電脳コイルはSF?ホラー?少しフシギなジュヴナイルアニメ6つの魅力!

2007年にNHKで放送された移植のSFアニメ、電脳コイル。脚本・監督は磯光雄。電脳と呼ばれる技術の発達している近未来が舞台で、どこか懐かしい街並みがなんとも奇妙でいてノスタルジックな作品ですが、実際に現実に起こりうることばかり。掘り下げれば掘り下げるほど意味深いこの作品について今回は詳しく迫っていきたいと思います。

NHK最高傑作!?電脳コイルとは 



一体電脳コイルとはなんだったのでしょうか?しかもこれが2007年にNHKで放送されていたなんて尚更不思議ですよね。その絵のタッチの柔らから、まさかこんな濃密なSFアニメだとは誰も思わなかったのではないでしょうか。まずは電脳コイルとはどんなものかご説明します。

電脳コイルは電脳と呼ばれる技術が発達した近未来の物語です。主人公の小学生たちは電脳メガネをかけることによって仮想世界と現実世界を行き来します。今でこそ仮想世界が大きく話題になり、SFアニメもたくさん放送されていますが、電脳コイルはそうした作品よりももっと前に描かれています。

サイバーパンクにノスタルジックな昭和な田舎の街並みの中で繰り広げられる電脳コイルは視聴者にかなり大きな影響を与えました。見終わった後に「本物とは何?」そう考えざる負えなくなるこの作品。電脳コイルとはあまりに深いアニメなのでこれからじっくりと語っていきたいと思います。

電脳コイルの魅力①どこか懐かしい世界観 



電脳コイルで一番気になったのはこのどこか懐かしいノスタルジックな世界観ではないでしょうか。このノスタルジックな感じから、同じサイバーパンク系のアニメ攻殻機動隊が若い人に人気なら、大人がはまってしまうサイバーパンクがこの電脳コイルです。

今とあまり変わらないように見えますが、舞台は2026年。主人公ヤサ子が大黒市にひこしてくるところから始まるのですが、風景は現代とほとんど変わりません。確かに2026年ならあまり変わらないのかもしれませんが、実は2006年よりももっと昔の感じがします。

NHKでやっていたことからもより大人の世代に人気があったというこの作品。引っ越してくるとこは千と千尋な感じがするし、ノスタタルジックな懐かしい感じはクレヨンしんちゃんの大人帝国の雰囲気があります。実はAlwaysやジブリっぽいとも言われていたこともあり、そうした意味でも懐かしい作品だったのですね。

電脳コイルの魅力②本格的すぎるSF設定!?



電脳コイルの凄いところはやはりSFがかなり本格的に作られているところです。仮想空間でペットを買ったりゲームをしたり、一体この設定なんだろうと思っていましたが、最近ポケモンGO!が流行りましたよね。まさに仮想世界で電脳コイルの小学生たちがやっていることと同じ!

ITや工学系の研究者は実際に大学院に入る時にこうした日本のSFアニメを見るそうですが、この電脳コイルも研究者がこれからやるべき課題がたくさん含まれているんですね。例えば電脳メガネは「Google Glass」に似ているし、サッチーと呼ばれる電脳世界のウィルスかバグのようなもの。

そして作品の根幹になっている電脳メガネなどの「ウェアラブルコンピューター」。当時軍用としての研究は進められていましたが、それが日常生活でどのような形で実現されるかデザインはされていませんでした。日常的なデザインがされたのはこの電脳コイルが始めただったんですね。

電脳コイルの魅力③子供達の心情を緻密に描写… 



電脳コイルは主題歌がいいですよね。池田綾子さんの「プリズム」という曲ですが、これが作品の主人公たちの心情をうまく表現しているんですね。SFアニメですがちゃんと少年たちの心情を緻密に描いているんです。とにかくラストがやばいのですが、それは後ほど…。

サッチーという見た目はおもちゃみたいなのに凄い機能を持っているみたいなキャラクターが出てくるのも電脳コイルの面白いところ。実はSFと言っても舞台はサイバーな世界で描かれるのではなく、あくまで日常の中で語られていくんです。畳の部屋、学校、夏祭りなど、誰もが経験した記憶が舞台なのです。

中でも印象的なのが10話のカンナの日記。主人公ヤサコが密かに思いを寄せるハラケンとの緊張がうまく描かれている神社で二人が会うシーン。幼馴染のカンナと喧嘩別れした負い目を感じるハラケンがカンナの日記を読むシーンなのですが、映画のよように少ない説明で叙情的に描かれています。気になる方はぜひ本編で。

電脳コイルの魅力④怪談、都市伝説…電脳コイルはホラー? 

