ウルトラセブンの神回『狙われた街』ってどんな内容?深すぎるストーリーを紹介!

日本における特撮ヒーロー番組の傑作のひとつ、「ウルトラセブン」において、一際異彩を放つ作品が「狙われた街」。バラエティー番組等でも度々語られる機会の多いこの作品ですが、かの有名な「ちゃぶ台での対話」シーン以外よく知らない・・・なんて方も多いのでは?今回はそんな名作「狙われた街」のストーリー、登場宇宙人、そして意外な続編?について紹介しようと思います。これを知れば、ウルトラセブンをウルトラマンセブンと間違えることなど決してあり得ないでしょう!!(?)

ウルトラセブンはシリーズ屈指の傑作!

ウルトラセブンは、1967年~1968年にかけて放映された、円谷プロダクション空想科学シリーズ第3弾にして、ウルトラQウルトラマンキャプテンウルトラに続くウルトラシリーズ第4弾として製作された特撮ヒーローシリーズです。
これまでのウルトラシリーズで描かれてきた、巨大怪獣やメカニック、巨大ヒーローの登場といった基本要素は踏襲しつつも、明確な侵略の意思を持った多くの宇宙人たちとの会合および対立という要素に重点を置かれているのが特徴です。
そのため、これまでのシリーズに比べシリアスかつドラマティックな展開が話題となり、今なおウルトラシリーズはおろか、日本の特撮ヒーロードラマの最高峰との誉れも高い大傑作なのです!!

登場する怪獣、宇宙人も皆強烈なインパクトを持ったメンツばかりで、キングジョーエレキングといった怪獣や、イカルス星人ペガッサ星人ガッツ星人等、現在でも高い知名度を持った者達ばかり!
ウルトラセブンもまた、本作のみならず後のウルトラシリーズにも多数出演しており、現在ではウルトラマンゼロという一人息子を持った父親としての活躍も目立ちます。
そんな傑作ぞろいの本作の中において異彩を放つ名作エピソードこそ「狙われた街」。現在でも通じる普遍性の高いテーマと、メトロン星人およびモロボシダンのシリアスかつシニカルなやり取りが有名です。
今回はそんな傑作エピソード、登場するメトロン星人についてご紹介いたしましょう!!

「狙われた街」あらすじ

北川町という町で、住人の人身事故、列車事故等が多発するという怪事件が発生し、警戒の為町へ出かけたフルハシ、ソガ両隊員の目の前で、男がライフルを乱射するという事件が発生します。
程なくして取り押さえられた男でしたが、男には暴れていた頃の記憶がないといいます。一方同じ頃、基地に戻っていたフルハシ、ソガ両隊員もまた暴れ出すという異常事態が!
彼らの共通点、それは北川町駅前の自販機で買ったタバコを吸っていたという事でした・・・

タバコを解析した結果、人間の理性を消し去り凶暴化させるという、ケシの実によく似た成分を持つ赤い結晶体が検出されました。犯人は、自販機に結晶体を仕込んだタバコを入れていたのです。
モロボシダンがタバコの補充員を影から追跡すると、行きつく先は下町のボロアパート。そこで彼を待っていたのは、極彩色の宇宙人・メトロン星人だったのです!!
4畳半のちゃぶ台を介し、対話する両者。メトロン星人は語ります。「地球侵略の為には武力はいらない。人間同士の信頼感を無くせば、人間は自滅するのだ」と。そしてまた、恐ろしいのはウルトラセブンだけだと。

程なくして、アパートが真っ二つに割れ、メトロン星人の円盤が現れます。円盤に捕らえられるダンでしたが、迎撃に出たウルトラホーク1号の攻撃で揺れたすきにウルトラセブンに変身!!
真っ赤な夕焼けの中、対峙するメトロン星人とウルトラセブン。そして、セブンの伝家の宝刀・アイスラッガーが炸裂し、メトロン星人は真っ二つ!更に円盤もホーク1号に撃墜され、メトロン星人の侵略計画は失敗に終わるのです。
全てが終わった後、ナレーションはこう締めくくります。
―「人間同士の信頼感を利用するとは、恐ろしい宇宙人です。でもご安心ください、これは遠い遠い未来のお話なのです。え、何故ですって?われわれ人間は今、宇宙人に狙われる程お互いを信頼してはいませんから。」―

極彩色のクレバー宇宙人・メトロン星人!

