三谷幸喜の監督作品おすすめランキングTOP10!喜劇の王様珠玉の名作!

監督業だけではなく脚本家・演出家・俳優までこなす三谷幸喜監督の作品には、観客をひきつける魅力が満載です!今回は、おすすめの10作品を紹介しながら、そんな三谷幸喜作品の魅力の理由を解明していきます!

喜劇の王様・三谷幸喜監督とは!?

最近は映画監督として有名ですが、他にも脚本家、劇作家、演出家、俳優と、幅広く活躍している三谷幸喜監督。「THE有頂天ホテル」など、ゴールデンタイムに毎年放送される作品もあり、三谷幸喜監督の名前は普段は映画を見ることの少ない方にも知られるほどメジャーです。
その才能は大学在学中から周囲に認められており、1983年から劇団「東京サンシャインボーイズ」を旗揚げ、さらに並行して放送作家としての活動を始めました。それから現在まで活動されているので、今までに製作した作品は多数にのぼっています。
三谷幸喜監督の作品を全て見たことがあると言うマニアな方は少ないと思いますが、今回は、1日でみられる映画を中心に、三谷幸喜監督の制作したおすすめ作品TOP10のあらすじとその魅力を余すところなくご紹介します!

三谷幸喜の監督作品おすすめ第10位

笑の大学

昭和15年の戦争が激化した日本を舞台とした作品です。稲垣吾郎演じる椿は劇団「笑の大学」の専属作家として脚本を書いていました。しかし、国民向けの娯楽が規制されていたこの時代では、舞台演劇ももちろんその範囲の1つで、脚本は上映前に警察の検閲を受けなければなりませんでした。
この作品は、椿が役所広司演じる検閲係の向坂から上演許可をもらうために奮闘する話です。堅物の向坂に、コメディ作家の椿一は何度も書き直しを命じられますが、それでも笑いを取ることを諦めない椿に、向坂もほだされていきます。しかし、最後まで許可は下りず……。椿の書く脚本の面白さも必見ですが、作中の面白さと相まって一層感動的なラストシーンが待っています。

笑の大学は、元々は戯曲作品として発表されたもので、ラジオドラマ、舞台、映画の3つのバージョンが存在しています。どのバージョンもストーリーは同じですが、三谷幸喜監督がそれぞれの役者に合わせて脚本を書き下ろしています。
決まった役者をイメージしながら脚本を書く「当て書き」という手法をとる三谷幸喜監督の特徴です。それぞれの役者ならではの言い回しを感じるところもあり、この役者にしかこのキャラは出来ないなと思わされます。「当て書き」された作品として意識してみるとより面白いですよ。すでに見た事があるという方も、台詞に注目してもう一度見てみてはいかがでしょうか。

三谷幸喜の監督作品おすすめ第9位

清州会議

この作品は、歴史オタクでもある三谷幸喜監督が、実際に安土桃山時代に行われた歴史上の会議をもとに執筆した時代小説を、2013年に自ら映画化したものです。織田信長が本能寺の変で亡くなった直後、役所広司演じる柴田勝家と大泉洋演じる羽柴秀吉が会議の中で織田家の跡取りを誰にするかの駆け引きを描いた作品で小日向文世や妻夫木聡など、豪華な俳優陣が出演して話題となりました。

三谷幸喜監督の作品の中では声を出して笑うというようなシーンは少なく、コメディを期待して見た従来のファンからは不満の声も聞こえているため、9位としました。しかし、誰もが織田家の後継の座を狙っており、多くの登場人物が水面下での知略を巡らせ、人間の本性が明らかになる本作は見るたびに違う人物に感情移入できる、何度でも楽しめる作品です。
歴史的事実を元に作成された話のため、見る前から最終的に誰が勝つのかはわかってしまう方もいると思いますが、何度も行われる駆け引きや、思いがけない黒幕に最後まで目が離せない作品です!

三谷幸喜の監督作品おすすめ第8位

すてきな金縛り

2011年に公開されたコメディ映画です。深津絵里演じる三流弁護士の宝生エミは妻を殺した容疑で逮捕された矢部五郎の弁護を担当します。事件当日、旅館で金縛りにあっていたという矢部の証言を確かめるために宝生は旅館に向かい、そこで矢部に金縛りをかけていた落ち武者・更科六兵衛と出会います。
幽霊である更科六兵衛が矢部のアリバイの証明となると考え、法廷へと連れて行きますが、当然誰にも信じてもらえず、前代未聞の法廷バトルへと発展します。公開から初日2日間で興行収入5億円を突破した人気作です。

本作の魅力はやはり三谷幸喜監督の専門分野であるコメディ調の作風が遺憾無く発揮されたことでしょう。更科六兵衛役の西田敏行の憎めないお茶目さや、宝生の上司の速水弁護士を演じた阿部寛の法廷での突然のタップダンスは必見です。
殺人のシーンもポップなイラストで表現し、重たさを感じさせない演出が効いています。幽霊の存在でアリバイの立証ができるのか?その真相はぜひあなた自身の目で確かめてみてください。

