「リトルウィッチアカデミア」の魔法を6つのポイントで堪能! TRIGGERの本気を見よ!

2013年に短編映画が、2015年には中編映画が公開され、2017年にはTVシリーズが放送されたアニメ「リトルウィッチアカデミア」。アニメ制作会社・TRIGGERによるオリジナルアニメである本作には、設立から日が浅いTRIGGERの本気が詰まっています。そんな「リトルウィッチアカデミア」を隅々まで楽しむためのポイントを、6つに分けてご紹介!

これぞTRIGGERの本気! 「リトルウィッチアカデミア」ってどんな作品?

ドッキドキーのワックワクーな学園ファンタジー!

空を飛んだり、変身したり、イタズラしたり・・・何でも出来る魔法に憧れを持たない人はいないでしょう。魔法を扱う小説や映画、漫画やアニメも多く、例えば『ハリー・ポッター』シリーズに触れて魔法に憧れるようになったという人も多いかと思います。
2013年・2015年に映画が公開され、2017年にはTVシリーズも放送されたアニメ「リトルウィッチアカデミア」は、同じように魔法に憧れたごく普通の女の子が、魔女学校で落ちこぼれながらも魔法を修得しようと奮闘する学園ファンタジーアニメです。
アニメ制作会社・TRIGGER制作のアニメで、同社初のオリジナル作品でもあります。「新世紀エヴァンゲリオン」の制作にも参加した吉成曜を監督に据えて作られたTRIGGERの本気作を、6つのポイントで紐解いていきましょう。

ポイント1:「リトルウィッチアカデミア」の世界観を知る

魔法がもはや廃れた技術とみなされている時代

出典:http://littlewitchacademia.jp

先に述べたように、魔法を扱う作品は数多くあり、そのどれもが独自の魔法観を有しています。「リトルウィッチアカデミア」を楽しむにあたって、まずは「リトルウィッチアカデミア」における魔法のあり方をみていきましょう。
もともと魔女の歴史は紀元前2500年以前にさかのぼる。魔女は職能で、魔法は後天的に習得する技術であり、魔女という種族がいるわけではないが素質は必要。いくら訓練しても魔力が身につかないものもいる。

現在魔法は科学技術の発達により実用的な技術とはみなされず、伝統芸能に近いものになっている。 魔法の悪用は厳しく禁じられており、違反者に対しては残酷な制裁が行われていた。

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「リトルウィッチアカデミア」の世界において、魔法は遥か昔から存在する技術であると同時に、作中現在では時代遅れで廃れたものとみなされています。科学の発達によって、わざわざ魔法を修得する必要がなくなったというわけです。
昔に比べて魔力も希薄になっているため、魔力源であるレイラインから魔力を吸い上げてくれる魔導石の効果範囲内にいるか、魔力を杖にチャージするかしなければ魔法は使えません。

魔法は伝統的で格式高いもの

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「リトルウィッチアカデミア」の舞台となるルーナノヴァ魔法学校は、長い歴史を持つ格式高い学校であり、かつては魔女家系の子のみが生徒として迎えられていました。しかし、入学者が年々減少し、現在は魔女家系でない一般の生徒も受け入れています。
魔法自体が伝統的で高尚なものとみなされている傾向があるため、作中現在から10年前に魔法ショーで一般世間を魅了した魔女・シャイニィシャリオは、既存の魔法へのイメージを崩したとして魔女の間では嫌われています。
「リトルウィッチアカデミア」は、そんなシャイニィシャリオの魅せる魔法に憧れてルーナノヴァに一般枠で入学した日本人の女の子が主人公に据えられ、彼女を中心に物語が展開されていきます。

ポイント2:「リトルウィッチアカデミア」のメインキャラクターと声優を知る

天真爛漫な落ちこぼれ主人公、カガリ・アツコ

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そんな「リトルウィッチアカデミア」の主人公、カガリ・アツコ。日本人なので”カガリ”が姓で”アツコ”が名ですが、外国風に「アツコ・カガリ」と呼ばれたり、自分で「アッコって呼んで」と言ったりします。名前の由来は「ひみつのアッコちゃん」の加賀美あつ子
魔女家系ではなくもともとは魔法が使えないため、箒に乗らないと行けないルーナノヴァに辿り着くことすらままならず、入学してからも魔法の成績は最悪。それでも「シャイニィシャリオみたいな魔女になるんだ」と決して諦めない芯の強さも併せ持っています。
声を担当するのは潘めぐみ。天真爛漫なアッコのキャラクターは潘めぐみの声あってこそ。勢い良く畳みかける台詞や、ぶつかった時の呻き声など、独特な雰囲気を持つ演技に注目です。

