2017年8月に公開された劇場版『プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い』。そんな劇場版の原作部分にあたるストーリーを最初から最後までネタバレしていきたいと思います。結末まで完全に紹介してしまうので、ネタバレが苦手な方は注意してください。
『プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い』漫画ストーリー解説【ネタバレ注意】
かわいいイリヤたちが魔法少女になって大暴れすることで人気を博する『プリズマ☆イリヤ』。そんなプリズマイリヤが遂に銀幕デビュー。劇場版『プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い』として2017年8月から公開されました。
今回はその原作にあたる漫画『プリズマ☆イリヤ ドライ！！』7巻～8巻までのストーリーをざっくりとネタバレ解説していきたいと思います。もちろん、劇場版内容の完全なネタバレになるので、ネタバレを避けたい方は注意してください。
アニメ『プリズマ☆イリヤ ドライ！！』ここまでのあらすじ
ドライの舞台は美遊の生まれた並行世界
ということで、早速ストーリーのネタバレをしていきたいと思うのですが、その前にまずはアニメ版ドライのおさらいから。劇場版の内容はアニメ版ドライの続きになるので、一応あらすじだけ紹介したいと思います。――ただ、ぶっちゃけこの項は蛇足なので、アニメを見た人はスキップしちゃってください。
「ドライ」の舞台はイリヤたちのいた元の世界とは異なる並行世界。その世界を舞台に、突如現れ美遊を攫ったエインズワースという敵から彼女を連れ戻そうとイリヤたちが奮闘します。何故美遊を攫ったのか？ 彼らは何者なのか？ 美遊の正体は？ など、これまでのプリヤとは一転、謎の多い緊迫したストーリーが見所でした。
世界を救うか？美遊を救うか？
出典:http://prisma-illya.jp
そうしてストーリーが進むにつれ、彼らの目的や美遊の正体が徐々に判明していきます。そもそも美遊はエインズワースたちの世界の住民であり、その正体は完璧な生きた聖杯であることが判明。彼らの手から逃げるために、美遊はイリヤたちの世界に身を隠していたのです。
そして、エインズワースの目的は「滅亡の危機に瀕した世界を救うこと」。そのために美遊の力が必要だったことが判明します。しかし、それは美遊の犠牲の上に成り立つ救済です。美遊と世界、どっちも救おうと奮闘するイリヤ。対して、確実な「美遊を使った世界救済」に拘るエインズワース。こうして両者は激突しました。
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美遊兄の助力で窮地を脱したイリヤたち
その過程で何とかエインズワースの城から美遊を連れ出すことに成功したイリヤ。しかし、そのまま逃がすほど彼らも甘くはありません。彼らは泥から何万もの英霊の軍勢を召喚し、イリヤたちを追い詰めます。その窮地に駆け付けたのが、美遊の兄であるこちらの世界の「衛宮士郎」でした。
彼の助力を受け、無事窮地を脱したイリヤたち。エインズワースから無事逃げ出せた彼らは、その後美遊の暮らしていた衛宮邸に身を寄せます。そこで士郎の口から、彼女と士郎に何があったのか？ 何故美遊とクラスカードはイリヤたちの世界へやってきたのか？ その顛末のすべてが語られる……というところでアニメ「ドライ」は最終回を迎えました。
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物語は過去へ。美遊と士郎の出会い
少年衛宮士郎は切嗣と共に冬木へ
そして、ここからが劇場版での内容です。――すべての始まりは5年9か月前。美遊の出会う以前のこの頃、士郎は切嗣と共に世界各地を周って旅をしていました。切嗣の夢「恒久的世界平和」を為すための手段を探す旅です。世界各国を巡り魔術や儀式、伝承を調べていた切嗣と士郎。
そんな彼らが次のターゲットとして目を付けたのが冬木の地の「神稚児伝説」でした。これまでの旅はすべて徒労に終わっており、今回もどうせハズレだろう、半ば高を括っていた彼ら――しかし、そこでとんでもないものを目にします。それは町を飲み込み破壊しようとする巨大な黒いモヤと、そのモヤを晴らす美しい光でした。その光の発生源で、彼らは1人の少女を見つけます。
神稚児「朔月美遊」
