【北斗の拳/レイ】義星のもとに生まれた男の生涯を語る

世代を超えた名作、北斗の拳と南斗水鳥拳の使い手、レイ、「義星」とは人のために生き、命を懸ける宿命を背負う星です。そんな宿命を背負ったレイの生涯と、その魅力を皆様にお伝えしようと思います。

北斗の拳 レイとは?

身長185cm、体重100kg、流麗な長髪で、原作では黒髪ですが、アニメなどでは水色~青で描かれています。布を全身に纏ってしまえば野党からは女性と見間違えられる美丈夫として登場します。
レイ南斗水鳥拳と言う流派の伝承者です、技として、断己相殺拳、飛燕流舞、飛翔白麗などがあります。その拳の動きは美しいのですが、見目の麗しさと反して、一瞬にして葬る威力は残虐非道の必殺拳とも言われています。相手に触れずとも、指先が撫でるだけで、その肉を切断することが可能で、鋭い手刀は、空気中に真空波を生み出します。
水鳥の如く華麗な技を備えた技を持つレイは、同じ南斗六聖拳の一人であり、自分こそが最も美しくありたい「妖星」のユダからは、常にライバル視され続けています。レイは人生の最期をユダとの死闘の末に終わりを迎えますが、そこにはマミヤと言う女性への一途な愛があります。友ケンシロウとの出会い、マミヤとの出会い、復讐の為だけに生きていたレイは、徐々に「義星」としての輝きを取り戻していくのです。

北斗の拳 レイの生涯1 初登場時は非道な復讐鬼

両親を殺し妹アイリを連れ去った男への復讐の旅

初登場時レイは、女装をしながら野盗を騙し、食料を奪いながら旅をしていました。彼を動かしていたのは、レイの留守中に村を襲った、「胸に七つの傷のある男」を探し出し復讐すること、結婚を目前に控えていた妹アイリもその際に誘拐されています。そんな中、偶然にもケンシロウ達と出会う事となりました。出会いがしらのレイは、リンやバットから「あの目は人を助けるような目じゃない」等と言われてしまう程、荒んだ人相をしています。
ケンシロウもレイも、村を守る用心棒として雇われたとの事でしたが、レイの正体は、牙一族の送ったスパイであり、その強さで村を乗っ取ることが当初の目的でした。この時点では、あくまで利害のみで旅をするレイなので、ケンシロウの強さを知ると、あっさりと牙一族を見限るなど、最初は「宿星」の輝きを失っていますが、この出会いを機に、レイの運命は大きく変わって行くのです。

共闘の末に利害を捨てて生きる

最愛の妹であるアイリをケンシロウ達の協力を経て助け出せた際に、「自分の胸に七つの傷があればどうする」と告げたケンシロウに対して、はっきりと、「例えお前がアイリを連れ去った本人だと言っても信じない」と答え、その顔は復讐から開放されています。実際にこのレイの復讐の相手とは、ケンシロウを貶めるべく奔走していた、ジャギのことだったのです。
その後も、トキを探しに出たケンシロウに、奇跡の村にいるアミバの正体を暴露し、カサンドラに囚われているトキ救出も手助けします。無事にトキを救出したものの、今度はアイリやリンのいるマミヤの村が拳王侵攻隊に襲われていることを知らされ、一人村へと帰還。その道すがら、夜空を見上げたレイが「今日は北斗七星がよくみえる、そのわきで輝く小さな星までも」と死の運命を司る死兆星が見えていることを呟いています。

ラオウとの対峙!レイの死の運命とは!

拳王侵攻隊に襲われた村では、アイリを守り、自ら燃え盛る焼印の台へと素足で向かうリンがいました。間一髪救出するレイでしたが、その幼い顔には殴られた跡があり、レイが来たことで安心して涙を溢し気絶するリンを支えながら、「てめえらの血は何色だー!」と激昂します。
遂に村にはラオウが到着、ケンシロウに借りを返したいレイはラオウを倒そうとしますが、ラオウの放つ闘気だけで圧倒されてしまいます。倒して勝つ事が不可能だと判断したレイは、南斗究極奥義「断己相殺拳」で相打ちを狙いますが、秘孔「新血愁」を突かれ敗北、徐々に肉体は破壊されていき三日後に全身から血を吹き出して死に至ることを宣告されてしまいます。
この三日と言う時間は、拳王の恐怖を知らしめる為の時間だとラオウは豪語しますが、「南斗六聖拳 義の男レイ」にとっては、マミヤの未来を奪い、同じ南斗を極めたユダとの因縁を果たす、最期の時間になっていくのです。

北斗の拳 レイの生涯2 マミヤとの出会い

若き女戦士マミヤとは?

