【黒執事】アニメ版の見どころ&ネタバレ紹介!オリジナル展開の評価は?

枢やな先生原作の「黒執事」は、何度もアニメ化されている人気作品です。ですがそのアニメの中に原作コミックとは違うオリジナルな展開があるのをご存じですか? 今回はネタバレも含め、その内容をご紹介します。

「あくまで執事」が活躍する黒執事のアニメとは?

2006年10月号より「月刊Gファンタジー」に好評連載中の「黒執事」。そのアニメは大きく分けて2分類、OVAや劇場版も含めると5つのシリーズに分けることが出来ます。まずは一つずつ簡単にご紹介します。

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「黒執事」(アニメ1期)

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2008年10月から2009年3月まで、全24話放送されました。原作エピソードは「切り裂きジャック編」「カリー対決編」が織り込まれ、途中のいくつかと終盤オリジナル展開となっています。

「黒執事II」(アニメ2期)

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2010年7月から同年9月まで、全12話放送されました。1期の続編として完全オリジナルで制作されましたが、直前までアニメオリジナルキャラを前面に出すなど、1期との関連性は伏せられていました。

オリジナル展開はアニメ1期と2期のみ

アニメのオリジナル展開は、ここまで述べた「黒執事II」で完結しています。続く作品は「3期」という扱いをされていますが、実は2期との関連性はありません。「Book of」という言葉が冠されいる通り、3期以降は原作の編ごとに忠実にアニメ化するというスタンスに替わっています。
以下、参考までにご紹介します。

「黒執事 Book of Circus」(アニメ3期)

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2014年7月から同年9月まで、全10話放送されました。原作「サーカス編」をほぼ忠実にアニメ化したものですが、実は原作執筆時には入れられなかったエピソードを追加したりと、より充実した内容となっています。同じ「黒執事」ですので登場人物や世界観は前2作品と同じですが、ストーリー上の繋がりはまったくありません

「黒執事 Book of Murder」(OVA)

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2015年1月より上下巻に分けて制作されました。原作「幽鬼城殺人事件編」をアニメ化したものです。発売前の2014年10月25日に上巻が、11月15日に下巻が期間限定で先行劇場公開されました。

「劇場版 黒執事 Book of the Atlantic」(劇場版)

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2017年1月21日より公開された劇場版で、原作「豪華客船編」を1本の映画にまとめたものです。時間の関係でどうしてもカットされたエピソードもありますが、大画面での迫力満点のバトルシーンが高評価な作品でした。
2017年現在で黒執事のアニメ化作品は以上です。今回はオリジナル展開についての解説ですので、アニメ1期・2期に焦点を当てて進めていきます。

魅力的なキャラクターたちも簡単にご紹介

では引き続き「黒執事」を知るための主な登場人物をご紹介します。登場人物が多いので、オリジナル展開に関わるキャラのみに限定させて頂きます。(声優名は敬称略です)

セバスチャン・ミカエリス(CV:小野大輔)

名門ファントムハイヴ家の執事にして、この作品の主人公。シエル・ファントムハイヴと契約した悪魔です。シエルとは左手の甲の契約印(逆ペンタクル)によって繋がっています。人の姿の時は黒髪紅茶色の瞳。身長186cm。悪魔化した時は黒い羽根が舞いますが、その姿は闇に紛れて見えません。
拘りが強く、真似事である執事としての仕事も完璧にこなします。決めゼリフは「あくま(悪魔)で執事ですから」「ファントムハイヴ家の執事たるもの、このくらい出来なくてどうします?」など。

シエル・ファントムハイヴ(CV:坂本真綾)

ファントムハイヴ伯爵家現当主1875年12月14日生まれで12歳、のちに13歳の誕生日を迎えます。製菓・玩具メーカー「ファントム社」の経営者であり、英国裏社会の管理や王室の汚れ仕事を請け負う「女王の番犬」でもあります。年齢に比べて背丈は小さく幼い外見ですが、頭脳は優秀で知略に優れ洞察力も高い少年です。
3年前(アニメでは10歳の誕生日)に屋敷が襲撃され、シエルは黒ミサを行う組織に売り飛ばされます。そこで召喚された悪魔と契約を結び、「セバスチャン」の名を与え現在に至ります。契約印は右の瞳の中にあり、それゆえ蒼玉の瞳は右目のみ紫に変化しています

