでありながら広いプレーエリアとスリーポイントもこなすシュートエリアを持ち、もちろんセンターとしても最強のガード力とリバウンド力を持ちます。

桜木の負傷にもいち早く気付きベンチに下がるように勧め、桜木の成長にも期待している様子を見せるなどリーダーシップ力もある日本バスケ界の将来を担う選手として描かれています。ただ桜木には、ゴリを丸くしたようなという理由で「丸ゴリ」と呼ばれました。

高い指揮能力!キャプテン深津一成

高校最強の山王工業の監督を務める名勝堂本監督から絶大の信頼を寄せられているキャプテン。ポジションはポイントガード(PG)で、個人の能力として高いパス技術と強固なディフェンスを持つだけでなく、味方の能力を引き出したり、相手に実力を発揮させないなど、広い視野でゲームを支配する能力を持ちます。

語尾に「ピョン」をつけるので、宮城に「ピョン吉」と呼ばれたり、以前は「べし」を使っていたり、とぼけた魅力も持ち合わせています。

最強高のエース沢北栄治

作中No.1プレイヤーとして描かれた山王のエース。幼少より父親の沢北哲治との1on1で磨かれた高いセンスと日本人離れした驚異の身体能力を持ち、オフェンスもディフェンスも超一流で、最強山王でも1年生からエースとして活躍し全国制覇を成し遂げました。

同じく天才プレイヤーとして描かれた仙道にも、唯一「勝てなかった奴」と言われるほどの実力を持ち、アメリカへのバスケ留学も控えていました。「山王バスケ部始まって以来の二枚目」と言わていますが、河田たちからはよくいじられる一面もあります。なお桜木からは「小坊主」と呼ばれました。



他にも、沢北がいなければどこでもエースを出来ると言われる松本稔や、198cmの高い身長を活かしリバウンド力の高い野辺将広スッポンディフェンスの異名を持つディフェンスのスペシャリストの一之倉聡など、全国制覇を経験した絶対王者としての実力を持つ個性的なプレイヤーが揃い、まさにラスボスと呼ぶにふさわしい驚異のチーム力を持った最終戦であることが、ベストバウトである大きな理由です。

理由2 湘北メンバーの戦いぶりがすごい!

エース対決!流川VS沢北

高校生No.1プレイヤー沢北という壁にぶち当たる流川楓ですが、試合の中で持ち前の天才的な高いセンスから重要な場面でダンクやスリーポイントも決めていきます。

また仙道の助言を思い出し、今までゴール前でのパスの選択肢を取らなかった流川が、パスワークで局面を打開し、愛知の星諸星にオフェンスなら沢北と互角と評価される動きを見せます。沢北にはまだ一歩及ばないものの近い将来の高校生No.1プレイヤーへの一歩を試合の中で踏み出していきます。

センター対決!赤木VS河田



2年生までは無名に近かった赤木ですが、三井、宮城、流川、桜木と強力な仲間に囲まれた3年生では、実力を存分に発揮し、県予選を通じて神奈川県No.1センターとまで言われるようになりました。

山王戦では河田雅史に攻守両面で圧倒されてしまいます。しかし、試合中に応援に駆け付けた魚住を見て、「主役は自分でなくていい。ウチには主役になれるやつがたくさんいる」と立ち直り、周りを活かすプレーに主体を置きつつも、ゴリラダンクなどを決める活躍も見せます。

さすが主人公桜木花道実力開花!?

試合開始早々宮城リョータとのアリウープを炸裂させ、その後もダンク、顔面シュート、ジャンプシュートなどこれまでの試合では得点での活躍が少なかった中、最強山王相手に前半戦2点差でリードする原動力となりました。

後半沢北の活躍に翻弄され湘北が1点も取れずに大差をつけられる中、安西先生の「君がリバウンドを取れれば勝てる」の言葉に吹っ切れ、桜木のリバウンドからの三井の得点などで互角の戦いに持っていき、最後は流川からのパスで逆転勝利のシュートを決めました。

三井寿本領発揮!

