作家チュニック・パラークの作品を映画化した衝撃作品『ファイト・クラブ』。今回は1999年に日本でも公開され、主演の一人、ブラッド・ピットの名前を一躍有名にしたファイト・クラブについて書いていきます!
正気と狂気、いたずらからテロへ。どんどんと加速していく物語とその結末をネタバレありで大公開!洋画ファンなら見ておいて損は無いですよ!
目次
ブラピ主演の傑作映画『ファイト・クラブ』とは
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— アニメ・映画LOG (@anime_eigaLOG) 2017年9月6日
映画ファイト・クラブとは、1996年アメリカの作家チャニック・パラニュークによって執筆された小説ファイト・クラブを映画化したもので、監督はエイリアン3、ベンジャミン・バトン~数奇な人生、ゴーン・ガールなど数々のヒット作品を手がけたデビッド・フォンチャーが勤めています。
反グローバリズムをうたった作品としては珍しくダブルキャストとして主人公は二人おり、内一人は最後まで一切名前を明かさないという大変珍しい手法で描かれています。エンパイア賞ではヒロインを務めたヘレナ・ボナム=カーターが英国女優賞を、オンライン映画評論会賞ではDVD賞、DVDコメンタリー賞、DVD特別編賞をそれぞれ受賞しています。
また、アメリカ国内では大変反響し、原作者のパラニュークと原作となった小説も一躍有名になりました。
登場人物の紹介
日本でも大変な話題作となったファイト・クラブ。ダブルキャストの内の一人、ブラッド・ピットの日本での人気を揺るがぬものとした作品としても大変有名で、反資本主義、反グローバリズムを描いた作品にもかかわらず作品が発表されてから20年近く経った現在でも根強い人気を誇っています。
今回は、そんなファイト・クラブの主要登場人物の3人にスポットを当てて紹介いたします。
ナレーター(僕)
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本作品一人目の主人公、ナレーターは実は名前がありません。作品内で便宜上「ジャック」と呼ばれるシーンは有りますがそれはあくまで小説を題材にした例え話の際に使用されたもので、エンディング・クレジットでもナレーターとして名前の無い人物と表記されています。(このページでも便宜上彼の事をナレーターと書いています。)
ナレーターは自動車会社のリコールの調査部署に勤めているごく平凡な会社員です。物質的には満たされている生活をしていますが、その一方では心の落ち着きは無く長い間不眠症を患っていました。物語は彼のナレーションで進んでいき、ナレーターを中心に少しずつ、少しずつ彼を取り巻く世界が変わっていきます。
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謎大き主人公、ナレーターを演じたのは今や実力派俳優で知られるエドワード・ハリソン・ノートンです。実はノートンの映画デビューは1996年で、映画真実の行方のオーディションで採用されアーロン・スタンブラー役を見事に演じゴールデングローブ賞にて助演男優賞を受賞し、一躍実力派俳優達の新星として鮮烈なデビューを飾りました。
俳優を志す前はイェール大学にて天文学と日本語を学んでおり、デビュー後も都市プランナーとして活躍している祖父と共に大阪に一年半滞在し海遊館の巨大水槽の設営に携わっています。先の東日本大震災の際には妻のジョーナ・ロバートソンと共に立ち上げたチャリティーサイト、Crowdriseにて救援募金を大々的に呼びかけるなど親日家としても有名です。
タイラー・ダーデン
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この作品のもう一人の主人公、ブラッド・ピット扮するタイラー・ダーデンは石鹸の行商人としてナレーターと出会います。今回彼が演じたのはユーモアセンスが抜群の危険な男。さえない会社員のナレーターとは正反対の性格をしていましたが、意気投合をし友人になりました。
ピットはこのタイラーの役の為に前歯を一度除去し、撮影終了後に元に戻したそうです。またファイトシーン、つまり1:1で行われる喧嘩シーンが多く挿入されている為、ボクシング、テコンドー、グラップ・リングのレッスンを受けてから撮影に挑むなど大変強い意気込みで挑んだ作品だと伺えます。
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本作でタイラー・ターデンを演じたブラッド・ピットは努力家で知られる俳優です。1987年追い詰められてという映画に出演したのが映画デビューの作品です。大学を中退後、演技のレッスンを受ける傍らに様々な仕事をし87年に端役ですがデビューを飾ります。
1988年にはリックで初の主演を飾りますがクロアチア紛争の影響ですぐには公開されず翌年の1989年に日本では公開されていないホラー映画処刑教室-最終章-にて主演を勤めます。
ピットの転機となったのは1994年のインタビューウィズバンパイアで、ルイス役を演じMTVムービーアワードで二部門を受賞しました。
その後はスリーパーズや本作ファイト・クラブ、トロイやフューリーなど様々な映画に出演し役に対してポテンシャルの高い役者として多くの人に愛されています。
マーラ・シンガー
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ヘレナ・ボナム=カーター演じるマーラ・シンガーは、ファイト・クラブではヒロインのポジションの役割を担っています。精神的にとても不安定な女性マーラはナレーターにとっては自分のテリトリーに紛れ込んできた腫瘍のような女。
