新世紀エヴァンゲリオン 最大の魅力は登場人物にあり!メインキャラクターを深掘りする

95年にTVアニメシリーズの放送が始まってからは21年、貞本義行先生の漫画も完結し、残す所は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』となっている新世紀エヴァンゲリオン。そんなエヴァンゲリオンのキャラ達を、旧アニメ版を中心に、漫画・新劇場版も少々含めて紹介させて頂こうと思います。 ※年齢は全て漫画版・アニメ版(主に初登場時)のもので記載しています、新劇場版『Q』は『破』から14年後の世界になるので、パイロット以外の生存者はそれに応じて年齢が加算されています。

新世紀エヴァンゲリオン 登場人物/パイロット編

碇シンジ

14歳、EVA初号機パイロットでサードチルドレン・第3の少年と呼ばれる作品の主人公。(新劇場版では初号機、第13号機パイロット)父親との確執がある中、突然呼び出され、見たこともない初号機の前に立たされ、父ゲンドウに再会早々、「エヴァに乗って戦え」と言われてしまいます。
それを拒むと、「帰れ」と一蹴されてしまい、彼が初号機に乗る後押しとなったのは、自分の代わりに乗ると運ばれてきた綾波レイ、その痛々しい包帯に巻かれた大怪我を見て、父に認められたい想いもあり、初号機に乗る事を決意。
性格は幼少時に母親を亡くし、父親に捨てられたことから、愛情に飢えている反面、人の顔色を常に伺う内向的な少年として描かれています。「いい子」を演じ続けようとする中、作品を通し段々と自分の意思を伝えようとする成長も伺えます。

アニメ版と漫画版の違い

アニメ版で有名な「おめでとう」最終話に込められた意味は、シンジが今まで頑なに閉ざしていた心をひとつひとつ、自問自答して、模範的いい子としての回答ではなく、自分はどうなのか。心の内を開け放ち、そしてその答えに間違いなど存在しないと言う意味があると思います。
人の数だけ真実は存在する。と言う事を理解し、誰からも愛されようとするいい子からの脱却。それこそが、人としての一歩目の成長、シンジが長く抱え込み、悩んだことも無駄ではないけれど、自分自身を見つける事が出来て「おめでとう」と言われているのでしょう。

漫画版でのシンジは、内向的と言うより対人関係にどこか一線引いている冷めた少年と言う印象が強いです。
エヴァ、強いては自分に関わる親しい人は死んでしまう、消えてしまうと言う脅迫概念に囚われ続けるが、辛い経験を経た上での最終巻では、以前にレイと一瞬だけでも心を通わせられた経験から、「”人は分かり合えない”という事が本当なのか、自らで確かめなければいけない」と勇気を振り絞ります。
夏だけだった新東京市は復元された世界となり、作中で初めての冬が描かれる。「未来は無限に広がっている。自分の歩く道は自分の足で捜す」そう言って一歩目を踏み出すシンジで幕を下ろすエヴァ世界は、考察向きなアニメとは違い、ストーリーが判りやすい一作となっている気がします。

綾波レイ

14歳(データ上)EVA零号機パイロットでファーストチルドレン・第1の少女と呼ばれる。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』ではMark.09パイロットの別個体・アヤナミレイ(仮称)も登場。
色白で青髪と赤い瞳を持つ細身の少女。EVA零号機の起動実験の事故により重傷を負っており、初登場時はシンジの前に包帯姿で登場し、彼がエヴァに乗る事を決意することから、最終話までエヴァワールドでのキーパーソンの一人です。

性格は感情を表に出すことを知らない少女で、出生のなども最初は全て謎に包まれています、ゆえに初対面では冷たくも思えるが、碇ゲンドウにだけは心を開いています。
ヤシマ作戦まではシンジに対しても、他人行儀な侭でしたが、戦いの終わりに、自分の生還に涙する理由と、どうすれば良いのかを教えてくれたシンジに、はにかんだ笑顔を見せます。
そこから徐々にシンジに対して、淡い恋心にも似た感情を抱き、距離は縮まっていきますが、対アルミサエル戦でシンジを傷付けるくらいならばと自爆、生きている事が判明はするものの、それは三人目と自称する綾波であり、シンジとの経験をリセットされている存在となります。

アニメ版と漫画版の違い

K*Kさん(@03k_k19)がシェアした投稿

アニメでは淡々と喋る綾波が、時折見せる表情や感情の変化はとても判りやすいです、肉が嫌いで、一度ラーメンを食べに行った際には、「ニンニクラーメンチャーシュー抜き」と、抑揚なく伝えるエピソードが、綾波は感情を出す術を知らないだけと言う判りやすいシーンです。
漫画版では、恋心の描写を「手をつなぐ」回数で表現していて、アニメと同様三人目となってしまう自爆の前には、自ら「もう一度、触れても良い?」とシンジに照れた顔を向けます。