バルドロイ(CV:東地宏樹)

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ファントムハイヴ家の料理人(シェフ)で愛称はバルド。身長180cm。シェフでありながら料理の才能は皆無ですが、「ファントムハイヴの使用人」としては指揮官としての優秀さを発揮して屋敷と主人を守ります。

メイリン(CV:加藤英美里)

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ファントムハイヴ家の家女中(ハウスメイド)で23歳。身長165cm中国人。いわゆるドジっ娘メイドで食器などを破壊しまくっていますが、来客に対してはそれなりに対応することも。極度の遠視ですがそれを活かした有能な狙撃手で、バルド指揮の下「ファントムハイヴの使用人」として「汚れ」を排除します。

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フィニアン(CV:梶裕貴)

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ファントムハイヴ家の庭師(ガードナー)で愛称はフィニ。16歳、身長163cm金髪碧眼の元気な少年です。ドイツのある組織で人体実験の対象にされ、常人離れした怪力を身につけます。組織から逃げ出す際、シエルに救われたことに恩を感じ、「ファントムハイヴの使用人」として屋敷を守ります

エリザベス・ミッドフォード(CV:田村ゆかり)

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シエルのいとこ許嫁、愛称はリジー。シエルの伯母が嫁いだミッドフォード家の侯爵令嬢です。シエルの一つ年上の13歳、身長154cm。フルネームは「エリザベス・エセル・コーディリア・ミッドフォード」。実は剣の達人なのですが、アニメ1期、2期ではその点は明かされていません。

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グレル・サトクリフ(CV:福山潤)

マダムレッドの執事であり、その正体は死神派遣協会の回収課に属する死神です。身長175cm赤い髪でオカマ口調ですが、戦闘時は男らしさを見せることもあります。チェーンソー型のカスタマイズされた死神の鎌(デスサイズ)を使いこなします。決め台詞は「これでも執事DEATH(デス)☆」

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原作展開の中に張り巡らされたオリジナルの伏線

アニメ1期オリジナルのストーリーを解説する前に、オリジナル展開に関わる主なキャラクターを紹介します。

アンジェラ・ブラン(CV:矢島晶子)

初登場はバリモア家に仕えるメイドでしたが、実は魔犬を飼いならす天使両性具有の存在で後述のアッシュとは同一人物。登場以降様々な事件に関与し、不浄な存在であるシエルを追い詰めていきます。

アッシュ・ランダース(CV:日野聡)

ヴィクトリア女王の執事兼護衛役であり、高貴な女王の発言を代弁したり、女王からの親書を届けたりします。その正体は天使でアンジェラとは同一人物。穢れを嫌い、女王と共に世界を浄化しようと画策します。

プルートゥ(CV:山口孝史)

アンジェラ(=アッシュ)に飼われていた銀色の毛並みを持つ魔犬で、人間の姿になることもありますが言葉は話せません。アンジェラの依頼によりファントムハイヴ家で預かることになります。愛称はプルプル首輪を通してアッシュに操られており、獣の姿になると炎を吐くことが出来ます。

ドロセル・カインズ(CV:勝杏里)

少女連続誘拐事件に出てきたマンダレー邸の執事兼人形師。ターゲットの少女にホープの指輪を送り、誘拐しては人形にしていました。実はドロセル本人は5年前に他界しており、アッシュにより人形として偽りの命を与えられます。頭の中はで出来ており、口癖は「僕は考えました」

原作に沿いつつも、さりげなく織り込まれた伏線

オリジナル展開に絡んだキャラが最初に出てきたのが第7話「その執事、遊興」です。ヘンリー・バリモア邸のメイドとしてアンジェラが、また第8話「その執事、調教」ではアンジェラが飼っていた魔犬・プルートゥが登場します。この時点ではまだゲストキャラとも思えたのですが、特にアンジェラはこの後様々な事件の裏で暗躍します。
また第10話「その執事、氷上」ホープの指輪(ファントムハイヴ当主の指輪と同じブルーダイヤから切り出された碧い石の指輪)から少女連続誘拐事件に繋がるのですが、エリザベスが巻き込まれたその事件で、実行犯ドロセル・カインズの主としてアッシュの影が見え隠れしています。