この作品では、ナレーターが直視したくない自分のいやな部分をマーラという女性に投影して描き出されています。
なので、登場時からずっとナレーターはマーラを嫌いながらも気に掛け続けており、やがてナレーターのマーラへの気持ちが嫌いや憎しみから好感へと変化していく様子は、自分の嫌な部分を認めて自分を好きになるのと同義として作中に描かれています。
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ヘレナ・ボナム=カーターは1983年にテレビ映画A Patternof Roseで女優デビューを果たした女優です。映画レディ・ジェーンや、眺めの良い部屋で彼女の演技は国際的に注目を集め、イングリッシュ・ローズの愛称で呼ばれるほど人気を集めます。
1997年の鳩の翼ではロザンゼルス映画評論家協会賞にて主演女優賞を、1999年には本作ファイト・クラブでエンパイア賞にて英国女優賞を取得、その人気を揺るがぬものにしました。様々な作品に出演しているカーターですが、私が彼女の役柄でとてもうまいと思うのはどこか少し壊れた女の役です。
本作のマーラもですがスウィニー・トッドのミセス・ラヴェットやアリス・イン・ワンダーランドの赤の女王など大変インパクトのある役柄を見事に演じきっており、今後の出演作が楽しみな女性です。
映画『ファイト・クラブ』 ストーリーネタバレ①
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不眠症の僕と不安定な彼女マーラ
自動車会社のリコール調査部署に勤めるナレーターは仕事で全米各地を飛び回っている平凡なサラリーマンです。多少他の会社よりも稼ぎがよく、雑誌に出てくるような男の理想の部屋を完成させて住んでいますが、物には豊かな生活を送っていても精神は落ち着かずに不眠症を抱えて眠れない生活をしていました。
医者に紹介された重い病気の患者などが集まるカウンセリングに出席し、そこで思いっきり泣く事で心のわだかまりを落とし少しだけ眠る事ができる。偽の患者を装って様々なカウンセリングに出席していくうちに、まったく病気のようには見えない女性、マーラと知り合います。
マーラもナレーターと同じように偽の患者で自分の中の不安定をカウンセリングに来ることで発散している、ナレーターと同類の女性でした。
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自身の安眠の為にナレーターはマーラと話し合い、曜日毎に開催されるカウンセリングに出席する曜日割を決めますが、マーラと出会って以降はまた泣けなくなってしまい、不眠症が悪化してしまいます。
映画『ファイト・クラブ』 ストーリーネタバレ②
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切符一枚分の友人、タイラーという男
リコールの調査部署に勤めるナレーターはとにかく出張で飛行機を使う事が多く、退屈な飛行機の時間を紛らわす為に、いつも隣に座った人に切符一枚分の友達として話しかけています。その日もナレーターは出張帰りの飛行機の中で隣に座った男に話しかけ、男は石鹸の行商を営むタイラー・ダーデンと名乗り名刺の交換をしました。
イケメンで、自由そうで、ユーモアとウィットに飛んでいる。自分とは何もかも違うタイラーに好感を持ちますが、飛行機から降りるとそこで関係も終わりタイラーを見送った後に自宅に帰ります。
しかし、自身の理想の城だった自宅は爆発火災が起こっており、帰る家を失ってしまいました。行く宛のなくなってしまったナレーターは、機内で交換した名刺を見つけタイラーに連絡を取ります。
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バーで待ち合わせて一緒に飲んでいるタイラーに促され、ナレーターは爆発で自宅を失った旨を話します。快く協力を請け負ったタイラーは駐車場で力いっぱい俺を殴ってくれという妙な頼みごとをナレーターにしてきました。
最初はお互いふざけあいながら、次期に本気になって
殴り合いをしてボロボロになった二人は痛みの中にも生きている実感を感じ、一緒に暮らし始めた後も時々二人でバーの駐車場で殴り合いをするようになります。
二人のやり取りを見ていた周囲の酔っ払いたちはどんどん自分も入れてくれと殴り合いに参加するようになり、殴り合いは毎日行われるようになりました。
映画『ファイト・クラブ』 ストーリーネタバレ③
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ファイトクラブ設立
やがて男達は場所を地下室に移し、1:1の殴りあう喧嘩を行う会、ファイト・クラブが設立されました。タイラーはファイト・クラブの中心人物となり社会の地位に関係なく全員が平等に殴りあう為のルールを作りました。
ファイト・クラブ ルールその1、ファイト・クラブのことを決して口外するな。
ファイト・クラブの中では社会の地位は関係なく、本来の男としての強さが重視され会社では弱い立場のナレーターも自身よりも体格のいい男を殴り倒した事で自信を持ち、不眠症も改善していきました。
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ファイト・クラブのおかげで精神的に満たされたナレーターは、次第にタイラーの仕事を副業として手伝うようになります。タイラーの仕事と言うのは様々あり、石鹸製造販売から
映画のフィルム張り、深夜のレストラントの仕込みなどです。
