『宇宙刑事ギャバン the movie』はメタルヒーローの祭典!注目のキャスト&見どころ紹介!

「宇宙刑事ギャバンがコンバットスーツを蒸着するタイムは、わずか0.05秒に過ぎない。では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう――」
80年代の男の子たちを熱くさせた名ナレーションである。
『宇宙刑事ギャバン』とは「宇宙刑事シリーズ」の第一作目として、それまでと全く異なる新しいSFヒーロー像を産み出した。更に『宇宙刑事シャリバン』、『宇宙刑事シャイダー』とシリーズ化して、まさに『ウルトラマン』、『仮面ライダー』、『戦隊シリーズ』に継ぐ、第四の国民的ヒーローシリーズとなったのがこの『宇宙刑事』なのだ。
それが30年の時を経て、21世紀の日本に蘇った!!

80年代の名作「宇宙刑事」が現代に復活!

出典:https://www.amazon.co.jp

ギャバン』の放映が開始されたのは1982年。当時の日本と言えば、『スターウォーズ』の影響も冷めやらぬ頃(「帝国の逆襲」が公開されたのが80年)。ようやくSF作品が我が国にも定着しつつあった頃だ。そんな中、『ガンダム』同様に日本版スペースオペラとして制作されたのが『ギャバン』だったのである。
ライトサーベルに影響を受けたレーザーブレード銀河連邦警察から来た刑事というSF的な設定、上にも挙げた蒸着という変身のアイデア、魔空空間と呼ばれる異次元空間でのバトル(それを演出する独特のカメラワーク)と、とにかく本作の独自性は枚挙に暇がない。
『ガンダム』がアニメ界に革新を起こしたのと同様、「ギャバン」は特撮界を一気に塗り替えた、革命的作品だったのだ。

ギャバンを襲名した二代目のキャストは誰…?

さて、その天下無敵のヒーロー、ギャバンを演じたのはJAC(ジャパン・アクション・クラブ)の大葉健二。それまでにも『バトルフィーバーJ』、『電子戦隊デンジマン』といったスーパー戦隊作品で絶大な人気を得ていた二枚目半の演技とハードなアクションは、本作でも十二分に発揮された。
後にも『キル・ビルVol.1』に出演するなど、アクションスターとしての地位を不動にした大葉だが、さすがの彼も『the movie』上映当時で既に五十路。新進気鋭の若者に二代目ギャバンを襲名してもらおう……ということで主役に選ばれたのが石垣佑磨。『WATER BOYS』でも自慢の肉体美を披露し、特技はテコンドーという武闘派俳優だ。
初代ギャバンの地球での名、一条寺烈に対するリスペクトで、彼の地球名は十文字撃と設定された。本作における撃と烈はダブル主役といってもいい縦横無尽の活躍ぶりで、互いに勝るとも劣らないアクションを披露した。

リスペクトの数々!『宇宙刑事ギャバン the movie』旧作ファン感涙!

そう、本作の一番の見どころは石垣と大葉のアクション。特に二人で魔空空間に引きずり込まれるシーンを見て、往年の(「宇宙刑事」名物の)不思議空間描写に感涙したファンも多いはず。
この異次元空間でのバトルもまた、宇宙刑事の大事な要素の一つ。ちょっと言葉では説明が難しいのだが、魔空空間では頻繁に空間の転移が起こり、ギャバンがビル街で戦っていたと思ったらいきなり荒れ地に、荒れ地で戦っていたと思ったら(セットである)真っ暗な空間にいきなりワープする、といった現象が起きる(そもそも『宇宙戦艦ヤマト』でワープという概念が一般化したからこそ、この演出も可能となったのだ!)。

実のところこれは制作上の大人の事情である点が大きいのだが(ビル街で爆発シーンは撮影できないし、またメタリックなギャバンのスーツは照り返しが大きく、なかなか屋外の撮影がしにくい)、それを逆手に取って、「魔空空間という異次元空間でのバトル」という設定を作ってしまったのが『ギャバン』なのである。この魔空空間は『the movie』でも丁寧に描写され、中盤の見せ場になっていた。