余談ですが、誘拐事件が解決した第12話「その執事、寂寥」シエルの誕生日を祝うシーンがあります。ミッドフォード公爵夫人が出ていなかったからでしょうが、これも原作とは違う展開ですね。
原作ネタである「カリー対決編」も、オリジナルアレンジが加味されています。アンジェラの策略で審査会場が大混乱になったり、ヴィクトリア女王の執事がアッシュだったり。女王自身の姿は喪服に隠されていますが、それでも少女のように細く可憐な印象です。これも原作とは大きく異なりますね。

異端の教団へ潜入! いよいよオリジナル展開の核心へ

第17話「その執事、奉納」以降、原作にはない展開が本格化していきます。女王の番犬として怪しい教団へ潜入捜査に向かうシエルとセバスチャン。そこでは「ドゥームズデイブック」と呼ばれる過去を書き換え、信者を浄化する儀式が行われていいました。「天の聖歌隊」に選ばれ教祖へと近づくシエルですが、その教祖は死んだシエルの両親が継ぎ合わされ傀儡と化したもので、裏で暗躍していたのはアンジェラでした。
アンジェラはシエルを攫い、異界の死神図書館に連れ込んで魂の浄化を試みます。精神世界で屋敷が襲撃された過去を見せられ動揺するシエルですが、それでも「この憎しみを失わない!」と強靭な意志で天使を跳ね除け、復讐に生きる決意を固めます

改ざんされそうになっていたシネマティックレコードを強引に巻き戻しセバスチャンの腕の中へと戻っていくシエル。「さすが、私の坊ちゃん」という沁みるようなセバスチャンの台詞が印象的ですね。ちなみにこのシエルの葛藤は、後に原作「緑の魔女編」で形を変えて描かれています。
シエルを取り戻したセバスチャンは、グレルら死神の力も借りてアンジェラを磔にし、崩れ落ちる礼拝堂を脱出します。アンジェラが死んだと思い魂を差し出そうとするシエルですが、セバスチャンは黙したままシエルの胸元のリボンを直すだけでした。「もう少し、お傍でお仕えさせて頂きます。坊ちゃん」・・・膝を折るセバスチャンの姿で、まだ全てが終わってはおらず、真の敵が別にいることにシエルは気づくのです。

本当に大切なもの、それに気づいたシエルは・・・

その後シエルの駒であった劉の裏切りや、スコットランドヤードのアバーライン警部の死など、シエルの憂いを深くする事件が続きます。そうした中でも真の敵がヴィクトリア女王その人であると掴んだシエルは、第22話「その執事、解消」でパリ万博に旅行に出ていた女王を追い、エッフェル塔の上で対峙します。
女王は執事のアッシュにより死んだ夫のアルバートと体を繋げられており、喜びを味わわせたくてシエルの両親にも同じことをしたと告げます。当然理解など出来るはずもなく、シエルは女王を倒せとセバスチャンに命じますが、アバーラインの死が重荷となり非情に徹することが出来ません。結局アッシュの邪魔も入り女王を取り逃がしますが、その夜シエルの甘さを嫌悪したセバスチャンも、ホテルで眠るシエルを残して忽然と姿を消します

シエルは一人でロンドンに帰ろうとしますが、世間知らずの坊ちゃんはセバスチャンがいないと何も上手く出来ません。騙されて金を巻き上げられ、宿代に指輪を求められ激怒しと、紆余曲折を繰り返しながらもどうにか港に辿り着きます。港はシエルが疲れて眠っていた路地の直ぐ傍にありました。そこでシエルは「直ぐ傍にあるのに見えない」大切なものに、ようやく気付くのです。

1期最終回!セバスチャンとシエルの運命は!?

