映画「蒼き鋼のアルペジオ」DC・Cadenzaの魅力&見どころをネタバレ紹介!

Ark Performanceによって描かれる漫画『蒼き鋼のアルペジオ』は、アニメ化に続き2015年には劇場版も公開されました。少年画報社創立70周年記念作品として製作された『DC』と『Cadenza』について、その分厚いストーリーが秘める主題を考慮しながら、活躍する艦隊の魅力を伝えたいと思います。

海戦物語『蒼き鋼のアルペジオ』とは?

海上で繰り広げる艦隊バトル

『蒼き鋼のアルペジオ』は、広大な海を舞台に人類と霧の艦隊が熱い戦いを繰り広げる、艦隊を取り扱った物語です。西暦2039年、海面上昇の危機に瀕していた人類の前に、突如として謎の艦隊(通称:霧の艦隊)が現れます。
霧の艦隊は人類から海と、航空の自由と、通信の手段を奪い、その影響で世界は疲弊してゆきます。ここで、何故に霧の艦隊は人類に対して酷い取り締まりをするのか、という疑問が湧きますが、基本的にこの点は深掘りされません。
人類への抑圧を記す『アドミラリティ・コード(失われし勅命)』が霧の行動原理・存在理由であると語られはしますが、このコードに関しても、何処で誰が何の為に生み出したのか等の詳細は不明です。

『蒼き鋼のアルペジオ』の登場人物を紹介

千早群像(ちはやぐんぞう)について

主人公である群像は、海戦の戦術や総監を学ぶ『海洋総合技術学院』の幹部候補生で、年齢は18歳です。優秀な人材で、学院での成績は総合2位でしたね。“停滞した今を打破する力が欲しい”と日々考える、芯の通った人物です。
ある日の学院で潜水艦・伊401号に触れたことがキッカケで、この艦艇の艦長となります。クルーに学院の同級生たちを数人従えて、独立勢力『蒼き鋼(蒼き艦隊)』として海へと出奔します。ここから旅が始まるわけです。
人類のため、そして霧の艦隊との相互理解のために海上を駆け巡り、時には火花バチバチの艦隊戦に身を投じる群像ですが、戦闘時には総員に的確な指示を飛ばし、クレバーな戦術を光らせるイケメンです。

イオナについて

イオナは、元々は霧の艦隊に所属していた艦艇『イ401』の事で、普段はメンタルモデルとして姿を顕現しています。メンタルモデルとは、人間と意思疎通を交わして情報共有を行うために形成された人型のインターフェースです。
銀色の長髪で小柄なので、可愛らしい印象を受けますね。蒼き艦隊に所属の、元“霧”の艦隊 東洋方面第二巡航艦隊 旗艦 大戦艦ヒュウガの装備補強のおかげで、潜水艦でありながら『超重力砲』を使えます。
多くの霧がアドミラリティ・コードに従うことを使命とする中で、イオナは群像の命令に従うことを使命とする、特殊な存在として描かれています。霧が自らの意志で行動する未来を望んでいて、健気ですね。

重巡洋艦タカオについて

タカオは、メンタルモデルが蒼髪スレンダー美女の重巡洋艦です。群像一味が海を渡り、横須賀に向かう際に行く手を阻みました。戦いは白熱しましたが、最後はイ401の超重力砲が決め手となってタカオは敗れましたね。
この戦いで、タカオは艦に人間の艦長を連れていると戦術の幅が広がるということを思い知らされ、自身を打ち負かした群像に、強い憧れを抱くようになりました。以降は霧本来の使命から外れ、蒼き艦隊に仲間入りします。
ツンデレで、分かり易く群像に恋しているのが可愛らしいです。総旗艦直衛艦隊諜報部隊のイ400・イ402に群像とイオナが沈められた時は、急いで救出に駆けつけたタカオでしたが、その際に瀕死の群像に献身するイオナを見て割り込む隙が無いと自覚します。

大戦艦キリシマについて

キリシマは、霧の艦隊:東洋方面第一巡航艦隊の大戦艦です。大戦艦ハルナと共に、横須賀急襲で蒼き鋼と交戦しました。群像らの巧みな戦術を受けて押され気味の時でも、スリルを楽しむ余裕を見せていました。
アニメではタイミングよく侵食魚雷を撃ち込まれ、横須賀での戦いに敗れましたね。厳しいバトルを終えた後は、刑部邸に住む刑部蒔絵(おさかべまきえ)という少女に保護されます。キリシマ、ハルナ、蒔絵の三人は次第に打ち解けて友達になりましたね。
横須賀での戦いでキリシマはかなり消耗し、メンタルモデルと艦を失って言わば心臓である『ユニオンコア』のみの状態となりました。しかし、蒔絵が愛でるクマのぬいぐるみ『ヨタロウ』を仮の身体として活動を続けます。

映画版『蒼き鋼のアルペジオ』の観る順番は?

