映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじを4つのパートに分けてネタバレ込みで紹介していきます。まパート毎には筆者の解説を入れていきたいと思います。映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじをザックリと知りたい人などはぜひ読んでいってください。
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映画「ライフ・イズ・ビューティフル」とは
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」は1997年イタリア公開の映画です。日本では1999年に公開されています。ユダヤ系イタリア人の親子が第二次世界大戦のユダヤ人迫害を力強く乗り切っていく笑いあり、涙ありの心温まる作品となっています。
カンヌ国際映画祭で審査員グランプリ、第71回米国アカデミー賞で7部門ノミネートされ、主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞を受賞。さらに、トロント国際映画祭の観客賞、セザール賞の外国映画賞など様々な賞を受賞した作品でもあります。
また本作はロベルト・ベニーニという人物が監督、脚本、主演を務めています。1人3役でアカデミー賞をはじめとする様々な賞を受賞しているのは映画製作のことが良く分からなくても凄いなと思います。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじを紹介
僕の人生はお父さんの贈り物
ここからは映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじを4つのパートに分けてネタバレ込みで紹介していきたいと思います。またパート毎には筆者の解説を入れていきたいと思います。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじをザックリと知っておきたい方などはぜひ読んでいってください。
ただし、本記事は映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のストーリーに関するネタバレが含まれています。なので、映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のストーリーのネタバレが気になる人はこの点を事前にご了承頂いた上で読んでいってもらえたらと思います。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」ストーリーネタバレ1:グイドとドーラの大恋愛
1939年のイタリア。ユダヤ系イタリア人のグイド・オレフィチェ(グイド)は友人のフェッルッチョ・パピーニと一緒に叔父のいる北イタリアの田舎町にやってくる。グイドは陽気で口達者、なぞなぞが得意な男であった。
彼は叔父の用意してくれた家に住み、叔父の紹介してくれたレストランのウェイターの仕事で生計を立てることにする。そんな彼はこの新しい地で小学校教員のドーラに一目惚れ。猛烈なアタックをする。
そして、ドーラは徐々に一途で陽気なグイドに魅かれていき、ある日パーティの席で偶然出会ったウェイターのグイドに突然キスしてこう言うのであった。「私をさらって」。そして、グイドはこの言葉に応じ、ドーラを連れてパーティ会場から逃げ出すのであった。
【解説1】巧妙な伏線
本パートは主人公のグイドがドーラという女性と出会い一目惚れをし、猛烈なアタックの末2人が結ばれるまでが描かれているパートになっています。本パートはその猛烈なアタックのために用意された伏線が巧妙で素晴らしいのです。
例えば、ある日、ウェイターとして働いているグイドがレストランのお客として来ていたレッシング医師になぞなぞを出します。「白雪姫と7人の小人。白雪姫が7人の小人たちに会うのは果たしていつでしょうか?」。
そしてまたある日、グイドはオペラの観劇を終えたドーラとちょっとしたデートをします。そのデートでグイドはドーラにチョコレートアイスクリームを食べて行かないかと誘いますが、ドーラは「今夜はいいわ」と言って断ります。
そこでグイドはそれではいつ食べるかと尋ねますが、ドーラは分からないといって答えをはぐらかそうとします。するとグイドは、「よし、それじゃ聖母マリア様に決めてもらおうか」と言いいます。
そしてグイドは偶然遠くの方に見つけたレッシング医師にわざと自分の存在を気付かせて、こちらにレッシング医師を目で呼び寄せます。そしてグイドはこう言うのです。「マリア、2人でいつアイスクリームを食べたらいいか御使いを使わしてお教えください」
