【結末ネタバレ】漫画『僕たちがやりました』ストーリー完全まとめ!

普通の高校生トビオたちが教えてくれる、人間の持つ残虐性!後味の悪さが絶妙・・・

漫画『僕たちがやりました』ってどんな作品?

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凡下高校生徒の2年生・トビオたちはOBで金持ちのパイセンとつるみ、遊んで過ごしてきたが、ある時仲間のマルが、凡下高校の隣にある矢波高校の生徒らに拉致され大怪我を負わされてしまう。矢波高校の生徒に仕返しするためにトビオ達は夜間に矢波高校に忍び込み、小規模な爆弾を仕掛けた。しかし、最後にボタンを押したところ、想定外の規模の爆発が発生して大勢の死傷者が出てしまった。 トビオはパイセンらと外国へ逃亡しようとするが、パイセンは空港で刑事に逮捕されてしまう。 そしてトビオらはバラバラになり、警察や、大怪我を負いつつ生き残った矢波高校をシメていた2年生・市橋から逃げることになる。

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必死こいて追いかけるような夢もなければ自意識もない。でも将来をどぶに捨てるほどは馬鹿でもない。そこそこ楽しく生きるれればいい。傲慢とも冷めてるともいえる性格の主人公・増淵 トビオ(ますぶち とびお)。
あるとき、友人の丸山友貴(まるやま ゆうき)が矢波高の生徒に「死ね」と言ったのを聞かれてしまったことから、そこそこ楽しいだけの人生が変わり始める・・・。その場はパイセンの財力に助けられ事なきを得るが、それだけでは終わりませんでした。
その後、いつものようにパイセンと遊んでいる最中、丸山は矢波高の奴らに拉致され、同じく拉致された高校生とデスマッチを強要される。何とか生きて帰ってきたものの、瀕死の丸山。「あいつら殺そう。俺たちで」これを見たトビオは、矢波高の奴に自ら仕返しをすることを計画するのでした。

丸山友貴(まるやま ゆうき)

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凡下高校2年生で、仲間からは「トビオ」と呼ばれる。「そこそこ楽しければいい」と冷めた人生観を持っているが、友人のマルがリンチされた後、復讐を計画するなど策士の一面もある。

丸山 友貴(まるやま ゆうき)

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トビオの同級生で、「マル」と呼ばれている。気弱に見えるがお調子者なところもあり、矢波高に「死ね」といってひどい目に合う。また、仲間を裏切ることへの罪悪感が薄く普段の様子からは想像できない自分本位な性格。

伊佐美 翔(いさみ しょう)

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トビオの同級生で、「伊佐美」と呼ばれている。基本的に明るい性格だが、爆破事件後、パイセンからお金を受け取ってその後は友人関係を解消したりとクールな思考の持ち主である。

小坂 秀郎(こさか ひでろう)

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凡下高校フットサル部のOBで、20歳。ヒデオ達には「パイセン」と呼ばれている。母を早くに亡くした後は、会ったこともない父親から贈られてくる莫大な金で遊び惚けている。在学中はクラスメイトに嫌われていたが、卒業後は部の後輩であるトビオ達と金の力で友達となる。

人間のどす黒い部分を表現しながら、織り込まれるユーモア

過激な暴力や心の奥底に潜んでいる心の闇・・・。普通の高校生だったトビオたちが凄惨な事故を起こしてしまい、葛藤するというヘビーな内容でありながら、時折くすっとしてしまうようなユーモアが織り込まれています。
マルがリンチされ、「お届け物でーす!」と矢波高の奴らに段ボールに入れられていたのを発見した残酷なシーン。しかし、パイセンの第一声は「お届け物・・・こわれてますけどぉぉ!?」
さらに、ゲストキャラたちが大御所有名人に似すぎ・・・!絶対あの人をモデルにしたでしょ?!とツッコみたくなります。シリアスなシーンに突如ぶち込まれるボケ。不意を突かれ、二度見した後ニヤニヤしてしまう・・・。

