【結末ネタバレ】『クジラの子らは砂上に歌う』完全ストーリーまとめ!

『クジラの子らは砂上に歌う』は、梅田阿比による漫画作品です。『ミステリーボニータ』2013年7月号から連載の砂上ファンタジーで、回が進むごとにどんどんと作品世界が広がりを見せています。壮大なストーリーと、優しく淡い、まるで絵本のような世界観に、気が付けばどっぷりと浸かってしまうでしょう。この秋2017年10月からは、テレビアニメもスタートするこちらの作品を徹底紹介!ネタバレ注意なので、自己責任で記事にお進みください。

漫画『クジラの子らは砂上に歌う』はどんな作品?

『クジラの子らは砂上に歌う』の舞台は、広い広い砂漠の世界。その砂漠の中に漂う「泥クジラ」という漂泊船の中では、穏やかで優しい人々の集団が生活をしています。物語の主人公は、チャクロという名の14歳の少年です。
この「泥クジラ」が突然平穏な日々を奪われることに…!帝国からの攻撃によって人々の暮らしは一夜にして激変してしまいます。「泥クジラ」はいったいどうなってしまうのでしょうか?
まず、タイトルがとても魅力的ですね。コミックスの表紙を見ると、『クジラの子らは砂上に歌う』という言葉と共に、幻想的な色遣いに魅かれます。何も知らない段階では、タイトルを見てもどんなお話なのか見当もつきませんが、読んでいるうちにグイグイと「泥クジラ」の世界に引きこまれていきますよ!

『クジラの子らは砂上に歌う』ストーリー1:閉ざされた小さな世界、「泥クジラ」で暮らす人々とは?

「印」と「無印」。「泥クジラ」という小さな世界。

「この島が私たちの大事な世界の全てだった」広い砂漠の海をあてもなくさまよう「泥クジラ」。閉ざされた世界の中では、「印」と「無印」とがお互いに思いやりを持って平穏に暮らしていました。
この「泥クジラ」で生活する人々は、「情念動(サイミア)」という超能力を操ることができますが、その代わりというように寿命が短いのが特徴。船の中には「サイミア」を持つ「印」と、「サイミア」を持たない「無印」とに分かれています。
圧倒的に「印」の方が出生率が高く「泥クジラ」の人口の9割がこの「印」です。数少ない「無印」は、「印」と違って長寿であり、「泥クジラ」の執政を担う長老会は、長寿である「無印」が担当しています。

記録係、チャクロの語り。

チャクロは「印」であるにもかかわらず、この「泥クジラ」の記録係を務める存在。なんでも記録せずにはいられない“過書の病”(ハイパーグラフィア)であり、「泥クジラ」での出来事をとにかく記録していきます。このチャクロが作品の主人公であり、物語の語り手となります。
「印」が使う「サイミア」は、使うものの感情を源に使用することができます。けれど「泥クジラ」の人々にとって、この能力で人を傷つけることは禁則です。「泥クジラ」で暮らす人々は、感情を波立たせることなく、穏やかに暮らしていくのでした。
「泥クジラ」という閉鎖的な空間の中で、それでもあるがままの運命を受け入れて暮らしていく人々。優しい雰囲気のイラストの効果もあってか、おとぎ話のような、童話のような印象を受けます。そして、この平和な「泥クジラ」の運命は、ある日突然激変してしまうのです。

『クジラの子らは砂上に歌う』ストーリー2:記録係チャクロと外界の少女ニコスの出会い…。

初めての外界との接触

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そんなある日、チャクロたちは「泥クジラ」に漂着した廃墟船を調査することになります。「泥クジラ」の人々にとって、初めての外界との接触ですが、その廃墟船の中でチャクロは褐色の肌の少女に出会います。
少女は服に「リコス」と刺繍されていたことからその名で呼ばれ、「泥クジラ」の長老会で質問を受けます。しかし、感情を全く表に出すことのない彼女は、逆に「泥クジラ」の人々に問いかけるのでした。「ここは『ファレナ』なの?」

