これまでに3部作が登場している「スター・トレック」シリーズのリブート作品。本作『スター・トレック ビヨンド』はその最新作に当たります。昔から愛されてきたSFシリーズのリブート作品がどのような出来なのか、評価したいと思います。
目次
『スター・トレック ビヨンド』の基本情報とあらすじ
公開:2016年
監督:ジャスティン・リン
出演:クリス・パイン
ザカリー・クイント
サイモン・ペグ
他
2009年にJ・Jエイブラムスによって人気SFシリーズの「スター・トレック」が再始動しました。従来のシリーズ作品とは異なるパラレルワールド的世界観で展開されるオリジナルのシリーズで、現在までに3作品が世に排出されました。本作『スター・トレック ビヨンド』はその最新作に当たります。
脱出ポッドに乗って逃げてきたカラーラという異星人が現れることによって物語は始まります。アルタミット星に船が墜落してしまったため、救助に向かって欲しいと依頼するカラーラ。カーク船長は彼女の仲間を助けるために地図にない惑星に行くことを決意します。しかしアルタミット星では謎の艦隊が待ち受けており、エンタープライズ号は追撃されてしまうのでした。
人気シリーズ『スター・トレック ビヨンド』とその最新リブート作品とは
世界中から愛される「スター・トレック」シリーズ
映画『スター・トレック』の伝説は1966年から始まりました。テレビドラマとして製作された伝説的作品は『宇宙大作戦』のタイトルでテレビ放映されています。それまでのSF作品とは違い、様々な種族の人間たちが織り成す人間ドラマが特徴的です。これまでに多くのSF作や他の作品に多大な影響を与えてきました。
これまでにないSFの表現方法が当時でも話題になりましたが、いま見ても個性的なキャラクターたちが紡ぐドラマを楽しむことができます。それだけの人気作なので、5シリーズのテレビドラマや、10本の映画、3本のリブート作品が世に排出されました。
J・J・エイブラムスによるリブート作品として再始動
そんな人気シリーズの「スター・トレック」が2009年に新たな映画シリーズとなって帰ってきました。J・J・エイブラムスによるリイマジネーション作品で、まったく新しい解釈の「スター・トレック」シリーズになっています。ケルヴィン・タイムラインと呼ばれ、オリジナルからパラレルワールド的位置にある作品となりました。
これまでに3作品が制作されています。この試みによって、従来のスター・トレックファンのみならず、新たな若い世代をも取り込んで、人気シリーズとなりました。最新の映像技術による新たな表現方法も話題のシリーズです。
『スター・トレック ビヨンド』の見どころ/ネタバレを紹介!
惑星連邦と悪役集団との戦い
『スター・トレックBeyond』の敵役イドリス・エルバはスティーブン・キング原作の『ダーク・タワー』にローランド役で出演します! pic.twitter.com/obsdLNMvE7
— アニメ感想紹介場 (@animecansoh) 2017年7月27日
「スター・トレック」シリーズの普遍的なテーマに「知的探求」があります。これはまだみぬ宇宙のフロンティアを捜査し、平和維持の地域を拡大していくというものです。本作『スター・トレック ビヨンド』ではそのテーマが色濃く反映されており、そこが見どころになっています。主人公チームが自分たちの信念のために邪悪な異星人と戦うのです。
それはチームに限らず、メンバー個人個人が自分の信念や考えで行動するのも見どころです。ある時は仲間のために、ある時は自分の正義のために行動します。それは映画を盛り上げるアクションシーンにも含まれていて、自分の信じることのために勇気を振り絞ってする行動は見ていてカッコいいです!