漫画『僕たちがやりました』 ストーリーネタバレ1:そこそこの人生の終焉・復讐爆破

復讐のために作成した「漢の爆弾」と名付けたプラスチック爆弾。夜中に矢波高に忍び込み、教員に見つかりながらも急いですべて仕掛けるトビオ一行。次の日、屋上で矢波高の様子を観察しながら一つひとつ爆破させていく・・・。
最初はガラスが割れるだけで、うろたえる矢波高の面々を笑いながら次々に爆破ボタンを押すヒデオ達。しかし、最後に柱に仕掛けた爆弾が、近くのプロパンガスに引火して大爆発。火が学校中に広がり大火事に。
「これは金じゃどーにもならんやつや」友達がひどい目にあったのを、かっこつけてちょっと復讐したかっただけ。こうしてトビオの「そこそこの人生」は幕をとじたのでした。

そんなつもりじゃなかった・・・取り返しのつかない被害

事件後、幼馴染の蒼川 蓮子(あおかわ れんこ)とカラオケに来るトビオ。一緒にカラオケに行くことを楽しみにしていたはずなのに、爆破事件のことが気になって楽しむことができずにいました。
そして、蓮子からマルをリンチした主犯格の市橋 哲人(いちはし てつと)が死んだと聞かされます。さらに、ニュースでは丸山をリンチした松崎健象(まつはし けんぞう)が死亡したと放送されていた。そして計10人の死者を出すこととなったのでした。

漫画『僕たちがやりました』 ストーリーネタバレ2:バラバラになる友情

「自分たちが爆弾を仕掛けたのと同時に、テロが起こったんだ」そう信じていたのはパイセンだけ。ほかの3人は自分たちが仕掛けた爆弾で死者が出たことに確信していました。何も気づかないパイセンに、トビオは真実を伝えます。
「何も心配するな」そう言ったパイセンのとった行動は、3人を300万で買収することなのでした。20超えてるパイセンは見つかったら死刑。高校生のトビオたちも服役、そうなったら並みの人生は送れない。
友情を解消し、最初に金を受けとる選択をしたのは伊佐美。トビオとマルも金を受け取り「そこそこの生活」を続けようとしますが、防犯カメラの画像からパイセンの顔が割れてしまいます。パイセンの提案で、プーケットに逃げようとするもつかまってしまい、人生のリセットも失敗するのでした。

マルの裏切り

パイセンのプーケットに行くという提案に一番乗り気な態度を見せていたマル。しかし、マルは最初からプーケットに行くつもりはなかったのです。「2人が日本からいなくなれば自由になると思った」そうトビオに打ち明けます。
「一人で生きていけないからトビオに従う」こういいつつも、裏切りはこれだけで終わりませんでした。パイセンからもらった300万、2人合わせて600万を使って逃亡することを提案するトビオ。さらに、「死ぬまでにやりたいことリスト」を挙げてやりたいことを追いかけながら逃げようと提案します。
途方に暮れても、罪の重責がつらくても友達がいると紛れる。マルの存在にありがたさを感じたトビオ。しかし、マルはトビオを裏切って300万を盗み一人逃亡するのでした。

始まる逃亡生活

逃亡資金を失い途方に暮れているところ、伊佐美の彼女だった新里 今宵(にいさと こよい)と再会し、家に招かれます。
今宵宅で姿を消していた伊佐美に再会。しばらく身を置くことにするも噂では死んだとされていた市橋が矢波高の面々を引き連れて押し掛けてくるのでした。捕まったら直接手を下せない。この手で処刑すると意気込む市橋。
何とか逃げ延びるも、少ない所持金すら失った上に家に帰ることもできない。残飯をあさりながら飢えをしのぐトビオ。今日が人生で一番悪い日でありますように。そう願わずにいられないのでした。

漫画『僕たちがやりました』 ストーリーネタバレ3:蓮子と市橋

権威を失った市橋

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何とか一命をとりとめたとはいえ、全身の火傷により体が以前のように動かなくなってしまった市橋。そんな市橋に、かつての矢波高のかつての仲間たちは冷たいものでした。身体が動かない市橋を突き飛ばし、一方的な暴力を振るいます。
そんな扱いを受けても、押し黙って甘んじて受けている市橋。表情一つ変えません。体が動かなくなり、夢を追えなくなって絶望しきってしまっているからか、人間の汚い習性を熟知しているからなのか・・・。

