【20世紀少年】ともだちの正体は?謎多き名作SFの8つの魅力

空前の大ヒットとなった「20世紀少年」の魅力に迫ります!ともだちの正体とは?何故ここまでヒットしたのか?映画と漫画の違いはあるの?など「20世紀少年」について詳しく紹介していきます。

20世紀少年とは?

20世紀少年の正式名称は「本格科学冒険漫画 20世紀少年」で、作者は浦沢直樹です。全22巻既刊していて「21世紀少年」も上下巻で2巻既刊しています。主人公の遠藤健児が少年時代に書いた「よげんの書」の内容の通りに事件が起こっていくことから物語が始まります。

そこには「ともだち」と呼ばれる人物が深く関係していて、宗教団体の教祖のようにたくさんの崇拝者を集めて「よげんの書」の通りに世界情勢を支配していきました。「ともだち」もケンヂと少年期に深く係わった人物で、ケンヂの過去が全ての鍵を握っているストーリーとなっています。

「ともだち」の計画を阻止するためにケンヂを始めとしてたくさんの仲間が集まり、過去、現代、未来をテーマに挑んでいくミステリー要素を含んだSF作品です。

20世紀少年の魅力その1:舞台となる時代

ストーリーの中心となる舞台は主人公ケンヂの過ごした少年期です。多感な時期で何をするにしても友達をたくさん引きつれて好きなことを思いのままにやろうとしていました。そんなケンヂの少年期は、昭和40年代で日本が高度成長期を迎えた後の時代となっています。

空き地がいくつもあり、子どもの遊び場が豊富だからこそ秘密基地を作ったりして遊ぶことができました。きっと同じ年代の人が見れば「こんなことがあったな……」と懐かしく思う人もいるはずです。

その一方でその時代を知らない人でも「昔はこんな時代だったんだ」と考えさせられもします。作者が過ごした昔の時代をしっかりと捕らえているからこそリアリティも出ています。

20世紀少年の魅力その2:個性のあるキャラクター

20世紀少年に登場するのは、ケンヂの小学生時代からの友達ばかりです。みんな平凡な人生を歩んできたのでしょうか?意外とそうではない人物もいます。オッチョは、元々サラリーマンだったのに海外に渡り用心棒のような危ない家業に転職をしていました。

それ以外にもケンヂの姪にあたるカンナは少しですが超能力が使えます。更に「ともだち」は予知能力があり、それに仕えている人間はどれもこれも異常と呼べるほどの狂信者が勢ぞろいしています。

そんなキャラクターの変動が大きく出たのは、やはり未来に時代が移ってからです。友民党が日本に浸透してしまったことでおかしな世の中になり、人間の質もどんどん変わってしまったのです。

20世紀少年の魅力その3:先が読めないストーリー展開

20世紀少年は、主人公のケンヂをめぐっていろいろなことが起こります。そしてそれはケンヂの少年時代の話に深く係わってくるものです。微かな記憶を頼りにたくさんの謎を解いていくことが重要になるのですが、その手がかりを手に入れるためにたくさんのストーリー展開があります。

時代も移り変わったりしますので、たくさんの登場人物が出てきて、そこから新たなヒントを手にします。しかしそれが本当の謎に繋がるヒントかどうかも分かりません。だからこそ、「え?騙された!」と読者も思ってしまうような展開があります。

枝分かれしたストーリー展開や場面の構成がされているからこそ、単純に読めない流れが出来上がっています。

20世紀少年の魅力その4:漫画と映画には違いがある

漫画と映画の違いはあるのでしょうか?20世紀少年の劇場版は3部構成で作られました。やはり1本で終わらせるには無理があるほどの内容だから納得してしまいます。1部では漫画同様に現代での話をまずは完結させます。

そして2部で未来の話になり、最後の3部で「ともだち」との最終決戦をします。ここまでは漫画とほぼ同じ内容でストーリー展開しているのですが、数か所違う所があります。大きなところだと「ともだち」の入れ替わっているタイミングと最後のケンヂと「ともだち」の屋上のシーンです。

それでも漫画と大きな差はなかったので、演出の違いだけでそれほどの違和感はありません

20世紀少年の魅力その5:映画版の豪華なキャスト

映画20世紀少年は、主演から始まり全ての配役が豪華であり、漫画に忠実な人物を選んでいると話題にもなりました。

まずは、主人公のケンヂは唐沢寿明で、オッチョは、豊川悦司、ユキジは常盤貴子、カンナは平愛梨、ヨシツネが香川照之、マルオが石塚英彦、フクベエが佐々木蔵之介とメインのキャラクターは凄いメンバーになっています。

その他にも宇梶剛士宮迫博之ユースケ・サンタマリア小日向文世藤木直人小池栄子古田新太も出演しています。更に驚くのは、1作限りで出ている脇役的なキャラクターでさえも有名人がたくさん出ています。

