長谷川博己のおすすめドラマランキングTOP5!静と動を使い分ける演技力に脱帽

『セーラー服と機関銃 卒業』や『シン・ゴジラ』、『地獄でなぜ悪い』、『散歩する侵略者』など、映画方面でも大活躍の長谷川博己。作品によって印象がガラリと変わるカメレオンの様な演技は、様々な作品で魅了してくれます。

今回は、そんな長谷川博己の出演するドラマを、カウントダウン形式で5つおすすめ!

「長谷川の最大の魅力は、この記事にある!」

俳優 長谷川博己という男

ハセヒロの愛称で親しまれる長谷川博己。最近の活躍は目覚しく、TVドラマから映画、果てはCMに至るまで、映像メディアに触れていれば、顔を見ないシーズンはないほどです。ドラマは余り観ないという方も、特撮好きであればシン・ゴジラでご存知なのではないでしょうか。
2001年、文学座附属演劇研究所に入所して以来、演技一筋で生きてきた長谷川博己。文学座内でもめきめきと実力を見せつけ座員に昇格。対座後もフォスター、ヒラタオフィスと事務所を移し着々とキャリアアップ、活動の場を拡げて来ました。

しかし、本人は実は映画監督を目指していたそうで、学生時代に出版社のマガジンハウスでアルバイトをしていた時、リリー・フランキーから原稿を受け取ってくる担当だったそうで、リリーに「卒業したら映画監督になりたい」と言ったことがあるとか。
それがどうして演技の方へ? と言うと、就活していた時、芝居をしていた知人に頼まれて代役を経験したのだとか。子供の頃から小学校の発表会等で演技をすることに違和感を覚えなかったと言う彼は、代役を切欠に役者の道を進もうと決意。大学卒業後、文学座の門を叩いたと言うわけです。

そんな長谷川博己ですが、役者仲間からは「変人」と呼ばれることが多いようで。吉田鋼太郎綾瀬はるか変人だの変態だの言われておりますが、長谷川本人は喜んでいます。うん、確かに出世作の『セカンドバージン』では変態オーラ出てた
しかし、NHKの「あさイチ」に出演した際のトーク等を見る限り、非常に真面目で繊細な方のようで、『小さな巨人』で共演した香川照之さんもそう評していました。現場ではその繊細さで周囲に対する気遣いがハンパ無いということですが、繊細ゆえに周囲に気遣い過ぎて気疲れするようで、中学の部活動がストレスだったとか、一人旅が好きだとか、孤独を愛する一面も垣間見えます。
性格面では余り自分を「こういう性格」と枠にはめてしまうのは嫌なようで、役の性格が実生活で出てしまうこともあるとか。逆に、役を貰ってないと自分が無いので不安になったり、落ち込んだりと、もう演ずることそのものが生活となっている人なんですね。

ちなみに、筆者大好き一押し俳優、男が惚れる男、高橋一生くんとは大の仲良しだそうで、一生くんが長谷川を自宅に招いて手料理を振舞うぐらいには仲が良いとか。良いな~、変態だったら一生くんの手料理食えるのか~。だったら筆者も変態でい~や(違うと思うが)。
――と、まあ、長谷川博己という俳優の人物像をざっとご紹介してみたところで、筆者が独断と偏見と他者の意見を一切受け付けない傲慢なスタンスでお届けする、『長谷川博己のおすすめドラマ TOP5!』です。
出世作であり、交際中の鈴木京香と出逢った『セカンドバージン』とか、『家政婦のミタ』とか『鈴木先生』とか出ませんので悪しからず。それでは行ってみよ~、カウントぉ~ダウンっ!

長谷川博己のおすすめドラマ第5位!

『八重の桜』   八重の最初の夫、川崎尚之助

第5位は大河大河ですよ、大河! トップバッターから大河でいいのか、大河!? 2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)を受けて、東北復興を支援する意味も込めて製作された『八重の桜』。綾瀬はるか演じる福島県会津出身の新島八重を主人公に、幕末の動乱、会津戦争を経て、明治に入ってからの八重の活躍を通し、会津の民の真面目で辛抱強い生き様を描いた作品です。
歴史的な観点では、薩長土佐の新政府軍に対し、ただ悪役的、反政府的な反抗勢力として描かれてきた奥羽越列藩同盟に属する会津藩に同情的な視点が描かれ、既存の戊辰戦争に対する歴史観に一石を投じ、一般にも疑問点が広く浮き彫りにされたということで、もっと評価されても好い作品だと思うのです。