レイの心を変化させた、もう一人の存在はユリアと瓜二つなマミヤと言う女性です。牙一族の狙いは、マミヤがリーダーを勤める村だったのです。ケンシロウ曰く「自分の利益以外では動かない男」レイですが、そんなある日ひとつの事件が起きます。
コウと言う少年が牙一族につかまり、村人の前で惨殺されると言うものでした。皆の前では「コウに逃げる力がなかったから、門を開けてはダメ」と一人の村人よりも、村そのものを守る姿勢を変えないマミヤ。
事件のあと、「その冷徹さはかえる」と村人に対しリーダーのマミヤを賞賛するレイでしたが、村人達は「一番悲しいのはマミヤさんだ」と泣きながら真実をレイに伝えます、実はコウは両親を失くしたマミヤの、たった一人の弟だったのです、大切な妹の為に殺戮を繰り返し生きてきたレイは、その事実に衝撃を隠せません。

女として生きず気丈であろうとするマミヤに対して

両親の墓標の前で、弟のコウの死を一人で嘆き悲しむマミヤですが、他人の前では常に気を強く持ち、リーダーとして皆を鼓舞し続けます。レイはその姿に心を動かされ、利害を捨てて、マミヤ達の村の為に戦う姿勢を見せます。
村を守る日々の中、「女を捨てた」と言い張り、ケンシロウやレイと共に戦い続けるマミヤに対し、レイはその服を水鳥拳で切り裂きます。思わず乳房を隠すマミヤに、「女でなければ胸を隠す必要はない」と、戦いは自分達が引き受けることを告げ、女として生きることを諭します。そして妹アイリが結婚式で付ける筈だった血に染まったケープを被せ、「帰ってきたら純白のケープをプレゼントする」と、不器用な優しさを見せ始めるのです。

レイのマミヤへの想いはやがて愛へ

行動を共にする内、ケンシロウにマミヤが惹かれていると知ると、レイはそんな彼女を見守りますが、レイが単独行動をしている間、マミヤとトキとの会話の中で、何とマミヤにもレイと同じく死兆星が見えていたと発覚します。その事を知らない侭のレイですが、ラオウとの闘いに自分が敗れ、マミヤに危機が迫ると、彼女を殺すなと懇願、ラオウに心中を問われた際には、「自分に愛というものを教えてくれた、たった一人の女」だと、秘めていた想いを告白します。
のちに、マミヤに見えていた死兆星の本当の意味は、ラオウに殺されることではなく、彼女の心と体に消えない傷を残したユダによるものだと、レイも知ることとなります。

北斗の拳 レイの生涯3 vsユダ!そして最期……

「妖星」のユダとマミヤのエピソードとは

ユダは、レイと同じ南斗六聖拳の一人で、裏切りを意味する「妖星」を持つ漢。美意識が非常に高く、修行時代にレイの華麗な「飛燕流舞」に目を奪われると同時、激しく嫉妬し、自らの誇りを傷つけられたという過去を持ちます。ユダはレイを「自分より美しい男」として認めた上で、憎んでもいました。南斗六聖拳の崩壊を誘発した張本人であり、裏切りは智略と称し、自分の周りには美しい女だけを置いています。
二十歳の誕生日を迎えたマミヤの美貌が、このユダに目を付けられ、彼女の左肩には「U・D(ユダ)」の焼印が刻まれています。両親を殺され、消えない傷を背負うマミヤは、ユダが生き続ける限り、永劫に女としての幸せを求めることは出来ません。その事実こそがレイにとっては、自分を愛されないことよりも苦しいのでしょう、マミヤの過去を知って尚、「お前は女だ」と言い放った後に、「ユダはおれが倒してやる」と、マミヤに告げるのです。

ユダとレイの戦い!

