【ブラック・ジャック】ブラック・ジャック先生の5つの魅力 天才外科医は意外とカワイイ?

無免許の天才外科医の物語「ブラックジャック」は今でも人気の手塚治虫さんの作品です。「週刊少年チャンピオン」にて1973年11月19日号から連載され、40年以上に渡って愛され続けています。その魅力は一体何なのか、「ブラックジャック」について徹底解剖してみました。

孤高の無免許医!ブラック・ジャックとは?

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ブラックジャック(本名間黒男)は、幼少期は裕福な家庭に育ちました。少年時代に不発弾に被爆したため全身に重傷を負い、母親を失ってしまいますが、命は本間医師によって助けられました。
その後医師となり、病院で勤務しますが、世界で認められていない移植手術を勝手に行ったことを理由に医師免許を剥奪されてしまいます。(アニメ版)そして、腕は超一流ですが、高額の治療費を請求する孤高の無免許医ブラックジャックとして、世界中から依頼を受けるようになります。

ブラックジャックの目的は本当にお金なのか?

ブラックジャックは相手をみて請求額を変える場面がよく見られますね。資産家には数百億を請求したり、患者の状況よっては無料で手術を引き受けることもありました。
「どんなことをしても、一生かかっても必ず払うので手術して欲しい。」という相手には「それが聞きたかった」などといって引き受けることもありました。どんなときも、患者本人、家族の生きる意思の強さを第一に考え、命の尊さを伝えようとする姿も印象的でした。
原作者の手塚治虫氏は、「ブラックジャックは医療技術の紹介のために描いたのではなく、医師は患者に延命治療を行なうことが使命なのか、患者を延命させることで、その患者を幸福にできるのか、などという医師のジレンマを描いた。」と語っているそうです。

ブラック・ジャックの魅力1:ピノコとの意外な関係

ブラックジャックに恋するピノコ

ブラックジャックに登場する「ピノコ」は姿は幼稚園児ですが、年齢は18歳とされています。そして、密かにブラックジャックに想いを寄せるピノコは自らを「先生の奥さん」だと名乗っていますが、ブラックジャックがそれを否定する場面が見られないのも興味深い所ですね。
ピノコが病気になったり、悩んだり、危険な目に遭ったりすると命をかけて守ろうとするブラックジャックですが、「奥さん」と言うよりは「娘」のように思っている親心的な場面も垣間見ることが出来ます。美人の女医さんや患者さんにはやきもちを焼いて、怒ったり、遠ざけようとするピノコはとてもかわいいですね。

ブラックジャックとピノコの出会いとは?

ある日、資産家の女性がブラックジャックの元に運ばれてきます。体の中に膿腫が見られるのですが、切除術はあらゆる医師によって拒否されて来たのでした。その理由は手術をしようとすると、不思議な力でメスを入れることを妨害され、手が付けられないということでした。
ブラックジャックが「殺したりはしない。」ということで説得し手術を終えることが出来ました。女性の体の中には畸形嚢腫といって、人間一人分の内臓が散在していたのですが、ブラックジャックはその一つ一つをつなぎ合わせ一つの命を誕生させたのです。それがピノコです
名前に関しては「ピノキオ」の女の子版ということで「ピノコ」になったと言われています。

ブラック・ジャックの魅力2:心に残る名言

①人間がいきものの生き死にを自由にしようなんておこがましいと思わんかね。

ブラックジャックの恩師本間医師が残した名言です。ある日、ブラックジャックの元に届いたカルシウムのからに包まれたメス。それは、恩師本間医師がブラックジャックの体内に残したメスでした。
本間氏を訪れるブラックジャック。死の間際に、ミスを犯し、黙っていたことを懺悔し、「人間がいきものの生き死にを自由にしようなんておこがましいと思わんかね。」と言い残して意識がなくなります。すぐに本間医師の手術を行いますが、死因は「老衰」であり、救うことができませんでした。
どんなに完璧な処置をしても救うことが出来ない自然の死であったにも関わらず、「救えなかった」ことに落胆するブラックジャック。そんな彼の耳元で再び本間医師がこの言葉をささやくのでした。

②「それを聞きたかった。」

生きる強い意思のある患者や、本気で救いたいと願う家族の想いを受け入れ、命を救って来たブラックジャック高額を請求する本心には「本気」であることを試すという意味もあるのかもしれません。
病気と真剣に向き合い治したいが、貧しく治療費を払えない患者に対しても何千万も請求するブラックジャックは冷酷にも思えます。しかし、そんな患者には何らかの形でさりげなく手を差し伸べることが多くみられます。
命とお金のどちらが大切なのか?「私なら母親の値段は百億円つけたって安いもんだがね」というセリフからも、ブラックジャックは誰よりも命の尊さを知っていて、そのことを伝えようとしているのではないかと感じる場面も多いですね。