及川光博、遠藤憲一、竜雷太、西川雅彦、吉田羊、佐藤二郎、高嶋政伸、田村淳、田中要次、石丸謙二郎など脇役でいいの?と思えるような人物が出ています。

20世紀少年の魅力その6:考察が止まらない、ともだちの存在

20世紀少年の一番の見せ場となるのは、「ともだち」の存在です。これを無くしては語れない漫画でもあります。ケンヂの過去は曖昧な部分が多く、ケンヂ自身が思い出せないエピソードが数々あります。

その記憶をひも解いていくことで「ともだち」の存在が明らかになります。ここからはネタばれになりますが、劇場版はカツマタが最後まで「ともだち」ですが、漫画ではフクベエが1部までは「ともだち」で、2部以降がカツマタが「ともだち」でした。

フクベエは、初期からいるケンジの友達ですが、カツマタに関しては、終盤にしか登場しません。それだけケンジの記憶には残らなかった存在ということになります。しかしケンジとカツマタを繋ぐ駄菓子屋の事件を思い出すことで解決の糸口に繋がります。

20世紀少年の魅力その7:読者の期待を背負った作者のがんばり

20世紀少年の作者である浦沢直樹は、自らの少年時代をこの作品に当てはめて作り上げています。主人公のケンヂは自分自身といっても良いくらいに趣味嗜好が似ています。浦沢は若いころに軽音部に所属してギターを弾き、バンドも組んでいました。

そこもケンジと同じですね。好きなバンドがTレックスということもあり、題名の「20世紀少年」もTレックスの曲「20センチュリー・ボーイ」から取っています。そんな自分自身を投影しながら描き続けてきたのですが、体にも支障が出てきました。

腕が上がらなくなり描くことも困難な状況になったのです。「プロフェッショナル仕事の流儀」に登場した際にもこのことについては語っていますが、背負った期待に応える分だけ頑張り続けた結果とも言えます。休載を経てからの復活劇も主人公ケンジの復活と重なっています。

20世紀少年の魅力その8:壮大なストーリーから生み出された名言

20世紀少年にはたくさんのキャラクターが登場し、それぞれの過去や家族に対する思い、これからの未来についての考え方が違います。思想は同じ方向に向かってはいるもののそれぞれの生き方があるからこその名言などもたくさんあります。

もちろん、主人公ケンジに反対する組織にも世界を変えるための異なった考え方があるので、そこから生まれる言葉もあるのです。

俺は無敵だ!

これはケンヂの定番のセリフでもありますが、ケンヂ以外の人物も使ったりしています。絶体絶命の時にでも周囲の人間を諦めさせない力強い言葉で、自らも奮い立たせるためにも使っています。世界を救うということは並大抵の覚悟がなければできません。

たくさんの仲間を率いていれば失敗も許されません。そんな時に迷っていたり、少しでも逃げたくなる気持ちを抱いてしまうと統率力が崩れてしまいます。だからこそ、自分は無敵だから死んだりはしない!死なないから乗り切れる!そんな気持ちを抱いて目の前の困難に立ち向かうのです。

本気で勝負すると 何かが決壊するんだ。



ケンヂの言葉ですが、実際にあったフリーコンサートの様子を表した言葉です。世の中は金かもしれないけど、人の熱量は金では縛ることができないということを話しています。何万人と集まる人間の純粋な気持ちに対して細かくコントロールしようということが無理なのでしょう。

本気で行ったものにはそれだけ人の心を動かすものがあるということです。何十万という人間の心を動かすことができるのは、それだけ音楽には力があるのだということを実感させられます

強いとは弱さを知ること。弱さとは臆病であること。臆病とは大切なものを持っていること。大切なものを持っているということは強いということ

これはオッチョが師匠と呼んでいる人物が口にした言葉ですが、なかなか奥が深いです。男なら誰しも強くなりたいと思うかもしれませんが、そもそも強さとはなんなのか?というところです。相手の気持ちを考えることができなければ強さは得られないということです。

ただ無意味に力を振り回していたらそれは、強さではなく暴力でしかないのです。相手の気持ちを知って力を使ってこその強さであるのです。自らの弱さを知ることでまずは相手の気持ちも分かるようになります。そしてその弱さは臆病に繋がります。

臆病とは相手を傷つけたくないという気持ちがあるから向かえないのですが、相手を思うからこその行為でもあります。だから、強さ、弱さ、大切なもの(相手を思う気持ち)、臆病が結びつくことで強さが成り立つのです。

20世紀少年の魅力を知って漫画も映画も楽しもう!

20世紀少年は、話題性も十分なストーリーで映画化も3部作で公開しました。物語の舞台となっているのは昭和40年代で作者自身の少年時代をそのまま投影したものになっています。そんな時代背景に共感したり知らない時代の人からするとレトロで面白いものにも見えます。

そして現代、未来と場面展開をするのも見どころの一つになっています。過去、現在、未来にまたがってミステリー要素が強い作品でもあるので、読者も先が気になってしょうがなくなります。

そして漫画と映画ではストーリーの結末が多少変わっていたりするので、それぞれを見比べてるのも楽しいです。空前の大ヒットとなった20世紀少年は、見るものを惹きつける要素がたくさん詰まっていますのでまだ見ていない方にもお勧めできる作品です。
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