同胞としても、南斗六聖拳の崩壊を許しかねる存在であり、ユダもまたレイを憎んでいることから、二人の闘いがここに決まります。が、レイに残された時間は三日、ユダは副官を犠牲にするなどして煙に巻き、敢えて戦いを避けます。その結果ユダと対峙すら出来ぬ状況に追い込まれ、レイには死期が迫ってしまいます。
しかしトキによる「秘孔 心霊台」による常人ならば発狂死するとも言われる痛みを、執念で乗り越えることにより、白髪になりながらも命を延ばすことに成功したレイ。一方ユダは、死を間近にしたレイを嘲笑うべくマミヤの村に攻め入った上で、「マミヤは死兆星を見ている、お前の想いは無駄なものだ」とレイの精神力を挫こうとしますが、それは逆にレイの打倒ユダの想いを更に強くするだけだったのです。

ユダとの決着

マミヤの前でレイを倒そうと目論んだユダは、ダムの水を村へと流し、水鳥拳の要である足の動きを封じつつ、水面を走る伝衝裂波でレイの身体を切り刻みますが、ケンシロウの機転も助けとなり、レイが放った最終奥義「飛翔白麗」の美しさに目を奪われ、それが最大の隙となって敗北します。

「自分が心から美しいと認めてしまったのの前で無力になる」と、マミヤとレイ双方に向けて告げ、レイへの憎悪は羨望の裏返しだったのだと暗に告げ、その胸の中で息絶えることを望みます。ユダが死ぬと直ぐに配下達がユダを見限る様子を見て、レイは死闘を遂げた強敵ユダに対しての孤独を嘆き、「自分もすぐにゆく」と、安心させるように告げて戦いは終わります。

レイの最期と消えた死兆星

ユダを倒したと同時に、レイの寿命もまた尽きる時を迎えます。レイは自分の最期の姿を、愛したマミヤ、友であるケンシロウ達、家族のアイリに見せないように、小屋の中で独り、息を引き取ることを望みます。やがてレイが事切れたあと、その小屋にはそっと火が放たれますが、レイの為に涙していたマミヤが空を見上げると、そこにマミヤの見ていた死兆星が消えていることに気付きます。
彼女を死の運命から命を懸けて救うことが出来たレイは、まさに人のために生きたと言えるでしょう。その愛に対しマミヤが、レイの眠る自分の村でアイリと二人生きていることが、コミックスの最終話付近でも描かれています。 

アニメ版北斗の拳でレイを演じた声優は……

男女共に人気なレイを演じたのは、声優の塩沢兼人さんです。様々な有名作品に出演した大人気の声優で、レイ役に挑んでいる際には、美丈夫な雰囲気から、一転して渋みのあるセクシーな声、技の掛け声などを使い分けて熱演しておられました。
『キン肉マン』のジェロニモ役や、『テイルズ オブ ファンタジア』ダオス役などをなさっていましたが、残念なことに2000年に亡くなっています。

北斗の拳 レイ外伝も必読!

『蒼黒の餓狼(そうこくのがろう) -北斗の拳 レイ外伝-』ではレイが主人公!

こちらはレイ主人公の漫画で、原案・武論尊と原哲夫両氏、作画・猫井ヤスユキ氏による、全六巻の物語となります。本編と同じく、核の炎に包まれた後の世界で、レイは妹アイリを探す旅をしている所から始まります。そこで少年(実は少女)ユウと出会い、アイリの情報を求めて、女人の城・アズガルズルへと潜入しますが、そこを統治しつつあるのは、核戦争の後、死亡したと思われた、レイの師である南斗水鳥拳の前伝承者ロフウであることから、レイの物語が進んで行きます。
レイが原作の初登場をする際に、女装をするきっかけが分かったり、シュウと親友であることから足技が得意であったりする描写、南斗六聖の面子と拳王が揃ったりしますので、原作を知っている人は一層楽しめる内容となっています。

「義星」はケンシロウと共に!(まとめ)

世紀末という世界、北斗神拳伝承者と言うことから、ケンシロウはレイと出会うまで、老人や子供、女性など自分よりも弱い人にだけ笑顔を見せている印象が強いです。ですが、比較的序盤に登場するレイは、ケンシロウと共に歩み、時に背を預けられるような距離で描かれています。
実際に作中のレイ自身も、ケンシロウに対して、「一緒にいると平和だった頃を思い出す」と、気を許しています。また、牙一族は北斗と南斗が相打ちになることを見越して策を出したことからも、同等の強さを持ちながら、ケンシロウが心を許せた、かけがえのない友がレイでした。
ケンシロウが最大の強敵ラオウに放った、究極奥義「無想転生」の中には、レイの拳があります。ケンシロウが歩み続ける限り、レイは北斗の拳の世界の中で生き続けてくれるのでしょう。「義星」落ちぬべし!ケンシロウやマミヤなど親しい間柄には勿論、宿敵であるユダにすらも、飾らぬ優しさを見せてくれたレイは、北斗の拳の代表的な魅力あるキャラクターだと思います。
北斗の拳 1巻
北斗の拳 1巻
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ノース・スターズ・ピクチャーズ (2015-06-08)

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