感動のクライマックス!ラスト2話を一気に解説

第23話「その執事、炎上」で、ロンドンへ向かう船に密航したシエルは、その船上で燃え盛るロンドンの大火を目撃します。これこそが女王と天使アッシュが企てた、聖なる炎による人類救済だったのです。シエルは引き返そうとする船員を捕まえ、ボートを出してロンドンに行くよう迫ります。その際、フランスであれほど拘っていた当主の指輪すらあっさり手放して命じます。一番大事なものは何か──その時のシエルに迷いはありませんでした。
何とかロンドンに辿り着いたシエルは、メイリンらファントムハイヴの使用人たちと合流します。彼らは突如暴走し屋敷を炎で焼いたプルートゥを追って、ロンドンに来ていたのです。ロンドンの大火もアッシュに狂わされたプルートゥが起こしたものでした。

自我を失ったプルートゥの様子に、シエルは苦渋の選択で「魔犬の始末」を命じます。一時は仲間であったものの矜持を重んじ、バルド、フィニ、メイリンは涙ながらにプルートゥに銃口を向けます。後を託したシエルは、急ぎ王宮へと向かいました。もちろん最後の復讐を果たすためです。
「どうせ死ぬなら、あいつの望む魂で死にたい!」・・・かっこいいですね! あんなに小さくても、シエルは立派な紳士です。そうまで想われたなら、執事としても悪魔としても冥利に尽きますね。

王宮に乗り込んだシエルは、時が止まった中で息絶えた女王の亡骸を発見します。縫合されたアルバートの肉体はすでに腐り果てていたのです。アッシュの罠に嵌められたシエルは、女王暗殺の嫌疑をかけられ衛兵に腹を撃たれ重傷を負います。
死を覚悟したシエルの呼び声に、今度こそセバスチャンが応えました! 一時はアッシュと共に燃えるロンドン市街を見下ろしていたセバスチャンでしたが、気高く非情に目的を達せんとするシエルの在り様を見て、戻ってきたのです。迷いを吹っ切ったシエルの魂こそが、セバスチャンが欲していた最高のディナーでした。

天使と悪魔、最後の戦い!暁の決着はいかに!?

最終話「その執事、滔々」で、王宮を脱出したシエルとセバスチャンが天使を追って、建設中のタワーブリッジへと向かいます。そこで見たものは、大火による死者の怨念──恨み、嘆き、憎しみなどの「穢れ」をまとい、恍惚とする天使の姿でした。天使が作らせた聖なる橋の上で、火花を散らす天使と悪魔。しかしアッシュの剣によりセバスチャンは左腕を切り落とされてしまいます。
しかし死神たちの活躍で不浄の供給を絶たれ、使用人によってプルートゥも倒され、アッシュも追い詰められていました。無差別な攻撃からシエルを庇ったセバスチャンは、主に見苦しい姿を見せたくないと、目を閉じているよう懇願します。余力のないセバスチャンを悟り、素直に目を閉じるシエル。戦いの中でそれだけの誠意を見せる互いの関係が、とても魅力的で羨ましいです。

シエルに見られないことで執事の姿を捨て、セバスチャンは本性を露わにします。動揺する天使に本来の悪魔の力全開で襲い掛かるセバスチャン。その衝撃に飛ばされ橋から落ちそうになるシエルに、あと10秒待つことを約束させ、セバスチャンが虐殺の天使に止めを刺します
元の姿に戻ったセバスチャンの目の前で、笑みを浮かべたシエルは力尽き、テムズ川へと落ちていきます。その瞬間に広がるシエルのシネマティックレコード。ですが「まだ死なせません」と川に飛び込んだセバスチャンにより救い出され、暁の光の中をいずこかへと消えていきます。

全てを終わらせ、成就した契約の先に待つものは

異界の川を滔滔と流れ行く船の上で、目覚めたシエルは己の過去と、この先に待つ死に思いを馳せます。「これから私が、坊ちゃんに死をお届けします。最期まで、責任を持って。・・・坊ちゃんの忠実な執事として」──セバスチャンのその言葉に何も応えないシエルですが、どこか安堵したような穏やかな雰囲気が感じられます。
死を前に全ての肩書を捨てたシエルは、もう女王の番犬でもファントムハイヴ伯爵でもない「ただのシエル・ファントムハイヴ」としてセバスチャンの前に在りました。たとえ復讐という動機であっても、セバスチャンという己が悪魔に相応しい魂でいるために、精一杯生きたという満足感がありました。「坊ちゃんの前の私はいかなる時も変わらず、あくまで執事ですよ」という優しい悪魔の導きにより、シエルは死の島へと向かいます。

