【∀ガンダム/ロラン・セアック】もはやヒロイン!?ロランの魅力を紹介!

ロラン・セアックとは1999年に放映されたアニメ『∀ガンダム』のメインヒロイン。銀髪に褐色肌でファンの男性たちをトリコにした、萌え美少女である! ……ウソです、すみません。ロランは主役メカ、∀ガンダムことホワイトドールのパイロットであり、主人公。性別はれっきとした男である。
が、ネットを見ていてもロランをヒロインと呼んでいる例は結構多い。それは何故? ここではそんな彼/女の魅力を中心に『∀ガンダム』について紹介していこう。

『∀ガンダム』ロラン・セアックとは?

出典:https://www.amazon.co.jp

『∀』は『機動戦士ガンダム』誕生20周年に当たる1999年、富野由悠季総監督の下、「全てのガンダムシリーズを肯定する」ことをテーマとして制作された。この「∀」も数理論理学における「全ての~」という意味を持つ記号であり、まさに本作は「全てのガンダム」の頂点に立つ作品であると言える。

しかしそんな∀ガンダムのデザインはシド・ミードによるもので、従来のモノとはかなり異なっており、少なからずファンの混乱を招いた。同様に本作の主人公、ロラン・セアックもまた、中性的なルックスとボディライン、声を担当したのは女性声優と異色ずくめのキャラ。そんな彼/女の魅力を、ここでは語っていこう。

『∀ガンダム』ロラン・セアックの魅力1 謎すぎる出自とちょきんぎょの秘密

本作の舞台は正暦2343年の地球。とはいっても19世紀~20世紀初頭のアメリカを思わせるような牧歌的な世界観であり、ファンたちには「ガンダム版名作劇場」などと呼ばれたりもした。ロランはそんな中、鉱山領主であるハイム家の使用人兼運転手として働いているのである。が、彼/女の正体はムーンレィスであった。かつての最終戦争によって荒廃した地球から月に移り住んだ人々の末裔であり、月の女王ディアナ・ソレルの地球帰還作戦の先行調査隊として送り込まれてきた、悪い言い方をすればスパイであったのだ。

そんなロランだが、両親すらもがはっきりしない謎すぎる出自の持ち主でもある。彼/女が肌身離さず持ち歩き、服を脱ぐシーンではチ〇〇を隠す重責を担うちょきんぎょ――じゃなかった、ブリキの金魚「メリー」は唯一の親との接点であるらしいのだが、その設定も小説版、漫画版などで微妙に異なっているなど、判然としない。

『∀ガンダム』ロラン・セアックの魅力2 ∀ガンダムで人を殺さない!

さて、すっかりハイム家の使用人として地球人に溶け込んでいたロラン。成人式の日の夜、儀式のためちょきんぎょ一丁というあられもない姿をしていたところ、月の市民軍ディアナ・カウンターが襲来、町は大混乱に。その時、ホワイトドールと呼ばれる石像の中から∀ガンダムが姿を現した。ロランはこれに乗り、ディアナ・カウンターに立ち向かったのである。

先にスパイと書いたが、ロランはディアナ王女を敬愛することからも判る通り、月を故国として愛し、しかし同時にハイム家のお嬢様であるソシエにも憧れの感情を抱いていることが象徴するように、地球の人々をも愛している(ディアナとソシエが瓜二つであることがストーリー上の重要な意味を持っているのだが、ロランがこの二人を愛しているのは実に示唆的だ)。

そんな、敵味方分け隔てなく人々を思いやるロランは基本的に人を殺さない。∀ガンダムで戦う時も相手の戦闘力を奪うことを主目的とすることがほとんどだ。また、∀ガンダムのボディを橋代わりに使ったり、牛を運ぶのに使ったり、更には洗濯機、乾燥機代わりに使って洗濯したりと、まるで家電代わりのようにすることもしばしば。そんな優しさと「俺の嫁」にしたらさぞかしよく働いてくれるだろうな……と思わせるところもまた、ロランの魅力なのである。

『∀ガンダム』ロラン・セアックの魅力3 超かわいい女装姿に萌える!?

そんな可愛いロランきゅんを世間が放っておくわけがない! 領主の変態御曹司、グエン・サード・ラインフォードの毒牙にかかったロランは女装させられ、ローラ・ローラと名乗らされてしまったのだったあ!!