そんな『八重の桜』で長谷川が演じたのは八重の最初の夫であり、兄の山本覚馬(西島秀俊)の盟友にして洋学者の川崎尚之助です。覚馬が江戸に出て、象山塾で蘭学を学んだ際に出逢い意気投合。覚馬に誘われ、蘭学所を開設する為に会津へと渡り、そのまま山本家に居候し、会津藩へと仕官。八重とも結婚することになります。
真面目で理知的な人物であり、早くから幕末の動乱が会津も戦争へと巻き込んでいくだろうと予期。会津藩の軍備の洋式化、奥羽諸藩との交渉など、覚馬と共に防衛作に奔走。戦う事は避けられないと予期し、戦う備えを進めつつも、最後まで戦争を避ける道を考え、足掻く姿は、実に日本らしい英雄像であったと思います。

最期がまた、涙なくては語れない不遇の人なのです。会津戦争で大砲隊を指揮し、八重の鉄砲隊と共に奮戦。会津藩が降伏を認められてからは、八重を逃がし、自らは藩士と共に謹慎所送りとなり、その後斗南藩へ
窮乏する斗南を救おうと米取引を行うも詐欺に遭い、藩の関与を疑う警察に「責任の一切は自分にある」と証言し、八重には事の仔細を伝えずに離婚東京での裁判中に独り病死する……という最期で、まるで職務に真面目であるが故、知らず知らずの内に敵を作り、自らの首を絞めていった会津藩そのものといった人物として描かれていました。

黄金期とも言える青春時代から、戦争の軍靴の音迫る時代を八重と共に笑顔で生き、変わり行く時代の生贄を担い、最期までその命を燃やし尽くした川崎尚之助。その真面目で実直な生き様は、枠に入った己を持たず、自然体で真剣に役と向き合う長谷川博己という俳優の素に最も近い役立ったのではないか、と筆者は思うのです。

長谷川博己のおすすめドラマ第4位!

『小さな巨人』   主演、香坂真一郎

第4位は『小さな巨人』! 2017年最初のクールの話題作ですね。「敵は味方のフリをする」警視庁対所轄、警察内部の熾烈な戦いに巻き込まれていくエリートコースから脱落した元捜査一課刑事、香坂真一郎を長谷川が熱演しました。
全体的に出演俳優陣の芝居が大きく、舞台的な演技が鼻につくところもあった本作ですが、本作直近での出演作がコメディ寄りだった長谷川を主演に起用した時点で真面目の皮を被ったエンターテイメントドラマであると認識すべきだったのでしょう。視点を変えると、その出演者の演技の大きさが味となり、役者さんの狙いが見えてくるので、俄然興味深い作品になります。

共演者の豪華さでも目を引く作品で、香坂最大の敵となる警視庁捜査一課長小野田に香川照之、相棒となる有望な若手刑事山田に岡田将生、香坂を尊敬して自ら希望して異動してくる巡査部長三島に朝ドラ『べっぴんさん』での主演を終えたばかりの芳根京子、他にも安田顕池田鉄洋手塚とおるなど(あれ? 随分趣味に偏ってない?)なかなかそうそうたるメンバーが集結。
戦隊出身俳優も、今や毎クール必ずどこかで見かける俳優になったボウケンレッドの高橋光臣、演技派として実力を見せ付け始めたキョウリュウレッドの竜星涼が出演。ゲストでも吉田羊梅沢富美男佐々木希ユースケ・サンタマリア高橋英樹と、一癖も二癖もある俳優陣が名を連ねました。

長谷川演ずる香坂は、キレ物の刑事という設定ですが、頭脳派に見えて刑事としての直感の方を信じて証拠固めが後回しになったり、いちいち怪しいと睨んだ人物に証拠も揃う前から直接宣戦布告したりと、警視庁やそれに関わる魑魅魍魎相手にド直球でぶつかって行く姿勢は、毎度視聴者のツッコミ待ちの様なキャラクターでした。
そんな香坂と捜査一課長小野田が対決するシーンが多かった本作。真面目な長谷川に対し、「ハードな現場を楽しんじゃおうぜ!」と言わんばかりに好い意味で茶化した、ふざけた演技でリードした香川。この二人のシーンの芝居がかった大きい演技が、作品全体の真面目ぶって滑稽なのが面白いという雰囲気作りに貢献していたことは間違いありません。
この二人のシーン、二人とも本当に楽しんで、疲れを忘れて演じていたそうなので、俳優としての長谷川博己に触れる作品として観るのもおすすめですよ!

長谷川博己のおすすめドラマ第3位!

