【四畳半神話大系】四畳半SFアニメを語る四つのポイント!

四畳半に住む主人公の平行世界を描いたSFドタバタコメディアニメ「四畳半神話大系」。その中毒性のある物語には4つのポイントがあります。作品の魅力と共にそれらのポイントをご紹介していきます。

これが本当の四畳半SF!四畳半神話大系とは

人気の小説家「森見登美彦」さんによる小説を原作とし、フジテレビ系列のノイタミナ枠でアニメ化した作品が、今回ご紹介する「四畳半神話大系」です。
主人公は四畳半の部屋に住み悶々と過ごす大学生です。この主人公は各話の最後に毎回、その回の話で自分がとった行動の選択を後悔し、「あの時に別の選択をしていれば・・・」と嘆きます。すると時計台の針がグルグルと回転し、物語が逆再生され、そのままエンディングの曲へと入り番組は終わります。そして次の回の話では、その時とは別の選択をしていた自分の世界の話がはじまるという、いわゆるループもの平行世界ものを四畳半を中心に描いた四畳半SFアニメです。

ポイント①趣向を凝らした細かな伏線に脱帽!

四畳半神話大系というアニメーションは全11話の物語です。その第1話めから、作中には様々な演出シーンが盛り込まれているのですが、それらそれぞれが、ただの演出ではなく全て(ほとんど)が細かな伏線になっているんです。
話を重ねるごとに「あれ?これって?」という場面に出会います。新しい回の話であっても、既にアイテムや人物などが伏線として過去の話に登場していることが多々あります。そして全ての伏線は最終話の11話へとつながっていき、回収されます。この見事に計算され尽くした演出は正に脱帽です。

ポイント②監督は奇才、湯浅政明

四畳半神話大系のアニメーションの監督を努めたのが、その独特の作風から天才・鬼才と誉れ高い「湯浅政明」監督。「ちびまる子ちゃん」や「クレヨンしんちゃん」といった国民的アニメの原画や各話の作画監督などを経て、2014年に漫画原作のアニメ「マインド・ゲーム」で映画監督デビューをしました。
そのマインドゲームと、この四畳半神話大系で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を二度受賞しています。

ちなみに湯浅監督と言えば、永井豪先生の画業50週年記念として来年の春に全世界に同時ストリーミング配信されることが決まっている「DEVILMAN crybaby」の監督も務めています。アニメ好き、漫画好きな方なら注目の作品ですよね。

ポイント③セリフの圧倒的物量に出演声優の演技力が覚醒!

四畳半神話大系を初めて見た時に誰もが驚くことは、ナレーションと主人公の膨大なセリフ量の凄さです。怒涛の如くに押し寄せてくる言葉の波は正に圧倒的。
私は自分自身も含め、周りには早口な人などがいないので不慣れなこともあり、最初にこの四畳半神話大系を見た時は、「何?何?なんて言ってんの?」という感じで、ほぼ理解できませんでした。それくらいの凄さです。もちろん慣れてくれば、すんなりと耳に入ってきます。そして何やらクセになってしまいます。

その膨大な量のセリフやナレーションをこなしているのは「浅沼晋太郎」さん。
ご本人のインタビュー記事を読むと、オーディションでどれくらい早口ができるかと問われたのは初めてだったそうです。お経のように抑揚なく、しかも早口で、滑舌も良く喋るというのはプロの方でも、なかなかに大変なようで、浅沼さんも当初は苦労したようです。しかし最終的には尺が余るくらいに早くなり、逆に早口になり過ぎないように気を付けたと語っており、正に浅沼さんのその演技力が覚醒した役柄だったのではないでしょうか。

ポイント④登場人物は全員変人?

四畳半神話大系はその登場するキャラクター達の誰もが魅力的で、ある意味でみんな変人とも言えるほどに個性が豊かです。ということで、ここではその登場人物たちのポジションや性格、主なエピソードなどをご紹介していきます。

『私』:主人公/ナレーション

主人公であるのがこの「私」です。作中では名前は明かされることがなく、一人称の「私」(セリフでは俺の場合もある)で表されます。「薔薇色のキャンパスライフ」に憧れており、「ふはふはあとしたことで頭がいっぱいの黒髪の乙女」が理想の女性。

リア充な生活を夢見ているものの、プライドの高さや考え過ぎる性格から、常に好機を逃してアホなキャンパスライフに走ってしまい、そんな無為な日々を過ごしている自分に悩んでいるという男の子。

『ジョニー』:私の本能的な部分(息子のメタファー)

そしてそんな「私」の本能を表すキャラクターが「ジョニー」です。「私」の息子部分に当たる部位のメタファーであるとも言えます。

『明石さん』:クールビューティーなヒロイン

主人公と同じ大学で1コ下の後輩の女の子が、常に表情を変えることがないクールビューティーな「明石さん」です。その見た目の可愛さから好意を寄せてくる男子はいるものの、舌鋒鋭い対応で全て迎撃。言いよる男子みんなを凍りつかせます。
しかし「私」と二人きりで会話している時に見せる笑顔などは最高の可愛さ。

ツンデレというよりは、基本ツンな明石さんですが、そのキリリとした表情も素敵で男女問わずにファンが多い魅力的なキャラクターと言えます。しかしそんな彼女にも弱点が・・・。

その明石さんの弱点とは「蛾」です。まあ、一般的にも蛾が得意な女性はいないと思いますが、明石さんは蛾に遭遇すると「ぎょええええええ!!」と、我を忘れて取り乱し、常に持ち歩いている「モチグマン」のぬいぐるみをモニュモニュと握ることで落ち着き、平静を取り戻します。
そんな普段のクールな姿とのギャップもまたファンを虜にする要素と言えるでしょう。

