四畳半神話大系の名言11選!可能性の数だけ人生がある!

原作・森見登美彦×監督・湯浅政明×キャラクター原案・中村佑介を筆頭に最強スタッフ陣のもと2010年にアニメ化された四畳半SF「四畳半神話大系」を皆さんはご存知であろうか。今回はこの「四畳半神話大系」より、僕なりの愛で選りすぐった11の名言をご紹介したい!

森見登美彦原作の四畳半SF!?四畳半神話大系とは

「四畳半神話大系」。それは、薔薇色のキャンパスライフを夢見て大学に入学した男子学生「私」が、たくさんの勧誘の中から自分が所属するサークルを選ぶところから物語が始まる。「あの時違うサークルを選んでいたら・・・」「はたまたどのサークルも選ばなかったら・・・?」「選択と可能性」によって四畳半に広がる無数の世界。狭くて広い四畳半世界に次々と展開されていくドタバタ四畳半SF作品

2010年4月から7月にかけて、フジテレビ『ノイタミナ』枠にて放送されたアニメ「四畳半神話大系」。「夜は短し歩けよ乙女」でも知られる森見登美彦の同名小説が原作で、監督は「ピンポン」「夜明け告げるルーのうた」等でも有名な湯浅政明、キャラクター原案には独特のタッチと色彩で人気の中村佑介と、豪華スタッフ陣で製作されたことでも話題なこの作品。
テレビアニメ放送後には、第10回東京アニメアワードテレビ部門優秀作品賞2010年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞している。ちなみに、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞がテレビアニメ作品に授与された事例は過去には無く、この「四畳半神話大系」への大賞授与が、創設以来初めてテレビアニメ作品に大賞が授与されるという快挙にもなった。

出典:http://yojouhan.noitamina.tv

四畳半神話大系に登場する名言11選!

「僕は貴方に出会って全力で貴方をダメにします」(小津)

「私」と同回生の謎の男・小津。「私」がどのサークルを選ぼうと必ず「私」の前に現れる小津は、「私」から「ひどく縁起の悪そうな顔をした不気味な男」と称され、その独特な見た目や笑い方から「地獄からの使者」「月の裏側の住人」「半魚人」「魂の契約をしにきた悪魔」などと散々に言われるが、実際その正体は不明である。
これは、そんな小津が「私」に向け放った言葉である。第一話でこの言葉を放って以降、毎話毎話、小津は現れては「私」にこの言葉をかけていく。その言葉の真意や小津が何を企んでいるのか全く以て理解できない「私」は、この言葉と小津の存在によって次第に苦しまされていく・・・。

「我々は運命の黒い糸で結ばれてるというわけです」(小津)

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「私」がどんな道を選ぼうと、どうしてか毎回「私」の前に現れ、「同志だ」と名乗っては「私」に助言や提案をし、「私」を振り回し続ける小津。ある日「私」がそんな小津に対して「どうして(私に)そこまでするのか」と尋ねたときの小津の返答がこれ。返答になっているようななっていないような、そんな小津のこの言葉はこの後さらに「私」の頭を悩ませていくことに。
ちなみに、「私」から「偏食家であるため顔色が悪く、三度の飯より悪行が好きな天邪鬼で他人の不幸をおかずに飯が三杯食える」とまで言われている小津だが、実は無意義な生活を送る「私」とは正反対の生活を送っている人物である。
多くのサークルや組織に身を置いて京都中に広い人脈と情報網を作り上げ、また、あらゆる面で立ち回りが巧みであり、時には、徐々にサークル内で居場所を無くしていく「私」をその持ち前の能力で助けたりもする。
小津は「私」と違い、キャンパスライフを存分に楽しんでいるのである。

「約束を果たしてください」(明石)

小津同様、「私」がどんな選択をしようと必ず何らかの形で「私」と関わりをもっていく明石さん。この「約束を果たしてください」という言葉は、そんな明石さんがひょんなことから出会った「私」に向け放つ言葉。
「私」は明石さんの言う「約束」が一体何のことなのかなかなか思い出せずにいるが、部屋に寝転がりふと目に入った「あるもの」でその約束を思い出すことに。

