【血界戦線】レオナルドは不運な語り部!義眼保有者の過去や魅力を紹介!

一夜にして異界(ビヨンド)と人界の入り混じる地球上で最も剣呑な緊張地帯と化した元紐育(ニューヨーク)=ヘルサレムズ・ロット。その街の片隅で、人類の存亡を賭けて超常的脅威と戦い続ける秘密結社ライブラの活躍と、ヘルサレムズ・ロットの超常的且つ非常識的且つデタラメな日常のドタバタを描いた人気コミック『血界戦線』。

今回はその主人公……のはずなのに主人公として認めてもらえない狂言回し的主人公、レオナルド・ウォッチの魅力を語っちゃいましょう!

というわけで、「ハロー、ミシェーラ。これが兄ちゃんです」

【血界戦線】レオナルド・ウォッチってどんなチビ?

不運にも巻き込まれた平凡な少年……?

異界と人界が混沌と混じり合った元・紐育、ヘルサレムズ・ロット(以下、HL)。さも当然の如く奇跡が起こり、有り得ない事実が顕現する。常識が一切通用しないことが常識の、毎日がサバイバルなお祭り騒ぎのこの街で暮らす滅茶苦茶似つかわしくない平々凡々な青年――それが、レオナルド・ウォッチ通称レオです。
え? それだけ? ええ、それだけですよ。だって、血界戦線に登場する人物としては余りにも普通。平凡過ぎてHLに毒されていない、常識を残した青年。およそこんなデタラメマンガの主人公足りえない、最も読者視点に近い観測者がレオなんですから。

【血界戦線】レオの目は、妹の視力と引き換えに平凡な青年をHLへと導いた神々の義眼手に入れた神々の義眼

平凡な青年をHLへと導いた神々の義眼

出典:https://www.amazon.co.jp

――とまぁ、ただの平凡ボンクラ青年が主人公を張れる様な生易しい漫画じゃないのは、皆さんご存知の通り。レオ自身もたった一つ、超人異能集団のライブラに加入できるだけの能力を持っています。それが、“神々の義眼”です。
極稀に人界に姿を現した異界存在によって、その人間の近親者の視力と引き換えに強制的に与えられるその義眼。レオもまた例外ではなく、妹であるミシェーラが自ら視覚を差し出したことで、彼女の失明と引き換えにして義眼を押し付けられたのです。

レオが新聞記者見習いとしてHLに入ったのも、ライブラに加入してその闘争の日々に身を投じたのも、すべてはミシェーラの視力を取り戻す為なのです。作品を通して、レオ自身がクローズアップされるエピソードが少なく、奇人変人異能者集団ライブラの常軌を逸した常識に毒されてる場面が多いので読者も忘れがちですが、実は、レオのその目的も、目的に対する覚悟も、第一話から一貫しており、全くぶれていないのです。そういう意味では、レオもまた、ライブラの一員らしい信念に対する頑固さを持った人物なのです。

神々の義眼を持つ者は、視界の覇者となる

さて、一人の人間を盲目にすることと引き換えに与えられる神々の義眼とは、いったいどんなものなのでしょう?
曰く、「人類史上の一大イベントを特等席で観測する為の出歯亀カメラ」という話があり、どうも神性存在が人界の一大事を覗き見る為に与えているようで、その義眼は異界存在によってもたらされます。過去の文献にも神々の義眼についての記述が散見され、それは必ず人の世が大きく動く時に確認され、義眼保有者の近親者は必ず盲目であるとされています。過去の記録とレオの情報に類似性が高いことから、恐らく異界上位存在のが人類を観測する為の出歯亀カメラという情報は正しいのでしょう。