市橋にとっての蓮子

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トビオをおびき寄せるため、幼馴染の蓮子を呼び出す市橋。しかし、蓮子もトビオの行方を追っていました。市橋は復讐のため、蓮子は思いを寄せていたトビオに告白するため。トビオを見つけたいという利害が一致した2人はしばし行動を共にするのでした。
学校では権力を失い、かつての友人から暴力を受けていた市橋は、体が動かなくなった後も前と変わらず接してくれる蓮子に感謝の念が芽生えていました。そんなとき、矢波高のトップを狙う男に蓮子と一緒のところを狙われてしまいます。かつてのように腕っぷしで蓮子を守ることはできない。
もう地獄はみたくない。今の自分に何ができる?そこで市橋がとった行動は、襲ってきた連中が持っていたナイフを自らの首に突き立てるというものでした。「自分はもう終わった人間だ」自暴自棄になる心と、蓮子を守りたいという思いからの行動なのでした。

市橋の命の意味は・・・

市橋の決死の行動に、怯み立ち去る矢波高の面々。その後、病院に運ばれまたしても市橋は一命をとりとめます。自分の目が覚めるまで付き添っていてくれた蓮子に、市橋は心中を打ち明けます。
パイロットになることを夢見ていたこと。3年間予備校に通い、努力を続けていたこと・・・。蓮子が好きだということ。もう満足に体を動かすことはできないのに、元凶となった奴らがのうのうと生きている。それを許せない気持ち。
親もいなく、祖母と暮らしている市橋。自分が死んだとしても悲しむ人はばあちゃんくらい。そんな市橋に蓮子は市橋が死んだら自分も悲しいのだと伝えます。「生きているってことまだ生きていなきゃいけない意味ある。市橋は終わった人間なんかじゃない」と勇気づけるのでした。

漫画『僕たちがやりました』 ストーリーネタバレ4:最高の自首

再び今宵の家に

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何とか逃げ延びたものの、ズボンも所持金も失い途方に暮れるトビオ。路地裏にじっと座って、人間観察をしながら残飯を漁って飢えをしのぐ日々・・・。しかし、3日間同じ場所にいたせいか、通報され警察に負われてしまいます。
逃げた先で出会ったホームレス「ヤングさん」。ズボンや靴を工面してもらいます。「やりたいことをやりたい時にやるだけ」自由な生き方に感動するトビオ。喧嘩別れしてしまった蓮子のことを思い出し、会いに行く勇気となるのでした。
無我夢中で蓮子のもとへ向かうトビオ。しかし、蓮子と市橋が仲良さげな雰囲気で一緒に歩いている・・・。ショックを受けるトビオは、投げやりになりしばらく今宵の家に身を置くのでした。

連鎖する丸の裏切り

一方、トビオの金を奪って京都に逃げたマル。金に任せて遊び放題です。残金は残り6万。いざピンチになると「みんなに会いたい・・・トビオにあって謝りたい」。あきれた図々しい神経・・・。さらにマルの思考の行き着く先は「伊佐美にあって、金を盗めばいい」
謝るのはいつだってできる!と意気揚々です。人を殺したショックがそうさせたのか、元からある資質だったのか・・・。罪の意識の薄さに恐ろしさを感じます。伊佐美と再会し、上手いこと言いくるめて金をだまし取る計画は途中までうまくいきますが、道を教えた外国人に根こそぎ奪われてしまうのでした。
無一文になり、本性が出る2人。「そもそもお前が矢波高の奴らにつかまるから」そう言う伊佐美に、「助けてなんてな飲んでない、被害者は僕!あの金は賠償金なんだ!」彼らを結び付けていた友情は何だったのか・・・。

逃亡生活の終焉

学校にも行かず、今宵のもとで堕落した生活を送るトビオ。そんな日常がしばらく続いた後、ドアを乱暴にたたく音が。矢波高の奴らか・・・?年貢の納め時と出ていくトビオでしたが、そこには投獄されたはずのパイセンは冤罪となり、あの爆破の悪夢はすべてなかったことに
パイセンの無罪により以前の生活が戻ってきます。金を盗まれたマルと伊佐美を迎えに行き、以前のようにハメを外して遊び惚けます。しかし、すっきりしない思いを抱えるトビオと伊佐美。マルに金を盗まれたこと、トビオが伊佐美の彼女・今宵の家に転がり込んでいたこと・・・。
しかし、気前のいいパイセンの助けを借りて全てを忘れてはしゃぎ倒します。宴もたけなわ、開催した暴露大会でパイセンから明かされたのは「爆破の犯人は自分たち。親父がホームレスを雇って整形させた」という真実でした。

