『ウルトラセブン』の最終回「史上最大の侵略」は必見!シリーズ史上最高の感動作の内容は?

『ウルトラセブン』は長きに渡るウルトラシリーズの歴史の中でも、最高傑作と呼ばれる永遠の名作。
その魅力を挙げていけばキリがないが、敢えて言えば最終回こそが、本作の評価を不動のものにしたのではないか。本稿では最終回「史上最大の侵略」を中心に『セブン』の魅力を追っていこう。

『ウルトラセブン』は宇宙人と地球人の悲恋の物語

さて、しかし本題に入る前に、『ウルトラセブン』のアウトラインをごく簡単に追ってみよう。恒星間戦争に巻き込まれ、様々な異星人の脅威に晒されるようになった地球。地球防衛軍の精鋭部隊、ウルトラ警備隊こそが人類の守りであったが、そこへ風来坊の青年が現れる。モロボシ・ダンと名乗るその青年は、実はM78星雲から来たウルトラセブンであった。セブンは地球の平和のために異星人と戦うのだ……と、この辺りについてはご存知の方も多かろう。

基本設定は『ウルトラマン』と同じだが、地球が侵略戦争に巻き込まれたという設定を敷き、敵を(地底から出てくる怪獣ではなく)宇宙人に絞ったことが、『セブン』の特徴だ。そのため、『マン』の科学特捜隊が警察組織の一端であったのに対し、ウルトラ警備隊は地球防衛軍の一セクション。あくまで地球対宇宙の構造こそが、本作のキーになっている。
しかし何より違うのは、科特隊のフジ・アキコ隊員があくまでハヤタ隊員の仕事仲間の域を出なかったのに対し、警備隊の紅一点、友里アンヌ隊員とダンとの、淡い恋愛関係が描かれたところにある。『ウルトラマン』のハヤタが地球人であったのに対し、ダンはセブンが変身した、100%の宇宙人。そう、最初から『セブン』は地球人と宇宙人の悲恋の物語として作られたのだ。

最終回のあらすじで『ウルトラセブン』は名作だと分かる!

ここで「史上最大の侵略」のあらすじを簡単に紹介したい。前編、後編の二部構成で描かれる本話だが、その冒頭は体調不良で苦しむダンの姿で幕を開ける。幾多の侵略者、その手先の怪獣とのバトルを繰り返してきたセブンは体力を消耗し、このままでは生命すらも危ない状況にあった。セブン上司(セブンと全く同じ姿をしたM78星雲人)も故郷への帰還を命じ、これ以上の変身は死につながると警告する。

しかしそんな中、地底に大規模な基地を建設したゴース星人が、防衛軍に直接の攻撃を仕掛けてきた。今までは或いは偵察部隊とも思える少数の星人との戦いが多く、これはまさに史上最大の侵略! ここは『ウルトラマン』最終回のゼットン星人と、かなり近しいムードである。
そんな中、アマギ隊員までが敵に囚われ、更にダンは怪我の治療で自らの正体がバレるのを恐れ、防衛軍からの逃亡を余儀なくされる……いよいよ全面降伏を迫ってきたゴース星人に対し、防衛軍はアマギを犠牲にしての星人基地の壊滅作戦を立案する。
アマギ、そして地球を助けねばと、満身創痍ながら生命を懸けての変身を決意したダン。しかしその前に、アンヌが現れた……。

別れの時にダンが告白したセリフに感動?

銀の光に包まれ、二人のシルエットが浮かび上がるという幻想的な演出の中、ついにダンは告白する。
「アンヌ、ぼくは……ぼくはね、人間じゃないんだよ! M78星雲から来た、ウルトラセブンなんだ!」
アンヌは動揺を押し隠し、それに応えるのだ。
「うぅん、人間であろうと宇宙人であろうと、ダンはダンに変わりないじゃないの……例えウルトラセブンでも……」
「ありがとう、アンヌ!」
シューマンのピアノ協奏曲イ短調54の流れる中の、不朽の名シーンである。

ダンとアンヌの前に横たわっているのは、先に書いた地球と宇宙の対立構造だ。それは宇宙人にも関わらず地球人に味方するウルトラマンを、メィフィラス星人が「スパイ」と罵ったことを思わせるし、そしてウルトラマンがハヤタへの友情のため、最終回で自らの生命をハヤタに捧げようとしたことをも思わせる。
『セブン』本編でも実は「恋人と想っていた相手が侵略宇宙人だった」という悲運の女性のエピソードがある。アンヌは「宇宙人と地球人が信じあえる日」が来ることを望み、ダンはそっと胸の内でつぶやく。
「そうだ、そんな日はもう遠くない。だってM78星雲の人間であるぼくが、こうして君たちと戦ってるじゃないか」
宇宙と地球の対立、そして和解。『ウルトラマン』、『セブン』を通して描かれたテーマは、ここに完結を迎えたのだ。

明けの明星と共に、空へ消えたダンとウルトラセブン

再び、ダンとアンヌの別れのシーンに戻ろう。
「西の空に、明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。それが、ぼくなんだよ! さようならアンヌ!」
「待って、ダン! 行かないで!」
「アマギ隊員がピンチなんだよ!!」
アンヌを振り切るようにして、ダンはウルトラアイで変身する。
傷ついた身体でアマギ隊員を助け出し、基地を破壊。ボロボロになりながら最後の怪獣に辛くも勝利したウルトラセブン。アンヌやウルトラ警備隊の仲間たちに惜しまれながら、その姿は夜明けの空へと消えた。その姿に、ソガ隊員はつぶやいた。
「ダンは死んで帰っていくんだろうか……もしそうなら、ダンを殺したのは俺たち地球人だ。奴は傷ついた身体で最後の最後まで、人類のために戦ってくれたんだ。ダンを殺したのは俺たちなんだ……あんないい奴を……」

『ウルトラセブン』の中では、ダンの生死は視聴者の想像に委ねられている。だが、シリーズは今に至るまで継続し、セブンは元気な姿を見せ続けてくれている。それはもちろん、商業的な理由からでもあるが、ぼくたちがセブンを愛し続けているからこそでもある。
近年(といってももう十年前だが)の作、『ウルトラマンメビウス』にもセブンは登場し、またこの作品では人類が超絶科学メテオールを使って戦うなど、地球人がウルトラ戦士に「助けてもらう」ばかりではなく対等な戦友になりつつある姿が描かれる。
それこそが、セブンの献身に対する、ぼくたちの答えなのではないだろうか?
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