少女と共に動き出した運命。

リコスが現れたことにより、平穏だった「泥クジラ」の生活が激変することとなります。今まで外の世界とは接触のなかった「泥クジラ」ですが、中には外界に憧れ、反発する勢力もありました。「体内モグラ」と呼ばれるその団体では「オウニ」というリーダー格の少年がいます。
そのオウニがリコスをさらって、廃墟船を確かめに向かいます。なぜかチャクロも一緒に…。そこで3人が見たものは、不思議な「魂形(ヌース)」という存在です。リコスの説明によると、「ヌース」は人の感情を喰らうものであり、その島の心臓のような存在とのこと。この「ヌース」によって感情を失った自分たちは、「人形兵士(アパトイア)」となって戦うのだというのです。

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「ヌース」に触れたチャクロは、その中にあるたくさんの人々の「感情」を感じます。その中には幼いころのリコスの姿もありました。その後、3人は追ってきた「泥クジラ」の人々によって連れ戻されますが、リコスは今まで感じたことのない気持ちを持つようになるのでした。
そんなリコスを見て、自分達と同じだと、感情がちゃんとあると訴えるチャクロ。リコスは自分が今まで暮らしていた世界に疑問を持ち始めます。教えられてきた歴史は事実とは違ったものであり、「泥クジラ」の人々はこんなに優しい日々を過ごしている。「泥クジラ」のことを好きになり始めたリコスは、帝国の襲撃について人々に伝えようとするのですが…?

『クジラの子らは砂上に歌う』ストーリー3:壊される平穏。「泥クジラ」の民は処刑される運命?

帝国の襲撃

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突如リコスの祖国、帝国から「泥クジラ」への一斉攻撃が始まります。奇妙な仮面をかぶった兵士たちが次々と現れ、「泥クジラ」の民は次々と命を消されていくはめに…。チャクロ達と過ごすうちに、感情が戻ってきたリコスは、帝国の攻撃の事を伝えて「泥クジラ」を守ろうとしたものの、手遅れでした。
突然の襲撃でしたが、廃墟の船の回収を最優先に考えた帝国はいったんその矢をおさめます。軍を率いる「オルカ」はリコスの兄ですがその性格は氷のように冷たく、リコスの生存を知っても喜ぶどころか、被検体として「泥クジラ」に残したままにするのでした。

流刑の民、「泥クジラ」

https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=aKgYiCjRg_w

帝国の襲撃でたくさんの人々が亡くなり、その中にはチャクロのガールフレンドともいえる存在であり、次期首長である「スオウ」の妹、「サミ」の姿もありました。首長であった「タイシャ」も敵の攻撃にあって死亡。「泥クジラ」の人々は大きな決断を迫られます。
長老会やリコスからの情報で、自分たちの祖先が、昔大きな罪を犯し、そのために流刑に処せられたのが「泥クジラ」なのだと知ることになったチャクロ達。新しく首長となった「スオウ」は、運命を受け入れて皆で命を絶つのではなく、戦って新しい道を拓くことを決意します。

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サイミアを使うことの出来る「印」を先頭に、帝国を撃退する作戦を練った「泥クジラ」。多くの犠牲を出しながらも、何とか相手の船の「ヌース」を破壊することに成功します。しかし本来「サイミア」を使うことはできないはずの「ヌースの部屋」で、オウニが恐ろしいほどの威力の「サイミア」を使用したことは謎なままとなります。オウニはその後、サイミアが使えなくなってしまいます。
何とか作戦が成功し、帝国に勝利したものの、今回も多くの犠牲者を出してしまいました。オウニの親友であるニビもその一人です。このままではどんどん犠牲者が増えていくばかり。「泥クジラ」はもう戦わないでもすむための、新しい道を模索し始めます。

『クジラの子らは砂上に歌う』ストーリー4:印はなぜ短命なのか?「泥クジラ」の秘密が明かされる!