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表情も変えず物事を淡々とこなすクールな性格の黒髪の乙女・明石さん。「明石さんは休日何してるの?」という男性からの問いに「どうしてそんなこと答えなくてはいけないのですか」と返し、その場を凍らせてしまうほどのクールさである。
しかし、実は蛾が苦手、「もちぐま」(モチモチしたクマのキャラクター)が大好きという可愛らしい一面も持ち合わせており、蛾が額に止まった際は「ぎょええええええ」とものすごい悲鳴を上げ、もちぐまのマスコットを握って心身を癒すという不思議な姿も。
ちなみにこの「約束を果たしてください」という言葉、最終回まで覚えておくと・・・?物語のキーワードの一つとも言えるこの台詞、本作をご覧になるときはぜひ胸に置いたまま、最終回ラストシーンまで観進めていただきたい。

「好機はいつでも貴方の目の前にぶら下がってございます」(老婆)

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木屋町通で妖気を垂れ流している占い師の老婆が、どんな並行世界でも必ず(時には半ば強引にだが)現れる「私」に、毎回決まって助言としてかける言葉。「私」もこの言葉に何かを感じ、この言葉がその後行動を起こす際の原動力にもなるが、果たして「私」の思う「好機」は、老婆の言う「好機」と合致しているのであろうか。
尚、この老婆は「私」を占い助言したあと必ず料金を貰うのだが、アニメオリジナルで、話数を経るのに伴い料金も次第に上がっていく。第一話では「私」に料金として千円を要求していたが、第二話では二千円、第三話では三千円を要求するように。
また、助言も話数を経るごとに徐々に省略されていき、これにはさすがに「私」も、パラレルワールドのため過去にこの老婆から占ってもらったことはない(という設定)なのだが、話数ごとに上がる料金と省かれる助言には苦言を呈している

「旅に出る」(樋口)

賀茂大橋にて行われた自虐的代理代理戦争の引き継ぎを終え、城ヶ崎に「これからどうするのか」と問われた樋口の返答である。地球儀に待ち針を挿しながら常日頃読み耽っていた「海底二万海里」という本を読破した影響か、その目的は「とりあえず世界一周してくるつもり」なのだという。そのまま、英語が喋れるという口実で羽貫も世界一周に誘うが、羽貫からは「無茶言わないでよ、馬鹿馬鹿しい」と返されてしまう。
そしてその後、「私」に「修行の一環」として手に入れさせた幻の亀の子束子を再度「私」に託し、留守の間その部屋の掃除を頼んだうえで、樋口は一服ののち、風と共に消えていく。
ちなみに「自虐的代理代理戦争」とは、太平洋戦争以前から行われているくだらぬイタズラ合戦である。「不毛なイタズラに徹するべし」という暗黙のルールがあり、数年ごとに後輩を代理に立てて争いを続けてきたことからその名がついた。
樋口と城ヶ崎はその29代目にあたるため、正確には「自虐的代理代理代理・・・(×29)戦争」というらしいが、長くややこしい為「自虐的代理代理戦争」で通っている。次の代への引き継ぎは賀茂大橋にて、和解の会談は猫ラーメンにて行う慣習がある。

「乗ってきな。その前に、一杯温まるかい?お得意さん」(店主)

第五話。とある理由がきっかけで謎の宗教団体「ほんわか」や秘密機関「福猫飯店」の連中から追われていた小津と「私」。森の中を必死に逃げていた小津と「私」の前に現れたのはなんと、下鴨神社界隈に出没する屋台ラーメン「猫ラーメン」の店主だった。店主は驚く二人にこの言葉をかけ、ラーメンをご馳走しつつ二人の逃走の手助けをする。
普段から無口な店主は、二人を助けた理由について「樋口に頼まれたから」とだけ言うが、小津と「私」の逃走を手助けするだけでなく、森をひたすら駆け下りてきた二人の為に絶品の猫ラーメンまでご馳走するその姿には、視聴者みな思わず「カッコいい・・・」と漏らしてしまうこと必至である。