消えない罪

ホームレスが死刑になれば、計11人が死亡した真相は闇の中。トビオは罪の重さにおののきます。自分たちが黙っていれば真相を知る者はいない。なかったことにしようとする4人の前に、事件の真相に疑問を持っている刑事・飯室 成男(いいむろ なるお)が現れます。
独自の操作で行き着いた先はパイセンの父「輪島宗十郎(わじま そうじゅうろう)」。殺人犯の親父になりたくないがために、爆破事件のもみ消したのです。飯室は言います。「真実を知っている人間がお前ら以外にもいる」。
そして、爆破事件の被害者の顔写真を並べ「蓋をするほど感情はあふれ出る。今後、幸せを感じるたび、人の命を奪ったことを思い出せ」と・・・。どんなに自分をごまかしても、命を奪った事実は消えないのでした。

家族との再会

いなくなったことを心配し、帰ってきたことを喜んでくれる家族と蓮子。奪ってきた命を思い、その幸せを受け入れることのできないトビオ。何をするにも罪の意識にさいなまれます。
何事もなかったように逃亡生活を自慢げに話すマル。なかったことにしようと、かかわりを絶つ伊佐美。事件前と同じようにトビオは部室を訪れますが、誰もいない部室・・・もう元の4人には戻れないのでした。
何気なく夕日を眺めるうち、突発的に飛び降り自殺を図るトビオ。「生き残ったら新しい自分を始めよう」そう決心していたのでした。幸いにも、植木がクッションとなり足の骨折のみで生き残ったトビオ。しかし、入院した先で再会したのはトビオに恨みを持つ市橋なのでした。

市橋とトビオに芽生える友情

「新しい自分」となったトビオは、真実をすべて隠して市橋と接します。やがて良き友人となる市橋とトビオ。ゲームをしたりリハビリでも競走したりと、高校生らしい日常を過ごします。市橋が蓮子を好きなことを知り、一度は応援すると伝えるも、舌の根の乾かぬ内にトビオは蓮子と付き合い始めるのでした。
蓮子と付き合い始めたことを伝えようとするも、祖母が死んでしまったという市橋に言い出すことができないトビオ。とってつけたような「友達になれてよかった」感謝と激励のムービーを送信した後、蓮子と付き合っていると伝えます。トビオの予想と反して市橋はお祝いの言葉を贈るのでした。

死が自由の道となった市橋

しかし、笑顔が市橋の最後となりました。付き合ってると言えた、おめでとうって言ってもらえた。そう蓮子に報告し幸せな時間もつかの間、市橋からムービーが届きます。「誰も恨んでない。希望がゼロになっただけ」そう言い残して、市橋は命を絶つのでした。
再会した刑事・飯室は言います。「自由に生きてきた人間ほど不自由に弱い。心に逃げ場がなくなって誰とも分かち合えない時、死を選ぶ。彼らにとって自殺こそ自由なのだ」と。その言葉には、真実を隠したままのトビオへの侮蔑が含まれているのでした。

自由を求めて

罪の意識にさいなまれ、不自由を感じ続けたトビオは自首することを決意します。タイミングを同じくして、友人3人も自首を決めていたのです。パイセンは愛を得るため、伊佐美は彼女のお腹の子供のため、丸山は一番楽しかったのは4人で遊んでいた時の時間だったと気づき、裏切りが無意味と知ったから。
しかし、一筋縄な自首ではまたパイセンの親父に揉み消されるてしまうため、パイセンの財力1億2000万にものを言わせ作戦を練ります。そうして最高の自首作戦「人生最後のスポッチャ(ラスポッチャ)」が開幕するのでした。