宇宙がテーマ! やっぱり見どころは異星人
スタトレビヨンドのジェイラかわいい?キングスマンのガゼルやったひとなんだなー pic.twitter.com/ztaI2xVdVl
— TΘ∽IΞ-@さみふぇす (@Biologicalcave) 2017年7月17日
本作に登場する異星人を大きく分けると、二種類になります。まずひとつが悪の親玉クラール率いる悪役軍団。彼らはトカゲ人間のような姿をしていて、かなりのコワモテです。その思想も人間社会に復讐するという剣呑なもの。エンタープライズ号を撃ち落とされた逆境から、仲間を助けるために戦いを挑むシーンは興奮します。
もうひとりが女戦士ジェイラです。彼女はクラールに反抗する異星人として描かれています。演じたのは『キングスマン』で悪役を演じたソフィア・ブテラです。顔面にメイクを施した完全なる異星人という姿なのに、どこか美しさに溢れ、身のこなしも良い不思議なキャラクターとなっています。今後のレギュラーキャラクターになることも決定しました。
アントン・イェルチンの遺作
エンタープライズ号の中で特別なオーラを放っていたのがアントン・イェルチンの演じるパヴェル・チェコフです。どこかおどおどしていて頼りない感じですが、しっかりした芯を持っており、ここぞというよきに頼りになるキャラクターでした。
そんなチェコフを演じるアントン・イェルチンは自宅の敷地内で車に挟まれて死亡しているところを発見されました。本作『スター・トレック ビヨンド』がアメリカ本土で公開される直前のできごとでした。異質なオーラを放つ彼のいる「スター・トレック」シリーズが今後観られなくなるかと思うと残念です。
『スター・トレック ビヨンド』の評価は?
『スター・トレック ビヨンド』では監督がJ・Jエイブラムスに変わり、ジャスティン・リンが監督を務めました。これにより、アクションに重点を置いていたものが、従来のシリーズが描いてきたテーマに代わっています。いままでの2作品より従来のスター・トレックファンにとってより満足できる作品に仕上がりました。
異星人たちの戦闘シーンもかなり見どころになっています。最新の技術により異星人をリアルに見せるだけでなく、登場人物たちが何のために戦っているのかなどが戦闘の中に組み込まれているので、戦闘が単調になることはありません。シリアスとコメディのバランスも高評価の対象になっています。
前作のおさらいと次回作の最新情報
最強の敵が現れた前作『スター・トレック イントゥ・ダークネス』
前作『スター・トレック イントゥ・ダークネス』では最強の敵、カーンが登場して話題になりました。遺伝子操作によって生み出された優勢人類ということで、知能も戦闘能力も高く、ひとりで部隊に立ち向かえるほどで、まさに最強の敵の名を欲しいままにしました。
そんな最強の敵が現れた前作は、エンタープライズ号のクルーたちにとって、お互いの絆を深めるための最大の試練となりました。クルーたちが困難を乗り越えて家族のような絆を掴むシーンが見られる前作は見どころ満載です。
すでに次回作の制作決定が明らかに
本作公開前にすでに4作目を制作する計画が進んでいることが発表されました。キャストはこれまでに引き続き、カーク船長役のクリス・パインやサイモン・ペッグなどが続投することが決まっています。
また、第1弾で登場したカーク船長の父親役のクリス・ヘムズワースをキャストに迎え入れ、カーク親子の物語が展開されることが発表されました。しかし正式なGOサインは出ておらず、最新作の制作は確実ではないとのこと。ファンとしては続編を期待したいところです。
超人気「スター・トレック」シリーズの最新作を楽しもう!
前回まででチームとしての結束と地を固めたエンタープライズ号ですが、本作『スター・トレック ビヨンド』では宇宙の開拓者として進み始めます。地図にはない未知の惑星への探索、そして凶悪な敵異星人による攻撃など、宇宙の冒険らしいアクションシーンを楽しむことができます。
ヒットメーカーであるJ・Jエイブラムスによるリブート作品ということだけあって、シリーズどの作品も面白いです。コアなSFファンだけでなく、より多くの層に楽しんでもらおうという工夫があります。スター・トレック「ケルヴィン・タイムライン」3部を一気に楽しむことをおススメします。