そんな目的で造られた義眼ですから、「視覚」に関してだけ言えば並ぶ物の無い最強であると言い切れます。例えば、ノミやミジンコを肉眼で視れたり、HL中心部の異界に通じる虚の途方も無く深い底の方まで見渡せたり、神速域の魔神の太刀筋を見切る動体視力他人の視界の乗っ取り、入れ替えオーラを視るだけでなく、オーラの痕跡を辿ったり、他人が視た過去を視るなんて事まで可能。義眼の前では幻術すら意味を成さず血界の眷属(ブラッドブリード)が直隠す最大の弱点=諱名(いみな)まで読み取ることができるのですから、正に「視覚」に関してだけ言えば万能。視界を制する覇者と言えます。

万能の視覚を持っただけの平凡な青年

ただし、神々の義眼によって得られる能力は、あくまで「視覚」に関することのみ。肉体は平凡で非力な青年のままです。それでもレオは、ライブラにとって対血界の眷属の切り札とされています。滅殺できない上級クラスの血界の眷属相手には、クラウスの密封奥義で密封するしか手が無いのですが、その為には相手の諱名が判らなくてはならないからです。
闘う術も、逃げる術も持たず、どちらかと言えば護られるだけの存在。しかし、「視える」自分にしか出来ないことを成す為に、レオは今日も、闘いの場に赴くのです。

【血界戦線】レオ役の声優さんは?

そんなレオを演じるのは、阪口大助さん(画像右)。ガンダムに憧れて、ガンダムに乗りたくて声優を志し、「美少女戦士セーラームーン」のネコでデビュー(オイ)。翌年、念願叶って「機動戦士Vガンダム」の主役=ウッソ・エヴィンの役を射止めるものの、富野御大に扱かれまくって涙、涙の日々を送る。運が良いやら悪いやら、何となくレオと似ているじゃございませんか。
その後もアニメを中心にゲームなどでも活躍。近年では、「ぷよぷよ!」のナスグレイブ「銀魂」の志村新八「もやしもん」の主人公=沢木惣右衛門直保「刀剣乱舞」の不動行光「ペルソナ5」の三島由輝など、数多くの主役を演じるだけでなく、話題になった作品には結構な頻度で出演されています。
何て言うか、能力を除けばごく普通の少年、青年って感じのキャラクターが多いですよね、阪口さん。レオ役での見どころ(聴きどころ?)は、男性としては可愛らしい声からのハイテンション絶叫ツッコミでしょう。皆さん、必聴ですよ!

【血界戦線】コミック版でのレオはアニメ版より大活躍!【ネタバレ注意!】

さて、レオが眼球だけ超常怪奇クラスの平凡青年ながら、目的と目的に対する覚悟は全く揺るがない、ライブラの一員らしい信念に対する頑固さを持つキャラクターであることは前述の通り。
そんなレオの頑固さが最も描かれたエピソードが、原作第10巻に収録されているファーストシーズン最終話「妖眼幻視行」です。レオの魅力を語る上で避けては通れないこのエピソード、ガッツリネタバレしてお話しするので、ご自身の目で確認したい方はこの項を読み飛ばして下さい。
それでは、次のイラスト下からネタバレ開始です――!

第一話以降、様々な事件を共に体験することで、すっかりライブラに馴染んだ感のあるレオ。ライブラメンバーも彼の義眼の能力の運用法に慣れ、すっかり作戦遂行に無くてはならないサポートメンバーとしていました。
しかし、レオの目的は、ライブラとして人界を脅かす脅威と闘うことでも、牙狩りとして血界の眷属と闘うことでもありません。あくまで、妹ミシェーラの奪われた視力を取り戻すことです。
この第一部最終話のエピソードになって、第一話以来触れられていなかったそのレオの目的が再びクローズアップされます。すっかりライブラ御用達の病院となった幻界病棟ライゼズで他の治療のついでに義眼のこと、ミシェーラの眼のことを相談したレオですが、院長のマグラ・ド・グラナ「義眼の摘出は治療行為ではなく神性存在との契約の一方的破棄」「代償は相応のものとなるだろう」と、逆に忠告を受けてしまいます。