他にも西沢利明が銀河連邦警察の最高責任者であるコム長官を演じ(惜しくも本作の直後西沢が死去したため、本作が最後の出演作となった)、飯塚昭三が敵である宇宙犯罪組織マクーのボス、ドン・ホラーの声を演じるなどのオリジナルキャストを実現。また名バイプレーヤー、大山小次郎も名前だけとは言え登場、ファンを喜ばせた。
唯一、不満があるとすればナレーションが小林清志であったこと。小林の名調子にはもちろん、不満があろうはずもないのだが、冒頭にも挙げた蒸着ナレーションに代表される名ナレーションを担当していたのは、テレビシリーズでは政宗一成。事情があったことだろうが、できれば本来のナレーションを復活させて欲しかった!

また、宇宙刑事の魅力は何と言ってもコンバットスーツ。それまで今一抽象的に流されていた変身(例えば仮面ライダーのあのボディは肌なのか、スーツなのか?)を「強化服を電送して瞬間的に変身する」というSFアイデアに落とし込んだことこそが宇宙刑事の革新的な点。コンバットスーツのデザインは「科学の鎧に身を固め」たという説得力の塊だ。
『the movie』では二代目ギャバンのスーツがtype.Gと呼称されるが、そのデザインはレーザースコープ(目)とディメンションコントローラー(胸部のメカ)がブルーに発光する以外、初代のデザインを踏襲している。下手にデザインをいじるより、現代の技術で当時の姿をそのまま再現するというスタッフの判断は、大正解だろう。
クライマックスで新旧の二大ギャバンが立ち並ぶ姿は興奮必至だ!

それともう一つ、宇宙刑事のスゴさは贅沢なばかりに様々なメカを装備し、駆使して戦うところ。
サイドカー型マシン、サイバリアン(これだけはデザインがリニューアルされた)や空中要塞である超次元高速機ドルギラン、そしてドルギランの下部ユニットが分離してドラゴン型ロボとなる電子星獣ドルと、数々のメカニックが本作のバトルを彩った。CGでだけの再現となったが、テレビ版と比べて遜色ない活躍ぶりを見せてくれた。

現代に活躍する二代目ギャバン!その評価は!?

本作も、元はと言えば『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』での、ギャバンの復活をきっかけとしたもの。この時は大葉健二が久し振りに初代ギャバンを演じ、宇宙海賊であるゴーカイジャーたちを圧倒した。『the movie』は、それが好評であったがために誕生した企画だったのだ。

また、『the movie』の公開以降は、当然シリーズ二作目、三作目の『シャリバン』、『シャイダー』の復活が望まれた。シャリバンもシャイダーも実は『the movie』に登場し、活躍してはくれたのだが、さすがに時間の関係で残念ながらチョイ役という感じは免れなかった。
しかし本作の好評を受け、Vシネマという形ではあるものの2014年、それぞれの『NEXT GENERATION』の制作が実現した。
シャリバン、シャイダー共にギャバン同様、キャストはリフレッシュしたもののコンバットスーツデザインはそのまま。更に二代目シャリバンである日向快三浦力)に対し初代である伊賀電渡洋史)が、二代目シャイダー、烏丸舟岩永洋昭)に対し初代シャイダーのパートナー、女宇宙刑事アニー森永奈緒美)が助力するといった先代リスペクトを忘れない点もギャバンと同様だ(初代シャイダーの沢村大出演がないのは、俳優円谷浩が逝去しているため)。

2013年には『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』が公開。これはタイトル通りにライダーも戦隊も総出演という超豪華な作品であったが、そんな中、二代目ギャバン、撃が主役級と言っていい活躍を見せてくれた。
また本年も『スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー』が公開。デカレンジャーは2004年に放映された戦隊作品、『特捜戦隊デカレンジャー』のヒーローなのだが、宇宙の警察官である彼らと共闘する形で烈と撃が出演している。また、戦隊と言えば目下放映中の『宇宙戦隊キュウレンジャー』もまた、宇宙を舞台とした作品。宇宙つながりで本作にも撃がゲスト出演するなど、活躍は続いている。
その事実が何よりも、この映画の評価を雄弁に物語っているのではないだろうか。
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