ちなみに私が個人的に好きな明石さんのシーンは、第一話で焼肉を頬張っている時のシーンです。まるでリスのようにホッペを膨らませて食べている姿にキュンとなってしまいました。

『小津』:私の悪友(裏のヒロイン)

「これが小津とのファーストコンタクであり、ワーストコンタクでもあった。」でお馴染みなのが、「私」のあらゆる平行世界で関わってくる悪友の「小津」です。そのインパクトある見た目は、「地獄からの使者」や「月の裏側の住人」などと称され、「あなた酷いことを仰る。ご安心下さい。ボクはあなたの同志ですよ。」と「私」に近付いてくるのがパターン。
大学内で巻き起こる様々な事件や悪事の裏側にいる黒幕的な存在とも言えます。しかし実はそこにはある意図が・・・。

そんな小津ですが、最終回となる11話では普通の顔で登場します(第7話でも一瞬だけ普通の顔で登場している)。悪魔的な風貌からは一変。普通の男の子ですよね。

その際には逆に「私」が、それまでの小津のような悪魔的な風貌になります。その意味とは!?是非、ご自身で鑑賞して確かめてみて下さい。

『樋口清太郎』:京都大学の8回生の自由人

浴衣姿のこの人物は「樋口清太郎」。なんとなく一休さんに登場する新右衛門さんぽいですが、それはアゴのせいでしょうか。
この樋口は初登場時には下鴨神社の神である「賀茂建角身命」と名乗り、恋愛成就の神であると「私」に告げます。ただならぬ風貌から「私」はその言葉をなんとなく信じてしまいますが、実はただの大学8回生。とは言っても常人ならざる気配は仙人の如き雰囲気を醸し出しており、小津などからは「師匠」と呼ばれています。

『羽貫涼子』:歯科衛生士の呑んだくれ女子

小津が通う歯医者さんの歯科衛生士であるのが「羽貫さん」こと「羽貫涼子」です。「私」と同じ英会話サークルに所属しており、感情に身を任せたフィーリング頼みの英文ながらもその英会話能力は高く、「私」も好意的な気持ちを持っています。また、樋口の彼女でもあり、歯科医師の窪塚にセクハラを受けているセクシーな女性です。

ちなみに個人的には「明石さん」よりも「羽貫さん」がタイプです。羽貫さんはお酒が好きなものの親しい間柄の人としか呑みには行かないようにしており、「私」はまだ呑みに誘われたことがないお茶飲み友達。

羽貫さんが、なぜ親しい間柄の人としか呑みに行かないのかというと、酔っ払うとスキンシップが激しくなり、相手の口に指を突っ込んだり、顔を舐めたりするからです。遂に羽貫さんと呑んだ「私」もその洗礼を受け、ジョニーとの葛藤に苦しみます。羨ましいですね・・・。

『城ヶ崎マサキ』:京都大学の8回生でイケメン(だけど変態)

京都大学の8回生であり、映画サークル「みそぎ」の部長でもあるのが「城ヶ崎マサキ」です。樋口とは自虐的代理代理戦争を繰り広げています。そんなイケメンの城ヶ崎先輩は女子からも人気がありますが、実はかなりの変人。・・・というか変態です。
女性の胸が大好きで、「私」や小津からは「おっぱいドランカー」、「おっぱいジャンキー」、「おっぱい独裁者」などと言われています。また極度の潔癖症で一般の女性に触れられた際には、その箇所を必至に洗い流したりもしています。そんな潔癖症ゆえに、城ヶ崎先輩は生身の女性ではなくラブドールの「香織」を愛しています。

『香織さん』:城ヶ崎の寵愛を受けるラブドール

この清楚で気品ある美しい女性。この方が実は城ヶ崎先輩の寵愛を受けているラブドールの「香織さん」。つまり、お人形さんです。

ひょんなことから、この香織を預かることとなった「私」は、羽貫さんと香織さんと樋口恵子さんの三人の女性への気持ちで揺れ動き、第7話では香織さんと駆け落ちをしてしまいます。しかし現場に駆け付けた城ヶ崎先輩が、「チェストー!」と飛び蹴りをくらわせ、「私」の間違った愛は終わります。

『相島』:福猫飯店店長/図書館警察長官

表では映画サークル「みそぎ」で、城ヶ崎の右腕となる副会長。裏では図書館警察の長官であり、福猫飯店(秘密組織)の店長であるのが「相島」です。

『老婆』:木屋町の占い師

木屋町通で怪しげな妖気を垂れ流している「老婆」。毎回、「私」に「好機はいつでもあなたの目の前にぶらさがってございます。」と告げ、占い料金をぶんどります。

『モチグマン』:明石さんが持っているぬいぐるみ

明石さんがいつもカバンにぶら下げているのがこの「モチグマン」のぬいぐるみです。5匹で一揃えになっていますが、その内の白い一匹を明石さんは失くしてしまっています。それを拾った「私」の四畳半の部屋の電球の紐に、その白いモチグマンがいつもぶら下がっています。

こちらは商品化もされているようですので、欲しいと思った方は調べてみると良いでしょう。

あなたも少しフシギな四畳半迷宮へ…

四畳半神話大系はオープニングとエンディングの曲も秀逸です。OPはアジカンの「迷子犬と雨のビート」、そしてEDはやくしまるえつこの「神様のいうとおり」。これがまた世界観にとても合っていて私も大好きです。そんな四畳半神話大系を観て、あなたも不思議な平行世界の四畳半迷宮に足を踏み入れてみませんか?