時同じくして、ミシェーラから結婚することを報告されたレオ。フィアンセを連れてHLに会いに来るというミシェーラの押しに負け、結局HLのホテルで会うことになりますが、報告を受けたライブラの面々も「レオの義眼を護る」という名目で組織を挙げてミシェーラの護衛を引き受けます。
久方ぶりの兄妹の再会。婚約者のトビーも真面目で善良そうで、それは一見幸せに満ち溢れた光景にしか見えなかったでしょう。しかし、事件は常人の知覚外で静かに進行していたのです。

Dr.ガミモヅ、神々の義肢の調査、研究に全てを捧げた異界存在。自身の肉体を改造し、右目に神々の義眼を持つバケモノ。目的は、レオ自身。最悪でもレオの持つ神々の義眼。万物の視界を支配し、知覚の外で行動する彼ですが、レオ意外にたった一人、存在を認識できた人物が居ました。レオの妹、ミシェーラです。
盲目であるが故か、悪魔に取り憑かれたトビーの些細な違和感に気付いたミシェーラは、「婚約者を紹介する」というもっともらしい理由をつけて、少々強引にレオに助けを求めてきたのです。
それに気付いてガミモヅと相対するレオですが、ミシェーラとトビーを人質にとられた上、ライブラメンバーとの連絡手段も断たれ、徐々に追い込まれていきます。

しかし、レオは簡単に諦めるような弱い人間ではありません。いえ、かつては脆弱だったレオですが、数々の修羅場をライブラのみんなと経験してきた今、レオはもう弱くないのです。
ライブラのみんなと出逢い、絶望にとことん抗う頑固さを、光に向かって一歩でも、半歩でも、全身全霊を賭けて進もうとする姿を見てきたレオは、こんな危機にどうすれば良いかも学んで来ました。
曰く「相手の動きを仔細に観察せよ。レオ相手なら敵も高確率で慢心する」「生き延びることが最大の利。勝利条件はそこに設定せよ」「厳命。どんな手を使っても連絡せよ。レオを助けることで仲間が危機に瀕するとしても、そのことは一切考慮に入れるべからず」――頼もしい仲間たちからの教えを忠実に守り、レオはガミモヅの一挙手一投足を観察し、短い時間の間に思考を巡らせ、人並みの肉体でも付け入る隙を探っていきます

その頃、レオが残した救難要請に気付いたクラウスは激昂し、何が何でもレオを発見、保護するよう、ライブラの全構成員に緊急事態を宣言。ライブラのメンバーも、レオを救う為、続々とミシェーラの宿泊するホテルへと集結します。
しかし、その時既に、ホテルに戻ったレオはガミモヅとの対決を始めていました。今までの時間で得た情報から、ガミモヅは義眼の力でその姿を他人に視えなくしているだけで、完全に隠密行動する為には静穏性を追求した肉体改造を施しているに違いない。すなわち、レオの力でも振り回せるぐらいには軽いはずと類推。その読みは的中し、無数の鋭利な爪で襲われながらも、義眼の力をフルに活用し、致命的な一撃だけは寸でのところでかわし続け、ガミモヅの義眼にヒビを入れるところまで肉迫します。

最終的には、駆けつけた仲間たち、特にクラウスの怒りの一撃で終止符が打たれるわけですが、シリーズ最大、平均の1.5倍ほどの分厚さを誇る第10巻を通して描かれるレオのエピソードは、彼がただの狂言回しではなく、もう一人の主人公であることを再認識させてくれます。
そしてこのエピソードは、第一巻での「光に向かって一歩でも進もうとしている限り、人間の魂が真に敗北する事など断じて無い」というクラウスの台詞を作品のテーマとして昇華させ、「読者を勇気付ける讃歌」として作品を確立させているのです。