「七畳やら八畳やら十畳やらの部屋に住む人間は、本当に、それだけの空間を゛我が物゛として支配するに足る人間としての器があるのであろうか」(「私」)

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四畳半とは実に丁度良く、実に美しい・・・。「四畳半こそ私の世界の全てである」という信念(「私」曰く「客観的事実」)を持ち、自らを「四畳半主義者」と称する「私」が掲げた意見がこれである。
言われてドキリとする人も少なくないだろう。新しい家、新しい部屋を決める際、無意識に「広さ」も条件に入れてしまう自分がいるが、そうして選んだ部屋の空間全てを自分のものとして「支配」できているかと尋ねられると、なかなか首を縦には振れないものだ。
「四畳半主義者」としての「私」の主張はさらにこう続く。
「二畳でも綺麗な正方形になるけれどもそれでは手狭である。かと言って、四畳半より広い面積で正方形を作ると、今度は武田信玄の便所のように広くて下手をすれば遭難する」「我々人類に支配可能なのは四畳半以下の空間であり、それ以上の広さを求める不届き者はいずれ部屋の隅から恐るべき反逆に遭うことであろう」と。

「可能性という言葉を無限定に使ってはいけない」(樋口)

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「もっと有意義な生き方があったかも」。自分の今までの選択が正しいものであったのか次第に判らなくなってしまった「私」は、偶然か必然か丁度ご飯に誘ってくれた樋口にその気持ちをぶつける。「私は自分の可能性を信じてここまでやってきました。しかし何故だか心が寒い」「私が選択すべきはもっと別の可能性だったかも」
それに対する樋口の一言目がこれなのである。別の選択をしていたら今より良い生活を送っていたかもしれない。その可能性は無いわけではないが、だからといって、ただの「可能性」という、たいして当てにならないものに目を奪われ望みを託すより、今ここにいる自分以外の何者にもなれない自分を認め、今この自分としてどっしり構えて生きていけ。樋口はそう「私」に伝える。

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常に悠然と構えており、「私」には「自分は縁結びの神だ」と自称していたが、実は大学八回生。城ヶ崎と「自虐的代理代理戦争」という名のイタズラ合戦を繰り広げたり、自身を「師匠」と慕う小津らを招いて自室で闇鍋を催したりと、謎の多い男・樋口であるが、その言葉にはずっしりと重みがあるものが多い。捉えどころのない自由人である樋口が皆から慕われている所以は、ここにあるのかもしれない。

「ほんの些細な決断の違いで私の運命は変わる。無数の私が生まれる」(「私」)

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ある日突然、部屋から出られなくなっていた「私」。部屋を出ようとドアを開けると、そこには同じ四畳半の部屋が繋がっていた。どういう事か。ドアと対極に位置している窓を開けるとその先にも同じく四畳半の部屋が。壁を壊しても、天井を押し開けても、床を掘っても、そこにはただただ四畳半の部屋が続いていた
どうするべきか分からぬ「私」であったが、無限に続く四畳半の部屋が今いる自分の部屋とほぼ変わりないことに気付く。むしろこれらは全て自分の部屋である。しかし、どの部屋もどこかしら少なからず違いがあった。そう、これら延々と連なる部屋はすべて「私」が持っていた可能性の部屋、つまりパラレルワールドの「私」が暮らす部屋なのだった。

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この言葉は普段の生活の中でも当たり前のことであるが、しかし頭から抜け落ちていることでもある。日常生活の中で何かを選ぶとき、行動をするとき、率直に「重要だ」と思うことでなければ、なかなか考えることもしない。「何も選ばなかった自分」「違う方を選んだ自分」「行動をしなかった自分」「行動しかけて止めた自分」。
少しでも何かを決めた瞬間に、パラレルワールドには無数の自分が生み出されるのである。