湘北の各選手が活躍し最強山王に勝利した試合のMVPはやはり三井寿です。序盤は絶好調のスリーポイント連発、後半は大差を縮めるスリーポイントの連発と、スタミナに難があるにもかかわらず、「もうリングしか見えねぇ」と驚異の精神力と天才手シューターとしての実力を持って、わかる範囲でのチーム最多得点者となりました。

「静かにしろいこの音が……オレを甦らせる。何度でもよ」「おう オレは三井。あきらめの悪い男…」などこの試合でスリーポイントだけでなく、名台詞も連発させます!

湘北VS山王のスコアと個人得点

最終的に湘北が逆転勝利した山王戦のスコアの経過をざっと見てみると、前半はほぼ一進一退の攻防が繰り広げられ湘北36点山王34点で折り返します。後半は山王が26得点連続で決め、一時は湘北36点山王60点と24点の大差が付けられます。その後桜木三井らの得点で間に山王キャプテン深津のスリーポイントを挟むものの湘北が19点を取り、湘北55点山王63点となります。

沢北が5連続シュート+フリースローで再びリードを広げられ湘北55点山王74点となりますが、赤木流川の活躍で盛り返し湘北77点山王76点と逆転に成功します。終了間際沢北が再び逆転のシュートを決めますが、最後は流川からのパスを桜木が決め、湘北79点山王78点で湘北が逆転勝利を遂げました。

個人別の得点は、作中で描かれていない部分もあり誰が得点したのかわからないものもあります。わかる範囲の得点では山王は、エース沢北が26点、河田が15点、深津が5点、松本が5点、河田弟が4点、野辺が2点、不明が21点となっております。湘北は、三井が25点、桜木が14点、流川が13点、赤木が12点、宮城が2点、不明が13点です。

不明な点も多いので一概には言えませんが、三井が大きな得点源になっていることと、これまで得点の少なかった桜木の活躍が目立ちますね。沢北と河田に抑えられた流川と赤木の得点は低かったようですがチームプレイで活躍し、宮城も含め個人の能力だけでなく、チームとしての湘北が完成したラストバトルにふさわしい戦いであったこともベストバウトの理由です!

理由3 山王高校には実在のモデル校があった!

一時代を築いた最強の能代工業

最強の相手として描かれた山王にはモデルとなる実在の高校があることも山王の魅力の一つです。それは秋田県立能代工業高校です。1967年の国体初優勝に始まり、1975年のインターハイ、国体、ウィンターカップをすべて優勝し3冠の偉業を成し遂げるなど、スローガンは「必勝不敗」とまさに常勝の歴史を誇る最強の高校でした。

特に1996年からの3年間は3年連続3冠達成と史上最強のチームで、その原動力となったのは、1996年の1年生からエースであり後にNBAでも活躍した田臥勇太です。1997年の国体決勝では50得点を挙げるなど、チーム個人ともにまるで漫画、いや漫画以上の伝説の3年間でした。スラムダンク連載終了(1996年6月)と重なる時期だっただけに、山王が最強として描かれたのも、能代工業の伝説の3年間の幕開けにつながるという意味があったかもしれません。

最高の試合の最高のシーン!桜木花道再登場!(まとめ)

熾烈な試合を繰り広げる中、桜木は背中を強打し選手生命にかかわるかもしれない負傷退場をしてしまいます。そしてここから最終戦の最後のシーンへと向かっていきます。連載開始当初に「バスケはお好きですか?」と晴子に言われた言葉に、「大好きです。今度はウソじゃないっす」と、安西先生への「オレは今なんだよ」の名台詞とともにダンコたる決意で試合に復帰します。

河田弟と沢北のシュートを立て続けに防ぎ、流川の得点をアシストし逆転、沢北に再度逆転を許すも、最後に今度は流川からのパスをブザービーターで沈めるシーンは最高のシーンです!赤木の涙や安西先生の選手への言葉など試合後半から高まったボルテージは試合のラストシーンで最高潮に達します。

桜木たち各選手が壁にぶつかりながらも持ち味を発揮し、チームとしての集大成を迎え、数々の名言と名シーンが詰まった山王戦はスラムダンクでも最高のベストバウトです!