【血界戦線】レオと不思議な少女、ホワイト【アニメ版オリジナル!】

原作をよく理解したファンには堪らない演出で魅了してくれたアニメ版ですが、原作版には無いオリジナル要素が存在します。それが、レオが出逢う不思議な少女、ホワイトです。
血界戦線という作品は、およそ一般ウケしやすい「萌え」や「恋愛」といった要素がほぼ無い、「燃え」に全振りした様な、男も女も関係無く人間の熱い生き様を愉しむ作品です。
そんな原作のエピソードの後、毎回外伝的に不意に始まるアニメオリジナルエピソードに登場する彼女は、一般ウケしやすい如何にもヒロインという位置付けのキャラクターとして登場します。
心臓病の為に入院生活が続く彼女と、その彼女を甲斐甲斐しく見舞う兄のブラック。二人の境遇に親近感を抱いたレオは、次第に二人との親交を深めていきます。それが、絶望王の謀略の一部であることも知らず……。

一夜にしてニューヨークを呑み込んだ異界の侵食を途中で阻止し、結界によってHLにその侵食を封じ込めた術士協会(アニメオリジナル設定)に所属した夫妻の下に生まれたホワイト=メアリと兄ブラック=ウィリアムでしたが、術士としての才能は兄であるブラックにしか開花しませんでした。
そして、3年前の大崩落の際、ホワイトは一度絶命。延命措置として、心臓の代わりに侵食を喰い止める結界を埋め込まれていたのです。なるほど、彼女が「幽霊」を自称する理由はここにあったのです。
ホワイトの宿す結界はブラックが術を使い続けることで維持されていましたが、如何に才能ある術士といえど、3年もの間、術を使い続けるというのは流石に無理が祟ります。「このままホワイトが居なくなってしまうなら、そんな世界など消えてなくなればいい」ブラックのそんなネガティブな想いに付け込んだ絶望王はブラックに憑依。兄妹愛を利用し、レオの持つ神々の義眼を狙って接触を計ったのでした。

原作におけるレオとミシェーラの関係を、アニメオリジナル要素として描いたホワイトとブラックの兄妹愛。ホワイトはレオにとってのヒロインでは無かったかも知れませんが、アニメ第一期のヒロインであったのは確かでしょう。一人二役(正確には3役!?)を演じる釘宮理恵さんの演技も見どころです!
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【血界戦線】レオのフィギュアとかグッズってあるの?

血界戦線の主人公なのに、読者や視聴者からは語り部、狂言回し、等々と呼ばれ、全く主人公として扱ってもらえない不遇の凡人(眼だけ最強)のレオですが、何故かフィギュアはレオばっかり優遇されてます。何でだ?
1/7サイズの全身像フィギュアが発売されているのはレオだけですし、ねんどろいどでも発売されたのはレオのみ。さらに、figmaでもアニメ第二期に合わせて商品化が決定しています。

おおう、コレですよ、コレ。私が望んでたのは正しくクラウスと並べられるレオですよ! figmaでは、クラウスも商品化決定と言うことで、やっとフィギュアで二人の並び立ちが拝めることになります。この調子で、ザップやチェイン、スティーブンやK・Kも是非商品化して欲しいものです。

というわけで、レオだってカッコイイのです。(まる)

語り部だの、狂言回しだの、主人公的な位置に見えるだけで主人公ではないとまで言われる不遇の主人公レオ。確かに、最初期の読み切りの時点ではクラウスが主人公であり、レオは登場すらしません。しかし、レオはそれでも、主人公だと思うのです。
クラウスは完成しきったキャラクターであり、これ以上成長するという要素は皆無です。対してレオは、読者と共にクラウスたちの背中を“視て”成長し、「諦めなければいずれ……」そんな誰もが抱く想いを体現して見せたのです。


危機に瀕し、絶望しようとも諦めず、最後まで抗い続けて一筋の希望を掴み取ったレオ。ミシェーラが身体の構造上後ろに退く事ができない亀になぞらえ、亀の騎士と呼んだ、恐くても逃げない頑固さは、カッコイイじゃないですか。メッチャクチャ憧れるじゃないですか! もう主人公で良いじゃないですか。
力有るクラウスが語っても現実味が無いことでも、我々の等身大であるレオが語ることは現実味を感じられるはず。皆さんも是非、レオの活躍から勇気を貰って下さい!
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