その少女こそ、彼らの今回のターゲット。「神稚児伝説」の正体であり、正真正銘の生きた完全な聖杯。人々の願いを無差別に叶えるという特性を持った朔月家の末裔「朔月美遊」でした。遂に世界救済を成し遂げるための手段を見つけた切嗣。そこで彼はこの冬木へ本格的に居を構え、世界を救済するため美遊を自分が「使用」することを決意します。
しかし、そのためには1つ問題が。朔月家の神稚児の特性は生まれて6年経つと消えてしまうそうなのです。発見した当時、その時すでに美遊は5歳も終盤。残り1か月でその特性も消えるという時期でした。タイムリミットはあと1か月。その1か月の内に何とか美遊を使おうと、その方法を模索する切嗣ですが……。
志半ばで倒れる切嗣
結局その方法は見つからず仕舞い。元々体が弱っていた切嗣がそのまま床に伏せ、この冬木の地で志半ばに命を落としてしまいます。――自身の思想を受け継いでしまった息子の士郎を残して。彼亡きあと、士郎は切嗣の意思を受け継ぎ、冬木の地で人類救済のための方法を模索しますが……。
そのまま進展もなく、数年の月日が過ぎました。高校生になった士郎は、切嗣の残した屋敷で変わらず美遊と共に生活しています。その時、美遊は10歳になっていました。出会った当初は感情がなく、人離れした雰囲気を持っていた美遊ですが、彼と生活を共にすることですっかり人間らしくなってしまっています。
星に願いを
そんな彼女を見て、士郎の心は大きく揺れ動いていました。切嗣の後を継ぎ、美遊を道具として使わなければならないという思いと、美遊を道具としては使えないという気持ちに板挟みになる士郎。しかしある時、そんな彼に転機が訪れました。
それは、美遊と共に一緒に星を眺めている時のこと。士郎が「星に願いを込める」という話を美遊に聞かせると、彼女は星に「士郎さんと本当の兄妹になりたい」と願ったのです。神稚児の力で自分の願いを自分で叶え、より人間らしい表情になる美遊。そして、その願いを受けて士郎も、彼女を聖杯ではなく本当の家族として受け入れる決意を固めます。
現れるエインズワース。終わりを告げる日常
士郎は美遊を屋敷の外へ連れ出すも…
そして、そこから本当の家族としての2人の日常が始まりました。士郎は美遊を妹として可愛がり、彼女も彼を兄の様に慕います。これまで、神稚児としての特性故に屋敷から出たことのなかった美遊でしたが「外に遊びに行こう」という約束もし、その勉強も始めました。こうして、彼らの日々は穏やかに過ぎていきます。
そして、約束の当日。初めての外出に浮かれる美遊とともに町を歩き、まず初めに2人は美遊の生まれた育った屋敷へと足を運びます。これから家族として生活する上で、美遊にはこれまでのことをすべて話そうと、秘密を明かすため口を開いた士郎でしたが……そこで事件が起きます。――2人の前に美遊を狙うエインズワースのジュリアンが姿を現したのです。
美遊を攫うエインズワース
屋敷の結界から外に出たことにより、何年も前から聖杯である彼女を狙っていた彼らに見つかってしまったことを悟る士郎。妹を守ろうと、士郎はジュリアンと対峙しますが……。魔術師としても半端者の彼がジュリアンに敵うはずもありません。士郎は呆気なく気を失い、美遊を彼らに攫われてしまいました。
言峰綺礼との出会い
そうして、気を失った士郎が次に目を覚ますと、そこは冬木教会でした。そこで何故かラーメン屋の服を着た胡散臭い神父「言峰綺礼」に出会い、彼から前回の聖杯戦争について語られます。千年続く魔術師の家系「エインズワース」。彼らの目指す「人類史の継続」。その奇跡を為すための聖杯戦争。
しかし、過去に4度行われた儀式はいずれも失敗。特に4度目である第4次聖杯戦争の末路は最悪で、その結果あの黒いモヤによる大災害が起きてしまったこと。次回に備え、そのモヤを消し去った美遊をずっと探していたこと。その話を聞いた士郎は彼らの居場所を聞き出し、美遊を取り戻そうと向かいますが、力のない彼では彼らの元へたどり着くことさえできませんでした。
聖杯戦争開幕「雪下の誓い」
聖杯戦争の開催を告げる桜
そして、そのまま何もできずに1か月の時が過ぎました。美遊を取り戻す手がかりがまるでつかめず、失意に暮れる士郎。そんな彼の前に突然後輩の桜が姿を見せ、事態が大きく動きます。帰り際、彼女はアーチャーのクラスカードを手に持ち、こう告げたのです。――「聖杯戦争がはじまりました」。
聖杯戦争に勝ち上がれば、美遊を救い出すことができるかもしれない。そこで桜はそのカードを士郎へ差し出し「このカードを使って聖杯戦争に参加するか」それとも「何もかも捨てて自分と共にここから逃げるか」選択を迫りますが……。士郎がその問いに答えようとしたその時、彼女を凶刃が襲います。