するとちょうどグイドが呼び寄せたレッシング医師が2人のもとに到着して一言「答えは7分後だ」(レストランでのなぞなぞの答え)。そして2人は7分後にアイスクリームを食べることになり、また2人の距離が近づくのです。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の本パートにはこのような巧妙な伏線がいくつかあり、それが映画をとても素晴らしいものにしてくれています。
ぜひ映画「ライフ・イズ・ビューティフル」を観る際には注目してみて下さい。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」ストーリーネタバレ2:幸せな家庭を襲うユダヤ人の迫害
数年後、グイドとドーラの間にジョズエ・オレフィチェ(ジョズエ)という男の子が生まれていた。グイドは念願だった本屋の開業に成功し、一家は幸せを満喫していた。しかしそんな幸せいっぱいの一家を不幸が襲うのであった。
ある日、グイドと息子のジョズエとグイドの叔父たちはどこへ連れて行かれるとも告げられず車に乗せられる。車を降りたら次は汽車に乗せられ、到着した先は強制収容所であった。強制収容所の宿舎には縞模様の汚らしい服を着て疲れた顔した人間たちがいた。
一方、ドーラもまたある決断をしていた。グイドとジョズエが汽車に乗ったことを知ったドーラにはユダヤの血が流れていなかったが、グイドとジョズエの後を追うために自ら志願して汽車へと乗り込む。
【解説2】父の優しい嘘と子どもの想像力
グイド一家の試練の始まりを告げるパートです。このパートで注目して欲しいのは、父のジョズエに対する強制収容所での辛い経験を乗り越えるための嘘です。まずグイドとジョズエが強制収容所へ向かう車の中では旅行だとジョズエに嘘をつきます。
また、強制収容所に向かう汽車の中では汽車を楽しいもののように表現し、さらに切符ももう少しで売り切れてしまうところだったのだと嘘をつき、まるで強制収容所に向かう汽車をテーマパークの人気アトラクションであるかのように語っています。
さらに強制収容所の外にある行列もまるで人気アトラクションの行列であるかのようにジョズエに語り、そして強制収容所にいるのはゲームのためであり、1000点集めて優勝すると、賞品に本物の戦車が貰えると嘘をつきます。
グイドのジョズエに対する嘘はまだあります。強制収容所の宿舎にはじめて入った時は、まるでホテルの来たかのように「ごめんよ。予約してあるんだ。シングル2つ」なんてセリフをわざとらしく言ったりもしています。
このパートでは上記のようにグイドはまるで楽しいことをしているかのようにジョズエに語り、嘘をつき、振る舞います。こうした父の優しい努力によってジョズエは本物の戦車が貰えること以外は父の話を信じ、強制収容所の場をゲームの場であると信じるのです。
子どもの想像力の可能性を感じさせてくれるパートでもあるし、グイドの機転に感心させられるパートでもあります。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」ストーリーネタバレ3:強制収容所の日々
グイドは強制収容所で昼は過酷な労働をさせられ、夜はフラフラになって帰って来る生活になる。しかし、ジョズエのためにジョズエの前では無理してでも明るく楽しそうに振る舞うのであった。
また、あくまで自分はゲームにいっているのだとジョズエに嘘をつくことは欠かさない。例えば、自分に与えられている服と腕の番号はゼッケンの番号であるとジョズエに教える、といった具合に。
また、グイドはより楽しい催しであることをジョズエに信じさせるためにある嘘をつくのであった。それは“おやつはあるけど頼まなければポイントを貰える”というものであった。
ジョズエはこれによりおやつをあるものと思い込みつつも賞品の戦車のためにおやつは頼まないのであった。一方グイドの妻ドーラも強制収容所で過酷な労働の日々を送っていた。
ドーラはある日、ひょんなことからしかし、高齢者と子どもは労働者として使い物にならないために強制収容所では殺されてしまう対象であることを知る。そして、ジョズエの身を案じるのであった。
そして、実際に高齢であった叔父はシャワーを浴びるという名目でガス室で殺されてしまう。しかし、ジョズエは元来のシャワー嫌いが幸いし、ガス室での惨殺から逃れるのであった。
しかし、ドーラはグイドやジョズエとは離れた宿舎に住み、違う作業場で労働させられていたので、ジョズエがどうなっているのかを一切知ることができない。
だが、そんなドーラの心中を察してか、グイドはある日、ジョズエとともに収容所のマイクを隙を狙って勝手に使い、ドーラに自分たちの元気な声を届けるのであった。
