名作タッチの実写映画は駄作?双子と南のキャストなど人気作を徹底解説

昭和漫画の名作「タッチ」は、漫画家・あだち充先生が執筆した高校野球をテーマにし、青春ラブコメディを盛り込んだ漫画でした。2005年に公開された実写映画「タッチ」は、女優・長澤まさみさんが主演したことで話題になりました。「駄作?」とまで言われてしまった実写映画「タッチ」を徹底解説していきたいと思います。

「タッチ」とは?

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1981年から1986まで「週刊少年サンデー」で連載された「タッチ」は、漫画家・あだち充先生の代表的な作品となります。野球を軸とし、青春ラブコメディの要素も取り入れられたストーリーは、幅広い年齢層に支持され幾度となく発行されていきました。
累計発行部数1億万部以上突破し、不朽の名作となります。1985年からはフジテレビでアニメ「タッチ」が放送開始し、映画からスペシャルアニメまで制作。「高校野球と言えばタッチ」の代名詞が付くほど大ヒットを飛ばします。2005年には女優・長澤まさみさんが主演で実写映画「タッチ」が公開されました。

実写映画「タッチ」あらすじ

映画「タッチ」の主人公・浅倉南は、双子の兄弟・上杉達也と和也とは家が隣で幼馴染の関係でした。3人で共同の勉強部屋を持ち、小さい頃から庭先でキャッチボールを楽しんでいたため、達也と和也は野球に対して情熱を持っています。
3人揃って明青学園に入学し、和也は野球部の部員、南はマネージャーとして野球部に入部し、和也と南は高校野球の憧れでもある「甲子園」を目指していきました。出遅れた達也は、ボクシング部に入部し何となく高校生活を送っていきます。

和也が入部した野球部は、予選大会を勝ち抜いていき決勝戦まで進んでいきました。ところが、決勝戦当日に和也は子供がトラックに轢かれそうになったために救出しトラックにぶつかり死去…。
南や、多くの人間たちが和也の若すぎる死に悲しんでいました。そんなある日、野球部のキャプテン・黒木がお金を払って達也と対決し、負けた達也は野球部入部をすることになり、和也の夢だった甲子園を目指しはじめます。

映画版「タッチ」で南を演じる女優は長澤まさみさん!

2000年に行われた「第5回東宝シンデレラオーディション」でグランプリを受賞して芸能界でデビューを果たします。2003年の映画「ロボコン」は、長澤まさみさんが映画初主演作品となりました。
「ロボコン」で第27回日本アカデミー賞新人賞受賞をし、女優としての道を着実に歩んでいきます。2005年の映画「タッチ」ではヒロインの浅倉南役に抜擢され、過去のインタビューではそれまで漫画「タッチ」を読んだことが無かったとお話されていました。

1987年06月03日生まれの長澤まさみさんにとって生まれる前の漫画ですから、当然の回答だったといえるのではないでしょうか。南役が決定した後に、漫画「タッチ」をすべて読破し世界観がとても良かったと語っていました。
劇中の南を演じている長澤まさみさんの笑顔がまぶしく、さわやかな印象をがあり釘付けになった観客が多かったと想像ができますよね。

映画版「タッチ」の達也と和也はリアルな双子俳優だった?

2005年時点で有名な若手双子俳優と言えば、斉藤慶太・斉藤祥太さんのお2人。1985年11月18日生まれの慶太さんと祥太さんは、2000年にスタートしたTBSの昼ドラマ「キッズ・ウォー」シリーズに出演して女優の井上真央さんと共に大ブレイクしました。
2004年から2009年までは「王様のブランチ」のレギュラー、ドラマなど数々出演しイケメン俳優としての有名になります。映画「タッチ」では、双子の達也と和也を演じたことでも話題になりました。

南役の長澤まさみさんと共に参加した記者会見で、記者は長澤まさみさんに「現実の世界で慶太さんと祥太さんを選ぶならどっちがいいか?」とタッチならではの(難しすぎる)質問をしたそうです。
すると、長澤まさみさんは以前同じような質問をされた時に、慶太さんと祥太さんがどちらも遠慮してしまうと回答したことがあったことに対し、はっきりしない男は選ばないと質問に答えます。慶太さんと祥太さんもこれには苦笑いする場面もあり、撮影は和気藹々していたのだと考えられますよね。

新田明男にはあの俳優さんが!