『MOZU』   敵役、東和夫

第3位は『MOZU』! 2012年の『ダブルフェイス』に続き、TBS、WOWWOWの共同制作ドラマとして制作された本作は、『ダブルフェイス』に引き続き監督に羽生英一郎主演に西島秀俊と香川照之が名を連ね、日本では映像化不可能と言われた街中での爆破テロやカーアクションシーンを北九州市の協力で撮影した超話題作です。
銀座で起こった爆発事件で妻を失った公安のエース倉木、いがみ合いながら倉木と共に爆発事件の真相を追っていく大杉、そして、密命を帯びて殺人鬼新谷を追う明星美希、三人はそれぞれの捜査の過程で繋がり、やがて爆発事件に隠された国家転覆の陰謀へと迫っていくことになる。

本作『MOZU』では、西島秀俊が演じる公安の倉木警部対立する元公安の犯罪エージェント東長谷川が熱演冒頭ではクールでニヒルな印象を受けますが、やがて狂的な本性を露わにし、倉木に対して異常な執着を見せるようになっていきます。
ハードボイルドなアクションドラマである本作では、バイオレンスな激しいアクションシーンも多数盛り込まれています。西島が身体を張った格闘アクションが多いのに対し、長谷川が演ずる東は銃器類を使って派手にやらかすという印象が強いのですが、要所要所でその実力を見せてくれます。

本作では、長谷川は主演でもなく、出演シーンもそんなに多いわけではありません。ですが、そのキャラクターの残す強烈なインパクト、あの印象深い「ゥヒャハハハハハハ!」という狂ったような笑い声「くるぁきぃいぃぃ!」という巻き舌入った呼び方など、長谷川博己という俳優の新しい魅力に触れられるということで、第3位に上げさせていただきます。つーか、役を愉しみ過ぎだよ、長谷川さん……。

長谷川博己のおすすめドラマ第2位!

『夏目漱石の妻』   夏目漱石

第2位は『夏目漱石の妻』! これもタイトル通り、主演は漱石の妻である鏡子役の尾野真千子なので助演ということになります。長谷川は主演より助演の方が光る演技が多いと思うのですよ、ええ。
本作『夏目漱石の妻』は、妻鏡子が遺した『漱石の思い出』を原案に、漱石没後100年を記念して制作されたドラマです。頭も良く几帳面だけど、とんでもない気難し屋の漱石に振り回されながら、大らかで思ったことはすぐ口にする真反対の性格の鏡子が妻として成長し、二人が家庭を築いていく姿を描いたドラマです。

長谷川が演じた漱石は、実際に非常に気難しく、複雑な性格の持ち主だったようで、妻である鏡子が苦労したことは間違いないでしょう。正直、長谷川の演技が上手い分、鏡子に感情移入してイライラすることもしばしばでした。
しかし、どんなに振り回されても、ぶつかり合っても、晩年の鏡子は孫に対して「いろんな男の人を見てきたけど、あたしゃお父様(漱石)が一番いいねぇ」と言ったそうですから、漱石という男がどれだけ妻の愛情を受けていたのかがわかります。
そして、長谷川の演技がまた、漱石をただの嫌なヤツで終わらせず、それだけの愛情を受けるだけの資格のある男に見せてくれるのです。尾野真千子と二人で演じて形にした面白おかしい漱石夫妻の姿が、とてもとても素敵なのです。

晩年、漱石は重度の胃潰瘍に苦しみ、ドラマでも修善寺の大患と呼ばれる生死の境をさまよう800gにも及ぶ大吐血から回復するまでがクライマックスで描かれます。この晩年の病魔に苦しみながら執筆活動を続けた漱石の姿は、長谷川が痩身な事もあり迫真で、本作における長谷川の演技の見どころの一つでもあります。
自然体の長谷川博己とは明らかに違うものの、『小さな巨人』の様に芝居がかった演技ではない迫真の演技を観られるという点で、本作は長谷川博己ファンにとって非常に魅力的な作品なのです。

そして、堂々の第1位は……!?

『デート~恋とはどんなものかしら~』   谷口巧

もう、長谷川博己ファンならこの作品は欠かせないでしょう。筆者が独断と偏見と他者の意見を一切受け付けない傲慢なスタンスでお届けする、『長谷川博己のおすすめドラマ TOP5!』堂々の第1位『デート ~恋とはどんなものかしら~』です!
『フジの月9』といえば、トレンディドラマで一大ブームとなった『東京ラブストーリー』など、恋愛ドラマが多いフジテレビの看板枠です。そこに放り込まれた久し振りの恋愛ドラマが本作だったわけですが、脚本がリーガル・ハイの古沢良太です、ンなストレートな恋愛ドラマなんて書くはずがありません。本作は、ナンセンス・ラブ・コメディの傑作と呼ぶべきドラマなのです。

杏が演じるヒロインは、内閣府経済総合研究所で働くリケジョ……といえば聞こえは好いが、神経質レベルの几帳面が服を着て歩いてるような数学フェチのコンピューター女藪下依子

