フィルムノワール傑作映画10選!退廃の闇が孕む魅力とは…

フィルムノワールとはなんぞや?そう思う方もたくさんいると思います。暗くて無慈悲、芸術的、そしてフィルムが美しい。定義はいろいろありますが、今回はフィルムノワールを知らない人のためにもその定義と、おすすめのランキングを一挙ご紹介します。

フィルムノワールとは?



おすすめフィルムノワールランキングを紹介していく前に、まずはフィルムノワールとはなんぞや、と言う方の為に簡単に基本的なことをご紹介していきます。と、そうしたいところなんですが、実はフィルムノワールとはいったい何かと説明するためのこれといった定義はないのです。

それでもあえて定義を出すなら、1940年〜50年に作られたアメリカの伝統的な犯罪映画なんです。その特徴は暗くて虚無的、退廃的で、残酷。それから3流映画のようなものだったのでフィルム製作にお金がかけられず、工夫して照明がないなら暗く撮ろう!みたいな感じで作られたんですね。

まあ見て直感的に理解した方が良さそうですね。では早速フィルムノワールとはどんなものかを探りながら個人的なおすすめランキングを見ていきましょう。きっとあなたもこの世界観に惹かれていきますよ。

第10位 マルタの鷹

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まずフィルムノワールは画面やポスターが芸術的なんです。当時はフォトショップがないはずなのにどうしてこんなポスターを作ることができたんですかね。素晴らしいです。10位は「マルタの鷹」。主人公サムスペートと言う私立探偵がある女に妹の捜索を任されるんです。

ところが捜索中に起きた事件をきっかけに依頼人の妹は「マルタの鷹」と呼ばれる莫大な価値のある謎の像と関わりがあることがわかります。この鷹を巡って騙し騙され、最後には激しい争奪戦になるんですね。上手いのがアメリカお得意のキャラクターの設定と悪役の徹底した悪役化です。シーンの美しさも見所です。

第9位 完全な遊戯



実はフィルムノワールは日本でも作られていました。やはり芸術的でかっこいいから人気になったんですね。それをやっていたのがあの東京都知事だった石原慎太郎さん達の太陽族系映画。太陽族とは昔のヤンキー映画だと思ってくれれば大丈夫です。

物語は学芸大学に通う暇な大学生達が金欲しさに競馬場とノミ屋(競馬の違法投票所)のタイムラグを利用してヤクザから金をぶんだくろうと思いつくんです。賢い学生達は仲間を金で雇い、詐欺グループを結成し見事大金を手にするのですが、雲行きは怪しくなりヤクザの妹を誘拐することになるんです。レンタルがなくアマゾンにしか売ってませんがぜひ。

第8位 汚れた血

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フランスでもフィルムノワールはたくさんあります。個人的には「はなればなれに」と言う、これがきっかけで図書館を走るのが全世界で禁止になった映画をおすすめしたかったのですが、日本ではあまり有名でないのでこの名作の「汚れた血」を紹介します。

こちらはSF系ノワールと言う新しいフィルムノワールのジャンルの映画です。セックスが原因で感染する奇病STBOが発生する架空のフランスで事件は起こります。青春期の虚無感や退廃的な思いにかられる主人公はこのSTBOの血清を密売することを思いつくと言う、何とも恐ろしい話です。

第7位 サンセット大通り

こちらはもちろんフィルムノワールのおすすめランキングに入れなければならない名作ですね。名称ビリー・ワイルダー監督の作品で最高のスタッフと最高の女優、そして渾身の作品でしたが惜しくもアカデミー賞は逃し、脚本賞だけ撮った作品です。

借金取りに襲われていた脚本家のジョーがある邸宅に逃げ込むと、その主人は有名な女優で、彼女の復活のために脚本を書くことを依頼されるんですね。しかし彼女の束縛や要望に仕事や私生活を追われていく話です。客のひきつけ方や話の展開、脚本や物語を書きたい人は必見の映画ですね。

第6位 現金に体を張れ



フィルムノワールの犯罪映画でかなり有名な作品。血を流さずして知的に大金を手に入れたいと犯行を決めた主人公は競馬場の売り上げを盗もうとします。ここら辺は何だか先ほどの「完全な遊戯」とちょっと似ていますね。しかし映画が上映されたのはちょうど一年差なのでどうかわかりませんが。

フィルムノワールはこうした知的な犯罪映画が面白いんですね。計画を企てたのは刑務所帰りの男で、ダービーの日に騒ぎを起こして見事に大金を得るのですが、仲間との揉めあいで計画が崩れていくんです。キューブリックを見るなら本当はこれがおすすめです。

第5位 ガス灯



これもフィルムノワールの作品の中でもかなりの名作です。ある霧深いロンドンの街に夫婦がいるんですが、夫は妻に「盗み癖が目立つ」などと指摘して精神的に追い込んでいくんです。今でいうモラハラと言うやつです。現代のお父さんには妻を追い込んでいく夫なんて意味がわからないでしょう。

とにかくネチネチと執着心の強い夫と、弱いかわいそうな妻。現代ではありえない構図です。「あれ、ここに入れたのに」と言って眉をしかめる夫。現代ではありえません。次第に妻は自分が何なのかわからなくなっていきます。そこには実は夫の暗〜い企みがあったんです。ラストはぜひ本編で!