死の島の庭園のベンチに座らされ、「痛いか」と訪ねるシエルに、出来るだけ優しくすると告げるセバスチャン。ですがシエルは「いや、思い切り痛くしてくれ。生きていたという痛みを、魂に刻みつけてくれ」と頼み、全てをセバスチャンに委ねます。口元に満足げな笑みを浮かべながら、そっとシエルに覆いかぶさる悪魔。「では、坊ちゃん・・・」その言葉を最後に、全てが暗転します。

高評価に終わった1期。EDテーマに泣かされた!

1期のラストには度肝を抜かれたファンも多く、当時かなり話題となりました。もちろんシエルに生きて欲しいという声もありましたが、しっとりと情感たっぷりの、死を迎える状況でありながらどこかハッピーエンドとも取れるような結末に、称賛の声も多くあがりました。
「セバスチャンに魂を喰われる」というのはある意味予定調和ですし、黒執事という作品のラストとして見てみたい結末の一つですしね。暗転した直後、エンドロールと共に流れるエンディングテーマ、Kalafina(カラフィナ)「Lacrimosa(ラクリモサ)」が非常に雰囲気にマッチして、涙を誘いました。

完全オリジナルの2期!衝撃のラストからの展開は?

2期も1期同様に、ストーリー解説の前に主な登場人物をご紹介します。当時アロイスとクロードが2期主人公とされ、シエルとセバスチャンの登場は直前のイベントまで秘密にされていました。

クロード・フォースタス(CV:櫻井孝宏)

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トランシー家の執事にして、2期の新主人公とされていたキャラクター。その正体はアロイスと契約した悪魔であり、セバスチャン同様左手の甲に契約印があります。執事としてそこそこ優秀ではありますが、セバスチャンには残念ながら及びません
死の島でシエルの魂を奪った張本人であり、シエルの魂に執着するセバスチャンの真意が気になっています。決め台詞は「イエス、ユア・ハイネス」

アロイス・トランシー(ジム・マッケン)(CV:水樹奈々)

クロード同様2期の新主人公とされていた少年。金髪碧眼のトランシー家現当主1874年11月5日生まれ。ファントムハイヴ家に並ぶ英国の闇、「女王の蜘蛛」の役割を担っています。シエル同様に悪魔であるクロードと契約し、契約印はに現れています。
ジム・マッケンは本名で、弟のルカと一緒に小さな村で暮らしていのですが、ある日村が焼かれルカも死んでしまいます。その後先代トランシー伯爵に引き取られますが、己の意志で後継者の地位にのし上がりました。

ハンナ・アナフェローズ(CV:平野綾)

トランシー家のメイドで、長い銀髪と褐色の肌を持つ美女。ですがその正体はやはり悪魔で、魔剣・レーヴァテインを体内に納める能力を持ち、別名「悪魔の剣を納める鞘」と呼ばれています。物静かな女性で、特にアロイスの言うことはどれ程理不尽であっても逆らうことはありません。

ルカ・マッケン(CV:井上麻里奈)

アロイス(ジム・マッケン)の実の弟。兄を慕っていますが、親がいないため村内では迫害を受けていました。「村人を皆殺しにしてやる」という兄の願いを叶えるためハンナと契約を結び、その代償に魂を喰われ絶命します。クロードの「イエス、ユア・ハイネス」はルカの口癖を真似たもの

全ては1期のラストから始まる、シエルの魂を巡る物語

女王の番犬と並ぶ女王の蜘蛛、女王陛下直属の後始末を専門とする貴族トランシー伯爵家。そこには若き当主アロイス「昼を夜に、砂糖を塩に、濃紺を金色に」変える有能な執事クロードがいました。妖精の取替っ子と疑われているアロイスですが、クロードの力を頼みに自由奔放に振舞っていました。
第1話「クロ執事」では、そんなアロイスの屋敷を一人の旅人が訪れます。とある夜に嵐と共にやってきた、その旅人こそがセバスチャンでした。トランシー家の地下に眠る、ファントムハイヴ家当主の指輪──それに宿るシエルの魂を奪い返しに来たのです。それを阻止せんとするクロードとの戦いの末指輪を手に入れたセバスチャンは、屋敷のガラスを突き破って森へと逃げ去ります。

