シャーマンキング打ち切りの理由は?伝説的な最終回の真相に迫る!

メディアミックスも成功した人気コンテンツが突如打ち切り連載終了。理由を検証してみた。

名作バトルマンガ・シャーマンキングとは?

メディアミックスも成功した人気コンテンツ!

出典:https://www.amazon.co.jp

皆さんは「シャーマンキング」(通称マンキン)という漫画をご存じだろうか?30代くらいの大人はほとんどが知っていると答えるであろう、週刊少年ジャンプ全盛期といわれる90年代に相当の人気を誇っていた王道少年漫画である。
作者である武井宏之先生の個性的なセリフ回しや独特の世界観にどっぷり使っていたファンも決して少なくかくいう筆者も小学生のころは毎週胸をときめかせながら読んでいたものであるが、ジャンプ黄金期の一躍を担い、マルチメディア展開もされていたこの作品はある日、突然未完成のまま打ち切りで連載終了という事になってしまった。
当時はいろいろと憶測が流れ、作者が病気だとか、編集との不仲だとか、いろいろな噂が絶えなかったがしかし、本当の理由とはいったい何故だったのであろうか。
こちらの記事もチェック!

出典:https://www.amazon.co.jp

そもそもシャーマンキングを良くしらない、覚えていないという人に簡単に解説すると、「シャーマンと呼ばれる霊能力者の少年麻倉葉が、その特異な霊媒術をもって他のシャーマンたちと戦い、ときにはライバルともふれあいながらその頂点である”シャーマンキング”を目指す。」という主旨のバトル漫画である。
一つは、ジャンプ伝統の熱血主人公ではなく、「ユルい」と評される主人公、麻倉葉のキャラクターにある。昨今の「やれやれ系」主人公とは違い、「頑張りすぎない」「なんとかなる」が口癖の葉のスタイルで、つぶれかけの温泉旅館「ふんばり温泉」に住み、ほのぼのした牧歌的な空気を醸し出している。そこがこの漫画の最大の魅力だと私は思っている。
爽快感のあるバトル要素もありつつ、その日常とのギャップがおもしろく感じ、こんな少年漫画は読んだことない、という斬新さが一定層のファンを獲得していた。

出典:https://www.amazon.co.jp

また、この作品を通じて描かれているのが、昨日の敵は今日の友、という概念で、どんなに熾烈な、残虐なファイトを繰り広げたキャラクターも、一度バトルが終われば日常パートやギャグパートに登場し、主人公の回りにはどんどん人が増えてゆくことになる。
読者はその中からいわゆるお気に入りのキャラクターをみつけ、バトルの時も敵方やライバルに対して感情移入してしまうことになり、どんどんハマっていくのである。武井節と呼ばれるこの独特のゆるさが当時の読者の心をつかみ、長期連載の人気漫画となったのである。

出典:https://www.amazon.co.jp

武井宏之先生のつむぐセリフまわしも実に個性的で、アタマに残って離れない名台詞が多い。かくいう筆者のお気に入りは「奪うのは一瞬、でも守るのはずっとだ」「大事なことは心で決めなさい」などである。
また「オレが世界を救うなんて言うやつは信用しない、やってやるぜっていう熱血マンが大嫌い」とも言っている。ある意味この言葉がシャーマンキング全編を通じて貫かれていて、ファンの心をつかんで離さない大きな要因の一つであるし、その雰囲気こそが、当時人気のあった「ドラゴンボール」や「るろうに剣心」にはない特別な要素であったため、人気を博していたのではないだろうか。間違いなくジャンプ黄金期の中でも異彩を放っており、アニメ化やゲーム化もスマッシュヒットした要因ではないだろうか?

シャーマンキング伝説の最終回とは?

無念の未完。

出典:https://www.amazon.co.jp

当時のシャーマンキングは決勝戦に向けてクライマックスに迫っている時期であり、唐突な最終回にはだれもが困惑した。しかもその内容とは前の話とのつながりも脈絡もなく、主人公グループが突如RPG風の衣装で登場し、いかにもといった感じの「僕たちの戦いはこれからだ」的な終わり方をしたのである。
それまでの物語とのつながりもなく、突如最終回をむかえた例は少ないだろうが、マンキンは連載が長かったため、特別に衝撃的であった。しかも敵役であるハオは女装をして登場し、大見出しで「プリンセス・ハオ」と書かれた衝撃的な一コマがありこれが伝説となっている。読んだ当時も全く理解できなかった。
意味があるのかないのか、ファンの間では様々な考察が飛び交った。最終的には主人公の親友、小山田まん太が見た夢オチ、という内容であったが、複線の回収も全く済まないままの唐突な終わりは、未完であるとかけてみかんの1コマを挿入することで表現されていて、作者の無念を物語っている。

出典:https://www.amazon.co.jp

マンキンは期待されていた少年バトル漫画の枠を超えてしまったのである.。その上魅力的なキャラクターも多いマンキンは、すべてのキャラクターを深く掘り下げるにはあまりにも時間もページ数も足りず、読者も慢性的に不完全燃焼気味であったのも大きな要因であったかもしれない。
バトルシーンは後半には極めてすくない状態であった。近年では、同じ少年ジャンプから「ジョジョの奇妙な冒険」が読者層の変化によって」スーパージャンプへと移籍を果たしそのカリスマ的人気を維持しているが、当時マンキンにはそういった策がとられることはなかった。
当時の集英社から見れば、コンテンツとしてのセールスの低下が無視できないレベルへと落ち込んでいたのかもしれない。

真の最終回は完全版で!

加筆完全版が発売!続編も決定!しかし…

出典:https://www.amazon.co.jp

しかし数年後、シャーマンキングのコミック愛蔵版において、クライマックス部分が加筆され、発売されるというニュースが舞い込んできた。これを待っていた読者は相当多かったのは間違いなく、それはセールスが証明している。
完全版のクオリティは数年かかって完結したためファンも納得する程に高く、評判も上々である。長年のモヤモヤがすっきりした事で、改めて「シャーマンキング」は名作少年漫画である、とはっきり言えることとなった。
武井先生本人もコメントで完結できて良かったと述べている。さらに登場人物の過去編を描いた「シャーマンキングゼロ」や、葉の息子、花を主人公とした「シャーマンキングFLOWERS」の連載も決まるなど、ファンにとってうれしいニュースが目白押しであった
 

出典:https://www.amazon.co.jp

しかし二度目の不幸とでもいうべきか、「シャーマンキングFLOWERS」を連載していた雑誌「少年ジャンプ改」が2014年10月をもって廃刊となってしまうという不幸にみまわれ、2度目の打ち切り終了となってしまったのである。
集英社は武井ファンに対してどうしてこう冷たいのかと思うほどであるが、最終号には「続報をお待ちください」という告知が掲載された。武井宏之先生は、画力、ネーム力ともにジャンプ黄金期を支えてきた作家であるのはまちがいないが、何か報われない不遇の漫画家であり、続編の執筆予定も特に決まっておらず、ファンとしてはネット配信でもよいので、何とか続きを読んでみたい心境である。
集英社さん、どうかお願いします。