オルカ、再び「泥クジラ」殲滅へ!

その後、帝国ではオルカが作戦失敗の責任を問われていましたが、上手く詭弁を使って処分をまぬがれます。オウニが「ヌースの部屋」で見せたサイミアの力を理由に、「悪霊(デモナス)」と彼のことを呼び、その力を奪うことを誓います。「デモナス」とは伝説だと言われていた、恐怖の存在でした。
オルカは「泥クジラ」と戦った船の記録係である「イティア」を従え、再び「泥クジラ」の奪還、民の処刑の任に就くことになります。「泥クジラ」を襲う兵士の1人であった「リョダリ」もオルカの手に。リョダリは「アパトイア」であるにも関わらず、感情が抑えきれない異端の存在。戦いの中、砂漠の海を漂流していたところを、運よくオルカに助けられることとなります。

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再び「泥クジラ」への進撃を画策する帝国の動き…。そして、オルカの本当の狙いとはいったい何なのでしょうか?「泥クジラ」に待ち受ける運命は、まだまだその全貌を見せてくれません。

新しい国、「スィデラシア連合王国」!

そのころ「泥クジラ」では新しい出来事が起こります。新たに別の船が、「泥クジラ」に近づいてきたのです。それは帝国とは別の国、「スィデラシア連合王国」の船でした。「スィデラシア連合王国」のアモンロギア公領の領主、アモンロギア公爵の息子である「ロハリト」率いるその船は、「泥クジラ」に帝国以外の、もっと外の世界があることを教えてくれることとなりました。
折しも、チャクロが帝国の戦艦「スキロス」のヌースである「オリヴィニス」から受け取った小動物「コカロ」が、「泥クジラ」を動かすための舵の役割をすることが分かります。
これによって今までとは違い、「泥クジラ」は自由にその行先を決めることができるようになりました。チャクロ達は戦いのない新しい世界を求めて、ロハリトの故郷「アモンロギア」へと向かうことになります。

印たちの命を喰らう「泥クジラ」

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そんな中、リコスはロハリトに「印」の短命についてあまり問いたださないでほしいと進言します。「印」はその命を「泥クジラ」である「ファレナ」の「ヌース」に吸い取られているというのです。そのために「印」の寿命は短いと…。
チャクロはたまたまこの話を立ち聞きしてしまいます。ショックではあるものの、印の心の平穏のためには何も知らぬまま暮らした方が良い、という「無印の誓い」のことを聞き、新たに新天地への回航を決意します。

行く先で出会う、様々な不思議な島

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「泥クジラ」は新天地へと漕ぎ出しますが、その先で伝説上の島に幾つも出会います。「時の塔」「塩の都市」「幽霊船」など…。そして「幽霊船」に出会ったことで、また新しい事実が発覚することにもなります。
最長老の「ビャクロク」は、「幽霊船」に出会った事で意識がはっきりと戻り、同じく「幽霊船」に出会ったために倒れてしまったオウニを「ミゼン」と呼びます。ミゼンを助けなければ、と繰り返すビャクロクと、まだ明かされていない「泥クジラ」の秘密。ビャクロクがオウニのことを「ミゼン」と呼ぶのは何故なのでしょうか?

『クジラの子らは砂上に歌う』ストーリー5:新天地アモンロギアを目指して…。ミゼンの部屋とはいったい!?

「ミゼン」と「オウニ」は同じ存在?

