『仮面ライダー龍騎スペシャル 13RIDERS』をネタバレ紹介!ファンなら必見のマルチエンディング!

『仮面ライダー龍騎』は2002年に放映が開始された平成ライダーの第三弾。

13人のライダーが戦うという、いわゆる「ライダーバトル」の元祖とも言うべき作品で、キャッチコピーの「戦わなければ生き残れない!」がそれを如実に表している。

今でこそ平成ライダーは数が多いことが常識になっているが、第一弾であった『クウガ』はクウガ一人、第二弾の『アギト』も(最終的にはアナザーとかいろいろ出てくるけど、一応)アギトとギルス、G3の三人ライダー制であったところを、本作は一気に13人のライダーが登場することが売りとして謳われた。これは当時、まさに衝撃であった!

『仮面ライダー龍騎』はマルチエンディング作品!

かつてない数のライダーが登場した『仮面ライダー龍騎』。しかし、ヒーローの数が多くなっていくことは時代の流れでもあった。これは恐らく多文化主義などの影響が大で、戦隊が長期シリーズとなっていることは言うに及ばず、例えば昨今のアイドルがチームを組んでいることも似た現象であろう。「ヒーローは一人、正義は一つ」ではなく「ヒーローは大勢、正義も多様」が求められるようになったということだ。
となると物語のエンディングもまた、一つとは限らない。本作はこの頃盛んになってきた「マルチエンディング」が採用されている。『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』でもそのタイトルの通り、エンディングの一つの形がテレビシリーズの最終回に先んじて「先行上映」された。このテレビスペシャルもまた『龍騎』という作品世界の可能性の一つ、ワンオブゼムである……というわけだ。

そう、近年『まどマギ』などで「ループ構造」といった概念が一般化しているが、この『龍騎』もまた、それをかなり早い段階でそれを取り入れた作品であった。
というのも『龍騎』における仮面ライダーとは、ミラーワールドと呼ばれる異世界から出現するモンスターを退治するための存在であると同時に、ライダー同士で戦い、最後に生き残った者があらゆる願いを叶えることができる、とされているのだが、全てを仕組んだ神崎士郎には秘めたる目的があったからなのだ。
士郎はカードデッキ(変身ベルト)を開発し、仮面ライダーそのものを生み出した人物だが、その真の狙いは妹である優衣の生命を救うことにあった。優衣(と士郎)こそがミラーワールドを生み出した存在であり、しかしその生命は後一年。士郎は妹を延命させるために歴史を幾度も巻き戻してライダーバトルを繰り返しており、本作にはいくつもの歴史が存在する。このスペシャル版で描かれるのもまた、そんな中の一つ、といった形が取られているわけである。

テレビ本編と劇場版、そしてこのテレビスペシャルの二つの結末(詳しくは後述)と、『龍騎』には四つのそれぞれ全く異なるエンディングが存在する。正義が多様なように、歴史もまた多様、それがこの『龍騎』ワールドなのだ。

『仮面ライダー龍騎』の13ridersが群雄割拠する1時間スペシャル!

仮面ライダー龍騎13riders』はいわゆるニチアサのレギュラー放送ではなく、夜七時に放映された1時間スペシャル版。何といっても本編では実現しなかった、13人のライダーの全員集合が目玉であった(以降、この1時間スペシャルを「スペシャル版」、ニチアサにやっていた本編の方を「レギュラー版」と書いて区別する)。
上に書いたように、いくつもの『龍騎』の歴史の一つを丸々描いてしまうことがこのスペシャル版の目的である。簡単に、説明していこう。
龍騎に変身する主人公、城戸真司が(レギュラー版と異なり)先代の龍騎にカードデッキを託されることで二代目龍騎を襲名する、というのがその発端となっている。ちなみに先代龍騎であった榊原耕一を演じるのは戦隊作品『五星戦隊ダイレンジャー』のレッド、リュウレンジャー・天火星・亮を演じた和田圭市。「赤い龍」つながりでの出演であり、こうしたお遊びが嬉しい。