1作目『蒼き鋼のアルペジオ–アルス・ノヴァ– DC』

劇場版『蒼き鋼のアルペジオ–アルス・ノヴァ– DC』は2015年、1月31日に公開されました。内容構成は、前半でテレビシリーズの総集編として『蒼き鋼のアルペジオ–アルス・ノヴァ–』を振り返り、後半で新たなストーリーが展開される形です。
総集編で、蒼き艦隊がこれまでに辿ってきた道のりの雰囲気を掴めるようになっているので、『蒼き鋼のアルペジオ』に詳しく無い人でも、楽しんで映画版を観られると思います。DCとは、ディレクターズ・カットのことです。
新ストーリーでは霧の生徒会が登場しましたね。東洋方面第一巡航艦隊“霧”の生徒会長である大戦艦ヒエイは、腕章を付けて眼鏡をかけていて綱紀粛正を掲げる、いかにも生徒会長という可愛いキャラクターでした。

2作目『蒼き鋼のアルペジオ–アルス・ノヴァ– Cadenza』

劇場版『蒼き鋼のアルペジオ–アルス・ノヴァ– Cadenza(カデンツァ)』は、2015年の10月3日に公開されました。アニメオリジナルで展開されたストーリーが、Cadenzaでいよいよ完結を迎えます。
ここでは、霧の艦隊の超戦艦であるムサシが、群像の父親である千早翔像(ちはやしょうぞう)を引き連れて登場します。群像は父が霧側についていることに驚きますが、この翔像はムサシが作り出した幻影です。
Cadenzaでは、イオナは何故に特別で群像と出会うことになったのかが明かされます。総旗艦ヤマトと超戦艦ムサシの擦れ違いが原因なのですが、この辺りの話は奥が深いと思います。謎が解消されるのはスッキリしますね。

DCの熱い見どころを紹介!

大戦艦ヒエイとの海戦

DCの見どころは、やはり大戦艦ヒエイとのバトルだと思います。アドミラリティ・コードに従順なヒエイは、霧の務めを果たさないイオナを概念伝達を使って生徒会室に呼び出します。概念伝達とは、メンタルモデルが用いる通信システムのことです。
ヒエイは、慕っていた大戦艦コンゴウがアドミラリティ・コードから逸脱した行動をとるようになったのはイオナが原因であるとして、イオナを敵視しています。イオナに全機能のコントロールを委ねるよう迫りますが、交渉は決裂しましたね。
そして、ヒエイとの海戦が幕を開けます。蒼き艦隊の戦闘パターンを読みきっていて群像らは苦戦を強いられますが、最後は超重力砲を放ってヒエイを倒しにかかります。しかし、ミラーリングシステムで相殺され、勝負はお預けになりました。

Cadenzaのおすすめポイントは?

霧の生徒会との決戦

ウラジオストクでのムサシとの会話で、イオナがデュアルコアなのはヤマトが果てる間際にコアを譲ったからだと判明します。潜水艦なのにメンタルモデルを形成可能なのは、言わばヤマトのおかげなんですね。
Cadenzaの魅力ポイントは、ダイオミード諸島での霧の生徒会との決戦だと思います。イオナが総旗艦ヤマトのバックアップである事に悩み不調の為、群像らは海底峡谷に潜みつつ航行し、霧の生徒会の目をかいくぐろうとします。
しかし、失敗し戦闘は始まります。圧倒的火力の前になす術もなくダメージを蓄積するイ401ですが、そこに救援者が登場するんですね。タカオとヒュウガ、ハルナとキリシマ、そしてコンゴウまでもが駆けつける展開は胸熱です!

劇場版『蒼き鋼のアルペジオ』の評価

全2作で上々の満足度

劇場版『蒼き鋼のアルペジオ』は、評価が非常に高いですね。3DCGアニメーションとして素晴らしく高いクオリティーを誇っていて、全てが滑らかに動く映像美に思わず圧倒されます。艦隊のつくり込みも凄いです。
厚みのあるストーリー性と迫力の艦隊バトルが、高評価を得た鍵だと思います。兵器である霧の艦隊が感情を持ち始め、メンタルモデルとして葛藤する姿の描写や、人類の在り方を考えさせる場面は深みがあって良いです。
バトルのほうも、3DCGならではの臨場感があって、観ていて飽きることがありません。戦術や指揮が光るのも、艦隊モノの欠かせない特徴ですね。コアなファンで無くとも、充分楽しめると思います。

『蒼き鋼のアルペジオ』で艦隊にハマる!

それぞれの艦に独自の個性が光る

『蒼き鋼のアルペジオ』には様々な艦隊が登場します。そのどれもが独特の個性を持っていて、得意分野や武装が異なることに気がつけるでしょう。火力が高い艦があれば索敵に優れる艦もあり、豊富な種類を楽しめます。
そして、メンタルモデルという人型インターフェースの登場により、艦の思考・嗜好・アイデンティティが見事に表現されています。そのおかげで、ファンとしてはお気に入りのキャラクターを探す楽しみが得られますね。
前に進み続けることの重要性を教えてくれる『蒼き鋼のアルペジオ』は、意思についても考えさせてくれる傑作です。魅力的なキャラも続々登場しますので、話の展開から目が離せませんよ!