2人の安全と元気な状態を確認したドーラは収容所のとある作業場で笑顔になるのであった。こうしてグイド一家はグイドの嘘と明るさと機転で明るく自分たちに降りかかる過酷な運命を乗り越えていったのである。
【解説3】魅力的な2つのシーン
本パートは強制収容所で強制労働を強いられ、命の危険に晒される日々を送るグイド一家が明るく日々を乗り越えて行く姿が描かれています。そしてこのパートで筆者が魅力を感じるシーンが2つあります。
1つ目はグイドがジョズエにおやつを我慢したらポイントが貰えると嘘を言うシーンです。
というのも、これによりジョズエは以後、おやつはあるものと信じているが、ポイントのためにおやつを頼まないという前向きな理由でおやつを頼まないことになると思うからです。頭が良くて素晴らしい嘘がある魅力的なシーンだと思います。
もう1つはグイドが自分とジョズエの身の安全を収容所内のマイクを使って妻のドーラに伝えるシーンです。
自分のことで精一杯になるはずの強制収容所内でそれでも妻のことを忘れず、自分たちの身の安全を伝えようとしたグイドの妻への愛が魅力的です。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」ストーリーネタバレ4:戦争の終結とグイドの死
ある夜、外の騒がしさに目が覚めたグイド。窓際にいる仲間たちの1人バルトロメオに話を聞くと脱走兵が出たとのことだった。
そしてバルトロメオは戦争は終わりナチス・ドイツは敗北し、彼らは強制収容所をなかったことにするために最後の大量虐殺を行っているとも言うのであった。
話を聞いたグイドはここにいても死ぬだけだからとジョズエを連れて逃亡を企てる。グイドはまず朝までナチス・ドイツの人間に見つからなければお前の優勝だと言ってジョズエをある箱の中に隠す。
そして、次にグイドはドーラを助けるためにドーラを探しに行くのであった。グイドは女性の収容者たちのいるところに到着すると女性収容者風の恰好ををするのが良いと判断。
一旦、ジョズエのところに戻り、彼の持っているセーターと毛布を借り、それで女性収容者風の恰好をするためであった。
そして、グイドはジョズエにもしパパがなかなか戻ってこなくても外に出てはいけない。外に出ていいのは周囲が静かになって誰もいなくなってからだ。というようなことを言い残すのであった。
そして再びグイドはドーラを探し始める。しかしその途中でナチス・ドイツに見つかってしまう。
グイドは必死に逃げるがとうとう捕まってしまいその場で射殺されそうになる。しかし、射殺寸前に射殺しようとしている人物の上官らしき男が止めに入りこう言う。「ここじゃダメだ。別の場所へ行け。」
そしてグイドとナチス・ドイツ兵は射殺用の場所へと移動する。その最中、グイドたちはジョズエが入っている箱の前を通るのであった。
グイドは箱の前で立ち止まり、ジョズエにウィンクで合図を送る。そして、自分が今銃を突き付けられながら歩いているのも遊びの一環だと言わんばかりにふざけた歩き方をするのであった。
そしてグイドは歩いていった先で射殺される。翌日、無事見つからずに夜を明かしたジョズエは誰もいなくなったタイミングで外に出てくる。
そして、そこにアメリカ軍の戦車が現れるのであった。ジョズエはそれを賞品だと思い大喜び。そして、アメリカ軍の軍人に戦車に乗せてもらう。さらに戦車で移動している最中にドーラを発見し、2人は再開を喜ぶのであった。
【解説4】父の背中
本パートは締めくくりの部分です。戦争は終わりますが、グイドは亡くなってしまいます。そして、本パートの魅力はグイドの父としての生き方にあると思います。
グイドはジョズエとドーラを父として命懸けで守ろうとした結果死ぬことなります。実際、ドーラの身の安全はドーラに任せてジョズエと逃げればグイドは助かってたかもしれません。しかし、そうしなかった。妻と息子をこの手で守るまでは2人の安全を確保しようとした。
さらに最期の直前もジョズエにこの場はゲームの場であると言わんばかりの行動をとります。これらのグイド生き方の中には父としての最高の在り方があるような気がし、そこが本パートの魅力となっていると思うのです。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」で最高の父に出会ってみよう
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじの紹介と解説を行ってきました。いかがでしたでしょうか?
もし本記事で映画「ライフ・イズ・ビューティフル」に興味を持った方は、ぜひ実際に作品を観てみて下さい。戦争ものですが、重い感じではないので気軽に観れると思います。
また何より最高の父の姿がそこにあるはずです。ということでお付き合いありがとうございました。
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