さて、龍騎となった真司はレギュラー版同様に仮面ライダーナイト・秋山蓮と出会い、そしてスーパー弁護士、北岡秀一の変身するゾルダ、シリアルキラー、浅倉威の変身する王蛇などの各ライダーと関わりを持っていく。
レギュラー版では比較的短命であった須藤雅史シザース手塚海之ライア、そして芝浦淳ガイの登場も嬉しい。他にはファムタイガインペラーリュウガ、そして謎のライダー、オーディーンなども登場したが、さすがに時間の都合もあり、またレギュラー版未登場のライダーも多く、終盤での変身後のみの活躍に留まった。
さて、真司の目的はライダーバトルを止めさせること。これはレギュラー版同様だが、スペシャル版において彼は仮面ライダーベルデ・高見沢逸郎にその目的成就のための助力を願おうとする。このベルデこそ、このスペシャル版にのみ出演するオリジナルキャラで、影の主役とも言える存在。次項ではこのベルデについて語ってみよう。

ベルデの驚異!「13riders」オリジナルの新ライダーの強さは?

ベルデの正体は、「高見沢グループ」のトップを務める実業家であった。欲望の塊のような男で、(自らの願望を叶えるためのバトルロワイヤルであるライダーバトルを人生そのものに準えて)「人間はみんな仮面ライダーなんだよ」と豪語する。
表の顔は大企業を統括する紳士でありながら、裏の顔はゲス極まりないエゴの権化という、ある意味では脚本を担当した井上敏樹お得意の悪役パターンとも言える。

変身後のベルデはカメレオンをモチーフとしたライダーであり、ヨーヨー型の投擲武器・バイオワインダーを武器とする。
契約モンスターはカメレオン型のバイオグリーザ。保護色で環境に紛れるという特殊能力を使った。
当人の特殊能力はクリアーベント(透明化)、コピーベント(変身能力)といった、やはりカメレオンの能力に即した、また本人の卑劣な性格にも似合ったものが多い。
ファイナルベント(必殺技)はバイオグリーザとの合体攻撃、デスバニッシュ。空中高くで相手を捉え、逆さになった相手の頭部を地面に叩きつけるという、いわゆるキ○肉ドライバー的な技だ。これによってベルデはライアとナイトを倒している。

『仮面ライダー龍騎13riders』の結末は、視聴者に委ねられた…?

ライダーバトルを終わらせようとする真司は、本作ではミラーワールドに存在するコアミラーを破壊することがその目的になっている。コアミラーはスペシャル版にのみ登場する、ミラーワールドの中に存在する特殊な鏡。コアミラーを破壊することで、ミラーワールドそのものを封印、モンスターの出現やライダーバトルを終結させることができるのだ。
しかしライダーバトルの最中、真司をかばってナイト・蓮が倒れる。真司はそのデッキを使い、ナイトに変身する。
そして――この物語の行く末は、視聴者に委ねられた。

本作のクライマックスにおいて、真司が戦いを続けるか終わらせるかに苦悩するのだが、その結末は、放映中に行われた電話投票による視聴者の選択によって決定されたのだ。
実際の放映では「戦いを続ける」が選ばれ、ナイトとして戦う真司というレアな映像が見られた。
蓮の目的は恋人の生命を救うためにライダーバトルの勝者になることであり、真司は大切な仲間であり生命の恩人でもある蓮の意志を継ぐことを選んだのである。実のところ、エンディングは真司が他のライダーへと戦いを挑むところでバッサリと終了しており、「戦いの果てしなさ」を暗示するかのようなクロージングであった。

ちなみに「戦いを止める」を選択したバージョンのエンディングもDVDなどに収録されている。この結末もやはり極めて暗示的な作りがなされていて解釈が困難なのだが、敢えて簡単に説明すれば、「戦いの再開」を暗示していたように思われた。
劇場版のエンディングもまた、同様に難解であり、「真のエンディング」を知るにはレギュラー版最終回を待たねばならなかったのだ。では、レギュラー版の最終回は……となるとこれも非常に難解で、なかなか説明しにくいのだが、何と最終話を待たずして龍騎が死亡という衝撃の展開が用意されていた。
最終的にはナイトが勝ち抜くも、(士郎の使者である)オーディンに倒される。士郎は優衣に生命を与えようとするも優衣は拒否。最期は時間を巻き戻し、ライダーバトル以前の平和な時間軸を出現させ、士郎と優衣は時空の狭間(天国?)に留まり続ける……といったクロージングが描かれたのだ。
四つのエンディングを見ることで、驚くべき真の結末に至ることができる。それが『龍騎』の最大の特徴かも知れない。
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