狙われた街の主役を飾った宇宙人こそ、幻覚宇宙人・メトロン星人です!地下鉄を意味するメトロを語源とし、その語源通り、静かに潜伏しながら人間社会を破滅させようと企てるクレバーな侵略者です。しかし作戦内容とは裏腹に、非常にトロピカルな極彩色の体色が異彩を放ちます。
潜伏期間は極めて長いらしく、潜伏場所兼基地であるアパートにモロボシダンを誘い込んだ際、非常に和やかな口調で歓迎したり、ちゃぶ台であぐらをかくなど、非常に日本文化に馴染んでいる様子が伺えます。
一方力押しや、咄嗟の出来事に弱いのか、巨大戦では一転、自らの円盤をホーク1号に落とされ、自身もアイスラッガーによりあっさり真っ二つにされてしまいます。まあ、戦いというより知謀をメインとして展開であるため、致し方のないところですが・・・

登場したロケ地

狙われた街のロケ地として有名な場所といえば、まずは向ケ丘遊園駅。作中では北川町駅として登場し、事件の元凶となった赤い結晶体の入ったタバコが売られた自販機が置かれていました。
当時は向ケ丘遊園という大きな遊園地の最寄り駅でしたが、遊園地は2002年3月に閉園し、現在では遊園地に通じていたモノレール駅の軌道も撤去されており、もちろん本作放映時とはがらりと姿を変えています。
そして後半登場の下町のロケ地と言われるのが、川崎市川崎区浜町です。京浜工業地帯の中に今なお古びたアパートが立ち並ぶ光景が目立ち、近未来世界が舞台であるはずのウルトラセブンの中において強い印象を残す場所ですね。

異色作の感想を語る

まず物語の展開として、当時としては異色の「対話」をメインとした淡々とした雰囲気が特徴です。静かに、しかし確実に人間を自滅させるという、ある意味最も現実的かつ悪辣な侵略計画が本作のみそです。メトロン星人がそれを穏やかな口調で語っている所も空恐ろしいものを感じますね。
そしてかの名匠・実相寺昭雄監督が得意とする印象的なカットの中で、何と言っても秀逸なのは、宇宙人と宇宙人がちゃぶ台を介して語り合うというシーン!これには思わず、監督も笑い過ぎて撮影のスタートが出来なかったほどでした。
また、戦闘シーンそのものは単調ですが、ウルトラセブンとメトロン星人が真っ赤な夕日の中に佇む姿は、ウルトラシリーズ屈指の美しさであり、一際印象に残ります。
以上から、本作はストーリー、映像面共に非常にハイレベルな傑作といえましょう!!

意外な後日談?「狙われない街」

これまで名作「狙われた街」の魅力の数々を紹介してまいりましたが、実はこのストーリーには意外な後日談が存在している事はご存知でしょうか?
最後に紹介するのが、ウルトラマンマックス第24話「狙われない街」です。ウルトラセブン放映後、約40年近く経ってから製作されたという珍しい続編です。
かつてセブンと対峙し、アイスラッガーで真っ二つにされたハズのメトロン星人でしたが、実は北川町の住人によって救助され、一命を取り留めていました!!(ちなみに、斬られた傷は縫い合わせて直した模様

40年近くに渡る再度の潜伏期間の後、携帯電話のアンテナに細工を施し人間を操るという新しい方法での侵略計画(?)を企てるメトロン星人。しかし、長きに渡って地球に滞在していた彼は、何とも達観した様子で地球を見ていました。
携帯や機械に頼る今の人類は、便利さにより脳が退化し始め、自分が手を下さずとも勝手に滅びるだろう」・・・彼はそう語ります。しかし、一方で地球の夕日は美しいと賞賛したり、地球の風土に極めて馴染んだ姿も見せるのです。
果たして、彼の行動の真意とは?そして、物語の行く末は・・・?40年ぶりの続編、その深ーい結末は、是非ご自身の目でご確認ください!

ウルトラセブンは四畳半一間で地球を語っていた!?

以上、ウルトラセブン屈指の名エピソード「狙われた街」の魅力をご紹介しました!
宇宙の中の地球人についてよく描かれたウルトラセブンにおいても、その描写は屈指のレベルといえる本作。現実世界を見れば、ラストのナレーションにもあるように「宇宙人に狙われるほど他人を信用していない」者たちばかり。
果たして、人間が「信頼関係を利用した侵略」を受けるに値する存在になるのはいつの日か?・・・まあ、そんな侵略ごめんこうむりたいところですけどね!!
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