達也のライバルになる須見工業高校の新田明男役に、俳優の福士誠治さんが演じていました。福士誠治さんは、映画「タッチ」公開後、2006年にフジテレビで放送されたドラマ「のだめカンタービレ」で孤高のオーボエ奏者・黒木泰則役でブレイクしていくのですが、新田明男役をしていたとは意外ですよね。
新田はあまり会話をする人物ではなく、表情で伝えることが多いキャラクターです。映画「タッチ」でも話すシーンはほとんなかったため、福士誠治さんのファンでも知らなかった人も多いのではないでしょうか。
新田は冷静で寡黙な性格なため、黒木泰則とも近いイメージの人物。翌年の2006年放送された「のだめカンタービレ」のキャスティングスタッフは、もしかしたら映画「タッチ」の福士誠治さんを観て起用したのかもしれませんね。

映画版「タッチ」主題歌は元ジュリマリのYUKI

YUKIの書き下ろし「歓びの種」

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1993年「JUDY AND MARY」のボーカルとしてデビューしたYUKIさんは「そばかす」「クラッシック」「くじら12号」などのヒット作品を生み出していきます。2001年には突然の解散を発表しファンを泣かせましたが、2002年にはソロ活動を開始しました。
映画「タッチ」の主題歌「歓びの種」は、YUKIさんがソロデビューしてから通算12枚目のシングルとして発売されています。達也が挑んだライバル・須見工業高校の新田明男との直接対決で勝利し、青空で終了するシーンの直後に流れていました
スローテンポの曲調と、透明感のある歌声の「歓びの種」は、とてもYUKIさんらしい曲ですよね。映画「タッチ」の上映が終了した後でも、名曲としてファンには語り継がれています。

映画版「タッチ」のロケ地はどこ?

映画「タッチ」の主なロケ地は、神奈川県、群馬県高崎市、埼玉県さいたま市が協力しているようです。明青学園と須見工業高校が予選大会の決勝戦をした球場の内部は、埼玉県さいたま市にある埼玉県営大宮公園野球場でした。
この埼玉県営大宮野球場は、埼玉県のトップを決める予選大会を行う実際の野球場でもあります。2017年に埼玉県営大宮や球場で行われた予選大会では、甲子園で行われた「夏の全国高等学校野球選手権大会」の優勝校でもある花咲徳栄高等学校も出場しました。

花咲徳栄高等学校も、映画「タッチ」の決勝シーンで、多くの生徒がエキストラとして出演しています。高校野球をテーマにした作品のエキストラに選ばれていたというのは、その後の初優勝を予感していたのかもしれませんね。
また、達也を演じた斉藤祥太さんも花咲徳栄高等学校が甲子園の決勝戦に進んだ際には、ツィッターで喜びの声をツィートしていました。斉藤祥太さんの興奮が抑えきれないツィートには、映画「タッチ」ファンも喜んだのではないでしょうか。

映画版「タッチ」評価は?

漫画版「タッチ」との違いは?