第4位 郵便配達は二度ベルを鳴らす

ルキノ・ヴィスコンティ「郵便配達は二度ベルを鳴らす」 新宿武蔵野館にて。 1942年、ヴィスコンティ、幻の長編処女作。 ーーー 聞こえてくる筈がないのに、流れ続けるダンスホールの音楽。 忍び寄る悲劇を、すぐにバラしてしまう不吉な音楽。 運命は繰り返される。悲劇作家はやがて生み出した悲劇に襲われる。 郵便配達は知っているさよならの行方を。 (浜崎容子《フィルムノワール》) #ルキノヴィスコンティ #LuchinoVisconti #郵便配達は二度ベルを鳴らす #Ossessione #マッシモジロッティ #MassimoGirotti #クララカラマーイ #ClaraCalamai #ディーアクリスティアーニ #DhiaCristiani #新宿武蔵野館 #映画 #movie #miyuki_cinema

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はじめはタイトルの秀抜さにかなり興味を惹かれたのですが、実はこのタイトルと内容はあまり関係がありません。郵便配達は出てこず、実は脚本家が13回も出版社にことわえられ、返事の手紙を届ける配達員が二度ベルを鳴らすのでこのタイトルにしたらしいです。

映画のあらすじは、人妻と共謀して夫を殺す話。自動車事故に見せかけて本当に夫を殺すことに成功するのですが、フィルムノワールはここで終わらないんです。この後本当に妻も自動車事故で死んでしまいます。なんて暗くて無慈悲なフィルムノワール!と思いますが、これは実際の事件を元にしているんですね。

第3位 キッスで殺せ!



「キッスで殺せ!」と言うタイトル訳が素晴らしいですね。Kiss Me Deadlyと言うタイトルの方が有名です。音楽でも映画でもファッションでもこれを文字ったものがたくさんありますね。フィルムノワールの巨神ロバート・アルドリッチの作品です。

ある夜、クリスティナという走って逃げている女を車に乗せますが、奇妙な三人組に襲われ気づいたら病院に。突然事件に巻き込まれるんですね。しかも彼女は崖から落ちて死んだと言います。この映画もマルタの鷹のようにある「鞄」が大事なモチーフになって物語が動きます。これがまたうまいとこなんです。

第2位 めまい

もうポスターがかっこよすぎますよね。おしゃれすぎです。フォトショップないんですよね。信じられないです。この映画はフィルムノワールだけでなく、映画会の巨人ヒッチコックの名作です。主人公スコティと言う刑事は同僚を高いとこから落ちで死んでしまったのをきっかけに高所恐怖症に。

彼はトラウマから警察をやめて探偵みたいなことをするんですね。それである婦人マデリンを追うのですが、その女がなんと崖から落ちて目の前で死んでしまうんです。自責の念によって精神はもっと病んでいく。すると今度はマデリンとよく似た女に街で会うんです。

スコティは彼女とデートの約束をするんですが、今度は彼女の方が自責の念に。実は何を隠そう彼女自身がマデリンで、スコティを騙して完全犯罪に巻き込もうとしていたんですね。くらいですよね。フィルムノワール。こうした知的な展開が一番面白いところなんです。

第1位 チャイナタウン



「忘れろ、ジェイク、ここはチャイナタウンだ」映画史に残るもっとも有名な名台詞ですね。ちょうどこの写真のシーンです。これは脚本家の中でももっとも尊敬されている映画で、とにかくまあー面白いですよ!完璧な終わり方の最高な例です。

私立探偵のジェイクはモーレイ夫人と名乗る女性が市の水道局幹部のモーレイ氏の浮気調査をするんですね。ここでモーレイ夫人と名乗るといったのは先ほどと同じように展開があるから。この後見事浮気現場をスクープし、これが新聞に乗るのですが、ここで本物の夫人が現れて探偵ジェイクを訴えるんです。

ただの浮気調査どころか大きな水道利権の大きな権利争いの陰謀に巻き込まれていくんですね。そしてラストに冒頭の名台詞。その意味が知りたい方はぜひ映画を見てみてくださいね。アカデミー、エドガー脚本賞だけでなく、アメリカ国立フィルム登録簿にも載った名作です。意外と知らなかったのでは?

フィル ムノワールは面白い!



いかがでしたでしょうか?フィルムノワールのおすすめ映画ランキング。フィルムノワールは難しいそうなので嫌煙されがちですが、実際に見てみるとちゃんと理解できる作品もたくさんあります。確かに脚本がこだわりすぎて一回で理解できないものもたくさんありますが。

しかしこのフィルムノワールというジャンルは現代の映画にも多大な影響を与えた映画なので、知っていると「あ、これはノワール感出ているな」と知ったかぶりができるようになります。知的な犯罪や詐欺が好きな方はぜひおすすめの映画ですよ!