森の奥深くの花畑で、セバスチャンは常に持ち歩いていたトランクを開きます。そこには人形のように抜け殻となったシエルの肉体が納められていました。恭しく抱き起し、その指に指輪を嵌めるセバスチャン「さぁ坊ちゃん、お目覚めの時間ですよ」・・・昇る朝日と共に、新たな物語が幕を開けたのです。

シエルを狙う巧妙な蜘蛛の糸と偽りの真実

蘇ったシエルは、ファントムハイヴ領の治水工事完成披露パーティーや、女王の番犬として人体発火事件の調査誘拐事件の対応など、忙しい日常を送っていました。しかしその中にもちらちらと、クロードの影が見え隠れしています。
のみならずシエル自身が、セバスチャンと契約した後の記憶を失っていました。魂こそ戻しましたが、それだけで全てが蘇ることはなかったのです。「何もかも終わっている」はずなのに、復讐を求めるシエルの不自然さ。それが物語の重要な鍵になります。

第5話「狼煙(のろ)執事」で、トランシー家が主催する仮装舞踏会にシエルを招待したところから、アロイスたちは本格的に動き出します。セバスチャンが屋敷を調べる一方で、アロイスは一人になったシエルを会場から誘い出し「君が欲しい」と正面から宣戦布告します。
会場に来ていたシエルの使用人や仲間たちを盾に脅すアロイスですが、彼らを信じているシエルもセバスチャンも動じません。トランシーの三つ子の攻撃も難なく撃退し、人を狂わせる悪魔の楽器「アルモニカ」の音色もあっさり無害化して、小手調べの戦いはセバスチャンの勝利に終わります。

改めて悪魔同士の戦いを持ちかけるセバスチャンですが、そこで交わされた会話は二人の主も知らないものでした。あの日死の島でセバスチャンは、シエルの魂を喰らってはいませんでした。アッシュに切り落とされ失ったセバスチャンの左腕の契約印、その一瞬の隙を突いて、蜘蛛と化したクロードがカラスを操りシエルの魂を奪い去ったのです。
「復讐を終えた完璧な魂」を欲するセバスチャンは、アロイスを偽りの復讐相手にするため、クロードと悪魔の「誓約」を結びます。クロードは完成したシエルを貰うという約束ですが、当然セバスチャンにそれを守る気は初めからありませんでした。ですがこれ以降、シエルは両親を殺された復讐相手として、アロイスと対峙することになります。

直接対決!シエルとアロイスの決闘の行方は?

再びトランシー家で開かれた舞踏会、それはクロードとセバスチャンの戦いの場として用意された「死の舞踏(ダンスマカーブル)」の会場でした。第7話「殺(ころ)執事」では巨大なチェス版の上で、両家の悪魔たちが熾烈な戦いを繰り広げます。それを横目に席を立ったシエルは、一緒に来たアロイスに直接の決闘を申し込みます
追い詰められ、下のホールに叩きつけられるシエルですが、最後は見事アロイスの腹に剣を突き立てます。そのままアロイスに止めを刺そうとするシエルでしたが、クロードに妨害されセバスチャンに抱きかかえられ、その場は撤退を余儀なくされます。

深手を負ったアロイスは、クロードの興味が自分から逸れたことに気づき絶望します。先の決闘でシエルの血の味を知ったクロードは、完全に狙いをシエルへと変えたのです。アロイスは同じ境遇ゆえの理解を求めシエルの屋敷へと馬車を走らせますが、途中グレルの妨害に合い森の中に放り出されます。
痛みで朦朧とするアロイスは過去の夢を見ます。アロイスことジムは、弟ルカの死後クロードと契約しました。「ルカを殺したのはセバスチャンだ」と嘘を教えられ、それでも自分だけを見てくれるクロードの存在に次第に惹かれていきます。ですが悪魔にとって「愛」という感情は不要なものでした。

