金田一少年の事件簿は『上海魚人伝説』が最高傑作である3つの理由

金田一少年の事件簿の実写映画版、上海人魚伝説は他のシリーズと比べても金田一史上最高傑作です。今回は私が最高傑作だとおもっている3つの理由を書かせていただきます。

雑技団を襲った悲劇。金田一達が訪れた上海で出会ったレイリーとシャオロンとは?

実写劇場版、金田一少年の事件簿 上海魚人伝説は、1997年12月から上映され、当時放送していたTVドラマ版金田一少年の事件簿、第1.2シリーズの完結編として映画化された作品です。監督は、実写版20世紀少年三部作、ドラマ版世界の中心で、愛を叫ぶを手がけた堤幸彦がドラマ版第1.2シリーズから引き続き担当しています。

主演は第1シリーズからの面々で、主人公の金田一一を堂本剛、ヒロインの七瀬美雪をともさかりえ、刑事剣持勇を古尾谷雅人がそれぞれ演じており、1998年度第16回ゴールデングロス賞優秀銀賞を受賞しています。

シリーズ初の海外撮影の作品で、ドラマの第1.2シリーズで登場した不動高校の面々等は今回はメインキャストではなく、全く新しいゲストキャスト達が登場します。

楊 蕾麗(ヤン・レイリー)

実写映画版 金田一少年の事件簿 上海魚人伝説でヤン・レイリーを演じたのは女優の水川あさみです。水川は映画の出演はこの作品が初出演で、それまではCMやTVドラマで活躍をしていました。

水川の出演する主な作品は、TVドラマなら、僕達がやりました(2017年7月~ 立花菜摘役)や、のだめカンタービレ(2006年10月~ 三木清良役)、映画なら太陽の坐る場所(2014年10月公開  高間響子役)や、渋谷怪談(2003年 八島リエカ役)などがあげられます。

主演、金田一一役の堂本剛とは、この映画をきっかけに知り合い、その後もとても中のいい友人関係を築いています。仲がよすぎて一部熱愛等のうわさがありましたが、本人同士は堂本曰く絶対無理やからなと一方的に言われたらしく、お互い気の合う異性の友人という立ち位置に居るようです。

楊 小龍(ヤン・シャオロン)

レイリーの兄、ヤン・シャオロン役を行ったのは台湾の俳優 チャールズ・チェンです。1985年日本絵も大変人気のあった作品、幽幻道士シリーズのチビクロ役でデビューし、台湾のTVドラマや映画で多くの活動をしています。

この上海魚人伝説以降は日本ではあまり活動をしていませんが、同じ台湾出身の女優ビビアン・スーよりも以前に日本で活躍した俳優として台湾では知られており、この作品以降は映画をはじめTVドラマやバラエティ番組、舞台、そして映画などのアクション場面の武術指導などを行うなど精力的に活動している様子です。

上海人魚伝説の魅力①巧妙に作り上げられた殺人劇

上海魚人伝説がとてもよく出来ている理由の1つとして、巧妙に作り上げられた殺人トリックがあげられます。

原作版では文通相手のレイリーの元へいきなり美雪と金田一が尋ねるというストーリー、実写映画版では二人の父であり雑技段の団長ヤン・ターレンが何者かに殺害され、その犯人に兄シャオロンが疑われているので助けてくれという趣旨の手紙が美雪の元に届いたところから物語が始まります。

アニメと実写映画版ては呪いの歌の内容ストーリーに違いがあるため、今回は実写映画版のみ紹介とさせていただきます。

第一の殺人 春

一、美雪が上海に訪れる前、レイリーが美雪に手紙を書くきっかけとなった第一の殺人、春。昔、雑技団のトップ女優だったヨウ・スーランの霊を治めるために設置されたお堂から、春夏秋冬と額にかかれた4つの仮面がなくなっており、第一の殺人では一番目の仮面、春が遺体に装着された状態で見つかりました。

遺体はスーランが自殺する直前、呪いの歌を忘れるなと言った呪いの歌の内容に沿うように左耳がそぎ落とされており、見立て殺人だというのが伺われます。スーランの自殺の原因となったのは、硫酸の混ざった化粧水を使用し顔の半分が焼け爛れてしまった事が理由とされており、春の殺人をきっかけにスーランの呪いだといううわさが実しやかに囁かれます。

スーランの呪い歌

今回の上海魚人伝説の最も重要なキーワード、スーランの呪い歌は以下のとおりです。(日本語訳)

体は魚に食べられてしまっても
深い海の底で魂は叫び続ける
春の雷で左耳を削ぎ
夏の炎で舌を引抜き
秋の嵐で右眼を抉り
冬の寒さで肌身を焦がし
劇場を天の炎で焼き尽くし
ようやく死者の恨みは報われる