毒舌なスーシィ、温厚なロッテ

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アッコのルームメイトであるスーシィ・マンババラン(左)とロッテ・ヤンソン(右)。学校ではアッコ・ロッテ・スーシィの三人組で過ごすことが多く、非常にバランスの取れた良きトリオとなっています。
スーシィは素のテンションが低くいつも半目ですが、口を開けば出てくるのは皮肉。しかし実際は「アッコのことだから」とアッコをよく理解している面も。毒薬を作るのが趣味で、好きなものはキノコ。声を村瀬迪与が演じています。
対してロッテは温厚な性格の持ち主で、無茶をしがちなアッコを優しくなだめることも。精霊を呼び出す技術を持っており、魔法行使の助けとしています。『ナイトフォール』という小説が好き。こちらは折笠富美子が声を担当しています。

由緒正しい家柄の魔女、ダイアナ

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名門キャベンディッシュ家の跡取り娘、ダイアナ(中央)。由緒正しい魔女の血に恥じない非常に優秀な魔女で、喋り方や仕草にも気品があります。そのお高くとまった雰囲気がアッコは気に食わず、ダイアナのほうも問題児であるアッコを良く思っていないようで、しばしば言い争いに。日笠陽子の出す高圧的な声がよく合います。
ちなみに、ダイアナの左右にいるのはそれぞれハンナバーバラ。ダイアナの腰巾着のような立ち位置で、事あるごとにダイアナを褒め称え、アッコたちを貶します。特にピックアップされる回もなく賑やかしに留まりますが、意外に登場頻度が高く、またバーバラのほうは実はこっそり『ナイトフォール』が好きだったり。

ロッテを気にかけてくれる、アーシュラ先生

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ルーナノヴァで魔法天文学を教えるアーシュラ先生。声を演じるのは日髙のり子。10年前からルーナノヴァで勤めています。冴えない見た目におっちょこちょいな性格と、先生としての風格に欠けるところはありますが、落第点を取り過ぎて退学の危機に瀕したアッコに特別授業をするなど、何かとアッコのことを気にかけてくれています。
10年前の出来事に関するある秘密を抱えており、アッコをやたらと気にするのもそれに由来します。物語中盤からは、シャイニィロッドを手にしたアッコに”7つの言の葉“を復活させるよう告げ、終盤に進むにつれて「リトルウィッチアカデミア」の物語により深く関わってきます(詳しくは後述)。

アッコの憧れの魔女、シャイニィシャリオ

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アッコが小さい頃に観た魔法ショーをおこなったシャイニィシャリオ。表記ゆれがあり、”シャイニーシャリオ”と書かれることも。「信じる心があなたの魔法」をキーワードに、派手な魔法で観客を湧かせましたが、魔女の間では上述の通り不評。ルーナノヴァの卒業生で、箒リレーでの優勝記録もあります。10年前に突如引退し、以来消息がつかめていません。
シャリオの引退が10年前で、アーシュラ先生のルーナノヴァ勤務開始も10年前。また、アーシュラ先生の声は日髙のり子が演じ、シャリオの声も日髙のり子が担当。また、映画版ではアーシュラ先生の髪の毛が一瞬赤く染まる場面も。視聴者にとってはもはや公然の秘密ですが、アーシュラ先生の正体はシャイニィシャリオというわけですね。

ポイント3:登場する魔法と”7つの言の葉”を知る

オーソドックスな魔法はだいたい登場

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「リトルウィッチアカデミア」に登場する魔法には、箒を使った飛行魔法や、画像でダイアナがやってのけている物体浮遊魔法、味を変える味覚魔法、植物の成長促進魔法、照明魔法、組み立て魔法、修復魔法、のちにアッコが得意とする変身魔法など、我々が他の作品で見たことのあるようなオーソドックスなものが多くあります。
ただし、「リトルウィッチアカデミア」の魔法行使の際に唱えられる呪文が独特で、例えば箒に乗って飛ぶ際には「ティアフレーレ」、変身する際には「メタモールフィーフォシエス」などといった、あまり聞き慣れない語感のものが登場します。この他にもいくつもあるので、注意して聞いてみると面白いでしょう。