「不毛と思われた日常はなんと豊穣な世界だったのか」(「私」)

部屋から出ることが出来なくなって経過した時間は如何ほどか。もう数えきれない期間この四畳半の部屋から出ておらず、誰とも話していない「私」は、孤独の極限に立っていた。そんな中で「私」は、自分が今まで「不毛だ」と思ってきた日常に憧れを抱いていることに気づく。そして思わず出た、この言葉である。
「もしこの部屋から出られたら」。「カフェのパスタを食べ、猫ラーメンをすする。銭湯の広い湯船に浸かり、河原町で映画を観る。書房の親父とやり合い、大学で講義を聞くのも良い。樋口に弟子入りして、羽貫に連れ回され、城ヶ崎の映画製作に付き合い、秘密組織にも身を置いてみたい」。そう、これらは全て、「私」が今まで自分で成し遂げた上でうんざりし、後悔の念を押し付けてきた生活だったのだ。

「ありもしないものばかり夢見て、自分の足元さえ見てなかったのだ」(「私」)

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今まで自分の過ごしてきた生活が如何に充実したものだったのか、身を以て感じた「私」がつい漏らした心の声がこれだ。「薔薇色のキャンパスライフ」を夢見て送りつつも全て不毛に終わったと思ってきた生活自体が、孤独の境地に立ってしまった今考えると、実はかけがえなく、とても尊いものだったのだ。「私」は流れるようにこの言葉をこぼす。
テニスサークルに所属しては小津と共に人の恋路を邪魔する「黒いキューピット」として名を馳せ、映画サークルに所属しては城ヶ崎の告発映画を作ることに奮闘する。サイクリング同好会に所属してはママチャリでレースを走ることになり、樋口師匠に弟子入りしては城ヶ崎とのイタズラ合戦に明け暮れ。あるいはソフトボールサークルに所属しては怪しい健康食品に浪費し、英会話・ヒーロー・読書と三つのサークルを掛け持ちすれば女性トラブルに巻き込まれ・・・。
どの道を選択しても散々だと思っていた日々が、今の「私」にはどの自分も十分にキャンパスライフを謳歌しているように見えるのだった。

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我々の生活の中にもこれは起こり得るかもしれない。人間はつい高い理想を追い求めてしまう。それ自体が悪いこととは思わないし、むしろ理想高くあった方が生活は充実するだろう。しかし、理想ばかりに執着しているのではなく、たまにはふと自分自身の今を俯瞰で見る事も大切なのかもしれない。

「四畳半神話大系」で青春の迷宮へ飛び込め!

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さて、いかがだったであろうか。多少熱くなってしまった部分もあったが、名作アニメ「四畳半神話大系」より選りすぐった11の名言が、「四畳半神話大系」という作品に興味を持つ、作品を観る・読むきっかけとなっていたらこれ以上のことはない。また、既に観たことあるという方には、もう一度観返してみようと思っていただけたならこの上ない気持ちである。
この「四畳半神話大系」は、「私」が大学に入学してサークルを選ぶところから物語が始まるが、大学のサークルだけでなく、高校や中学時代の部活に置き換えても共感できるものであろう。「あの時違う部活に入っていたら」と一度でも考えたことがある人も多いのではなかろうか。また、仕事や恋愛においても、「違う職場を選んでいたら」「違う人を好きになっていたら」と考えてしまう人もいるだろう。

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そんな時はこのアニメ「四畳半神話大系」を是非観てほしい。同じく悩める男子学生「私」が、青春の迷宮で悔い悩み葛藤しながら必死に正解の選択を探してもがいている姿がそこにはあるはずだ。
現実世界はこの作品のように、時を戻せたり別の選択をしている自分を見られたりなんてことは出来ないが、「今は今で、別の選択をしたパラレルワールドの自分から見たらかけがえのない今なのかもしれない」と感じていただけたら嬉しい限り。あるいは、「私」と一緒に青春の迷宮で彷徨うのも、悪くないかもしれない。