スーランが自殺する直前に忘れるなと言い残したこの呪い歌になぞらえられて殺害された遺体はスーランが魚人遊戯で使用していた仮面が装着されており、今回の一連の殺人劇の最も重要なキーワードとなっています。

第2の殺人 夏

春の次には夏が来る。一、美雪が劇場に忍び込んだ後にスーランの写真の上に立てかけられた紙には第2の殺人を示唆するようにそう書かれていました。殺人事件の後と言うことで、中国公安による厳重な持ち物検査が行われた後に始まったショーでしたが、魚人遊戯に出演するマルチナの姿はなく、変わりにレイリーが魚人として出演しました。

しかし、魚人遊戯の演目の最中に夏と書かれた仮面をつけ舌を抜かれたマルチナの死体が水槽に落下してき、ショーは取りやめになり、公安の捜査員達が凶器の捜索をしますが、殺害に使われたデリンジャーという銃は見つかりませんでした。

マルチナ殺害時と遺体出現時にアリバイのないのはシャオロンだけだったことから、殺害事件の容疑として、シャオロンが公安に連行されそうになりました

第3の殺人 秋

第3の殺人、秋の仮面を被ることになったのは、雑技団のプロテゥーサー藤堂壮介でした。第2の殺人以降、共に逃亡していた一とシャオロンでしたが、第1の殺害の被害者のターレンの生家で窃盗団に関する手がかりを得て、藤堂と話をする為に上海に立ち戻ることになります。

しかし、タイミング悪くそこでは第3の殺害が行われた直後で藤堂はすでに撃ち殺され、右目がくりぬかれていました。現行犯として逮捕されそうになったシャオロンを助ける為、一はもう一度だけショーを見せてくれと頼みます

上海人魚伝説の魅力②個性豊かな登場人物と背後に隠された7年前の真実に迫る

(まだ見たことない方のために”犯人”の部分をぼかした説明になります。)

再度公演を見た一は、ついに真犯人と対峙します。事件の背景には7年前、日本の新潟で起こった父娘の失踪事件がありました。窃盗団としての裏の顔を持っていた藤堂とマルチナは、7年前の日本公演の時にも窃盗を行い、その際に一人の男性をひき殺してしまいます

その現場に偶然居合わせた当時まだ幼かった犯人は、藤堂とマルチナの二人に復讐をする為に雑技団に入り復讐計画を長い間練っていました。そして、第一の犯罪だと考えられていた春は、実は団長ヤン・ターレンの自殺だったことが明らかになります。

窃盗団への罪の意識と藤堂の恐喝、その二つに長い間苦しんだターレンは拳銃で自殺し、その死体を見つけた犯人兼ねてから計画していた殺人劇を実行に移しました。

上海人魚伝説の魅力③そして物語の終焉へ・・・血に濡れた告白の行方とは・・・

全ての真実が明るみに出てナイフで自殺を図った犯人でしたが、それを止めに入ったシャオロンの腹部を誤って刺してしまいます。長く、苦しい雑技団の生活に耐えられたのは、復讐心だけではなくシャオロンが傍に居たからで、なぜシャオロンを助けようとしたかという犯人の心の中までも一は暴き、シャオロンは自身の心の内を犯人に伝えました。

シャオロンは救急車で運ばれ、一、美雪、剣持は日本に戻ります。日本に戻ってきてからシャオロンから届いた手紙を読みながら音楽を聴いている一に、美雪は聞こえないことが分かっていながら親の転勤で転校することと、ずっと一が好きだったことを告げて立ち去ろうとします。

しかし立ち去る美雪の背中に投げかけられた言葉は、俺もだという告白への返事でした。

金田一少年の事件簿最高傑作、上海人魚伝説をみてもう一度はじめと美雪に会いに行こう!

ここまで読んでくださりありがとうございます。今回は実写第1.2シリーズの映画版金田一少年の事件簿 上海魚人伝説について書かせていただきました。

1997年当時、大人気のシリーズだった実写版金田一少年の事件簿、その締めくくりとして発表された映画は私も劇場に見に行きました。第1.2シリーズがドラマで放送されていた当時はまだ学生だったのですが剛主演の金田一か光一主演の銀狼か(当時は銀狼怪奇ファイルというドラマも放送されていました)でよく議論がされていました。

2017年8月現在、金田一少年の事件簿第1.2シリーズで主演を勤めた堂本剛は突発性難聴の為に芸能活動を中止していますが、復帰してくれることを願いつつ今一度金田一少年の第1.2シリーズを見直してみてはいかがですか?