せめて最後にとアロイスはクロードに縋りますが、忠実なはずの執事は見下すような冷たい眼差しを向けるだけです。「道具」としての利用価値しかなくなったアロイスを惨殺し、クロードはその魂を深紅の指輪に封じたのでした。

よく似た二つの魂! 蜘蛛の巣に囚われたシエル

アロイスの魂を利用し、クロードがシエルを捕らえるために動いたのが第9話「虚(うろ)執事」からです。女王の番犬が動くであろう事件を起こし、罠にかかったシエルをハンナの虚言で捕らえさせ、怪しげな精神療養所に連れ込みます。特殊な薬液に漬けてシエルを朦朧とさせたクロードは、暗示でよく似たアロイスの記憶と混濁させ、ついにシエルの身柄を手中に納めます
助けに来たセバスチャンに「僕の前から姿を消せ!」と命じるシエル。忠実な執事であらんとするがゆえに、セバスチャンはこの場を去るしかありませんでした。

トランシー邸を去ったセバスチャンは、グレルの力も借りて真相の追求に当たります。トランシーの三つ子を倒し、そのシネマティックレコードを見ることで真実に辿り着くセバスチャン。実はルカはハンナと契約し、兄の望みのために村人の皆殺しを願ったのでした。死んだのはその代償としてハンナに魂を喰われたからです。
その間にもやりたい放題のクロードに、いい加減しびれを切らしたセバスチャンは、シエルの命に背かぬようクロードの前にだけ姿を現します。先の誓約の破棄を告げ、魂の奪い合いのみならず悪魔同士の戦いへと雪崩込む二人。しかしその隙にハンナの策略で、シエルの肉体は完全にアロイスに乗っ取られてしまうのでした。

2期最終回!至高の魂を求める戦いの果てに・・・

どんでん返しの連続!ラスト2話は見逃せない!

アロイスとハンナにシエルの肉体ごと人質に取られ、それを手に入れるために第11話「岐路(きろ)執事」でセバスチャンとクロードは、アロイスの心の迷宮である薔薇庭園を巡ります。スタンプラリーのようにアロイスについての問いが出されますが、その解は真実ではなくアロイスの望みを反映したものでした。そのルールを知りつつシエルを求めるクロード。アロイスはそれに嫉妬しつつも、クロードの想いを確かめる愚行を続けます。
一方、自らの体内に封じ込められたシエルは、アロイスとの記憶のずれを探っていくうち、ついに失われた記憶を思い出しました。それと同時に薔薇迷宮が変化し、シエルは設問に己からセバスチャンへの問いを紛れ込ませることで、ついに真実を手に入れます

動揺するアロイスの隙を突き、シエルは肉体の支配を取り戻します「セバスチャン!」・・・その一言でセバスチャンは、シエルが戻ってきたことを悟ります。シエルはセバスチャンに己が魂を喰えと命じ、「僕の魂を喰らいつくす最後のその瞬間まで、おまえは僕の執事だ! セバスチャン・ミカエリス!」と宣言します。これらの台詞に、セバスチャンが焦がれてやまない「シエルの至高さ」が表れていますね。
再会もつかの間、すぐまたシエルの肉体はアロイスに奪い返されます。そのアロイスも過去の真実を知り、アロイスを──ジムを慕ってくれるハンナの想いを知ります。ハンナとアロイスの再契約を阻止せんと、セバスチャンとクロードが駆け付けますが時すでに遅し。アロイスはジム・マッケンとして、シエルの肉体ごとハンナと契約を結んでいたのでした。

悪魔同士の決闘!シエルの魂は誰の手に・・・?

最終回「黒(くろ)執事」の冒頭で、ハンナはセバスチャン、クロードと共に死の島へ向かいます。ジムが望んだのは悪魔同士の決闘でした。ハンナが抱く魔剣を用いた戦いにより一方の悪魔は必ず死に、それによりジムの願いは成就。ジムの魂が消えることで、シエルの魂も解放され蘇ります。
本気で戦う悪魔たちを、冷めた目で眺めるシエルとアロイスの魂。シエルの体内で契約に立ち会った二人は、当然契約の内容を全て承知しています「哀れな悪魔だ。何も知らず戦い、何も知らないままたとえ勝利したとしても、その暁に手にするものは・・・」そう呟くシエルの瞳には、憐憫の情が浮かんでいます。