惣流・アスカ・ラングレー

14歳、EVA弐号機パイロットでセカンドチルドレンと呼ばれる第2の少女。新劇場版では式波・アスカ・ラングレーと名前を変えて登場。(新劇場版での搭乗機体は2号機、3号機)
ドイツと日本のクォーターで髪色は設定上金髪だが描写時は亜麻色、茶色。14歳にして飛び級で大学を卒業しています。母親が自分を見てくれなかった事などのトラウマを持っている、強さと脆さを持つ少女です。
性格は快活ですが、自尊心が高く、レイやシンジに対しては冷たい一面も。加持リョウジには恋心を素直に伝えたりする大人っぽさも魅力!一方で同級生の洞木ヒカリの恋愛相談に乗ったりする14歳らしい姿もあります。

K*Kさん(@03k_k19)がシェアした投稿

弐号機パイロットに抜擢された日、母親は目の前で人形と共に心中し、一番認められたかった母親を失いながらも、エリートパイロットとして日本に来日します。
序盤は即戦力としてエヴァを操り、シンジとイスラフェル戦で完璧なユニゾンを決めて使徒を撃破!しかし、それ以降段々とシンクロ率をシンジに抜かれ、自信を喪失してし、アラエル戦では、精神を侵食され、封印していた過去によるダメージで自己を見失ってしまいます。
旧劇場版まではエヴァ操縦のシーンはないですが、覚醒したアスカはとても強く可愛く描かれています。漫画版のサードインパクト前には弐号機を操縦します。

アニメ版と漫画版の違い

K*Kさん(@03k_k19)がシェアした投稿

「あんたバカァ~?」に始まり、容姿端麗で活発明朗そして勝気と、綾波とは正反対のストレートな物言いと、時折見える脆さに一喜一憂させられます。式波(新劇場版)では、過去の経緯は描かれておらず、シンジに対して恋心を抱いたりと、エヴァシリーズで一番変化が判りやすいキャラです。
漫画版では加持に対して、一人の女として見て欲しいとアプローチをするなど、アニメよりも大人びているシーンが多く、補完される際も一途に加持を想い続けている等、シンジへの恋心に大きな違いがあります。

真希波・マリ・イラストリアス(新劇場版から)

EVA仮設5号機、2号機、8号機パイロット。『破』より登場する新キャラクター。
貞本先生による、最終巻の巻末の短編漫画「夏色のエデン」では、庵野監督の「新エヴァパイロットという極端な異物を放り込まないと『エヴァ』は大きく変わらないだろう」と言う想いを汲んだ上での、魅力的なキャラとして描かれています。

漫画の内容は、碇ユイの大学時代を描いたエヴァの短編で、赤毛の女の子が16歳で飛び級して大学に入ってきた天才少女として登場します。最初はメガネなしで出てきますし、名前も語られないので誰だか解らないままですが、最終的にユイを好きになったマリである事が明かされるお話でした。
ゲンドウの事を「ゲンドウくん」と呼んだりする点からも、大学時代の同期であった設定は年齢は予想外ですが、素敵だと思います。
昭和歌謡曲が新劇場版で唄われていたのは、年齢が他のチルドレンズとは違うかも、と言う示唆だったのかも知れないですね。勿論、新劇場マリと、夏色マリは別物であっても、アスカとは良いタッグを組んでいて段々と好きになっていった新キャラでした。

鈴原トウジ

14歳、エヴァンゲリオン3号機のパイロット(フォースチルドレン)に選ばれるが、パイロットとしての活躍よりシンジの学友であるシーンが多め。関西弁は兄妹揃っての特徴。
漫画とアニメと劇場版ではその最期が全く異なり漫画版では初号機とバルディエルに侵食された3号機が戦ったのち、エントリープラグ内で死亡が確認される。アニメ版では、左足を切断する大怪我を負い、その後シンジとの友情は描かれなくなる。新劇場版では、何とパイロットに選ばれません!妹を溺愛するシーンがあります。
鈴原さくら(妹)のみが、新劇場版Qにて存在が確認されており、トウジ本人の生死は不明。トウジの名前の刺繍が入った制服の半袖シャツがシンジに支給されている。

新世紀エヴァンゲリオン 登場人物/特務機関NERV(ネルフ)編

碇ゲンドウ

48歳、特務機関NERV最高司令官。碇ユイの夫で、シンジの実父、妻の姓である碇姓を使用しておりアニメ版~漫画版での旧姓は六分儀(ろくぶんぎ)。
席に座る際、顔の前で手を組むシーンが特徴で、ユイに対する愛情は、実の息子のシンジに憎しみ(嫉妬)をするくらいであったと、漫画では語られている。