セレブが通う痩身クリニックから切除した脂肪を盗み石鹸をつくってセレブに売る、子供向け映画のフィルムのつなぎの部分に一枚だけアダルト映画のラヴシーンを入れる。深夜のレストラントで仕込むスープにおしっこを入れる。
タイラーの行ういたずらの数々は偽善に満ちた資本主義社会への小さないたずらに満ちていて、ナレーターもそれを面白い刺激として最初は捉えていました。しかし、ある日マーラからの一本の電話で安定したかに見えた日々は再び均衡を崩し始めます。
映画『ファイト・クラブ』 ストーリーネタバレ④
#ファイト・クラブ#ナレーター#マーラ pic.twitter.com/qET021AxYF
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いたずらからテロへ。タイラーの正体と爆破テロ計画
マーラから睡眠薬を飲みすぎて助けてくれと言う旨の電話がある日かかってきました。ナレーターは関わりたくないので一切ムシ。しかしタイラーはマーラの元へ向かい二人は関係を持つ事になります。気ままな二人の暮らしから一転し、三人の不安定な暮らしへ。
ファイト・クラグの面々も自分を置き去りにして何かを企てているようでナレーターは徐々に苛立ちを募らせていきます。そんな時、タイラーからファイト・クラブに喧嘩をして負けろという宿題が出され、ナレーターも会社の上司相手にその宿題を遂行し、自分で自分を殴ってボロボロになったことを上司にやられたと申告し、起訴を恐れた会社から在宅勤務の権利を勝ち取りました。
宿題が成功したにも関わらずナレーターは蚊帳の外で、タイラーはメンバーの中からスペース・モンキーズという集団を作ってしまいます。
#ファイト・クラブ#タイラー・ダーデン#スペース・モンキーズ pic.twitter.com/mqf3ppJHMA
— アニメ・映画LOG (@anime_eigaLOG) 2017年9月7日
やがてファイト・クラブはタイラーの煽動によって現代社会の構造に疑問を持った集団に変わってゆき、タイラーの発案した騒乱計画(プロジェクト・メイヘム)の始動をきっかけにテロリスト集団へと変貌していきます。
いたずらからテロへ、徐々に過激な破壊行動へと変貌して行く煽動を止めようとナレーターはタイラーを追いますが、タイラーは全米の殆どの都市にファイト・クラブを設立しておりいつもナレーターよりも一足先に次の場所へと旅立った後でした。
タイラーの足取りをたどる中、ナレーターはとあるファイト・クラブで見知らぬ店主に話しかけられます。店主の話し方に違和感を覚えたナレーターは自分は誰かと言う問いかけをし返ってきたあなたはダーデンさんですという答えに衝撃を受けました。
映画『ファイト・クラブ』 ストーリーネタバレ⑤
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その手に銃が有るってことは。タイラーの消失、そして衝撃のラストシーンへ
混乱しながらもナレーターはマーラに電話をかけ自分の名前を聞くいているとそこに再びタイラーが現れます。タイラーは自分はナレーターの理想の姿でもう一つの人格だと伝え、今までやってきた全てはナレーターが行ってきたという事実を聞きあまりの衝撃にナレーターは意識を失ってしまいます。
目が覚めてからナレーターはタイラーがさらに計画していた同時爆破テロを突き止めその内容と一連の騒乱計画を警察で話をし自首しようとしますが、既に警官にもメンバーがおり危うくタマを切られるところでした。警察がダメだと分かったタイラーは自分で何とかしようと考え、町中を駆け回ってようやく爆弾が仕掛けられたビルを見つけます。
何とか爆弾を一時停止したところに再びタイラーが現れ、殴り合いに負けたナレーターはまたもや気絶してしまいます。
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— アニメ・映画LOG (@anime_eigaLOG) 2017年9月7日
ナレーターの意識が戻るとそこは見知らぬビルの高層階で、タイラーに口の中に銃を突きつけられていました。さらにビルの階下にはスペース・モンキーズによって捕まったマーラが連れてこられているのを目撃し、もう自分に勝ち目がないとあきらめかけます。
タイラーが銃を持っているということは、僕が銃を持っていることだ。そう気づいた瞬間に銃はナレーターの手の中に握られており、ナレーターはタイラーが止めるのを聞かずに自分の口内を打ち抜きました。
銃弾は急所を外れましたがタイラーは消滅し、連れてこられたマーラがナレーターの傷を見て立ちすくむのを抱きしめると窓の外ではビルの倒壊が始まります。驚くマーラに心配するな。これからは全てよくなる。と声をかけ、二人は手をつないでただ高層ビルが倒壊していくのを見つめていました。
この週末は映画史上最高の作品『ファイト・クラブ』を見よう
https://youtu.be/BdJKm16Co6M?t=34 ここまで読んでくださりありがとうございます。今回は映画ファイト・クラブについて書かせていただきました。
とても面白い情報なのですが、駐車場で殴り合いをするシーンですが、これは最初は殴るフリだったものを撮影の直前に監督からノートンにだけ実際に殴れという指示が出され、その指示を知らなかったピットは実は本気で痛がっています。殴られた直後に言った、耳が…という台詞は台本どおりなので、さすがとしか言い様が有りません。
ファイト・クラブはアクション作品が好きな方、男の生き様を描いた作品が好きな方、洋画が好きな方にオススメです。
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