魔法界の学問も数多く登場

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「リトルウィッチアカデミア」には、実際に行使する魔法以外にもさまざまな魔法学問が登場します。例えば魔法語学。画像で黒板に記されているルーナ文字は、太古の魔女が使用していたという文字という設定です。ちなみに6つ1組でアルファベットへの置き換えが可能だそうで、視聴者の中には実際に解読した人もいるんだとか。
その他、スーシィが好む魔法薬学や、数字を扱う魔法数秘学、使い魔となる動物とのコミュニケーションに必要な魔法言語学、アーシュラ先生が教える魔法天文学、魔法の歴史を学ぶ魔法史学、試験範囲が「利他的行動における魔女存在論とその他生物の互恵的利他主義について」と難解な魔法哲学などが登場しています。

世界改変魔法と”7つの言の葉”

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アッコの前に突如現れたシャイニィロッドなる杖。シャリオがショーで用いていた杖ですが、本来は世界改変魔法・グラントリスケルの封印を解くために必要なアイテムで、正式名称をクラウソラスといいます。この杖を持つ者が封印されし”7つの言の葉“を復活させることで、グラントリスケルが解放され、世界を変える力を手にすることが出来ます。
“7つの言の葉”を復活させ世界改変魔法を発動させることで笑いと喜びに満ちた世界を創ろうとしていたシャリオですが、6つまで復活させたところで杖を手放すことに。10年の時を経てアッコの前に杖が現れ、アーシュラ先生の助言を受けながら、今度はアッコが”7つの言の葉”を復活させていきます。

7つの言の葉それぞれに意味がある

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アッコが最初に復活させた言の葉、”ノットオーフェ・オーデン・フレトール“には「目指せ理想の場所へ」という意味があります。次に復活させる”フェドアリー・アフェルゴ“には「夢見たものが手に入るのではなく、一歩ずつ積み重ねたものが手に入る」、その次の”アライアリーラ“は「開け心よ、笑おう一緒に」というように、7つ全てにそれぞれの意味が付加されています。
それぞれの”言の葉”が必要な場面で杖が反応し、”7つの言の葉”はその時にのみ唱えて復活させることができるので、”言の葉”を復活させるたびにアッコはそれに応じた経験を積んでいきます。「リトルウィッチアカデミア」におけるアッコの成長は、この”7つの言の葉”の復活に被せて描かれています。

ポイント4:「リトルウィッチアカデミア」が現実に起こした魔法を知る

短編映画版の海外からの評価が凄まじかった!

「リトルウィッチアカデミア」の魔法は作中に留まりません。もともと「リトルウィッチアカデミア」は、2013年に実施された若手アニメーター育成プロジェクト・アニメミライ2013において制作された短編映画なのですが、これをTRIGGERが英語字幕付きでYouTubeにアップロードしたところ、海外のユーザーから高評価を受け、続編を望む声が多く集まりました。
そこでクラウドファンディングを募ったところ、開始6時間で15万ドル、最終的には62.5万ドルが集まり、晴れて続編の制作と相成りました。こうして出来上がったのが、2015年に公開された映画「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード」です。アメリカで開催されたアニメエキスポ2015での先行上映ではスタンディングオベーションが起こったとか。

映画版「リトルウィッチアカデミア」も是非チェック!

こうして日本のみならず海外にまで魔法をかけたかのような大反響を呼んだ「リトルウィッチアカデミア」がTVシリーズ化されたのが、2017年1月から2クール、全25話にわたって放送された「リトルウィッチアカデミア」というわけです。
なお、TVシリーズだけしか知らないという人も少なくないでしょうが、TVシリーズは前2作の続編ではないリメイクのようなかたちとなっており、TVシリーズだけを観ても十分に「リトルウィッチアカデミア」を楽しむことが出来ます。
しかしせっかくですから、個人的には映画版「リトルウィッチアカデミア」のほうも観ておくことをオススメします。TVシリーズとわずかに異なるキャラクター設定や、映画版だけの呪文など、こちらもみどころ満載です。

ポイント5:「リトルウィッチアカデミア」で描かれているものを考える

新人アニメーターのメタファーとしての新人魔女

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もともと若手アニメーター育成プロジェクトの一環である「リトルウィッチアカデミア」。監督・吉成曜は、「新人アニメーターが、深夜枠の魔女っ子アニメに憧れて来ました、みたいなノリ」で制作にあたったといいます。アニメに憧れて「自分もあんなアニメを描きたい」と思う気持ちは大事ですが、実際にそれだけでアニメーターをやっていくにはさまざまな困難が伴います。
「リトルウィッチアカデミア」で描かれるのは、まさしくこのアニメーター(アニメ制作)をやっていく過程でぶつかる困難の数々なのです。魔法=アニメだと考えると、最初のアッコはろくに原画も描けない状態だといえますし、世界設定として魔法が廃れ気味であるというところにも、監督はじめ制作者たちが考えるアニメの現状が反映されているように思えます。