漫画『僕たちがやりました』 ストーリーネタバレ⑤それでも僕たちがやりました

トビオが作った作戦は、10000円札の付いたビラを渋谷スクランブル交差点にばらまくというものでした。ビラのQRコードには事件の真相が語られた動画。代々木公園音楽室で開催されていたイベントをを乗っ取っり、「僕たちがやりました!」と4人そろって白状します。
しかし、この作戦はパイセンの親父の手のひらの上。親父の怒りを買い、パイセンを殺すように指示が出ていました。パイセン以外の3人は逃げるように言わ、逃げだすマルと伊佐美。変わろうともがき、死を覚悟していたトビオは運転手の視界をふさぎ、決死の抵抗をするのでした。
パイセンは外れガチャ。腹違いの兄・レイムは当たりガチャで親父に愛されている。「俺がゴミならお前もゴミだ。生きる価値なんかない。」殺しに来たレイムを刺し殺し、パイセンの逮捕で「ラスポッチャ」は終焉を迎えることとなります。

あまりに強大だった闇の権力

命を懸けた革命は、世界にとって小石でしかなかった。それから10年、アイドルマネージャーとなったヒデオ。事件を思い出したくないと蓮子とは別れましたが、なっちゃんというフィアンセもでき、何気ない日常を過ごしていました。そこに一石を投じたのは公衆電話からの着信。パイセンからの電話なのでした。
10年ぶりのしばしの楽しい時間を過ごしますが、すでにそれぞれの人生を歩んでいた4人。パイセンの2000万を持ち逃げしたマル、伊佐美も途中で逃げ今宵に会いに行っていた。わだかまりは10年経った今でも消えていなかったのです。
罪をなかったことにしたかった。幸せで蓋をしていただけ。罪をつぐなうことができなかったことは、緩やかに心を蝕んでいたのでした。

生きているんだから、生きなくちゃならない

妊娠したなっちゃんの付き添いで訪れた産婦人科で蓮子と再会したトビオ。「生きててよかった。頑張ったね」蓮子の言葉・・・。真相を闇に葬った今、自分をわかってくれる人間がいない孤独を感じるトビオ。気が付くとトビオはパイセンに電話をし、再び会う約束をするのでした。
「普通の幸せを感じるセンサーはいかれてる。だからたまに死にたくなる。それが俺らのネバーエンディングあるある」そういって慰めてくれるパイセンに「とんでもない底辺に救われた」とゆがんだ感謝をするトビオなのでした。
子供も生まれ、「そこそこ」を生き抜くトビオ。未だ襲い来る死の衝動と自分が奪った命の幻覚。「耐えられなくなったら死ねばいいだけ」歪なお守りを心に携えて、生きていくのでした。

償われた罪と闇に葬られた罪

矢波高爆破事件の罪は闇の中。パイセンが償ったのは兄弟のレイムを殺した罪・・・。しかし、10年の時を経て出所したパイセンは、どこかスッキリした表情をしていました。服役したのは爆破事件の罪ではありませんでしたが、罪を償う行為そのものが気持ちを前に押し出したのでしょう。
服役することすら許されなかった3人の時は、高校2年の屋上で止まってしまっていました。償うことすら許されなかった、爆破事件の罪。罪から逃げ、友人を裏切り、かつての楽しかった時間、これから過ごすはずだった未来をもくすませてしまった4人。
そして、未来すら奪われた爆破事件の被害者たち。事件に関わった人間すべて、誰も報われることはないのでした。

漫画『僕たちがやりました』 望んだものは本当に「そこそこの人生」だったのか?ラストの不敵な笑み

婚約者のなっちゃんも妊娠し、そこそこの人生を順調に歩トビオ。そして迎える出産のとき、幸せなこの場面で思い出したのは10年前の爆破事件の現場。凄惨な事件を償うこともないまま、ここまで生きてきた。そこそこの人生を望んでいたはずだった。
しかしトビオは「そこそこの人生」が失われた爆破の瞬間、自分が笑っていたことを思い出したのでした。矢波高の奴らを見下していた高校時代、そして10年後も変わらず慰めてくれたパイセンすら見下している現在。
トビオは心の奥底で、優越感や自分にしかない特別を求めていたのかもしれません。それがたとえ残酷な結果を招いたとしても・・・。
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