K*Kさん(@03k_k19)がシェアした投稿

職業や生活面といった詳しい素性は不明なものの、悪い噂が絶えない人物で、傷害事件を起こし警察に留置された際、京都の大学で教授をしていた冬月を身元引受人に指定し初対面を果たす。この頃に赤木ナオコやユイと知り合っている。
ユイの死を機に、人類補完計画をゼーレに提案し推進者となり、「死んだユイにもう一度逢うこと」を究極的な目標とし続ける、その傍らで、赤木ナオコ、娘のリツコを愛人として傍に置き、利用していたことに驚きました。

冬月コウゾウ

60歳、特務機関NERV副司令官。趣味は将棋で、補完の際はユイの姿を見ている、恋と言うよりは、優秀なユイを見守る父親のような存在だったと思われる。
新劇場版『Q』においては、シンジを将棋に誘い、その席で綾波レイとシンジの母ユイとの関係、EVAの開発初期における秘密を語っており、旧作との違いなどをそこで明かしてくれる存在でもある。(ユイの旧姓が綾波であり、ゲンドウ姓が碇であった等、大きな違いがある)

葛城ミサト

29歳、新劇場版から出来る反NERV組織WILLE(ヴィレ)の艦艇「AAA ヴンダー」の艦長でもある。加持リョウジとは大学時代に恋人関係にあったが、父の面影を求めていると自覚して、別れている。
シンジを引き取った理由は、寂しい想いをさせないようにとの気遣いから、そして自分も父親との確執があったことも関係している様子。
加持と再会後、次第にNERV司令の碇ゲンドウや同僚のリツコの行動に対し疑念を抱き、加持とは徐々に関係を回復するものの、加持は抹殺されてしまう。彼の遺した最期の電話メッセージに号泣した後は、シンジに対し、親や姉、時には恋人のような面を見せながら、自分なりにNERVの真実に迫って行く。

加持リョウジ

30歳、特務機関NERV特殊監査部所属のスパイ。以前はドイツ支部にてアスカの保護責任者を務めており、彼女に随伴し来日した。ミサトとリツコとは大学時代からの友人で、ミサトとは恋人関係でした。一度は関係を断つが、同じNERV極東本部における同僚となり、徐々に関係は元へと戻り始めます。
第弐拾壱話のラストにて射殺されてしまうが、犯人は監督自身が明言しておらず、(ミサト説、他主要キャラ説だけは否定されている)ゼーレの手の者かあるいはNERVの諜報部員の仕業説が濃厚とされている。

赤木リツコ

30歳、肩書きは、特務機関NERV技術開発部技術局第一課所属。「E計画」担当・エヴァンゲリオン開発総責任者。スーパーコンピューターシステム「MAGI」の管理・運営担当者。『Q』より、反NERV組織ヴィレの艦艇「AAA ヴンダー」の副長。
赤木ナオコ(母)が作り上げた、スーパーコンピューターシステム「MAGI」の管理・運営担当者。加持やミサトとは大学時代からの友人で、ヘビースモーカー、コーヒーを愛飲している。
母が幼少の綾波レイ(一人目)を女性としての嫉妬から絞殺したのち、自殺したのを目撃し、「自分は女として生きない」と誓いつつ、母亡き後ゲンドウに力を貸して欲しいと懇願されてしまう、大人になると見方の変わるキャラです。

伊吹マヤ

24歳、特務機関NERV本部オペレーターで、階級は二尉。NERV本部技術開発部技術局一課所属。補完の際に描写されたのは、同性であり、憧れの先輩リツコ、新劇場版でも「これだから最近の若い男は」と、軽い舌打ちと共に男性嫌悪を顕にしている。

日向マコト

年齢不詳、特務機関NERV本部オペレーターで、階級は二尉。NERV本部中央作戦司令部作戦局第一課所属。ミサトと親密な関係にあるが、表立ってはいない。
サードインパクトが起きる前に、本部を自爆させてくれと頼むミサトが、「悪いわね」と告げるのに対し、「いいですよ、貴方と一緒なら」と答えています。

青葉シゲル

年齢不詳だが20代。特務機関NERV本部オペレーターで、階級は二尉。新劇場版:序ではNERV本部中央作戦司令部情報局第二課、新劇場版:破ではNERV調査部情報局第1課所属と部署が変わっている。
エレキベース一筋がゆえに補完の際、綾波レイが唯一、他人の姿を取らなかった。