対して、長谷川が演じる男側の主人公は、35歳で何一つ問題の無い健康体ながら、社会からドロップアウトして母親に寄生して引きこもり生活を続ける自称「高等遊民」谷口巧
恋愛に全く興味が無かったはずの二人が、父親を心配させたくない一心でとか、悪友の強引な勧めやらで結婚相談所を通じて遭遇。恋愛からは程遠い交流を続ける内、いつの間にやらそれが本当の恋であったと気付くまでが描かれるという、レインボースパークボール(このネタ判る人いないだろ)レベルの変化球恋愛ドラマです。

長谷川が演じる巧は、クズ・オブ・クズクズを絵に描いた紙を丸めてセロテープでぐるぐる巻きにして人型に固めたような清々しいまでのクズっぷりです。昼過ぎに起きるのが当たり前。母に用意してもらった食事を食べ、食後は部屋に閉じこもり、好きな作家の本を繰り返し読み、好きな映画を幾度と無く観て暮らす日々。典型的なニートでオタクなわけですが、プライドが高くて否定的意見に強く反発し、必死になって相手を論破しようとする……と、オタク気質のある人間(筆者含む)ならば、何処か耳が痛くなる特徴を列挙したようなキャラクターなのです。
依子と交際しようと考えたのも、悪友の強引な勧め以上に、「母親がいつまでも生きていてくれるわけじゃないと悟った」からで、本人もハッキリ明言していますが「母に代わる新たな寄生相手」を手に入れるために結婚という手段をとろうと考えたまでで、結婚相手を好きとか嫌いとか恋とか愛とか、そんな次元の話じゃございません。

そんなクズの度を越えたクズである巧ですが、社会からドロップアウトしたのにはちゃんとした理由があるのです。その理由は第4話で大体語られるのですが、最もクリティカルな理由は、実は第9話でやっと語られるのです。
第4話の際、子供の頃から勉強も出来て自分に自信を持っていた巧が、小説家や芸術家を目指すも、ピカソや漱石クラスの才能が無いと諦め、自分が凡人と卑下し続けたサラリーマンになろうとしたものの、何処からも内定が貰えず挫折した……といった過去が語られます。
4話の話だけ聞くと、まだまだ巧のクズっぷりを払拭するほどの過去ではありません。正直、「その程度でそこまで挫折していたら、日本中高等遊民だらけじゃ~!」と言いたくなるレベルです。

しかし、巧が完全に心折られてしまったのは、もっと酷い現実でした。それが、第9話で語られる就活時の話です。大手の出版社の面接を受けていた巧は、教育評論家であった父の事を面接官にバカにされ、嘲笑われてしまいます。しかも、その時巧は、面接官に対して愛想笑いを返すことしか出来なかったのです。その後、そんな酷い面罵を受けたとしても平然と仕事に就き、その職務を全うしている社会人の姿を見て、心が折れてしまったのです。
親をバカにされるって、自分の直近のルーツを否定されるということではないですか。そんなことまでされても、顔色一つ変えず、颯爽とスーツを着て街を闊歩し、日々の仕事を黙々とこなしている。巧には、凡人と卑下し続けた社会人が、そんな風に眩しく見えてしまったのです。

このエピソードは、クズっぷりばかり目立っていた巧の優しさが垣間見え、一言で表せば「よくある理由」だった巧の挫折の理由が、詳しく聞いてみたら心が痛くなるほど共感できる話だったという名シーンだと思うのです。
普段のクズっぷりと、その根底に流れる優し過ぎる故の哀愁。谷口巧というキャラクターは、そういう多面性を持った複雑な心情表現を求められるキャラクターです。コメディドラマの中でそういう複雑な心情を演じるというのは、シリアスなドラマの中で演じるより遥かに難易度が高いものです。それを、求められる水準で演じきった長谷川は、やはりすごい俳優だと思うのです。

長谷川博己の魅力は増すばかり……。

出典:https://www.amazon.co.jp

――と、いうワケで、お送りしてきました筆者が独断と偏見と他者の意見を一切受け付けない傲慢なスタンスでお届けする、『長谷川博己のおすすめドラマ TOP5!』、如何でしたか?
長谷川博己という俳優は、ストイックに役にのめり込むタイプの俳優さんで、クズはクズなりに、嫌なヤツは嫌なヤツなりに、しっかり演じ切ってしまうので、観た作品によっては不快に感じる方も少なくないでしょう。
しかし、嫌なヤツが嫌だと感じられる、クズをクズだと感じられる、イライラするヤツにイライラして観れる、ということは、それだけそのキャラクターを巧みに演じられている証拠です。この記事を機に長谷川博己に興味を持っていただき、主演作品ばかりでなく、助演作品にも注目していただけたら幸いです。

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