まじ泣ける #電脳コイル #目からトラパー

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電脳コイルは電脳メガネをつけた子供達が大黒市に広がる都市伝説を解決していく物語です。例えば最後まで結局なんだかよくわからないイリーガルと呼ばれるウィルスや、はたまたミチコさんという呼び出すと願いを叶えてくれるが、アッチの世界へ連れて行ってしまうおばけ?のようなものなど。

電脳コイルの小学生たちはこうして大黒市に広がる都市伝説を追っていきます。他にも「はざま交差点」という路上の一角に4つ奇妙に固まっているマンホールがあり、ヤサコの親友がこれを見つけ蓋に金沢市はざまと描かれているのを発見したりします。

実はこれはOPとEDに登場しており、これが物語の伏線になっていたりするんですね。こういうちょっとホラーなシーンがたまに出てくる。ノスタルジックな雰囲気かと思ったらこうしてトラウマ的なシーンが入っており、うまく視聴者をひきつけるんですね。

電脳コイルの魅力⑤謎が謎を呼ぶクライマックスは鳥肌もの… 

この後ろ三体全部私〠 名前はポチとタマと……何だっけ…… #電脳コイル

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電脳コイルのクライマックスがかなり話題になっていますよね。謎が謎を呼び、ちょっと難しい!そう思った方も多いのではないのでしょうか。物語を順を追って見ていかないとわからないので大事なところをご紹介していきます。

やはりNHKのアニメなので、ラストシーンではちゃんと子供達の将来のことを描いています。つまり小学生から大人になっていく話なんですね。その前の24話で電脳の事故をきっかけについに親たちに電脳メガネを取られてしまうんです。

ヤサコの電王世界のペット、デンスケもいなくなってしまい、子供達は大人になり仮想と現実の区別をつけなければいけなくなります。そして最後のシーンで電脳メガネをかけていないのにデンスケが一瞬見える。ちょっと不思議なシーンですがこれは子供達が大人になった、ということを説明しているんでしょうね。

電脳コイルの魅力⑥監督は名アニメーター磯光雄



この電脳コイルの脚本と監督は磯光雄さんという方。実はこの作品が初監督作品でした。しかしそれ以前に新世紀エヴァンゲリオンで脚本や原画を書いており、アニメ界ではかなり有名な人でした。実はゲゲゲの鬼太郎や、ジブリの海が聞こえるにも関わっていたんですね。

なんかジブリっぽい、そう思った人もいるかもしれません。実はあの「思い出ぽろぽろ」や「紅の豚」でも原画を書いていたんですね。鉛筆っぽい線のタッチなんかは確かによく似ていますよね。個人的にテーマや最終回がデジモンアドベンチャーに似ていると思っていました。

実は磯光雄監督はあのデジモンも別名義で原画に参加していたんですね。脚本を書いていないとはいえ、どこかしらで影響を受けていたのかもしれません。子供達の心情を描くシーンなんかはとてもよく似ていますよ。磯監督は日本の名アニメにかたっぱしから関わっていたんですね。

現実と空想の間で

念願の電脳コイル!!!#電脳コイル

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文化庁メディア芸術アワードや日本SF大賞など実にたくさんの賞に輝いた電脳コイル。やはり読後感といいますか、気になるのは現実世界と仮想世界の交差する世界とはどんな世界だろうということですよね。これから本当にこういう小学生たちが現れるんでしょうかね。

ラストシーンでヤサコとイサコにつながりを持っていたことや、おじいさんや兄の思い出など、主人公や他の登場人物たちは皆過去にトラウマを持っており、それが引き金になって電脳世界に関わっていくんですね。今ではインターネットがそれに当たるのかもしれません。

いわゆるモラトリアムの場が電脳世界にあり、少年たちはその世界から脱却していくというカタストロフがあるんですね。どんなに技術が発達しても人間の抱えるテーマは変わらないので、そこがSFアニメの面白いところですよね。気になった方はぜひ見てみてはいかがでしょう。