三谷幸喜の監督作品おすすめ第7位

大空港2013

この作品は2013年にWOWOWで放送するためのドラマとして制作された2時間ドラマです。たった4人のスタッフで制作され、撮影期間はリハーサルも含めわずか9日間という短さの作品です。
天候不良の影響で羽田空港に着陸できなくなった飛行機・フジドリームが、竹内結子の演じる大河内千草が勤める松本空港に立ち寄ることになったところから話は始まります。大河内は再び飛行機が出発するまで乗客の対応をすることとなりますが、ある一家に振り回され、ドタバタな一日を送ることとなります。

閉鎖された空間の中だけを舞台とする物語の作り方は、使える場面が限られる劇の作家からスタートした三谷幸喜監督が得意とするところで、本作でも終始松本空港の中だけで展開します。
大河内が関わることになる田野倉一家は父、母、息子、娘、祖父、母の兄の6人構成ですが、いずれも一筋縄ではいかない人物ばかり。飛行機の出発を待つ間に全員がそれぞれ抱える秘密が明らかになっていきます。
最初は「え、そんな秘密を!?」とびっくりしますが、話が進むに連れて、こいつもか!と面白くなってきます。それでも綿密な脚本はさすがで、終盤にはどんなキャラも愛しくなってくるから不思議です。リアルな割には結構とんでもない話だと思いますが、見終わった後は和やかな気持ちになれるお話です。

三谷幸喜の監督作品おすすめ第6位

12人の優しい日本人

陪審員裁判について描かれたアメリカの名作ドラマ「12人の怒れる男」のオマージュ作品で、1990年に日本にも陪審員制度があったなら?をテーマに演じられた戯曲作品です。1991年には三谷幸喜の脚本で映画化もされています。
ストーリーは職業も年齢もバラバラに無作為に集められた男女が、夫を殺したのではないかと疑われている妻について有罪か無罪か判決をするために審議を重ねる話です。陪審員の中には豊川悦二や中村まりこも出演しています。

被告人が若く美人な女性だったことや、早く帰りたい陪審員もいたため、初めはほぼ無罪で話が進みますが、そんな理由で無罪と決めつけていいのだろうかと疑問を持った1人の陪審員によって、判決はなんどもひっくり返されます。
新しい意見が出るたびに陪審員たちの意見もコロコロと変わり、長いものには巻かれろの日本人の性質がよく出ています。最終的には皆一丸となって推理をし始めますが……。
最終的にどんな結論が出るのかは気になるところですが、陪審員たちに結論は出せてもそれが真実かどうかは断定できないところがあります。視点によって見方は変わり、まさに芥川龍之介の「藪の中」のよう。なかなか考えさせられる話です。判決よりもどうやってその結論にたどり着いたのかに注目していただきたい作品です。

三谷幸喜の監督作品おすすめ第5位

みんなの家

この作品は2001年に公開された作品で、三谷幸喜監督の映画監督作品としては、「ラヂオの時間」に続く2作目です。テレビ放送作家の飯島直介とその妻、民子が建てることになった念願のマイホームをめぐるお話です。
直助はそこまでのこだわりはありませんでしたが、モダンでオシャレな家を建てたい民子はインテリアデザイナーの柳沢に設計を依頼。建築は親孝行も兼ねて大工の棟梁である民子の父・長一郎に頼むのですが、2人の意見が全く合わず、設計がなかなか出来上がりません。
そうこうしているうちにしびれを切らした長一郎が勝手に家を建て始め、さらには風水にこだわる直介の母せつ子が登場してみんなで言いたい放題。全員の希望の家など建つはずもなく、本当に家が建つの!?と結末が気になるお話です。

やはり見所は喧嘩しあっている父の長一郎とデザイナーの柳沢の言い合いの面白さですが、直介役のココリコ田中もいい演技をしています。気弱そうだが、優しく、義理の父親を尊敬する心が伝わってくる演技です。
しかし、デザイナーと義理の父が仲良くなったのに嫉妬しているのは笑えます。それまでが尊敬している演技なので、好きなのだろうなとは思っていましたが、そこまでとは!脇役まで豪華なキャスト陣で固められ、時折挟まれる爆笑の小ネタが素晴らしい三谷幸喜監督らしい作品です。

三谷幸喜の監督作品おすすめ第4位

short cut

こちらも大空港2013と同じくWOWOW放送のために作られた作品です。2時間近い作品時間にも関わらず、一度もカットを入れない「完全ワンカットワンシーン」で撮られたという手法を実際に目の当たりにしていただきたく4位としました。
登場人物も3人しか登場せず、ひたすら山の中を歩く話です。大掛かりな装置もほとんど出てこないため、ここまで低予算でこんなに面白い作品が作れるのかという感想をもちました。

別居中の夫婦が妻の田舎の葬式に参列し、東京に帰るために2人で山を下りるところから話は始まります。山の中という非日常の空間や、妻の幼馴染の男も登場し、2人はお互いの新たな姿を再発見して、次第にやり直してみようかなと思い始めるようになる……という設定はありがちかもしれません。
しかし、夫婦を演じた中井貴一と鈴木涼香の2人が素晴らしい。ほぼ2人の会話で進みますが、ワンカットということもあり、お芝居とは感じさせず、本当の夫婦なのではないか、もしくは、台本なんかなく、全てアドリブなのではないかと思うほどでした。
これは三谷幸喜監督の台本も素晴らしいのだと思いますが、カットが入らないことが当たり前な舞台出身だからこそできることだと思いました。小道具や演出が少ない分、役者と監督の技量を堪能できる作品です。