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最長老のビャクロクは、「ミゼンの部屋」に行けばミゼン(オウニ)は助かると言い、危篤状態に陥ってしまいます。チャクロ達はミゼンノ部屋を、前首長であるタイシャの日記から見つけだします。そこには歴代の首長による膨大な量の記録が…。この記録を発見したチャクロは過去の悲しい出来事について知ることとなります。
ミゼンはヌースから生まれた存在、伝説上の「デモナス」。「泥クジラ」が流刑を言い渡された当初の首長である、ズィオによって産み落とされた存在でした。その容姿はオウニとよく似ており、母であるズィオの望む通りに動きます。

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強力なサイミアで、ズィオの望む通り、「泥クジラ」の平穏を脅かす人々を処刑してきたミゼン。しかし最後には、ズィオと共に命を絶ってしまうのです。自分達では、「泥クジラ」を幸せにできない、と知ったミゼンは、ビャクロクにその想いをたくすのでした。
チャクロ達はこの新たな事実を知り、動揺はしました。が、ミゼンと同じ存在であるかもしれないオウニと一緒に生きていきたいと改めて決意を固めます。オウニは幽霊船との遭遇後、「デモナス」の力が暴走し、仲間やスオウをその力で傷つけてしまいます。もう周りを傷つけたくないオウニは、それ以来1人離れて暮らしているのでした。

アモンロギアに到着!そこで待っていた現実とは…?

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そんな日々を送る中、「泥クジラ」の中では様々な思いが交錯しています。オウニ達とは違う「体内モグラ」のグループ、「シコク」「シコン」の双子の兄弟が、「無印」のために「印」が戦うことはない、と人々を煽ります。また、自警団の団長であった「シュアン」も、オウニと同じような存在だということをほのめかします。
時折「泥クジラ」に現れる謎の少女、「ネリ」と「エマ」の存在も不思議です。2人は泥クジラの「ヌース」のことを「ママ」と呼び、ネリは平和を、エマは争いを望んでいるようです。エマは双子のシコク、シコンの前に現れ、2人の策略に対して力を貸します。

そんな中、とうとう「アモロンギア」に到着した「泥クジラ」一行。しかし、新天地でも新たな試練が…。「印」の能力(サイミア)を恐れた「アモンロギア」は、まずは「無印」だけで上陸するよう要求します。
そこでスオウは、ロハリトの父である「アモンロギア公ダクティラ」から、「泥クジラ」を差し出し、「印」を戦士として献上するよう要求されることになります!

「無印」と「印」との絆。チャクロ達それぞれの選択!

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1も2もなく要求を断るスオウでしたが、ダクティラは「無印」達を人質にし、「泥クジラ」へと使者を出します。考えてもみなかった事態に動揺する「印」たち。そこにシコク、シコンが「無印」を見捨てて離れるべきだと提案します。
サイミアを持たず戦えない「無印」達を、「印」がその身を犠牲にして助けることはない、と言うのです。揺れる「泥クジラ」の人々。大好きな「泥クジラ」のために、単身アモンロギアへと忍び込むリコス。捕らえられながらも、自らの気持ちの変化を自覚する団長…

そして、「印」のため「無印」のため、「泥クジラ」の未来のために自ら戦士となる決意をするチャクロ!さらに、先に逝ってしまった「マソオ」の幻影に背中を押され、再びオウニも立ち上がります。「泥クジラ」は度重なる過酷な運命に負けることなく、未来を切り拓いていくのです。

「泥モグラ」は外界へと旅立つ!チャクロ達の運命は?

次々と過酷な運命に飲み込まれる「泥クジラ」。過去と未来、物語はチャクロという記録係の記録によって綴られていきます。一読しただけでは通り過ぎてしまうような伏線が、お話の要所要所に張り巡らされ、物語が進むうちにどんどん新たな事実が浮き彫りになっていきます。
「泥クジラ」はこの後、外界で自分達の居場所を見つけることができるのか?いまだ「泥クジラ」を狙っている帝国のオルカは、いったい何を企んでいるのか?など、謎はまだまだたくさんありますが、優しい心を持つ「泥クジラ」の民たちが幸せな未来を掴めることを願います。
運命に翻弄されながらも、ただチャクロは書きつづけ、記録をしていくのでしょう。「泥クジラ」に幸あらんことを!

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