やがて戦いに決着が着き、魔剣でクロードの腹を串刺しにしたセバスチャンの勝利に終わります。死の直前に聞いたセバスチャンの言葉で、初めてクロードはアロイスという少年の真価に気づきます。生に飽いた悪魔同士の決闘すら演出してみせたアロイス。その価値を認めたのか、トランシーの執事としての決め台詞を呟き、クロードは絶命します。
ジムの契約は成就し、ジムとルカはハンナの腹の中で再会を果たします。一方ハンナが告げた真相は、セバスチャンを愕然とさせるものでした。「シエル・ファントムハイヴは、旦那様との契約により悪魔として蘇る」・・・その言葉を残してハンナは、シエルを抱いたまま海へと落ちていきます。

「あの日」と同じように、シエルを求め海へと飛び込むセバスチャン。ですが状況はまるで正反対でした。「あなたにとってシエル・ファントムハイヴは死人も同然」・・・ハンナのその言葉を確かめるために、セバスチャンは沈みゆくシエルに手を伸ばします。
「私が理解出来るのは、人間の魂の味だけ」──そう告げるセバスチャンの前で目を開けたシエルの瞳は、深紅に染まっていました。その瞬間、セバスチャンはシエルの腹を手刀で貫きます。不可能と分かっていながらも、せめて完全に悪魔と化す前に、シエルを殺そうとしたのです。

「あくまで悪魔の執事」・・・その永遠の呪縛とは

場面は一転し、ファントムハイヴ邸の朝の風景。全ての日常が戻ったかに見えますが、実際は大きく異なっていました。シエルは悪魔と化し、黒い服を好み、もう人間の飲み物である紅茶を口にすることもありません。碧い当主の指輪に目もくれず、一日の予定も自らの意志で決めることを宣言します。
その間セバスチャンは全ての後始末を行い、執事長のバッヂもタナカに返すことで後を託します。「人としての生」を終えたシエルは使用人たちに別れを告げ、悲しむ彼らを「思い出になど何の意味もない」と諭し、屋敷を去っていきます。

夕日に紅く染まる馬車の中で、思わずセバスチャンの本音が零れます。「復讐が完了した際には魂を頂ける。だからこそ私は、執事としてあなたにお仕えしてきました」──ですがその言葉も、薔薇迷宮での命令を盾にシエルは一笑に付します。「お前は永遠に僕の執事だ」 それは契約印で繋がれたまま、「あくまで悪魔の執事」となったセバスチャンへの永遠の呪縛でもありました。
やがて辿り着いたモノクロの薔薇園「どこへ行きましようか」のセバスチャンの問いに、「どこでも構わない」と応じるシエル。永遠の牢獄に閉じ込められたセバスチャンは、白黒の薔薇が咲き乱れる崖から、シエルを抱いたままその身を投じます。舞い散る花びらの向こうに消えた二人。その後どうなったかは誰も知りませんでした・・・。

オリジナル展開は賛否両論。しかし別の期待も!

2期も含めたトータルで見ると、黒執事のオリジナル展開は賛否両論、真っ二つに分かれています。特にラストでシエルが悪魔化したことや、セバスチャンが思いを遂げられなかったことなどは、批判もそれなりに見られました。
主役だったはずのアロイスとクロードの、ストーリーの中での扱われ方もそうですね。特にアロイスは8話で早々と退場してしまったのが、ファンにかなり惜しまれました。(魂としては最終回まで登場していましたが)

ですが黒執事関連の噂では、「アニメ版は原作のネタバレ」というのがあります。枢先生や担当編集の熊さんが協力されているのもあるのでしょうが、実際使用人たちの「仕事」葬儀屋の正体なども、原作に先行してアニメで描かれていました。そうした前例からすると、2期の内容も「原作のネタバレ」が含まれているかもしれませんね。
何はともあれ、原作至上の方にはちょっとトラウマかもしれない、アニメオリジナル展開。「何でも許せる方向け」かもしれませんが、ツボにはまればなかなか楽しめますので、よろしければぜひ一度アニメ1期・2期を視聴されることをお勧めします!

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