三谷幸喜の監督作品おすすめ第3位

ラヂオの時間

初演は舞台でしたが、その後脚本が加筆され初の三谷幸喜監督の映画監督作品として1997年に公開されました。タイトルの通り、ラジオ番組を放送する過程でのドタバタコメディです。
どこにでもいる平凡な主婦だった鈴木みやこが書いた作品がシナリオコンクールで採用され、ラジオドラマとして生放送されることになりました。ストーリーは熱海を舞台にして主婦と漁師が恋に落ちるラブストーリーです。

しかし、主演女優の千本のっこが役名が嫌だからと勝手にメアリー・ジェーンに変えてしまいます。そうすると舞台も熱海では合わないので、ニューヨークに、相手役の漁師もマイケル・ピーターへと変更されます。
急遽脚本を書きなおすこととなりますが、みやこは経験のないためにできず、放送作家のバッキーがやることに。しかしバッキーも急に頼まれたので内容を理解しておらず、さらに役者も勝手に演じだすなど、話はどんどん妙な方向にすすんでいきます。
三谷幸喜監督の作品は人々が自分勝手に動いて予期せぬ方向に進んでいく……というものが多いですが、これは特にはちゃめちゃで、だからこそ面白いです。特になんとかラジオ番組を最後まで終わらせようとみんなで頑張る後半は感動もあり、笑いもありで、2時間たっぷり楽しめる作品です。

三谷幸喜の監督作品おすすめ第2位

THE有頂天ホテル

2時間後に新年のカウントダウンイベントを控えた高級ホテル・アバンティで起こる災難や奇跡を描くドタバタコメディです。毎年テレビでも大晦日に放送されることが多いため1番知られている作品かもしれません。
ストーリーは、登場人物も出来事も多く、まとめきれないので、ぜひご自分の目で見ていただきたい作品です。ホテルの従業員や芸能人、著名人、またその愛人、売れない歌手などなど、たくさんの癖のある人物が登場します。
登場人物が多いため、場面の展開も多いですが、初めは他人だった同じ日に同じホテルに泊まっていただけの彼らの間に少しずつ縁が生まれ、影響しあってラストシーンへとつながっていきます。散りばめられた伏線がつながってラストできれいに回収されるような作品や、群像劇が好きな方におススメの映画です。

三谷幸喜の監督作品おすすめ第1位

ザ・マジックアワー

三谷幸喜監督のオススメ作品第1位は、ザ・マジックアワーです。マジックアワーとは、太陽が沈みきった後に残光によって訪れる、最も美しい景色が見られるわずかな時間のことです。タイトルの通り、この作品では、登場人物たちの人生でもっとも輝く時間が描かれます。
妻夫木聡演じる備後はギャングのボスの愛人に手を出して命を狙われます。助かる方法は1つ、伝説の殺し屋であるデラ冨樫を連れてくることです。しかし、そんなに都合よく見つかるはずもなく、だれも本物のデラ冨樫を知らないのをいいことに、佐藤浩市演じる役者の村田にデラ冨樫の役を依頼します。
備後は映画の仕事として依頼するため、売れない役者の村田は張り切って演技をします。しかし、本物のデラ冨樫が現れて…!?ボスを騙した備後と村田は無事生き延びることができるでしょうか?

ギャングとの抗争に巻き込まれているはずなのに、村田は映画だと勘違いしているので、そのすれ違いが面白い作品です。演技の下手な売れない俳優のため、わざとらしいほど大げさに行動する村田にギャング達はビクビクしています。
そりゃ、本物のナイフを口に入れて舐め回すなんて芸当、よっぽどの変人か、度胸が据わっていないとできないですもんね。そんな風なすれ違いを利用して備後と村田が上手く切り抜けていくのもハラハラしますが面白いです。2時間笑ってみられる文句なしの1位です。

観客の心を惹きつける三谷幸喜監督作品の魅力

三谷幸喜監督の手がけた作品の魅力は、第一に台詞回しのうまさだと思います。しかし、それを引き立てているのは、有名になっても作品の質やその制作にあたって一切の妥協を許さないストイックさ。
役者に合わせて脚本を書きなおす「当て書き」の手法をとりいれ、脇役までキャラクターに合わせた良いキャスティングをすること、そして、ワンカットなど様々な手法に挑戦するなど有名になってもいろんなことに挑戦する貪欲さが魅力的な作品を作り出しているのでしょう。
今回10作品をランキング形式で見ましたが、どの作品も甲乙つけがたく、いろんな見方から評価ができるので、人によってオススメは異なると思います。ぜひ三谷幸喜監督の手がけた作品をみて、単に面白いだけではない三谷幸喜監督の作品の魅力を感じてみてはいかがでしょうか!