い……いや、実のところモビルスーツを繰り出してくるディアナ・カウンターに対して、地球側の戦力は各地方領主の持つプロペラ機が最新鋭というレベル。そこへ登場した秘密兵器、∀ガンダムのスゴさを最大限にアピールするため、「地球では女子供でも機械人形(モビルスーツ)を操れるのだ」とハッタリをかまそうというのがグエンの真意であった。
つまり敵より優位に立つ政治的駆け引きのカードとするための女装であった……という理由はある。あるにはあるのだが、どうも後づけっぽいような……その大義名分でロランに公衆の面前での女装を強いるというのも、何かマニアックなプレイにも思えてくる!

『∀ガンダム』ロラン・セアックの魅力4 芯の強さが伺える名言!

さて、富野アニメというとその独特の台詞回しが特徴だ。
ではロランの名セリフとなると?
「みんな、地球って、とってもいいところだぞ。早く戻ってこい! 地球はとてもいいところだ! みんな! 早くもどってこぉぉーーーーい!」
(第1話「月に吠える」)
やっぱりこれだろう。
第1話のクライマックス、地球から故郷の仲間たちへと呼びかけたセリフだ。

「ぼくは、ぼくはもう……我慢していられないんだ……! 皆さん……ぼくはね……ぼくはムーンレィスなんです! ムーンレィスなんですよぉ!!」
「ぼくは二年前に月から来ました。けど、月の人と戦います。だけども、地球の人とも戦います。人の命を大切にしない人とは、ぼくは、誰とでも戦います!」
(第8話「ローラの牛」)
これは地球人とムーンレィスとの諍いが起きた時のセリフ。ムーンレィスも地球人も愛しているロランは両者が醜く罵りあう光景を見兼ね、自分の出自をカムアウトしてしまう。その言葉は優しさと共に、強い意志をも感じさせるモノであった。

『∀ガンダム』ロラン・セアックの魅力5 声は人気声優の朴璐美!

ロランを好演した朴璐美さんは同じ富野アニメ『ブレンパワード』のカナン・ギモス役で声優デビュー。本作への主演もそれがきっかけ……というよりは富野監督は最初から、ロラン役として彼女に目をつけていたという。少年役、お姉さん役と何でもこなす人気声優だが、何と在日韓国人三世。近年に日本に帰化したが、若い頃は「学校では日本、家に戻ると韓国」といったような二重生活を送っていたという。

性別を超え、女性役も男性役も演じ、国籍を超え、日本で活躍する朴璐美さん。そんな彼女が性別を超え、月と地球の国籍を超えて活躍するロランを演ずるというのはまさに運命的だ!

『∀ガンダム』ロラン・セアックの魅力6 ギンガナムとの激闘と月光蝶の発動!

最後にロボットアニメらしい話題にも触れておこう。戦いは好まないロランだが、ギンガナムとは再三に渡って戦いを繰り広げる。ギム・ギンガナムは∀ガンダムの「お兄さん」とも呼ばれるターンXを駆る、好戦的な月の軌道艦隊総司令。女王であるディアナ・ソレルの言うことすら聞かない、どこまでもロランとは対照的な人物だ。

最終的には∀ガンダムは「月光蝶」を発動。これはナノマシンを散布、全てを崩壊させるという究極の兵器で、かつては地球の文明を滅ぼし「黒歴史」をもたらしている。ロランは敢えてこの忌まわしいシステムを発動、ギンガナムを葬ったのである(直接倒した描写はない)。

ロラン・セアックはマージナルな存在!

――以上、簡単に説明してきたが、ロランの魅力を伝え切れたろうか? 本作は月と地球の対立が描かれるが、ロランはその両陣営にとってマージナル(境界にいる)な者、異分子だ。白い髪に黒い肌、少女のようで少年といった特徴もその異質さの表れであるように思える。そしてそんな異質性、両価性を持っていたからこそ、彼/女は月と地球の調停者たり得た。それはまるで、「鉄腕アトム」が子供であり、人間型ロボットであるからこそ、人間とロボットの調停者の役割を果たしたように。

出典:https://www.amazon.co.jp

妖しい魅力で女性も男性もトリコにするロラン/ローラ、ぼくたちが彼/女に萌えてしまうのも、当然のことだよね!
∀ガンダム Blu-ray Box I
∀ガンダム Blu-ray Box I
posted with amazlet at 17.10.13
バンダイビジュアル (2014-09-24)
売り上げランキング: 37,566