制作者に対する視聴者という視点

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ミーハー新人アニメーターの置き換えであるところのアッコに対し、ロッテは視聴者的な位置づけで描かれています。TVシリーズ第4話「ナイトフォール」で、『ナイトフォール』の著者が次々引き継がれていることを知り、自身でその続きを書けるかもしれないという状況になった時、ロッテはそれを固辞します。
ロッテ曰く、「アッコはシャリオになりたいかもしれないけど、わたしはアナベル(『ナイトフォール』の著者名)になりたいわけじゃない。自分の好きな人と同じことをやりたいわけじゃないの」。アニメが好きだからといって、誰もがアニメを作りたくなるわけではありません。こういう視点を持つロッテがアッコのストッパーになるというのも、何だか意味深に思えてきます。

やりたいことを好きなだけやるわけにはいかない

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TVシリーズ第8話「眠れる夢のスーシィ」では、深い眠りに落ちたスーシィを起こすために、アッコがスーシィの夢の中に入り込み、そこでスーシィの隠し持つさまざまな思いに触れていきます。この話のなかで、スーシィの消される思いをアッコが助けてしまったばかりに、スーシィの思いが暴走し始めるというシーンがあります。
その際に”天使スーシィ”が言う、「人間はみな自分の中の自分を殺して生きているんです。みんながみんな自分の中に生まれたあんなことしてみたいやこんなことしてみたいという気持ちを殺さずに生きていたら、世界は相当ヤバい奴と、ド変態だらけになってしまうのです」という台詞は印象的。アニメ制作も、やりたいことを好きなだけ形にしているようでは話になりません。

アニメ制作に置き換えて考えると面白い?

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この他、第16話「ポホヨラの試練」などは結構露骨で、アッコがイエティに薬の素を作ってもらう際にリテイクをお願いしたり、自身に対する世間の声をエゴサーチで知って落ち込むイエティに「そんな世間のしょうもない評判気にしてどうすんのよ!」と一喝したり。この回のアッコはまるで制作進行演出家のようです。
ひとつの作品の読み取り方・味わい方は十人十色ですが、「リトルウィッチアカデミア」の制作動機を考えると、このようにアニメ制作現場の比喩だと思って捉えていくことでかっちり嵌まるかと思います。まさしくアニメ制作現場を描いた2015年のアニメ「SHIROBAKO」なんかも参考にすると、より面白くなるのではないでしょうか。

ポイント6:ゲーム化も! 「リトルウィッチアカデミア」の今後の展開を押さえる

オリジナルストーリーで展開されるゲーム版! アニメのほうは・・・

ここまでアニメを媒体に扱われてきた「リトルウィッチアカデミア」ですが、2017年11月30日にはゲーム版として「リトルウィッチアカデミア 時の魔法と七不思議」が発売されます。ジャンルはドッキドキーのワックワクーなアクションアドベンチャー
ルーナノヴァを舞台に、「朝が来ても明日が来ない」謎を解き明かすストーリーが展開されます。ゲームオリジナルのアニメパートも存在し、もちろんTRIGGERが制作しています。「リトルウィッチアカデミア」の魔法をまだまだ堪能できますね。
ちなみにアニメの続編は吉成監督としては今のところあまり作るつもりはないようで、TVシリーズ放送終了後には「続編を出すなら5分アニメ」とコメントしています。果たして制作されるのでしょうか。

信じる心があなたの魔法! 「リトルウィッチアカデミア」をもう一度!

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絵柄や作風が何となくカートゥーンネットワークのアニメを彷彿とさせるからかもしれませんが、「リトルウィッチアカデミア」は観ていてとても気軽に楽しめるアニメだと感じました。昨今深夜アニメで流行りの”萌え”重視な絵柄ではないので、普段アニメを観ないような人や子どもにもオススメできる作品です。
公開・放送は終了してしまいましたが、今から観る手段はいくつもあります。一度観たという人、映画版だけ観てないという人、あるいはもしかしたら全く観ていないという人もいるかもしれませんが、この記事を読んだのをきっかけに、「リトルウィッチアカデミア」をもう一周してみるのはいかがでしょうか。

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