ブラック・ジャックの魅力3:個性豊かな声優陣

ブラックジャック:大塚明夫さん

大塚明夫さんは、1959年東京生まれの声優、ナレーターです。独特の低い声質で知られており、これまでナレーションから映画の吹き替えをはじめ、アニメやゲームでの出演作品も多数あるベテランの声優です。
ブラックジャックの役に関しては、当初は俳優の内藤剛志の予定で勧められていたのですが、急病のために降板し、大塚明夫氏が抜擢されました。そして、そのままOVA・劇場版・テレビスペシャル・テレビレギュラー放送すべてのシリーズで「ブラックジャック」をこなしています。
今では「ブラックジャックと言えば、大塚明夫」と言われるくらいに定着しました。

ピノコ:水谷優子さん


ピノコの声と独特の話し方を見事に演じていたのが水谷優子さんでした。水谷さんは、ちびまる子ちゃんのお姉ちゃん役としても知られています。
ピノコの声とは違ってまる子ちゃんの「お姉ちゃん」らしい声で、そのギャップにはプロを感じる方も多かったのではないでしょうか?漫画で見る「ピノコ」とアニメのピノコが正に一致してしまうほど、ぴったりのピノコの声は可愛くて、忘れられないですね。
しかし、残念ながら、水谷優子さんは2016年に乳がんのため51歳で逝去されました。

ブラック・ジャックの魅力4:漫画とアニメの違いに注目!

免許剥奪の理由が違う?

ブラックジャックアニメ版と原作に違いがある箇所が見られます。それは、アニメ版がゴールデンタイムで放送されたため、表現などが抑えられたり、倫理的な問題があると思われるキャラクターや病気になどに関する説明が変更されたり、削除されていることがあるようです。
大きな違いの一つはブラックジャック医師免許剥奪についてです。アニメ版では医師として働き出してから禁止されている手術を行ったことを理由に剥奪されましたが、原作では当時は医師免許を持っていないインターンの時代に手術を行ったことではないかと思われるとの推測がされているようです。
しかし、ブラックジャックは、医師免許よりももっと大切なものがあるということをいくつかの場面で物語っています。

ラルゴの活躍ぶりが違う?


ラルゴは、ブラックジャックの家で暮らしているメスの犬です。アニメ版ではすっかりマスコット?として定着しているラルゴですが、原作では地震で崩れてしまったブラックジャックの家の下敷きとなって死んでしまいます。
アニメ版では手術をして生きており、危険を察知するなどいろんな場面でピノコの相棒となって活躍することも多いですね。しかし、時には泥棒に鍵を持っていくなど番犬にはならないようなシーンもありました。困っている人を見つけると助けてしまうというラルゴらしいエピソードですね。

ブラック・ジャックの魅力5:秘めた正義感がかっこいい!

ブラックジャックの手術をみて憧れる若い医師に対して、自分のような医師にはなるな!と言って遠ざけます。ブラックジャックは、決して正義の味方として描かれた人物ではありませんが、その言動から正義感がちらっと覗くところも魅力ですね。
それは、無免許医だからなのか、高額請求をするからなのか、自分がアウトロー的な生き方をしていることを好ましいとは思っていないということがうかがえます。しかし、医師として根底に備わっている命の尊さ、病気と本気で向き合うことの大切さを患者に気づかせようという姿勢はある意味正義なのかもしれません。
誰の助けもいらない、そう言い切るブラックジャックだからこそ全てに責任を持つことで人並みはずれた医療技術が備わったのかもしれませんね。

『ブラック・ジャック』が永く愛されるワケとは?

ドクターキリコの存在

ドクターキリコは元軍医で、戦場で瀕死で苦しむ兵士たちに安楽死をさせていました。キリコはその経験から「治療方法のない患者は苦しむよりも静かに息を引き取らせたほうが良い」という信念を持つようになります。
しかし、キリコの安楽死は、あくまでも「生きようとする意志がなく、医学的にも治療法がなく手の施しようのない患者」への最終手段なのでした。何としてでも命を救おうとするブラックジャックとは逆の信念を持つキリコ。
ブラックジャックのライバルとして登場するキリコですが、決して「悪」として登場しているのではなく、「延命が本当の幸福なのか?」というジレンマを描いたという手塚治虫氏の想いが込められているように感じますね。

ブラックジャックの魅力とは?


ブラックジャックの魅力は何といっても、どんな病気でも手術で治してしまうという、神がかりなメスさばきの天才外科医ということ。そして、冷酷なまでに高額な医療費を請求する人間離れした感情の持ち主であることも謎めいた魅力となり、人を惹きつけているのではないでしょうか?
人の本質的な感情であったり、家族や大切な人の命と向き合うことの尊さを命の次に大切だといわれる「お金」と天秤にかけることで伝えようとしているとも思えます。
人間の奥底に潜む本当に大切な感情を呼び覚まされる、ブラックジャックという作品に触れることでそれを思い出させてくれることこそが、永く愛されている理由なのかもしれません。
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手塚プロダクション (2014-04-25)