映画「タッチ」ですが、実はかなり漫画「タッチ」とはストーリーが異なりました。和也が交通事故で亡くなり、代わりに達也が甲子園へ行くのには変化はないのですが、それまでの課程が大きく異なっています。
まず第一にクローズアップされているのが、和也と達也の母親・上杉晴子です。漫画「タッチ」ではシリアスに描かれていることが少なく、達也に似てひょうきんな明るい母親として登場していました。
映画「タッチ」では和也と達也のことを心配する母親として描かれています。また和也の死後、南は新体操部の活動に移行していくエピソードはまったくなくなり、それに関係しているライバルの新田との恋の駆け引きもありません。

評価は賛否両論

映画「タッチ」の評価は、かなり賛否両論が極端にある映画だと考えられます。映画と漫画との設定の違いや、ライバルの新田と戦うストーリーが簡略化されていることもあり、あっけなく甲子園へ行ってしまった印象が拭えないのは事実ではないでしょうか。
漫画「タッチ」をリアルタイムで読んでいた世代のファンは、とてもあっけなく感じたようです。連載が終了し「タッチ」の世界観を知らない若い世代は、映画「タッチ」を映画として楽しんだということで好印象があった結果だと思われます。
豪華なスタッフが集結し、決して完成度が低いわけではないのですが、「タッチ」が長い間愛されてきた作品だからこそ、観るファンの世代によって賛否両論のギャップが多い映画になったといえます。

映画版「タッチ」の前には実写ドラマが放送されていた?

実写映画にもなった「タッチ」。実は実写ドラマ化もしていたんです。実写映画・ドラマと当時では異例のメディアミックスが行われていたんですね。
フジテレビ系列の「月曜ドラマランド」(毎週月曜日19:30 – 20:54、JST)で1987年6月1日に放送された。

南役は1986年に開催されたミス南コンテストグランプリの浅倉亜季。達也と和也は男闘呼組の岡本健一が一人二役で演じた。プロデューサーは岡正、音楽は芹澤廣明がアニメと共通だった。

原作及びアニメ版との相違点

和也が車に撥ねられ、臨終のシーンが登場し、ストーリーが達也と南が和也の死から立ち直るまで描かれている。

アニメ版エンディングテーマ「君をとばした午後」が劇中歌で流れている。EDテーマをおニャン子クラブが歌っている(月曜ドラマランド枠で放送していたため)。

達也が悪送球をしてチームが逆転負けするシーンがある。

原作では最終話で達也の部屋に優勝記念の盾が飾られていることで明青学園が甲子園で優勝した設定になっている。原作、アニメ共に甲子園での描写は省かれたが、『タッチ Miss Lonely Yesterday あれから君は…』では決勝相手の尾知商業を3-2で破り優勝している。このとき達也は151km/hを投げ、その後ドラフトを断り大学に進学する。南もインターハイ新体操で個人総合優勝を果たしている。

出典:https://ja.wikipedia.

ドラマはフジテレビで放送。ビデオ化やDVDは販売されていないのは、和也と達也役には当時ジャニーズのアイドルロックグループ・男闘呼組(おとこぐみ)だった岡本健一さんが演じていたためだと思われます。
CG技術が発達している2017年とは違い、1986年はまだまだリアルなCG映像が作られていなかった時代に、双子役という1人で2役演じるのは大変だったと想像できますよね。
ヒロインの浅倉南役には、「ミス南ちゃんコンテスト」で優勝し、南の苗字「浅倉」を芸名につけたアイドル・浅倉亜季さんでした。その後浅倉亜季さんは芸能界を引退しているので、映像がDVD化などになることは期待できないようです……。

駄作と言われた実写映画「タッチ」はやっぱり駄作だった?

漫画家・あだち充先生の名作を映像化した、映画版「タッチ」。浅倉南役には長澤まさみさん、上杉達也・和也の双子の兄弟には、本当の双子俳優・斉藤慶太さん、斉藤祥太さんと非常に豪華なキャスト陣でしたね。
長編の漫画を映画化させたことで、設定を変更したり、エピソードをカットしなくてはいけないという制約の結果、熱狂的な漫画版「タッチ」ファンの間では「駄作なんじゃないのか?」の議論まで巻き起こった作品となってしまいました。
ですが、長澤まさみさんのファンにとっては、キラキラと輝く浅倉南の姿を観れたことでは一定の満足感は得られたのではないでしょうか。また原作を念頭に置くのではなく、一本の映画として向き合って観てみることもオススメします。
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