「惡の華」が危険な作品すぎる5つの理由!衝撃のラストもネタバレ!

別冊少年マガジンで連載していました、惡の華。思春期特有のドロドロとした感情を描き、アニメ化もされ話題となりました本作。その危険すぎる内容を徹底解析します。刮目せよ、クソムシたち!!

危険すぎる作品「惡の華」とは

惡の華」は押見修造による漫画で、別冊少年マガジンで2009年から2014年まで連載されていた作品です。思春期特有の鬱屈したドロドロとした感情を描いた青春漫画として話題となりました。単行本全13巻のうち6巻までは中学編、7巻第34話からは高校編と分かれています。

惡の華のあらすじを紹介

主人公は内向的な性格で対人関係も苦手、理想と現実のギャップに悩み続ける春日高男。同じクラスの美少女・佐伯奈々子に想いを寄せる春日は、ある日の放課後、出来心で彼女の体操着を盗んでしまいます。その一部始終をクラスでも変人として嫌われている仲村佐和に目撃されてしまい、弱みを握られてしまった春日は、仲村とある契約を結びます。
そんな中、意外にも佐伯と付き合うことになった春日は佐伯への恋心と罪の意識に苛まれながら、破天荒な仲村にも次第に惹かれるようになります。3人のドロドロとした自意識は互いに交錯し、思いもよらないような結末へと繋がってしまいます…。

青春の歪み…「惡の華」の登場人物を紹介

「惡の華」にはドロドロした青春の鬱屈…が魅力的なわけですが、それを彩るのはストーリーに負けじ劣らず個性を持ったキャラクターたちです。
そんな魅力的なキャラクターを一挙にご紹介します。

春日高男

本作の主人公。ボードレール「悪の華」を愛する文学少年。内向的な性格で、難しい本を読んでいる自分は他人とは違って特別なんだという強い自意識を持っています。佐伯奈々子をファムファタール(女神)と憧れつつ、奔放な仲村佐和にも徐々に惹かれていきます。誰しも中学生くらいの頃には持つ強い自我を思いっきりこじらせちゃっている、ザ・思春期の男の子って感じです。

仲村佐和

本作のヒロイン。周囲に一切合わせようとせず、無表情かつ冷淡な性格の持ち主。いったん口を開けば、教師や親など誰彼構わず暴言を吐きまくります。 もう気持ちいいくらいの毒舌です!春日が佐伯奈々子の体操着を盗む現場を目撃したことから、春日と契約を交わし、ほぼ奴隷状態にします。反抗期を超えた理解不能な言動をとるのですが、春日の性欲や背徳感を暴け出すことで、建前に満ちた退屈な日常を壊そうとします。

佐伯奈々子

常盤文

中学編のもうひとりのヒロイン。ルックスの良さと、誰にでも分け隔てなく優しい性格の持ち主で、クラスメートからの人気もものすごく高いです。クラスのマドンナ的存在なのですが、実際は周囲の期待に合わせているだけの自分のあり方に虚しさを感じていました。そんな中、自分の知らないことをたくさん知っている春日を魅力的に感じ、告白をきっかけに交際を始めます。しかし、春日と仲村の間の特別な関係を察していくにつれ、徐々に不安を募らせ、一度は別れます。
のちに、非常識で退廃的な行動をとる二人に触発され、自分の中で抑え込んでいた激情をあらわにしていきます。作中、もっとも変化のある登場人物のひとりです。

高校編のヒロイン。スタイルがよく、男子の間でもすごく人気があります。明るい性格で学校ではいつも友人に囲まれていますが、本当は小説家を志望する大の文学好き。春日に出会う前は共通の趣味を持つ者はいなく、次第に心惹かれ、春日の告白をきっかけに交際するようになります。春日は彼女とともに過去の出来事を乗り越え、未来の人生を歩んでいきます。

原作漫画は中学編と高校編の2部構成

単行本の第1巻の表紙がとても印象的な『惡の華』。「クソムシが」という台詞を微笑みながら毒づく少女(仲村佐和)が描かれています。『惡の華』の話は中学時代と高校時代に分かれており、中学編では、一見平凡な主人公がある出来事をきっかけに日常から外れ、常軌を逸した行為の中に身を投じていく様子が描かれています。
中学編には自我や性欲の目覚め、退屈な日常や大人への嫌悪などがあり、破滅的な行動を取っていきます。春日や仲村、佐伯が取った行動が破滅的な行動が最終的に大きな事件となり、中学時代は幕を閉じます。高校編は事件から3年経った後、高校生になった春日が、中学時代を見つめなおし抱えていた問題を乗り越えていく様子が描かれます。

「惡の華」中学編の結末をネタバレ!

主人公・春日高男は、フランスの詩人ボードレールをこよなく愛する内向的な少年。周囲が”理解できない”ことを“自分だけは理解している”というポジションに立つことで、周りと格差を作っています。ある日の放課後、春日は偶然落ちていた憧れの女子・佐伯奈々子の体操服を盗んでしまいます。それをクラスメイトの変人・仲村佐和に見られてしまい、ばらされたくない春日は仲村の完全服従。理不尽な命令による変態行為につきあうことになります。盗んだ体操着を服の下につけたまま、佐伯とデートするシーンは思わず息を飲みます! 
仲村は「普通で変わりばえのない日常」に自分の居場所を見出せないでいますが、春日の盗みを目撃して、自分と通ずる部分を見出します。最初は仲村を嫌がっていた春日だが、少しずつ仲村の考えに傾倒していき、犯罪行為を自ら考え実行していくようになります。一方で、どんどん変態になっていく春日と付き合った佐伯奈々子。彼女も春日と仲村に引きづられるように変わっていきます。一見何の闇も無さそうで幸せそうな佐伯も、優等生という殻を脱いで、まともではない部分をさらけ出します。仲村を追う春日をなんとか自分のほうへ引き戻そうと、佐伯はあらゆる手を尽くします。しかし、春日の心は中村を追うのでした。
 