新世紀エヴァンゲリオン 登場人物/その他編

碇ユイ

享年27歳、外見が綾波レイと酷似している。シンジの実母ゲンドウの妻。ゲンドウが人類補完計画を自分だけで完成させようと試みる理由の全てがユイにあります。公的には「EVA開発のための実験中の事故で死亡」とされているものの、実際にはEVA初号機に肉体ごと取り込まれて同一化している。
物語のキーパーソンであり、彼女自身が聡明な研究者であったことから、実は初号機には自らの意思で留まったのではないか、自分の亡き後、ゲンドウがシンジを守らない(守れない)ことを見越しての行動と言う考察も出来ます。

相田ケンスケ

14歳、第3新東京市立第壱中学校2年A組におけるシンジのクラスメート、軍事オタクでカメラマニア。常にビデオカメラを肌身離さず持ち歩いており、『序』においてもテレビ版と同じくシンジとの出会いと親交が描かれている。

洞木ヒカリ

14歳、ケンスケやトウジと同じく、シンジのクラスメートで、2年A組の学級委員長。同級生から「委員長」と呼ばれている、アスカだけがヒカリと呼び捨てで呼んでいる。
そばかすがチャームポイントで、トウジに対し恋心を抱いており、彼のために弁当を作ったが、その日に事故が起きてしまう。テレビ版では生還したトウジを見舞っているが、漫画版では彼の死を知らずに学校に戻るのを待ち続け、やがて気付いたらしくシンジとは疎遠になる。

渚カヲルとは

アニメの登場はたった一話(30分ほど)でありながら、エヴァを語る際に不可欠にも近い少年、渚カヲル。彼も初登場時は、エヴァンゲリオンパイロットですが、綾波レイ同様に過去の経歴などが抹消されており、唯一判っているのはセカンドインパクト当日が誕生日の15歳と言う点のみでした。
外見的特長は、アッシュグレイの髪と赤い瞳、極端に白い肌を持つ美少年とされています。

SEELE(ゼーレ)との関係

SEELEとはキール・ローレンツ(人類補完委員会議長にして秘密結社ゼーレのメンバー)を中心にしており、「老人たち」と、呼ばれている。当初は同じ目的で手を組んでいたが、物語が進むにつれてゲンドウの真の目論見を解し、切り札として渚カヲルをNERV本部へ送り込みます。
渚カヲルには、ゼーレによりサルベージされた「アダムの魂」に人型の男性の肉体が与えられています。極めて強力なA.T.フィールドを展開し、空中を自在に浮遊可能。またアダムの魂を持つがゆえに、魂のないアダムベースのEVAならば自在に操り、同化することが可能です。

使徒と人

K*Kさん(@03k_k19)がシェアした投稿

正体は第17使徒タブリスでありながら、その魂は第1使徒アダム本人のもの。そして与えられた器が人間を模していることから、シンジ達と会話での交流も可能だった点が、最後のシ者である渚カヲルの長きに渡る魅力だと思います。
アニメ版では「完璧なもう一人の碇シンジ」として描かれる反面、漫画版では、貞本先生もずっと暖めていたキャラであるため、「当初の構想から子供っぽいキャラクターとしてデザインし、無邪気なカヲルのイメージがずっと自分の中に強く残っていた」と、少年らしさの残るイメージです。
弐号機に乗って、零号機と共に出撃するシーンなど、漫画でのみパイロットの姿が見られます。

「生と死は等価値」であり「自らの死こそが唯一の絶対的自由」など、独自の死生観を持つのは、使徒であるがゆえ。しかし、シンジに対して友情を求めたり、「少しでも好きでいてくれるなら」と心を持つのは、人間である部分だと思います。
新劇場版では、『Q』でシンジと対面、旧作のユニゾン作戦を思わせるようなダブルエントリープラグで第13号機に乗り込みます。旧作よりも若干大人っぽく、シンジの首のDSSチョーカーを外して自らの首に付けたり、誰も教えてくれない世界の惨状をシンジに教えた上で励ますのが印象的でした。
最期はいつも、シンジに対し笑顔でいるものの、「死」を恐れないのは、カヲルだけであり、シンジはどのワールドでもカヲルとの出会いと死により、それを転として終結に向かうように思えます。

人間ドラマとシンクロしやすい主人公達(まとめ)

放送されたアニメは当初から話題を呼び、主人公が「ヒーローらしくない」と言う点の他、ある意味、等身大か、それ以上に深く抱えている闇を、キャラが各々訴えるエヴァンゲリオンは、リアルタイムで魅入った人が多いと思います。
子供も大人も、何かしらの生き辛さを抱えながら、全く異世界と判る場所でエヴァに乗り使徒と戦う。なのに何故こんなに胸が痛くなるのか、と歳を経る程に理解が深まり、考察も楽しくなる作品ですね。
アニメ・旧劇場版・漫画・新劇場版と根幹は変わらずとも、微妙に違った点を魅せてくれるエヴァシリーズ、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を心待ちにしながら、旧作を考察するのも楽しいと思います!
こちらの記事もオススメ!