VSアサシン
裏切者の桜を始末しようと現れたのは彼女の兄である間桐慎二。彼はアサシンのクラスカードを夢幻召喚（インストール）し、2人を襲いました。これに対し、桜はアーチャーのカードを夢幻召喚しようとしますが、これに失敗。アーチャーのカードが偽物であることを悟った桜は士郎の身代わりになり、慎二に殺されてしまいます。
残ったのは夢幻召喚のできないアーチャーのクズカードと半人前の士郎のみ。そんな彼が、アサシンのクラスカードに勝てるわけがありません。追い詰められる士郎。しかし、その時、どこにも繋がっていないはずのアーチャーのカードが突如輝き出し、士郎の姿を変貌させました。
雪下の誓い
赤い外套の姿になった士郎。どこにも繋がっていなかったアーチャーのクラスカードでしたが、士郎自身が触媒になることで並行世界の彼の未来と繋がり、英霊「エミヤ」の力を夢幻召喚することに成功したのです。彼の力を自身に下ろした士郎は、その力によってアサシンを圧倒。そして、雪の降る空の下、この力で美遊を助けることを誓います。
そして、彼は第5次聖杯戦争にアーチャーとして参戦します。そこから幾度もエインズワースの率いるクラスカード使いに襲われますが、それをなんとか撃破。順調に聖杯戦争を勝ち進み、最後にはセイバーのクラスカードを操る人形さえ倒して聖杯戦争の勝者となりました。
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無限の剣製
兄の願い
こうして、7枚のクラスカードをすべて集めた士郎は、聖杯戦争の勝者として大空洞を目指します。そこで聖杯である美遊と再会しました。エインズワースから自分の出生について聞かされた美遊は自分が犠牲になることを受け入れ、士郎を拒みますが……。それでも士郎は願いを口にします。
――「美遊がもう苦しまなくていい世界になりますように。やさしい人たちに出会って……。笑い合える友達を作って……。あたたかで。ささやかな――幸せをつかめますように」。そして、その願いは、聖杯である彼女自身の手によって叶えられることとなります。
VSギルガメッシュ
別世界への転送を始める美遊。それを阻止すべく士郎の前に立ち塞がる本物のアーチャーのクラスカード「ギルガメッシュ」。美遊が別世界へ転移するまでの時間を稼げば士郎の勝ち。彼を倒し、その術式を妨害すればエインズワースの勝ち。今、聖杯を賭けた最後の戦いが始まります。
しかし、聖杯に7つすべてのクラスカードを捧げた士郎の手に、アーチャーのクラスカードはありません。夢幻召喚のできない士郎になす術はない――というエインズワースの予想を覆し、士郎はクラスカードなしに赤い外套のアーチャーと同じ双剣を投影します。クラスカードを通じて未来の自分の力を引き出し続けていた彼は、その影響で体が英霊の紛い物へと変貌していたのです。
雪原の心象風景
その力で紡ぐのはあの詠唱。ギルガメッシュの圧倒的な力を凌ぐべく、士郎は無限の剣を内包する雪原の固有結界を展開しました。――が、万の剣を以ってしてもギルガメッシュの「究極の一」の力には敵いません。炸裂する「天地乖離す開闢の星（エヌマ・エリシュ）」。
これに対抗するため固有結界内すべての剣を束ね、全力で防ぐ士郎。そうして、束ねた剣を次々と砕かれつつも、タイムリミットまでぎりぎり粘った士郎。ギルガメッシュのクラスカードに敗北しつつ、士郎はなんとか美遊を並行世界へ送り出すことに成功しました。
始まりに至る物語
こうして、美遊は士郎の願いによって別世界へと転移し、そこでイリヤたちと出会うのでした。――と、ここまでが原作『プリズマ☆イリヤ ドライ！！』7巻8巻の内容なのですが、いかがでしたか？ 女の子たちのかわいいプリズマイリヤの世界観とは少し異なり、本来のFateらしいカッコいい話になっています。特に、やはり士郎の戦闘シーンは最高です！
こんな下手くそなネタバレよりも、原作は何倍も素敵なので、ぜひ実際に本物を見てみてください。また、上記の内容はほぼこの過去編のみで完結しているので、プリヤを知らないという方にもおすすめの映画です。――ということで、以上『プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い』の原作ストーリーネタバレでした。
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