二人は今ある現実を壊したり、自転車で自分たちの街を離れようと計画し実行していきますが、失敗。その中で、悟ります。「どこまで行っても何をしても、自分は自分でしかない」と。追い詰められた二人は、最後の計画を実行に移します…。たくさんの人で賑わう祭りの最中、やぐらに登った二人は、周囲を罵りながらも、結局自分たちも”クソムシ”であったことを叫びます。言い終わって焼身自殺を図る最後の瞬間、仲村は春日を突き飛ばし一人で逝こうとします。しかし、結局二人とも大人たちに取り押さえられ、計画は失敗に終わります。

「惡の華」高校編の結末をネタバレ!

春日は、中学時代の事件後、かつて住んでいた街を離れ、普通の高校生として目立つことなく日常を過ごしていました。中学時代の事件で様々なものを失ってしまった春日は家族との関係も冷え切ったままで、「幽霊」のようにひっそりと過ごしていました。そんな上辺だけの日常の中で、春日は常盤文という美少女と接点をもつようになります。
常盤は、本当は小説家志望の文学少女だが、普段はその姿を隠して周りの人とつきあっていました。常盤が周囲に隠していた本当の姿を、春日が手放しで褒めたことで、彼女にとって春日は特別な存在になりました。
 
ある日、春日は偶然佐伯奈々子と出会います。
ファム・ファタール(女神)と憧れていたかつての姿とはすっかり変わった佐伯は、春日にこう言うのです。
「常盤さんは仲村さんの代わり?一生そうやって逃げ続けてくんだね。」
 
佐伯の言葉に圧倒され、過去に囚われたままの自分に気づき、ふさぎこんでいく春日。
しかし、その殻をやぶるヒントは常盤の執筆途中の小説の中にありました。
過去をひきずったままの自分と、本当の自分を隠したままの常盤。
「僕がきみの幽霊を殺す。きみが好きだ」常盤は上辺だけしか見てくれない彼氏を振って、春日を選びます。
 
春日は常盤とともに過去の出来事を乗り越える為に、仲村佐和に会いにいきます。
小さな街で母と暮らしている仲村を探し出した春日。中学時代とは違い、穏やかな印象の仲村。あの事件以来の再会。
「みんなが行く道を選んだんだね」と言って仲村は去ろうとしますが、そんな彼女を春日は砂浜に引き倒します。
「僕はうれしい、仲村さんが消えないでいてくれて」と春日は泣きながら告げます。
海辺でじゃれあい、とびきりの笑顔を見せます。
別れの場面。「二度と来んなよ、ふつう人間」
 
数年後。春日は常盤と一緒にいます。常盤は夢だった小説家に一歩前進し、幸せそうな二人の様子。
 
場面が変わり、未来の映像。
惡の華を見つめる春日。
常盤は小説家になり、幸せそうな常盤と春日の間には子供がいます。
佐伯は夫と子供と平凡な生活。
仲村は冷え切った関係だった父と和解。
場面が変わり、また惡の華が登場します。
はっと目を覚ます春日。未来の映像は夢でした。春日は思い立って何かを書き始めます。
こうして物語は幕を閉じます。

「惡の華」アニメ版はロトスコープを使用した異色作に!

「惡の華」は2013年4月から6月まで、アニメ化されました。驚くべきはその手法で、日本のアニメーションでは珍しく「ロトスコープ」という手法を用いて製作されました。
実写を意識し、けれども実写とも異なる不思議な浮遊感が画面を通して感じられます。かなり実験的ではあるので、原作を知っている人は少なからず驚くとは思いますが、違ったかたちで「惡の華」の世界観を確立しています。未見の人はぜひいちど見てみることをオススメします!
ロトスコープとは、モデルの動きをトレースした作画をアニメーションさせる手法。

一番一般的なものは、動画撮影などを行って入手した画像の上から、ソフトやツールを通して描き込みをしたりして創っている。背景は実写的描写だが、描かれている人物や物がイラスト調になるため、一風変わった作品が出来上がる。

動画撮影→トレースという手順を取る以上、通常よりも制作時間と費用が掛かるが、実写の動きをトレースしているために大変精巧な動きを見せることが出来る。

ロトスコープを全編使用した有名アニメでは、ディズニー映画の『白雪姫』や、アニメ版『指輪物語』(ロード・オブ・ザ・リング)など。

日本のアニメではあまり例がないが、2013年にアニメ『惡の華』に採用され、話題となった。

出典:https://dic.pixiv.net

惡の華で青春の暗部を思い出そう……

青春漫画は数あれど、「惡の華」は他の作品とは一線を画しています。それは、思春期の少年・少女の悩み、焦燥、性への憧れや倒錯、自我の目覚めなど他の漫画作品が描いてこなかったテーマを包み隠さず描いているからです。好きな人の体操着を盗んだことはなくても、誰しも青春時代にやらかした人には言えない秘密を持っているものです。
「この漫画を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、かつて思春期に苛まれたすべての少年少女に捧げます。」
この作品を通して書かれた作者の言葉通り、「惡の華」は壁にぶつかりながら成長していくすべての人たちにとって、バイブルになる作品なのでしょう。